ご注意!

2015年5月1日、石垣市条例で、チャイロマルバネクワガタヤエヤママルバネクワガタヤエヤマノコギリクワガタ採集禁止となりました。   下記、採集記は規制以前のものです。


2008.12.06(土)へっぽこ遠征in八重山列島(3日目)
沖縄県・石垣島→西表島→油布島→西表島→石垣島 7:00AM 曇りのち雨 16℃ (強風で寒い) 同行者:みつさん(石垣島、夜のみ)

石垣島遠征、3日目。

今日は↑上記の行った場所だけ見ると、凄い探索をしてる様な感じであるが、実の所は“単なる観光”なのである...。昼間は石垣島から西表島に渡り、そこから更に油布島にも寄り、再び石垣島に戻ってくる内容である。完全に旅行会社のオプションであり、クワガタ探索が目的ではない。しかし、感覚的に西表島を体感する事で今後の探索目標になる可能性もあるので、それなりの目的は持っていたりする。

晴れているが強風
晴れているが強風




午前8時に旅行会社が宿まで迎えに来てくれた。参加人数のわりには大袈裟なくらい大型バスであったが、大は小を兼ねると言った所だろうか?

バスが迎えに来た
バスが迎えに来た



宿を出発して10分ほどで石垣港に到着した。港そのものは東京の伊豆諸島に行く竹芝桟橋とさほど雰囲気は変わらないが、海の色は比べ物にならないほど石垣港の海は蒼い。

石垣港に到着
石垣港に到着



しばらく待っていると高速船が入港してきた。この船も先ほど宿に迎えに来た観光バスと同じ旅行会社の名前が入っているので、いかに石垣島にて観光収入が大きいかが窺える。

高速船に搭乗
高速船に搭乗



乗客がそれなりに乗船し高速船は出港する。窓の外は東京羽田周辺の雰囲気的に似ていると感じたが、考えてみれば港といえば倉庫やコンテナがある訳で、その風景はどこも同じ様な光景であろうと感じた。

石垣島を出航
石垣島を出航



・・・それにしても朝から強風という事もあってか、波が非常に高く荒れている。時折、船が波の煽りを受けて海の上でバウンドする程である。蒼い海の飛沫が、容赦なく窓に打ち付けられる。

蒼い波が荒れる!
蒼い波が荒れる!



船内にはテレビがありニュースをやっている。何となく観ていると、鳥取にて雪の話題が出ている。いま私は石垣島にて蒼い海を見ていながら、テレビのニュースは雪の話題である。同じ日本でもここまで違うものかと不思議な感覚だと感じる。やはり日本は狭くない...。

ニュースでは雪の話題
ニュースでは雪の話題



少しすると陸に近付いたせいか波の荒れは収まり始めた。石垣島から距離にして20kmほどの距離であったが、意外と時間は掛かった印象を受けた。

西表島が見えて来た
西表島が見えて来た




西表島到着。

今までも南西諸島、しかもすぐ近くの石垣島には何度も来ているのに、この西表島だけはなかなか来る機会がなかった。その理由は東京〜石垣島到着まで3時間以上の時間を掛けてくるので、西表島は石垣島到着後、更に40分以上も高速船に乗らないと来る事が出来ない。元々、石垣島は慣れて探索しやすい場所や滞在するにあたって24時間コンビニ営業など非常に便利な島であり、西表島の“幻のヤエヤマコクワ”を意識しなければ、産地別の標本や飼育に全く興味のない自分にとって石垣島だけで充分に事足りてしまう。

今回は3泊4日という割りと時間がある日程なので、遠征3日目は西表島観光のプランを差し込んでみたが、もし“今後の探索”に意欲が湧いてきたら、また改めて西表島探索を検討するかも知れない。まずは観光会社の流れで高速船から遊覧船に乗り換え、西表島の仲間川を遊覧する。

遊覧船に乗り換える
遊覧船に乗り換える



川から森を見て雰囲気を感じてみたい所であるが強風の影響なのか、体感温度は非常に寒く感じる。念のため厚手の長袖の上着とニット帽を持参したのだが、それでも寒さを感じる。沖縄といっても流石に12月の河川では、この様な状況もあるのだろう。

西表島の仲間川を遊覧
西表島の仲間川を遊覧



しばらく添乗員の案内などを聞いてみるが、それ程興味深い話でもなかったので、一般的にマングローブと呼ばれるヒルギの森を眺めながら西表島のクワガタを妄想していく...。

ヒルギの森を行く
ヒルギの森を行く



途中、添乗員の案内で一度接岸し陸に上る。案内によると有名な観光スポットとの事で、長寿の「サキシマスオウ」だと言う。・・・って、何となく見ていて、ふと感じたのは「何かで見た記憶がある!」であった。西表島のこの画像を見てピンと来る方も多いのではないだろうか?

サキシマスオウ
サキシマスオウ


とりあえず、それなりに遊覧が終了した後は、この西表島から更に隣接する油布島に渡る事になる。今度は油布島の発着所まで観光バスにて移動する。途中、先ほどまで遊覧していた仲間川の橋にてイリオモテヤマネコのオブジェを確認した。

イリオモテヤマネコのオブジェ
イリオモテヤマネコのオブジェ



少し走ると西表島の道路だけあって“イリオモテヤマネコ注意!”を促す看板をよく見掛ける。写真を見た限りでは対馬のツシマヤマネコに良く似ている感じがする。自分が運転するレンタカーであれば一度停車して、しっかり撮影したい所だが、他の観光客も居る観光バスなので少ないチャンスを窺いながらシャッターを切る。

イリオモテヤマネコの看板1
イリオモテヤマネコの看板1



他にも看板は存在し、特に下の画像はイリオモテヤマネコが出現した場所に必ず設置される看板らしく、この道路沿いにかなり確認する事が出来た。イリオモテヤマネコは夜行性なので昼間にはまずお目に掛かる事は出来ないが、生息地周辺の雰囲気を感じる事が出来ただけでも良しとしたい。因みにこれでツシマヤマネコとイリオモテヤマネコの生息地に来る事が出来たので、それなりに満足感もある。

イリオモテヤマネコの看板2
イリオモテヤマネコの看板2



観光バスの中から「何か面白いものはないのか?」と窺っていると、電線にカンムリワシの姿を確認した。これも八重山列島ならではの猛禽類なので確認できて良かった。

カンムリワシ
カンムリワシ




油布島発着所に到着し、ここから油布島へは“水牛車”に乗って移動する。何となく絵葉書やパンフレットなどで目にした方もいるかも知れない。

水牛車にて油布島へ渡る
水牛車にて油布島へ渡る



西表島から油布島まで、水牛の足でも10分足らずで到着してしまうほど近い。運転手というか船頭?さんは、その間の時間を利用し三線にて曲を奏でてくれる。非常に風情があって癒される空間であった。

牛車内
牛車内



油布島に到着したからと言っても1周2kmほどの本当に小さな島なので、特にする事もないのだが観光のプログラムではここで昼食なので、用意された弁当を食べる。因みに現在この油布島に住んでいる人は居ないとの事で、過去には島民も居て学校もあったが大型の台風が来た際、大津波が発生した事があってから、現在は完全なる観光地になってしまったとの事である。

油布島で昼食(海ぶどう)
油布島で昼食(海ぶどう)



昼食後、特に何もする事もなく土産物を買わされる様なシステムが嫌だったので、少し散策しているとリュウキュウイノシシが寝ていた。持っていたサーターアンダギー(沖縄風ドーナツ)を1個投げ入れてみると、5頭ほど寝ていたリュウキュウイノシシは匂いにて一気に目を覚まし、我先に食べようと猪突猛進の如く近寄ってきた。・・・山で出会いたくないが、意外と可愛い奴らである。

リュウキュウイノシシ
リュウキュウイノシシ



油布島にて1時間強ほど滞在した後は、再び西表島に戻る。来る時は干潮時だったが、潮が満ちて来た事で更に雰囲気が出てきた。帰りの三線の曲は「涙そうそう」であった。・・・この位であれば自分でも弾ける様になってるので、久しぶりに自前の三線を弾きたくなってきた。

再び浅瀬を渡り西表島へ
再び浅瀬を渡り西表島へ



油布島から水牛車に乗り、10分もあれば西表島に到着する。この後、観光バスに乗り港に戻り、そこから石垣島へと戻る形になる。基本的に観光がメインの西表島だったが、様々な場所から山を眺める事はできた。西表島の山々は石垣島とは全く異なるであろう、深く険しいものを想像させる。思い出せば昨年、石垣島にて「むし社」の標本修理工Tさんからお話を伺った限りでは、西表島はかなりのベテラン採集者でも深入りは禁物だと仰っていた事が判る様な気がする。深過ぎる西表島の山の状況から見ても、ヤエヤマコクワの採集例が少ない理由も理解できる。・・・なんと言うか、今までであれば「ヤエヤマコクワ探索をしてみたい!」と思う所かも知れないが、今回はその様な気持ちは起きなかった...。

ヤエヤマコクワは何処に
ヤエヤマコクワは何処に



観光バスに乗り西表島の港を目指す。窓の外を見ると田んぼが広がっている。考えてみれば対馬は別として、南西諸島で田んぼのある島は記憶にない。沖縄本島にも田んぼはあるらしいが、やはり知らない事を自分の目で確認する事は非常に勉強になる。どうやらこの周辺では古代米を作っている場所もあるらしい。

沖縄では珍しい田んぼ
沖縄では珍しい田んぼ



西表島の港に到着し、帰りの高速船に乗り込む。・・・再び45分ほど波に揺られ石垣島に向う。

再び高速船
再び高速船




高速船に乗ってすぐに睡魔に襲われたが、気が付くと石垣島に到着していた。高速船を降りると低い気温に寒気すら感じる。

石垣港到着
石垣港到着



ふと海を見ると、やはり海の色は蒼い。本当にトロピカルな色だと感じる。

蒼い海を間近で見る
蒼い海を間近で見る



本日の昼は完全に観光になってしまったが、これはこれで普段あまり行わない事なので良い体験が出来た。宿に戻る頃には日も傾いていたが、今晩は石垣島在住の方とお約束があるので、とりあえず体力回復の為、少し睡眠を取る事にした。

石垣島のサンセット
石垣島のサンセット




夜の帳も下りこの後、石垣島在住の方と待ち合わせをしているのだが、まだ時間に余裕があるので夕食を取っておこうと思った。この2日間、コンビニにて簡単に済ませていた事もあり今晩は美味しいものを食べようと、先月も立ち寄った石垣牛の美味しい老舗店に行く事にした。前回は石垣牛のサーロインを堪能したが、今回は他の客が食べていたのを見て気になっていた“タン塩定食”をオーダーしてみた。・・・料理が運ばれてきたので早速食べてみる。・・・最高に美味い!! おそらく30余年生きてきた中で、一番美味いと感じた牛タンであった。

石垣牛のタン塩
石垣牛のタン塩


・・・実は今晩、ネットで知り合った石垣島在住のみつさんと少しだけご一緒するお約束をしている。私は以前からみつさんのサイトを存じており、みつさんも私のサイトをご覧になって頂いてた様であり、お互いの存在は知っていた状況から今回に至った。更にみつさんは元々関東のご出身で以前住んでいた場所と、私も幼少期に住んでいた場所が近所だった事もあり、親近感の様なものを感じていた。それでも私は今まで、ほとんど採集仲間を作らず、気ままな“へっぽこ探索”を行ってきたので、この様な初対面の方とお会いするのはそれなりに緊張を感じる。まずは合流地点まで車を走らせる。

夜の探索へ
夜の探索へ



みつさんとの待ち合わせ時間は少々遅めの設定だったが、かなり早めに合流場所に到着したので、少し早めに周辺の探索を行ってみる。考えてみると、みつさんのご自宅付近は“石垣島のクワガタ採集”が可能な場所であり、非常に羨ましい環境にお住まいだと感じる。ある意味自分の憧れに近い生活かも知れない。

某所にて待ち合わせ
某所にて待ち合わせ



とりあえず時間の許す限り探索を行ってみる。遠征初日に非常に雰囲気を感じる事が出来た場所なので、集中し念入りに確認を行っていく。それにしても今日は気温が低い。初日に確認できたオオシママドボタルの姿は確認できない...。

歩行個体を探す
歩行個体を探す



・・・しかし、何も確認出来ないままみつさんとの合流時間が来たので、待ち合わせ場所に向う事にした。そして集合時間前に、私のレンタカーに近付いてくる地元車が現われた。みつさんであった。お互いに挨拶を済ませ、お土産のクワガタマガジンをお渡しした後に、早速クワガタ探索に向う事にした。今回お会いする前に何度かメール交換をさせて頂いていたのでお互い会話もスムーズに進んでいく。メール交換もそうだが、やはりお互いのサイトを以前から知っていた事も大きかったかも知れない。とりあえず探索場所は、時期外れなので、お互いの共通に知っている可能性の一番高そうな場所を確認していく。


・・・しばらく探索を続けていくが、やはりと言うか当然ながらヤエヤママルバネは樹から離れており、居る気配が全く無い。無理ない範囲で森の奥へと進んでいく。それなりに時間を掛けシイの巨木も確認していくが、個体確認には至らなかった。

樹を見て回る
樹を見て回る



それにしてもみつさんの持っているランタンは、光度も高く暗黒の森を煌々と照らしている。重量や使用時間の短さなどの制限があるので長距離の持ち運びは難しいが、みつさんの様に地元としてマルバネ探索に使用する分には、非常に心強いアイテムだと感じる。

みつさんのランタン
みつさんのランタン



・・・その後も探索場所を変えたりしながら、みつさんと2時間ほど探索を行った。・・・結局ヤエヤママルバネの確認には至らなかったが、みつさんと色々なお話も出来たので非常に楽しい時間だった。私の中で「チャンスがあれば石垣島で暮らしたい!」という淡い想いもあったりするがが、家族と共に夢の石垣島移住をされたみつさんのお話は非常に貴重なものであった。クワガタ探索以上と言っても過言ではないほど有意義な探索であった。みつさんには感謝を申し上げ、ここでお別れとなった。

12月のヤエマルは何処に・・・
12月のヤエマルは何処に...




宿に戻り横になる。今日は日中は西表島への観光、夜はみつさんと石垣島探索という普段出来ない経験が出来た事は大きい。結果として未だに12月に野外活動する“元気な”ヤエヤママルバネは確認できてないが、マイペースながらも目標に向って前進していくのも“へっぽこ”らしい緩い1日であったと思う。少々残念なのは初日が気温が高く雰囲気もありながら雨に泣かされた事、昨日から本日は気温が下がり過ぎている事が自然相手の難しさだと感じる。


・・・明日は最終日なので、時間の許す限り“2008年最後の探索”を楽しみたい。



成績:ボ〜ズ

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