2015年5月1日、石垣市条例で、チャイロマルバネクワガタとヤエヤママルバネクワガタとヤエヤマノコギリクワガタは採集禁止となりました。 下記、採集記は規制以前のものです。 |
2014.12.14(日)へっぽこ遠征in八重山列島(2日目) 沖縄県・石垣島 4:00AM 晴れ 25℃ 石垣島遠征、最終日の朝。 噂される採集規制が2015年から掛かるのであれば、いよいよ本日が私にとって最後の石垣島になる...。
まずは朝食。石垣島に滞在する際は、「ホテル日航八重山」を選択している。自分にとってクワガタ遠征は“旅”を意識しているので、宿や食事を含めた快適さも重要だと思う。
・・・朝食後、身支度を済ませ出発する。
南国の石垣島いえど12月となれば時期外れであり、これといった探索方法は無い気がしている...。とりあえず昨晩から雨は降ってないので、林道を流しながら雰囲気を感じていく...。
昨日より天候には恵まれた様で、レンタカーの窓を開けて林道を走ると気持ちが良い。気温は20℃弱といった感じであるが、東京が真冬並に寒かったので、やはり石垣島は暖かく感じる。そう考えると12月に野外活動しているクワガタを探そうとしているのだから、やはり日本は狭くはないと思う。
林道にて“カンムリワシ注意”の看板を見掛ける。過去の石垣島遠征でもカンムリワシやヤエヤマオオコウモリなどを何度か目撃しているが、それほど個体数は多くないと思われる。
・・・と、思っていたら、あっさりカンムリワシに出会うことができた。それなりに人に慣れているのか、数枚デジカメにて写真を撮らせてもらったが、慌てて逃げ出すような感じではなかった。
ノンビリと林道を進む。今回の遠征のコンセプトが「ノンビリ石垣島を探索したい。」というものだったので、予定通りであるが、林道を進んでいくと採集者と思われる停車中の車をそれなりに見掛ける。クワガタ以外の採集者かも知れないが、ヤエヤママルバネの駆け込み需要であろうか?
車を降り林道を探索していく。途中、崖の斜面にシイの樹の倒木があるので確認してみる。どうやら既に他の採集者の痕跡が見られるのだが、とりあえず倒木を裏返してみる。
倒木を退けてみると、そこに小さなクワガタの姿があった。・・・まさか、いきなりクワガタが確認できると思ってなかったので、瞬間的には嬉しさというより驚きの方が大きい。
小さなクワガタの正体はヤエヤマネブト♂であった。この個体を確認するまでヤエヤママルバネの事ばかり意識していたのだが、こうやってまともにヤエヤマネブトを確認できたのは初めてであり、この種も採集規制に絡むのであれば、ヤエヤママルバネ並みに嬉しい確認となった。
ヤエヤマネブトの確認できた倒木下には、大きな幼虫の糞も確認できたのでフレーク状になった部分に、もしかするとヤエヤママルバネの幼虫も存在していたのかも知れない...。しかし、ヤエヤマネブト♂が確認できただけで充分に満足してしまった。この時期に探索に来ている以上、自分にはこのくらいがちょうど良いのである。
まだ時間に余裕はあるのだが、いったん探索を中断して遅めの昼食タイムとすべく、市街地へと車を走らせる。・・・途中、道路に大きな物体が現れたので驚いたのだが、石垣牛であった。対向車線を走っている運転手もニコニコしながら牛が立ち去るまで見送っていた。長閑な一瞬に心が和む。
市街地に戻る。街の中には人為的に植えられたハイビスカスが咲いている。晴れ間も出てきた事もあって気温も25℃近くまで上がっている。12月でも25℃、やはり南国は暖かい。
昼食は観光地っぽいものよりも地元色の強いものをチョイスしてみたかったので、地元のオバチャンが販売している惣菜屋を覗いている。
いくつかピックアップして支払いをすると、お釣りに2千円札が帰ってきた。昨日から石垣島に滞在中、何回かこういう感じで2千円札が混ざっている。さすが沖縄県だけあって本土ではすっかり見なくなった2千円札が流通しているのである。
今回チョイスしたのは沖縄のかまぼこである。以前から気になっていたのだが、なかなか食べるチャンスがなかったので今回購入してみることにした。石垣島滞在中、結構な場所で見掛けていたので島ではメジャーな食べ物なのだろう。
外側が練り物で作られたかまぼこで、中にかやくご飯(じゅーしー)が入っている。昨日がイマイチだっただけに、今回のかまぼこはすごく美味しかった。
・・・まだ外は明るいのだが、夜の探索まで昼寝をする事にした zzz
夜の帳も下りたので山へと向かう。昼間は運良くヤエヤマネブトを確認できたので、気持ち的に余裕があるのだが、ヤエヤママルバネとしては今晩がラストチャンスになるので可能性にかけてみる。
昨晩より気温も高く、道路に出てくる虫の姿も多い様に感じる。さすがにクモ辺りはシルエット的にも確実に違うと分かるのだが、念のため近付いて確認してみる...。
遠目に見て何か立体的な虫らしいシルエットが見えるので確認してみると、マダラコオロギだった...。
車で流していると遠目に見て、かなり紛らわしく感じるのはゴキブリである...。薄っぺらいので違うだろうと思いつつも近付いて確認してみて、ガッカリするのである...。沖縄本島では松ぼっくりもかなり紛らわしく感じていたのを思い出す。その他には落ち葉も角度によっては虫のシルエットに見えたりする...。・・・路上流しのほとんどはコレの繰り返しなのである。
そんな中でも本土では観掛けない生き物に出会えると、少々テンションが上がる。気になる物体が見えるのでLEDライトで照らしてみると、ヤエヤマサソリが歩いていた。サソリモドキだとガッカリ感しかないのだが、本物のサソリとなればレア感が増す気がしている。
クモ、コオロギ、ゴキブリ、サソリモドキ...、と何度も紛らわしい生き物を見ながら数時間...。何往復もしている林道であるが、ある瞬間、異変に気付く...。さすがに何度も紛らわしい物体を見てきているので、それらしき物体が近付いてくると、シルエットで存在感の違いが判る様になってくる...。 ・・・慌てて車を停めてLEDライト片手に確認してみると、少し前に車に轢かれたと思われるヤエヤママルバネ♂であった...。轢かれてからまだ時間があまり経過してせいかウェッティ感が残っている。おそらく私が林道を往復している間、林道に出てきた個体が、別の車に轢かれたのだろう...。この林道は島内の方も生活道路として使用する道なので、夜間でもそれなりに交通量はある。・・・残念な限りであるが“12月中旬でもヤエヤママルバネは確認できた”と思う。もちろん元気な個体に出会いたかったが、この様な確認の方が“へっぽこ”らしくて、妙に納得してしまった。
・・・その後も林道を車で流したが、それ以上の確認はできなかった。 最後に2004年11月に石垣島にて初めてヤエヤママルバネ♀を確認した樹に立ち寄ってみる。今思えば、今以上に右も左も分からない状態で「とにかく現地に足を運んでみよう!」と無理を承知で遠征を行い、運良くこの樹でヤエヤママルバネ♀を確認する事が出来た。この時、自分の中で「こんな自分でも貴重なマルバネクワガタを自分の目で確認する事が出来た!」と、もの凄く自信に繋がった事を思い出す。この時の興奮が翌年以降の離島遠征(海外遠征)に繋がっていった事は間違いない。
・・・全ての石垣島探索を終了として宿に戻る。
以前の奄美大島でも同様に感じたのだが、採集規制(禁止)になったとしても、私の探索スタイルは、リリースするので森の中での写真撮影なら問題ないと思われる...。しかし、“いくら撮影のみ”といっても個体を見つけるまでは、採集者と同じポイントを探索していくので、疑いの眼差しを受けてしまう...。そう考えると嫌な思いをしたくない気持ちも強く、結局は足が遠退いてしまうだろう。・・・これで地図を見ずに回れる島がまた1つ減ってしまった気がする。そう考えると寂しい限りであるが、2010年5月に行った正式な許可を得ての神津島の様に可能性はゼロではないかも知れないし、私ならではのアプローチでクワガタの魅力や旅の醍醐味をこのサイトで紹介していきたい想いもある...。
2014年は人生40年の中でも激動の年となってしまったが、2015年はどの様な展開が待っているのであろうか...。 成績:ヤエヤマネブト♂×1 (確認後、リリース) |
嗚呼、2015年の樹液シーズンが待ち遠しい・・・。 |