ご注意!

2013年10月1日、希少野生動植物の指定により、アマミマルバネクワガタアマミシカクワガタアマミミヤマクワガタ採集禁止となりました。詳細は、奄美市サイトにてご確認下さい。下記、採集記は規制以前のものです。


2013.09.06(金)へっぽこ遠征in奄美群島(1日目)
鹿児島県・奄美大島 11:00AM 晴れ 31℃ 同行者:kapiさん

4年振りの奄美大島遠征。本来は毎年足を運びたい“思い入れ”のある島だが、諸々のタイミングで4年振りとなってしまった。その分、今回の遠征は企画段階から楽しみであった。・・・しかし、遠征数日前に「今年の10月から採集禁止になるクワガタがいるらしい...。」という信じられない噂を耳にした。まさか奄美大島で採集禁止の話が出るとは思ってなかったので、その噂を聞いて以来、落ち着かない日々を過ごし、遠征当日を迎える事になった...。

4年振りの奄美大島
4年振りの奄美大島



kapiさんと合流後、羽田空港に向う。途中の首都高速が大渋滞で、更に空港駐車場も満車というダークゾーンに匹敵するくらい焦りを感じたが、予め時間に余裕を持って出発していたので、何とか飛行機の時間に間に合わせることが出来た。やはり余裕を持つ行動は大事である。

羽田空港
羽田空港



・・・順調に搭乗手続きも終了し、機上の人となる。




羽田空港を発って約2時間で奄美空港に到着。空港を見渡すと南国の離島らしい、開放的な空間が広がっている。

南国ムード
南国ムード



機内預けの荷物を受け取り、迎えに来たレンタカー屋の車に乗り込むと前方から「魔琴さん?」と声を掛けられる...。声の主は大巨神さんであった。大巨神さんといえば、この数年離島採集にハマっておられて以前もこの奄美大島で遭遇したことがある。どうやら同じレンタカー会社で借りる様で、その流れで昼食をご一緒する事になった。

到着!
到着!



奄美大島といえば、まずは「ひさ倉」である。これはもはや絶対的なものであり、奄美大島に着いたら外せない食事である。大巨神さんも当然の様に“食事ご一緒=ひさ倉”という事であった。

まずは「ひさ倉」へ!
まずは「ひさ倉」へ!



「鶏さし付き鶏飯」をオーダーする。にんにく醤油で戴く鶏さしは絶品である!これは食べた者にしか分からない幸せなのである。

鶏さし
鶏さし



続いてメインの鶏飯を戴く。夏バテ気味の胃にやさしい鶏がらスープで食す奄美のソウルフードは、もはや奄美大島遠征コンプリートに欠かせない。奄美大島に行く機会のある方は、必ず一度は試して欲しい。

絶品!鶏飯
絶品!鶏飯




大巨神さんとお別れした後、ある場所へレンタカーを走らせる。・・・やはり10月から規制の掛かるクワガタは数種類いる様で、もしそうなれば採集目的でない自分であっても、今までの様に気軽に奄美大島に足を運ぶことは困難になるだろう。いくら私がサイトなどで“写真のみ、キャッチ&リリース主体”と謳っても、現地のフィールド上で私が活動していれば、他人の目からは通常の採集者と思われ、あらぬ疑いをかけられてしまう可能性は高いだろう。

らしい看板
らしい看板



目的地に到着。奄美大島の中でも特にお気に入りの眺めである。ちょっとした天候に変化で蒼い海の色は変わり、同じ色というのは殆どないと思う。・・・もしかすると、この眺めも今回で最後になってしまうかも知れない。

蒼い海
蒼い海


とりあえず初日という事もあり、フルーツトラップの設置を行う。・・・設置といっても、私の場合はせいぜい10箇所程度である。多い方は100箇所程度設置するとも聞いたことがあるが“へっぽこ”には10箇所でも充分なのである。

フルーツトラップを仕掛ける
フルーツトラップを仕掛ける



初日は時間がない為、フルーツトラップを設置するだけで夕暮れとなってしまう。合わせて今晩のライトトラップを行う場所の下見を行っていく。森の中ではリュウキュウアブラゼミとオオシマゼミが合唱している。・・・なんだか久しぶりに鳴き声を聞いた気がする。

まもなく夕暮れ
まもなく夕暮れ




そうこうしている内に夜の帳は下りてしまい、設置して間もないフルーツトラップを数箇所見て回るが、当然何も付いてない...。林道にはアマミマルバネ狙いの採集者の姿も確認できる。今回は採集禁止の話題が出る前から遠征を決定しており、久しぶりに“ゆるく”奄美大島遠征を楽しみたいと思っていた事もあり、ハブの住むジャングルの中へ入る意識はそれほど高くない。

フルーツトラップ。
フルーツトラップ。



それでも可能性があればと林道周辺の樹をチェックしてみる。しかし、確認できるのは大きく育って連結しているサソリモドキばかりである...。

サソリモドキ
サソリモドキ



・・・その後、昼間に目星をつけておいた場所でライトトラップを行う事にした。


・・・しかし、その場所でのライトトラップは全くスイングせず、早々に終了する事になった。予定の大部分を占めていたフルーツトラップとライトトラップが機能しなければ、早くも終了モードなのである。結果で言えば、いつもの“ボ〜ズ”...。


しかし、今回は久しぶりの奄美大島遠征という中で、遠征直前に耳にした“10月より採集規制”という言葉が妙なストレスに繋がっていた感は否めない。宿に戻る車の中で、他の離島話などkapiさんと話している内に少々話がこじれて車内の雰囲気が悪くなってしまった...。互いにフラストレーションが溜まる中、コンビニにて夕食を購入するのだが、ここでもギクシャクする...。この時点でお互い早く宿に戻り、1人になりたいという意識が強かった。

モヤモヤ感の終了モード
モヤモヤ感の終了モード



・・・コンビニから宿のエントランスに戻る。もうエントランスを通れば1人になれる。・・・しかし「これで良いのだろうか?」と自問自答する。奄美大島云々の前に自分達の空気作りが出来てないのである。・・・虫を撮る・採らないではなく、どの空間であっても楽しさや思いやりの意識が自分に欠如している気がして情けなく感じていた。


kapiさんがひと言「なんかこのままでは終われないので、魔琴さんが良ければ、今からもう一度山に行きませんか?」


自分も全く異論はなかった。時計を見ると日付をまたぐ時間であったが、今一度、仕切り直しを図りたい気持ちは同じであった。本来この様なやり取りを採集記で書く必要性は無いのだろうが、“採集記=へっぽこ劇場”である私にとって、この様な描写も探索の一部なのである。


・・・気持ちも新たにkapiさんと共に1時間ほど掛けて山に向かう。




目的地に到着する。状況が状況だっただけに私もkapiさんも「もし1頭でもアマミミヤマが確認できれば我々の勝利だ!」とライト片手に林道沿いにある電柱を確認していく。

アマミミヤマ狙いの電柱
アマミミヤマ狙いの電柱



林道を進み始めて数分。kapiさんが「いたっ!」と叫ぶ。私もその電柱の上部を確認してみると、確かにクワガタの姿が見える。状況から見てアマミミヤマだろう。もはやこの個体が、大きい小さいとか採れる採れないではなく、今日という日を諦めかけていた自分達に対する称賛であったと思う。私もkapiさんも既に満足なのである。

いた!
いた!



見えていた個体は電柱の上部であり、捕獲に難儀している内に藪に落ちてしまった...。残念であるが、特に喪失感はない。しかし、ここで意外だったのは、別のアマミミヤマ♂が落ちてきたのである。先ほど確認していた個体の近くに、小さな甲虫がいる事は判っていたのだが、頭上数メートルに位置するので、いまいち確証がなかったのだが、落下してきた個体を確認して確実になった。

奄美大島・アマミミヤマ♂
奄美大島・アマミミヤマ♂



アマミミヤマが確認できた事で、今日という日は“成功”という雰囲気にする事が出来た。最後に周辺の電柱を数本確認してみると、電柱の比較的低い位置にクワガタの姿が確認できた。

みっけ!
みっけ!



アマミミヤマ♂である。こうやって深夜の山で確認できた事に、奄美大島とkapiさんに感謝したい。

奄美大島・アマミミヤマ♂
奄美大島・アマミミヤマ♂



もう充分に満足なので来た林道を戻る。復路は気持ち的にも余裕があるので、電柱以外の樹なども確認していく。今回は車中からの確認ではなく、徒歩にて林道を歩いているので、今まで気付かなかった大きなシイも確認できたが、流石にアマミマルバネの姿は無かった。

リュウキュウアブラゼミ
リュウキュウアブラゼミ



電柱ばかり気にしていたが、時期的に徘徊しているクワガタの姿もいるかと思い、道路も確認していくと、スジブトヒラタ♀が歩いていた。個人的に久しぶりにスジブトヒラタを確認する事が出来て嬉しい。

徘徊するスジブトヒラタ♀
徘徊するスジブトヒラタ♀




その後、車に戻り本日の探索を全て終了として宿に戻る。色々あった初日であったが、“終わり良ければすべて良し”としたい。クワガタ採集記としてはショボイ記事かも知れないが、個人的な「へっぽこ採集記」としては、印象に残る1日になったと思う。

オオシマゼミの羽化
オオシマゼミの羽化



・・・時計を見ると深夜3時近くであるが、充実感があり、なかなか寝付けなかった zzz



成績アマミミヤマ♂×2 スジブトヒラタ♀×1
(魔琴:持ち帰りなし)

2日日へ

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