2015年5月1日、石垣市条例で、チャイロマルバネクワガタとヤエヤママルバネクワガタとヤエヤマノコギリクワガタは採集禁止となりました。 下記、採集記は規制以前のものです。 |
2008.12.05(金)へっぽこ遠征in八重山列島(2日目) 沖縄県・石垣島 8:00AM 曇りのち雨 17℃ (強風) 石垣島遠征、2日目の朝。 昨日は生体こそ確認できなかったが、直前まで活動していたと思われるヤエヤママルバネの亡骸を確認できたので、遠征2日目となる今日は更なる発見を期待していきたい。まずは、宿の朝食をしっかり頂き身支度を整える。
朝食後、山へ向かう。天候は曇りの様だが、ドンヨリしているのでいつ雨が降り出してもおかしくない。
途中、海に面した場所に来たので少しだけ海を見てみると、曇り空のせいか海の色もあまり蒼くない。沖の方まで目をやると蒼さを確認できるのだが、やはり南西諸島の海は晴れている時が一番美しい。
暫くレンタカーを走らせ目的地周辺までやって来た。それにしても昨日以上に風が強烈である。離島特有の事だが、海が近い事もあって風がダイレクトに伝わってくる。決して大袈裟ではないほどに、レンタカーが風で動きそうなくらい、その勢いは強烈なのである。
車を降り徒歩で探索を進める。ここまで風が強いと樹の枝にチャイロマルバネが居る様なシチュエーションは厳しいだろう。確認範囲は狭くなるが路上中心に探索を開始する。当然、チャイロマルバネの活動として時期外れだという事は承知している。
林道の所々に側溝もあるので、この様な場所も大いに可能性があるので念入りにチェックしていく。
探索を開始してまもなく黒い物体が確認できたので、近付いてみるとAパーツのみのヤエヤママルバネ♂であった。コアブロックとBパーツは離脱してしまったのか判らないが、おそらく路上歩行にて力尽きた個体だろう。とりあえずは周辺にヤエヤママルバネが生息している事が窺えただけでも、大きな収穫として喜びたい。実は近くに民家もある様な低標高地であったが、自分の目で確かめる事によって新たな発見が出来るというのが探索の最大の楽しみだと感じている。
・・・それにしても風が強い。時折、強風で空気が振るえ、山全体が唸り声をあげるかの様な状態になり恐怖すら感じる。改めて考えてみれば、夜間はこの様な状態で更に視覚効果も失われるので更に恐怖心が増す。最近は回数を重ねる事で多少慣れてきた感もあるが、やはり怖いものは怖い。
暫く探索を続けていると道端にまたしてもヤエヤママルバネの亡骸を確認できた。見た感じ、この個体は力尽きてそれなりに時間が経過した事が窺える。昨日からの探索内容を見た限り、やはり12月上旬という事もあって殆どの個体は力尽きているのだろう。それでも“へっぽこ探索”としては、この様な状況下だからこそ“12月の野外活動個体”に拘ってみたいと強く感じる。
その後、林道脇の倒木を裏返して見た所、樹皮の隙間にヤエヤマサソリが潜んでいた。以前、与那国島でも確認した事があるが南西諸島でよく観掛けるサソリモドキと違い、これは本物の蠍である。因みに石垣島にはタイワンサソリモドキも生息している。画像を撮った後リリースする。
ヤエヤマサソリをリリースしたすぐ近くにサキシマヒラタ♂の亡骸を確認する事が出来た。サキシマヒラタは1年中、石垣島で確認できると言われているが、やはり冬の時期は個体数は減るのだろう。今回の探索は“野外活動個体”なので、サキシマヒラタも含めた確認をして行きたい。
・・・朝から始めた探索であったが、気が付くと昼をとっくに過ぎているので、一度山を下りて昼食を取る事にした。
市街地に向かう途中、海岸線にてヒルギの林を目にした。いわゆるマングローグと言われるものである。奄美大島など大規模な群生も見られるが、石垣島では海岸線の至る場所で小規模な生息を目にする事ができる。一目で南西を意識できる植物だと思う。
市街地にて当然“ご当地そば”として「八重山そば」を食べる。何度も食べると飽きてしまうが、遠征中に一度はご当地そばを食べたくなる。因みに沖縄そば系は、そばと言っても蕎麦粉は全く使用せず小麦粉を原料としている。
「てびち」も食べる。因みに「てびち」とは豚足そのものを示す訳ではないらしく、沖縄料理の煮込みを意味するらしい。
・・・遅めの昼食後、宿に一度戻り体力回復の為、小休止することにした。
・・・小休止のつもりが目が覚めると、窓の外は真っ暗になっていた。慌てても仕方が無いので、まずはコンビニにて夕食を購入し、レンタカーを走らせながら夕食を取る。それにしても24時間いつでも気軽に入れるコンビニは重宝する。
車内にて夕食を終え、山へ向かっていると、何と雨が降り出してしまった...。天気予報で良くない事は理解していたものの、このタイミングで降り始めてしまうとは、いかにも“へっぽこ”らしい。路面が徐々に濡れてきたが、とりあえず夜の探索を行う為レンタカーを走らせる。
雨が降り出すと同時に外気も下がり始め、冷房を入れていた車内も堪らず暖房に切り替える。常夏の石垣島で、まさか暖房を入れる事になるとは想像もしてなかった。・・・考えてみれば12月なのである。
それでも山へ向かう。状況から見ると昨日と比べ物にならないほど厳しいと思われるが、せっかく石垣島まで遠征しているので、ダメもとで少しだけ探索を行ってみたいと思う。
目的地に到着すると路面の濡れている場所とそうでない場所がある。雨雲自体は大きなまとまりではない様で、山の向きなどによっては全く降ってない場所もある。いかにも離島らしい天候だと思い、路面の濡れてない場所を中心にヤエヤママルバネの歩行個体を探していく。
レンタカーにて路上を確認していくが、昨日の様にオオシママドボタルさえも確認できない状況である。やはり強風と共に気温がかなり低下している事も要因なのだろうか?しばらく歩行個体を探してみたが、全く雰囲気が感じられないので実績のある森に入ってみる事にした。
シイの樹をチェックして回る。幸い森の中は樹皮など濡れてないので状況としては悪くないが、時期的にヤエヤママルバネは樹に付いているのだろうか?・・・とにかく可能性がある限り、それを確認するのが“へっぽこ探索”だと希望を持って探索を続ける。
場所柄、非常に雰囲気のあるシイの巨木があるのだが、樹皮や洞を確認していくがクワガタらしき存在は確認できない。過去に何度もヤエヤママルバネやサキシマヒラタを確認している場所なので、可能性を信じ探索を続けていく。
・・・しかし、何本ものシイの巨木を見て回るが時間だけが過ぎていく。多少の薮漕ぎも行ったが、夜の山なので深入りして昨年の様に迷ってもいけないので、無理はしなかった。・・・残念ながら時間を掛けて探索を続けてみたが、結果としてクワガタを確認できなかった。
午前中に良い探索が出来ていたので、今晩こそヤエヤママルバネの活動個体を確認できるかと期待していたが、やはり12月という壁は大きいのだろうか?・・・明日は昼間に西表島へ観光に行く事になっている。どこまで自由が利くか分からないが、初の離島なので雰囲気は味わってみたい。 成績:ヤエヤママルバネ(亡骸) サキシマヒラタ(亡骸) |
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