2019年2月、環境省により「国内希少野生動植物種」に指定され、ヒサマツサイカブトは採集禁止となりました。下記、採集記は規制以前のものです。 |
2008.07.11(金)へっぽこ遠征in大東諸島(1日目) 沖縄県・南大東島 11:00AM 晴れ 30℃ 暑い 2008年最初の南西諸島遠征は、南大東島に行く事にした。昨年は6月に遠征を行い、倒木上を歩くダイトウヒラタ♀の姿を確認できたので、今年は7月という時期に、更なるダイトウヒラタの野外活動を確認したいという思いと、ヒサマツサイカブトの調査を課題として探索を試みたい。可能性は低いだろうが、他の人が興味を持たない活動こそ“へっぽこ”の真骨頂として楽しんでいきたい。
まずは羽田空港に向かう。南大東島に一番早く到着するチケットを取ったので、自宅を午前4時半には出発する。時刻が時刻だけに、まだ日が昇りきってないのか、辺りはまだ薄暗さを感じる。事故に気をつけ空港に向かってハンドルを握る。
羽田空港までは問題なく到着した。ただこの時間帯はまだ早すぎるのでチェックインする為の機械が稼働してない。空港内の喫茶店もまだOPENしてないので、ロビーの席に座り少しボンヤリする。
暫くすると自動チェックイン機が使用可能になったので、手続きを済ませる。・・・今年も南西諸島への遠征が始まる。なんだかまだ実感が湧かないが、金属探知機のチェックを受け1人で那覇行きの搭乗口に向かうと、何となく南西諸島独特の緊張感が出てきた。
羽田空港を発ち那覇空港に向かう。この時、いつも静岡県上空で富士山の姿を探すのだが、今回も富士山の姿を観る事が出来た。良く観ると富士山の頂には雪が残っている。・・・これから南国に向かおうとしているのに、目の前に雪というのも情緒があって良いと思う。
羽田を発って2時間ほどで沖縄上空にやって来た。窓の下を見ると“南国仕様”の蒼い海が見える。こうなってくると完全に南西遠征モードに切り替わる。
那覇空港に到着後、南大東島行きの航空機のチェックインを行う。昨年からマイルを貯めているのだが、何故かJAL系のRAC(琉球エアコミューター)は那覇〜南大東島間はマイルを登録する事ができない。因みに羽田〜那覇までの距離は約1500kmで、那覇〜南大東島は約400kmであるが、飛行機代は後者の方が高かったりする。もちろん上手く手配すれば格安のチケットもあるのだろうが、大東諸島の“行き難さ”はクワガタの種類の乏しさと相まってあまり人気が無いのかも知れない。
南大東島行きの飛行機に乗り込み、滑走路に向かう。・・・機内アナウンスが流れる。「只今、自衛隊機の着陸を待っての離陸となります。」窓の外を眺め、自衛隊機の着陸を待つ。すると、もの凄いスピードで自衛隊機は着陸し、あっという間にパラシュートを開きながら立ち去ってしまった。
その後、順調にRACは南大東島に向かって飛び立つ事ができた。実は今回、クワガタマガジンのDVD用にハンディカメラにて“採集動画”を撮るべく、通常の採集記用としてのデジカメとは別に持参している。果たして雑誌用として使用できる動画は撮れるのだろうか?
那覇空港を発ってから40分ほどで南大東島に着いた。窓の外は昨年も見たサトウキビ畑が広がっている。今回も天気予報では大きな崩れは無さそうなので、テンションが上ってくる。
南西諸島らしく滑走路に直接降りると、もの凄い熱気を感じる。おそらく30℃は軽く越えていると思えるほど、強い日差しと熱風を感じる。
空港内にて荷物を受け取ると、宿の迎えの方が来ていたので挨拶を行い宿に向かう。窓の外は相変わらずのサトウキビ畑ばかりであるが、それが南大東島らしさに感じる。
宿のチェックインを済ませた後は昼食の時間であるが、やはり昨年同様に「大東そば」を食べに行く。
運ばれてきた大東そばをさっそく食べてみる。やはり美味い!昨年と同じコメントになるが、独特のコシの強い麺とほど良いダシの味付けは絶品である。各南西諸島で食べる沖縄そばのバリエーションの中ではダントツで美味い!
昼食後、とりあえず昨年のポイントにてフルーツトラップの設置と探索を行っていく。南大東島は林が少ない島であるが、モクマオウの樹を目安にしていく。・・・それにしても林に入った途端、大量の蚊が体の回りに纏わりつく。非常に鬱陶しいが、時期的に仕方が無い。
昨年は全く雰囲気の無かったフルーツトラップを設置する。私が知っている限りでは、ダイトウヒラタがフルーツトラップに来たという話は聞いたことが無いが、だからこそ実験する価値はあると思っている。・・・そしてヒサマツサイカブトの動向も気になっている。
それにしても林内は蛙が多い。名前は確か「ミヤコヒキガエル」だったと思う。昨年もそうであったが、静かな林の中で大型の蛙が跳ねるとかなり驚く。
フルーツトラップを設置していくと、非常に雰囲気のある倒木を確認したのでまずは裏返してみたが、何も居なかった。触った感じかなりグズグズなほど朽ちているので昨年、南大東島の子供のに教えてもらった感じで素手で穿ってみると、簡単に崩れてしまった。
「もしかしたらダイトウマメくらい居るかな?」と言う感じであったが、何とダイトウヒラタの幼虫が現われてしまった。これには少々驚いたが、正直な所、やはりダイトウヒラタであれば、成虫の野外活動を観てみたい思いが強い。
その後すぐにダイトウマメの姿も確認できた。相変わらず小さなクワガタである。
一応は南大東島のクワガタの姿を確認できたので、場所を変えてみようとレンタカーを走らせる。途中ハイビスカスを目にする。やはりこれを見ると南国ムードも高まる。
そして道端の花には「リュウキュウアサギマダラ」の姿も確認できる。これも南西諸島らしい蝶である。
モクマオウの他にも広葉樹を確認していく。“もしかしたら”の期待を持ってダイトウヒラタが活動してないかを調査してみるが、そう簡単には新発見というものは見付からない...。
探索を続けていると空に轟音が響くので見上げてみると、RACの最終便が南大東空港に着陸しようと高度を下げていた。
午後一番でダイトウヒラタの幼虫とダイトウマメの成虫を確認したまでは良かったが、その後は数箇所を回ってみたものの、新たな確認には至らなかった。・・・それにしても林内は大型の「アフリカマイマイ」と蛙ばかりである。更に大量の蚊がテンションを下げていく...。
・・・結局、夕暮れを迎えたので、一度宿に戻り夕食を取る事にした。
宿の夕食は鰻という南西諸島らしからぬ内容であったが、非常に美味で活力も出てきた所で、夜回りを開始することにした。まずは昼間に設置したフルーツトラップから確認していく。・・・しかしアリしか来てない。まだ半日しか時間が経過してない事や熟成度が足りない事など、浸透してない感じがする。この後、数箇所のトラップを確認してみたが結果は同じであった。とりあえずまだ2日間あるので明日以降に望みを持ちたい。
その後は外灯周りも行ってみたが、全く雰囲気を感じることが出来なかった。島内の気になる外灯を回ってみたものの、昨年同様に甲虫らしい虫すら確認できず、やはり蛾の飛来も少ない。・・・とりあえず、今夜は明日に備え宿に引き揚げる事にした。
・・・宿に戻り少々考える。 外灯に集まるダイトウヒラタやヒサマツサイカブトを期待する...。もちろん可能性が低い事は充分判っているし、フルーツトラップも厳しいかも知れない。それでもこの時期を選んで探索したいと思っているのは自分である。・・・例えそれが無駄な事なのかも知れないが、その部分は自分が納得している活動なので、それはそれで良いと思っている。 ・・・とりあえず今日は休み、明日に望みを持つ事にした。 zzz 成績:ダイトウマメ×2 (確認後、全てリリース) |
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