2019年2月、環境省により「国内希少野生動植物種」に指定され、ヒサマツサイカブトは採集禁止となりました。下記、採集記は規制以前のものです。 |
2008.07.12(土)へっぽこ遠征in大東諸島(2日目) 沖縄県・南大東島 10:00AM 晴れ時々雨 32℃ 暑い 南大東島、2日目の朝。 窓の外を見てみると、晴天で既に30℃を越えていそうな天候である。今日も暑い一日が始まった。
まずは朝食からしっかり食べてスタミナを付けていきたいと思っていた所、ゴーヤチャンプルとポークハムという沖縄らしい食事に、朝から非常に満足な朝食を食べる事が出来た。
朝食後は早速レンタカーに乗りフィールドへと向かう。宿の入口にあるシーサーを見て、南大東島のクワガタを今日も観たいという想いを胸に出発する。
まずはフルーツトラップから確認していく。・・・しかしアリしか集まってなかった。他のトラップも確認していくが同様であった。熟成度やレシピの問題もあるのだろうが、やはり南大東島では難しいのだろうか?
フルーツトラップは仕方ないとしても、とりあえず昨年6月に野外にて活動するダイトウヒラタ♀を確認しているので、今回も希望を持って林の中を探索してみる。
途中、ダイトウビロウ(ヤシ)の林に行き着いた。タイワンカブトが沖縄のヤシの樹の害虫という事を聞いているので、何とかこのダイトウビロウというヤシにも集まってないかと感じたが、10メートル以上ありそうな樹冠部を調査する事はできなかった。ヤシの樹を見て南国ムードを味わいたい所であるが、それ以上に大量の蚊が集まって来るので、立ち止まってゆっくり観察できるほどの余裕は無い。
少し場所を変えようと林の外に出ると、何だか島の北部に“黒い雲”が掛かっている。見た感じ嫌な予感はするものの、こちらの上空には至ってないので暫く様子を見ながら探索を続ける事にした。
他の林に入ってみる。・・・それにしてもアフリカマイマイはどこにでも大量に居る。ウンザリするが、どうやら湿度が上ってきたせいか活発に動き回っている様である。ポジティブに考えれば虫の活動にも良いと思われるので、ダイトウヒラタが歩いてないか林床を見て歩く。
とりあえず、昨日確認した倒木の場所に来たので少し調べてみると、すぐにダイトウマメが確認できた。
そしてその近くにはダイトウヒラタの幼虫も確認できた。おそらく昨日の状況から見て、この倒木を徹底的に調査すればもっとダイトウヒラタ幼虫を確認できるかも知れない。しかし、どうも幼虫採集は気が乗らないので、この倒木はこれ以上手を付けず他の雰囲気を探っていく。この倒木にてダイトウヒラタの幼虫が確認できるのであれば、周辺にきっと野外活動している成虫も居るだろうと前向きに考えていく。
そこで、今まで入る事の無かった薮の険しい場所を選び突入する事にした。かなりの薮漕ぎを強いられるが、その分可能性も秘めていると信じる事にした。またクワガタマガジン用の動画撮影を試みようと、カメラ片手にナレーションを入れながら進んで行く。
ただでさえ蒸し暑い中、大量の蚊が纏わりつく状態で斜面の薮を漕げば、一瞬で汗は噴出し、その汗を吸った着衣は鎧の様に重くなる。正直、日々の筋トレより相当ハードなトレーニングになる。・・・モノは考えようで、有酸素運動を行いながらクワガタ探索できるのであれば、これ以上ないトレーニングになる。・・・と、文章で書けば格好がつくが、実際はめげそうになるほどシンドイ。
暫く薮漕ぎを行うと、雰囲気のある倒木を確認した。・・・しかし、ここまでかなりハードな思いをした割には、何にも見付けられなかった。
林の中でかなり体力を消耗したので、一度車に戻り仕切り直すことにした。朝から気になっていた島の北部にある黒い雲は、まだ残っている。
これもビデオ用にとシュガートレインの“レール跡”を撮影する。沖縄県には鉄道は走ってなかったと言われているが、この南大東島ではサトウキビを運搬する為に古くから運用されていた。
一応、これも動画用にとシュガートレインが展示されている場所に足を運んでみた。
その後、昨年も確認した牛舎を見掛けたが、昨年の“ウンコの山”堀りに満足?したせいか、ヒサマツサイカブト探索は別の発想を考えていたので、今回は見送る事にした。
その後、朝方から気になっていた“北部の黒い雲”の辺りに車を進めてみると、あっという間に土砂降りになってしまった。やはり黒い雲の下は雨であった。・・・しかし不思議なのは、この雲は朝から殆ど移動してないので、状況から見て島の北部は朝から雨で、島の南部は晴天という事になる。島自体がそれほど大きな島ではないので、何となく不思議な感覚になる。天気とはそんなものなのだろうか?
そこで、今一度レンタカーを島の南部に向けて走らせてみると、ある場所を境にして晴天になってしまった。この間、数百メートルなので本当に不思議な感覚を覚える。・・・因みに北部を見ると、やはり雨は降っている。それこそ、その境に行くと数メートル先は雨で、手前は晴れという現象なのである。
とりあえず雨の調査は置いといて「島まるごと館」に足を運ぶ事にした。実は今回の遠征で“ある目的”があった。それは昨年の南大東島遠征で島の子供達とクワガタ探索を行ったので、そのお礼をしたいと思っており、今回その時の採集記事を載せた「くわがたマガジン」37号、38号と、島の子供達が「クワガタを飼育してみたい。」と言ってたことを覚えていたので、副館長の東氏にミヤマ☆仮面さんの飼育グッズを数セット手渡したいと思って足を運んでみた。
副館長の東氏と1年振りの再会となり、お忙しい中少しお話をする事ができた。そして、お渡ししたかった品を手渡す事ができた。東氏に喜んで頂き、これだけでも今回の南大東島に足を運んだ甲斐があったと感じた。
時計を見ると昼時を過ぎ腹も減っているので、とりあえず昼食にする事にした。島の北部は雨なので、南部の晴天の海岸にてJAで購入した弁当を食べる事にした。
今回JAでタコライスを売ってたので、沖縄らしい食べ物だと思い迷わず購入した。実際食べてみると、ピリ辛味付けな挽き肉などが暑い沖縄にピッタリで、大汗かきながら平らげた。
昼食後はひたすらモクマオウの林を回る。もともと昼食の時間帯が遅かった事もあって夕暮れまであまり時間は無いが、とにかく探索を続ける。状況的には、これと言った作戦がある訳ではないが、林を歩き回り雰囲気のありそうな場所をチェックして行く感じである。少なくてもハナムグリ系の甲虫は飛び回っているので、それらの虫も後食しているのなら、どこかに樹液の様な場所があると思われるのだが...、簡単にはいかない。
一応サトウキビの積んである様な場所は、ヒサマツサイカブトの新たな発見もあるかもしれないのでチェックだけは行っていく。・・・しかし、赤土のサイトウキビ畑とモクマオウの貧素な林ばかりなので、なかなか良い手掛かりは見付からないのが正直な所である。
・・・結局、昼間の探索では最初に見つけたダイトウマメとダイトウヒラタ幼虫のみの確認となってしまった。 ・・・気が付けば既に日は傾き、辺りは薄暗くなり始めている。残念ながら一度宿に戻り、仕切り直しする事にした。
夕食後、ラストのフルーツトラップ回りを行う。・・・しかし、やはり何も来てなかった。何というか、昨年のトラップの状況や今年の状況からみて、少なくても現状のままではフルーツトラップは厳しいと感じられる。・・・それとも天然のダイトウヒラタは“後食しないヒラタ”なのだろうか?なかなか簡単に事は進まない...。
・・・全く雰囲気の感じられない南大東島。夕暮れ以降はテンションが上らず、このまま遠征2日目を終える事になった。 成績:ダイトウマメ×2 (確認後、全てリリース) |
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