2019.08.01(木)へっぽこ遠征in八重山列島(2日目) 沖縄県・西表島 9:00AM 晴れ 32℃(暑い) 同行者:kapiさん 西表島遠征、2日目の朝。 リュウキュウクマゼミの鳴き声で目を覚ます。窓の外を確認すると美しい蒼い海が広がっている。
宿の食堂に向う。朝食は「ポーク玉子定食」であった。過去の南西諸島遠征を振り返ってみると、コンビニでよく“スパムおにぎりと金ちゃんヌードル”を購入していた事を思い出す。この朝食はとても美味しかった!
・・・身支度を整え、本日の探索に出発する。
とりあえず本日分の水や多少の食料を購入しようと周辺の商店に立ち寄る。すぐに沖縄限定のファンタが目に入る。ファンタなので大よその味は想像付くのだが、とりあえず現地の雰囲気を楽しみたいと購入してみる。因みに西表島には所謂大型スーパーは存在しない。良くて全日食チェーンに加盟している商店くらいで、それ以外は駐車場も無い小さな個人商店が島内に点在している。当然、夜になると閉店する。
隣の石垣島を何度も経験している状況から見ると、石垣島は大都会であり、この西表島は“その逆”を行く島だと感じる。それだけ大自然が残っている証でもあるが、それを理由とした側面を垣間見る事ができるのは気のせいだろうか?
車を走らせると、本日も至る場所で「イリオモテヤマネコ注意」標識を目にする。もちろんスピードの出し過ぎは厳禁であるが、実際ヤマネコを見たいと思っても、まずお目に掛かる事は無いと思う。それほど夜行性であるヤマネコとの遭遇率は低い。これは過去に何度か遠征した対馬でも感じた事である。
kapiさんと共に本日のポイントを探していく。昨晩のポイントは条件は良いものの、ある理由により本日は別の場所を求める事にした。・・・とは言うものの、初めての西表島遠征なので、そう簡単にポイントが定まらないので苦労する。
「国指定特別天然記念物」と表記されたイリオモテヤマネコの銅像を目にする。別の場所にも“親子バージョン”の銅像があるので、明日はそちらも確認してみようと思う。因みに以前遠征した対馬で現地の方から聞いた話を思い出す...。「一般的に西表島と言えば“イリオモテヤマネコ”と連想する方も多いと思うが、この対馬の方が圧倒的に生息数は少ないのに、対馬と聞いて“ツシマヤマネコ”を連想する方は殆ど居ない...。対馬はもっと国内にその様なアピールを上手くして欲しい...。」そんな話を内容だった気がする...。
本日のポイント探しをしているのだが、時間だけが過ぎていく...。途中、黒毛和牛の牧場があったので、何となく見ていると、1頭の和牛がこちらに近付いてきた。人に慣れている様子である。・・・何というか、この和牛に愛着が湧いてしまった。
・・・そうこうしている内に、あっという間に夕暮れを迎えてしまった。早めの夕食とする事にした。
つい先程「牧場の黒毛和牛がカワイイ」とか言っていたのに、夕食は“地元のステーキ”を喰らう...。
・・・早めの夕食を終えた後は、本日のポイントの最終選考の為、すぐに出発する。
kapiさんと協議した結果、現状サキシマヒラタは目的外なので、本日はヤエヤマノコギリに目標を定めた。感覚的に標高も低く、ヤエヤマコクワの可能性は皆無だと思われるが、その分ヤエヤマノコギリに期待してみたい。
HIDライトを設置する。いつもながら三脚にライトを繋げるだけのお手軽設定なので、国内外の遠征に重宝している。灯火総研さんのライトは、航空機内持込用の証明書も発行しているので、安心して運用する事が出来る。因みに現在使用しているHIDライトは、もう10年ほど使用しているが、本体バッテリー1時間30分、外付けバッテリー1時間30分とリチウム電池が全くヘタって無いのが品質の良さを物語っている。
夜の帳も下りたので、ライトを点灯する。果たして本日は何が飛来するのだろうか...?
照射後、すぐにコメツキが飛来した。場所柄、オオナガコメツキだろうか?数頭確認できる。
更に昨晩は全く飛来しなかった茶色いコガネの飛来数が多い。昨晩とは標高差がある為だろうか?
そして本日も圧倒的にドウガネの飛来数が多い...。しかし不思議なのは、本土、離島、タイ王国でも感じている、点灯直後に多く飛来する羽虫が昨晩同様、殆ど確認できない。偶々なのだろうか?
・・・と、ドウガネとは明らかに違う落下音が聞こえたので、その周辺を確認してみるとサキシマヒラタ♀が飛来していた。まずは本日の1頭目という感じである。
1頭目のヒラタ♀を撮影していると、すぐ側に別のサキシマヒラタ♀が飛来した。これが赤い個体であればヤエヤマノコギリを期待する所であるが、真っ黒なヒラタであった...。
更に少し離れた場所に大型個体が落下する音が聞こえたので慌てて確認してみると、大きなサキシマヒラタ♂であった。それなりに大きいと感じたので記念にサイズを測ってみると69.4_であった。
別の場所で落下音が聞こえたので確認してみると、ひっくり返ってもがいているサキシマヒラタ♀の姿があった。どうやら本日のポイントは完全にサキシマヒラタの生息地の様である。
小さな羽虫の飛来は殆ど無いのだが、大型の蛾の飛来は多い。月齢も悪くないので、西表島らしい虫の飛来を期待してみたい。
風が強まったせいか、暫らく虫の飛来が減った感があったのだが、風が止むとサキシマヒラタ♂が飛来した。先程の♂より小型であるが、その分馴染みがある個体に感じる。
本日もシンジュサンがそれなりに飛来する。発生時期なのだろうか?これがヨナグニサンだったら100倍嬉しいのだが、結局ヨナグニサンはタイ王国で見ただけで、日本国内では確認する事が出来なかった。
またクワガタらしき落下音が聞こえたので確認してみると、これもサキシマヒラタ♀であった。
・・・と、別の甲虫が飛来したので確認してみると、大きなウスバカミキリであった。特徴あるカミキリだと画像から確認してみると、石垣島と西表島に生息している「コゲチャトゲフチオオウスバカミキリ」であった。今まで見た事なかったカミキリなので嬉しかった。
更に乾いた感じの落下音が聞こえたので、近付いてみると音の割りにはLED懐中電灯の先に大きなシルエットが浮かぶ。確認してみるとクマゼミ♂の姿がそこにあった。場所柄リュウキュウクマゼミ♂である。西表島にはヤエヤマクマゼミも生息しているが、それはもっと黒くオレンジ色の強い個体なので、この個体はリュウキュウクマゼミだろう。
虫の飛来が再び始まったので更なる飛来を期待していたのだが、ここでスコールに見舞われてしまった...。南西諸島という場所から見て10数分もすれば雨は弱まると思っていたのだが、弱まるどころか逆に強さを増してしまった。
30分近く激しいスコールから雨宿りしていると、ようやく雨が小降りになったのでライト周辺をチェックしてみると、この雨の中、赤み掛かったクワガタ♀の姿が確認できたので、本日の目標であるヤエヤマノコギリを期待したのだが、近付いて確認してみると“赤っぽい”サキシマヒラタ♀であった...。
・・・雨は弱まったが、HIDライトのバッテリーが無くなってしまった。残念だがライトの撤収作業を行い、本日の探索を終了する事にした。
・・・宿に戻り、寝る支度を行い、横になる。 本日はヤエヤマノコギリクワガタを目標として設定したポイント選びであったが、結果的にサキシマヒラタしか飛来しなかった。誤解を招いてはいけないので補足させてもらうが、サキシマヒラタがハズレという意味ではない。過去の八重山列島遠征で、石垣島や与那国島でもサキシマヒラタは確認しているが、昨日、本日とこの西表島でのサキシマヒラタを確認したのは初めてになるので、これはこれで楽しい。しかし過去の遠征としてみると、石垣島(チャイロマルバネ&ヤエヤママルバネ)や与那国島(ヨナグニマルバネ)を目標とした採集(現在、全て採集禁止)では、どうしてもサキシマヒラタは対象外という印象が強く、今回もまた可能性があるのなら「ヤエヤマコクワ」&「ヤエヤマノコギリ」と言った目標設定で訪れた西表島なので、サキシマヒラタは、どうも印象が薄くなってしまう...。本来、ボ〜ズで帰るくらいならサキシマヒラタが確認できるだけでも喜ばしい事なのだが、「ちょっと贅沢で調子に乗っているのかも知れない...。」と思いつつ、明日の西表島最後の夜をどうするか?を考えながら気が遠のいていった...zzz 成績:サキシマヒラタ♂2 ♀×6 (魔琴:撮影のみ。持ち帰りなし) |
|