2013.12.13(金)へっぽこ遠征inタイ王国(2日目) 海外・タイ王国 9:00AM 晴れ 33℃ 同行者:うしやんさん(タイ王国在住) タイ王国遠征、2日目の朝。 部屋の寒さで目が覚める...。どうやらエアコンが効き過ぎの様であった...。日本の様に温度調節の機能がなく、オンかオフしかないので、つけると寒く、消すと暑い...。こういうのも旅の風情だと思える今回は気持ちにも余裕があるのだろう。
宿のエントランスでうしやんさんと合流する。今回も移動は「うしやん号」。毎回本当によく走ってくれる頼もしい味方である。まずは食事の出来る店を探す。
新聞が置いてあったので目を通してみると、セパタクローの記事が載っている。日本では馴染みの少ないスポーツだが、タイ王国では盛んの様である。因みにセパタクローという名前の“セパ”とはマレー語で“蹴る”で、“タクロー”はタイ語で“ボール”と言う意味らしい。和名にすると“籐球”との事である。
朝がゆっくりだったので朝昼兼用のブランチは「カーオ・カー・ムー」に決めた。大盛り100バーツ(300円)。毎度お馴染みのお気に入りだが、トロトロになるまで煮込んだ豚足をスパイスで味付けされた屋台料理である。11度もタイ王国に足を運んでいると味の差も随分と分かってくる。日本の牛丼チェーン店の様に統一された味ではない所が楽しさでもあり、微妙な時もあったりする。ふと感じたのだが、カーオ・カー・ムーやカーオ・マン・ガイ(蒸し鶏のせ飯)は日本でもウケると思うので、その様なチェーン店があっても面白いと思う。
食事後は、ここからひたすら目的地へと車を走らせる。4時間くらいは走るだろうか...。1人なら長いと感じる距離だが、うしやんさんと話をしていると、時間が気にならない。特に今回は1年振りという事もあり、積もる話も多かった...。
・・・数時間後、お馴染みの看板まで辿り着いた。長時間運転して頂いたうしやんさんに頭が下がる。
林道を進む。目の前に広がる光景は、とても12月とは思えない夏の光景である。ワクワク感が増してくる。
「ご神木」に到着。毎回、来る度に伐採されてないかもの凄く不安であるが、「ご神木」の無事が確認できて嬉しい。早速、車を降りて樹をチェックしてみる。
すると樹皮めくれに数頭のヒラタらしき姿が確認できる。いつも“タイ王国のヒラタ”と呼んでいるが、ウエスターマンヒラタと呼ばれるヒラタである。この樹皮めくれには2ペアが確認できた。
うしやんさんが頭上10メートルほどの位置にクワガタらしき影を発見。デジカメの最大望遠で何とかモウホツヤらしき存在だと窺える。どうやらペアで樹液場にいる様子である。
「うしやん号」から長網を持ち出し捕獲を試みる。最大にロッドを伸ばして辛うじて届くといった位置である。この高さになるとロッドの重さもありネットインが難しかったので、枝を叩き個体を落下させる。
落下した個体を確認してみると、やはりモウホツヤクワガタ♀であった。過去の遠征ではモウホツヤは♂個体ばかりの確認だったので、個人的に♀は初確認となる。改めて確認してみると、日本の南西諸島に生息するマルバネクワガタ♀とシルエット的によく似てると感じる。
落下してきたのは、もう1頭いるので確認していると、こちらはモウホツヤ♂であった。・・・4年前、私が初めてタイ王国に遠征した時、最初に確認したのがモウホツヤだったので、いかにもタイ王国らしいクワガタと認識している。今回の遠征でもその姿を確認することが出来て嬉しい。
私がモウホツヤ♂♀の写真を撮っていると、うしやんさんは「ご神木」を登り始めた。どうやら更に高い場所にもう1頭モウホツヤらしき影が見えるという。長網のロッドで個体の落下を試みる。
うしやんさん、ロッドで個体を枝から落とす事に成功。確認してみるとモウホツヤ♂の長歯型であった。この周辺は大体が短歯型なので、長歯型を確認するのは、おそらく第1回遠征以来かも知れない。短歯型はマルバネに似てるが、長歯型を観るとやはり別物なのであろう...。
今回も「ご神木」にて多くのクワガタを確認することが出来た。これが12月というのがタイ王国らしく素晴らしい。昨日日本を発つ際は寒さに震えていたのに、現在は大汗を掻いている。・・・やはり世界は広いと感じる。
林道を眺めるとある変化に気付く。昨年12月にツノゼミを確認したユーカリと思われる伐採地があったのだが、あの頃は膝下くらいの“ひこばえ”だった切り株が、すでに3メートル以上の樹になっている。熱帯モンスーン気候のジャングルの成せる業である。
うしやんさんと前から話していることなのだが「ご神木」の存在が強烈なだけに、もしこの樹がなくなってしまったら、もの凄い喪失感が待っている事になる...。そうならない為にも別の樹液場をいくつか確保しておきたいと考え、時間に余裕のある今回は少し周辺を調査してみる事にした。
・・・しかし、見つけようと思っても簡単に良い樹液場が確認できないのは、日本もタイ王国も同じである。全ての探索に言える事なのだろうが、地道な積み重ねが次へと繋がり、結果へと結びつくのであろう。
・・・しばらく周辺を歩き回り調査してみたが、これといった収穫は無かったので、昼食の為ジャングルを出ることにした。
昼食はクァイティアオ(米麺)30バーツ(約90円)を食べる。日本人の口にも良く合うと思う。以前説明したが、改めて記載してみると、タイ王国の麺は大きく分けると2種類に存在し、日本的な小麦麺は「バミー」と呼ばれ、タイ王国独特の米で作る麺は「クァイティアオ」と呼ばれる。クァイティアオは更に麺の太さで細かい呼ばれ方をしており、ビーフンの様な細麺は「センミー」、うどんサイズで「センレック」、きしめんサイズで「センヤイ」となる。因みにスープ有り(ナーム)、無しで(ヘーン)とオーダーする。・・・ここのは美味しかった。
昼食を食べた時間が夕方近かったので、ライトトラップを行う為に場所を移動する。・・・途中カワセミが生息する溜池に寄ってみると、今回も大きなカワセミが獲物を狙っていた。デジカメの望遠を最大にして何とか雰囲気が分かる程度にしか撮影できない。やはり一眼レフの望遠カメラが必要なのかも知れない...。
・・・気が付くと既に夕暮れである。楽しい時は時間が経過するのが本当に早い。
ライトトラップ前にセーウェンに立ち寄って飲み物などを購入する。改めてどこにでもあるセーウェンは重宝する。どの店舗も地元の若者が買い物をしていて、日本のそれと全く同じである。
夜の帳が下りたので、予め決めておいたライトトラップのポイントへ向かう。天気は晴れており風も無く穏やかな夜空であるが、月齢は満月に近い。遠征するタイミング的に承知の上であり、時期的にも過去の状況から見て、それほど虫の飛来は期待できないかも知れない...。
HIDハンディライトを準備して照射開始!今回も電源はワニグチを利用して車のバッテリーから使用している。
時期的には、あまり飛来数の多くない12月という事もあり、少量の蛾の飛来しか確認できない...。 ・・・すると、うしやんさんは車からウクレレを持ち出しおもむろに弾き始めた...。 なんと、うしやんさん上手なのである! 話を聞くと、あの一世を風靡した伝説のバンド「たま」の知久寿焼さんの影響だと言う。知久さんと言えばツノゼミ好きとしても有名な方で、タイ王国やカンボジアにも何度も足を運ばれてツノゼミ採集やライブ活動も行われている。最近はツノゼミ繋がりで何度もこのタイ王国にライブを兼ねて足を運ばれている様で、その流れの中でうしやんさんと知久さんはご一緒しているのだと言う。すごい方とお知り合いなのだと感心してしまった。 うしやんさんの奏でる音色を聞きながら、まったりと贅沢な時間が過ぎていく。私も久しくほこりを被せてある三線をもう一度やってみたい気になった...。
・・・やはり虫の飛来は少ない。小さな蛾やミズスマシくらいしか飛来しない中、それでも毎回数多く飛来するのがオオミツバチである。うしやんさんは以前刺されたこともある...。LEDライトに反応して、すぐこちらに向かって飛んでくるので気が気でない...。
・・・その後もしばらくライトトラップを粘ってみたが、全く虫の飛来が無いので、残念ながら撤収する事にした。
・・・宿に戻り、うしやんさんと食堂にて夕食を楽しむことにした。まずはビールで乾杯!
時間に余裕があるので、まったりとすることが出来る。旅である以上、酒を交わしながら友人と過ごす時間も非常に有意義なものだと感じる。うしやんさんは何度もこの宿を利用しているので従業員ともすっかり仲が良くなっている。私も何度か訪れているので数名の従業員の顔は覚えている。うしやんさんの持参したPCを顔馴染みの従業員と覗き込みながら、ワイワイと時間が過ぎていく。
・・・実はうしやんさんのPCデータの中にある“衝撃的な画像”を見てしまった(虫関係)。今後の目標になりうるものなので、次回の遠征以降のお題にしていきたいと思う。もし実現できれば採集記で紹介したいと思う。
お酒も入り、気分よく自分の部屋に戻る。扉の上には巨大なトッケイが獲物を狙っている。時折「トッケイ!トッケイ!」と大きな声で鳴いている。いかにもタイ王国の夜のイメージである。改めて今晩は気分が良い。うしやんさんに感謝である。
・・・明日も楽しみだ zzz 成績:モウホツヤ♂×2 ♀×1 ヒラタ♂×2 ♀×2 (最終日に全てリリース) |
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