2012.10.13(土)へっぽこ遠征inタイ王国(3日目)
海外・タイ王国 9:00AM 晴れのち雨 29℃ 同行者:うしやんさん(タイ王国在住)

タイ王国遠征、3日目の朝。

それなりに睡眠は取れたので目覚めは良い。窓の外を確認してみると雨は降ってない様子である。まずは朝食を取り出発の準備を行う。

ダンサーイの朝
ダンサーイの朝




うしやんさんの車で山頂(昨晩のライトトラップポイント)へと向かってみる。標高900メートルほどある山なので、早朝時は辺り一面に雲海が広がっているという。・・・確かに周辺はまだ霞んでる。

標高900メートル
標高900メートル



青空が見え始めたので、昨日確認したブレビスマルバネが周辺に居ないか探してみる。とりあえずチャイロマルバネの様な活動をイメージしながら、マツの樹に付いてないか確認したり、道路を歩行してないかチェックしていく。

ブレビスマルバネ探索
ブレビスマルバネ探索



・・・しかし個体の姿はそう簡単に確認できない。やはり昨日の確認は奇跡的な遭遇だったのだろうか?そんな中、外灯に飛来していたヒメカブト♀の姿を確認する事が出来た。過去の経験上、このヒメカブトはタイ王国全土に生息している様であり、ほぼ1年中個体を確認できる。日本のカブトムシより小さく丸っこい体型をしている。

タイ王国・ヒメカブト♀
タイ王国・ヒメカブト♀



その他、外灯には多くのセミも飛来している。網を持たず昼間にセミを捕まえるのは至難の業であるが、夜間外灯に飛来したセミは簡単に捕まえることが出来る。それにしても今回の遠征、特にこのセミを数多く見掛ける...。

多過ぎるセミ
多過ぎるセミ



うしやんさんと共にジャングル探索に向かう。初めて入る場所なので非常に興味深い。林道に入った第一印象としては、全体的に乾燥しており、やはり日本の南西諸島と雰囲気は似ている。

ジャングルを探索
ジャングルを探索



林道を進むと、樹の周りに何かが飛び回っている...。よく確認してみるとハチの巣が確認できる。タイ王国では小型のハチが、宿のベランダなどでもこの様な巣を作っているのを見掛ける。聞いた話だと針の無いハチも居るらしい。

特徴的なハチの巣
特徴的なハチの巣



林道の所々で牛と思われる“落し物”を見掛ける。前回の遠征時にカオヤイさんより「タイ王国・北部には、カブトムシサイズの糞虫が居る。」と聞いていたので、その辺に落ちている枝を拾い、アラレちゃんの様に牛糞をツンツンしてみる。・・・すると小さい糞虫は確認する事が出来た。

糞虫...
糞虫...



林道をチェックしていくと、多くの立ち枯れが確認できる。適度な湿度も保っており、樹によっては中心部がフレーク状態になっている場所も確認できる。昨日マルバネを確認しているだけに周辺の立ち枯れ根元のフレーク部が気になったが、フレーク掘りはしたくなかったので眺める程度にしておく。

立ち枯れ多し
立ち枯れ多し



周辺の所々に竹林が存在するので、噂に聞く“竹に付くゴホンヅノカブト”を探してみる。どの様に付いているのか?竹の節や新芽らしき部分を目を凝らしてチェックしていく。生息地、時期的にみても充分存在している可能性が高いので、可能性を信じ探してみる。

ゴホンヅノカブト探索
ゴホンヅノカブト探索



ゴホンヅノカブトやマルバネなどを探しながら、周辺に転がっている倒木も起こしてみる。どうも八丈島探索を経験して以来、倒木は叩くより起こす意識が強くなっている。・・・しかし、倒木の下にはサソリモドキしか確認できなかった。

サソリモドキ
サソリモドキ



うしやんさんが何かを興味深そうに見ているので確認してみると、なんと数百、数千単位以上のハチが樹の枝に群がっている。分蜂なのか?理由は分からないが、あまりにも数が多過ぎて恐怖すら覚える。タイ王国のジャングルでは様々な光景を目にする事が出来る。

凄まじい数のハチの塊
凄まじい数のハチの塊



タイ王国では大きな蟻塚もよく目にする。触ってみると、どれも表面は硬く壊れにくく、蟻塚の表面上にアリの姿は確認できない。・・・少し前まで勘違いしていたのだが、この突き出た蟻塚内部にアリが生活していると思っていたのだが、地中に巣を作るため掘り出した土ということで、アリ自体の巣は地中に存在している。

蟻塚
蟻塚



・・・とりあえず、それなりに探索を行ったので、車のある広場まで戻る事にした。


広場に戻ると、地元の子供が拾ってきたゴホンヅノカブトの亡骸を確認する事が出来た。どうやら外灯に集まった個体をまとめていた様であるが、見た感じ周辺の生息数は多そうに窺える。せっかくなので、じっくりと拝見してみる。

ゴホンヅノ多し
ゴホンヅノ多し



まずは立派なゴホンヅノカブト♂。すでに標本かと思うほど綺麗にまとまっている。初めて大きなゴホンヅノカブトの♂を拝見したが、想像以上に迫力があり、黒とオレンジのツートンカラーが美しいと感じる。

タイ王国・ゴホンヅノカブト♂
タイ王国・ゴホンヅノカブト♂



次にゴホンヅノカブト♀。♀は以前遠征したタークで生体を確認した事があるのだが、その時は奇跡的に1頭のみであったが、この周辺ではそれなりに個体数も多そうである。

タイ王国・ゴホンヅノカブト♀
タイ王国・ゴホンヅノカブト♀



オレンジ色したゴホンヅノカブトの中に混じって、単色のカブトムシも入っている。見た感じヒメカブトでは無さそうに窺える。タイ王国には“ラビット型”の様な、淡色のゴホンヅノカブトも生息しているので、その仲間かも知れない。

これもゴホンヅノカブト♀?
これもゴホンヅノカブト♀?



本来なら自分の目でゴホンヅノカブトの生体を確認してみたいのだが、ライトトラップや森林内探索を行ってもなかなか個体を確認する事が出来ない。見付けられない要因は色々とあるのだろうが、とりあえず周辺にそれなりの個体数が生息している確認が出来た事は前進としておきたい。その反面、これだけの大型個体がすでに外灯に集まり亡骸になっている現状を見ると、もしかすると発生のピークは過ぎているのかも知れない...。


ゴホンヅノカブトの亡骸を拝見した後、ある事に気付く。前回の北部遠征時、結構な数のヒルを目撃していたのだが、先程までジャングルを探索していた事と、多くの牛糞(牛が生息している)を確認したことで、今回もヒルが居るのでは?と思いズボンを確認してみると、やはりヒルは潜んでいた。慌てて靴とズボンを脱いでみる。1匹は靴の中に居て靴下の隙間をうろついていたので、すぐに弾いて消えてもらったのだが、もう1匹はしっかりと脛に噛り付いており、取り除いた瞬間、血が流れ落ちてきた...。前回の遠征時もヒルに噛まれたのだが、今回もまた噛まれてしまった。ヒルに噛まれるとなかなか血が止まらないのが厄介である...。

ヒルに噛まれていた...
ヒルに噛まれていた...



オマケ話として、以前のタイ王国遠征時では藪漕ぎをした際、マダニが付いてきた事があり、日本に帰国後“右耳の中”に違和感を覚え耳鼻科に行ってみた所、タイ王国より持ち帰ってしまったマダニが右耳奥にて体液を吸っている状態であった...。キャッチ&リリースを基本としているはずなのに、向こうから付いて来るとは困りものである...。その時は耳の中に“メチャメチャ痛い”麻酔を打ち、メスを入れて結構な手術になってしまった...。因みに1年経った今でも傷跡は痛い...。ダニ・ヒル対策は国内外問わず、探索する際の服装や長靴、また探索終了したら早めに着替え&風呂に入るなどの対策が必要であろう。


時間的に気分転換含め、山を下りて集落へと向かう。この周辺で食事を取るとなれば、ラオス国境付近の食堂になる。到着すると、タイ人の僧侶がラオス国境を前にして記念写真を撮っている。国境というと物々しい印象があるのだが、前回同様この場所は、穏やかで微笑ましい空気が流れている。

ラオス国境付近
ラオス国境付近



食堂は1件しか見当たらないので前回と同じ店に入る。私は、やはり「ラートナー」をオーダーする。30バーツ(約90円)。前回この店で食べて本当に美味しかった。野菜あんかけと、おこげの付いたセンヤイ(きし麺風の幅広い米麺)が最高に美味しい!

ラートナー(あんかけ)
ラートナー(あんかけ)



うしやんさんも前回同様「パッ・プリ・ムー」をオーダーする。30バーツ(約90円)。唐辛子が激辛なこと以外は、豚肉の入った野菜炒めを乗せたご飯であり、凄く美味しい。

パッ・プリ・ムー(唐辛子豚炒め)
パッ・プリ・ムー(唐辛子豚炒め)



今回も「ママ」をオーダーする。タイ王国版の焼きそばである。一皿30バーツ(約90円)。袋に入った乾麺を使用するなど日本でもお馴染みの焼きそばそのままだが、唐辛子が結構入っており相当辛い。前回汗だくになって食べたのを忘れた訳ではなかったが、今回も汗だくになってしまい、半分はうしやんさんにお願いした...。

ママ(辛い焼きそば)
ママ(辛い焼きそば)




昼食で大汗を掻いた後、午後の探索に入る。まずは前回の遠征時に確認していた倒木に向かってみる。タクヤックゥと思われる樹が風の影響なのか折れて横たわっていたのである。その時はまだ折れて間もないらしく、ほぼ生木状態であったのだが、この4ヶ月ほどで充分に朽ちた状態になっていた。日本では考えられないほど朽ちるのが早く感じられるのだが、タイ王国の風土がなせる業なのだろうか。思えばタイ王国の倒木にはアリが入っている割合いが多い。もしかすると日本とは比べ物にならないくらい“生木→朽ちる→アリ占領”サイクルが早いのかも知れない。

タクヤックゥの倒木
タクヤックゥの倒木



斧は持参しなかったので、うしやんさんの車に搭載してあった折りたたみ式のスコップをお借りして、倒木を調べてみる。やはり前回確認した時はガチガチの生木であった場所が良い状態で朽ちている。サクサクとスコップは入っていく。するとすぐに食痕が見つかり、クワガタらしき幼虫も確認できた。見た感じそれほど大きいクワガタの幼虫には見えない。

クワガタの幼虫発見!
クワガタの幼虫発見!



食痕は多くその後を追ってみると、結構な数の幼虫が確認できた。見た感じドルクス系では無い様に感じる...。この細長い幼虫の特徴...。どこかで見た様な気がする。もう少しだけ調査みようとスコップを入れてみる。

結構居る
結構居る



すると、突然ボロッと黒いクワガタが姿を現した。・・・一瞬、迷う。「ん?、チビ?」見た目は八丈島でもよく目にしたチビクワガタなのだが、大きさがかなり大きい。確かに八丈島のチビの幼虫も細長かった気がする。まさかの小型種だったので今まで以上に名前など分からない...。とりあえず“不明チビ”としておこう...。オガサワラチビくらいの大きさに感じる。

タイ王国・不明チビ
タイ王国・不明チビ



「カラン♪カラン♪」 ・・・どこからとも無くベルの音が聞こえてくる。



タクヤックゥの倒木に気を取られていると、カウベルを鳴らしながら牛の列がやって来た。一列に並んだ牛たちは、慣れた様子でどこかへと向かおうとしている...。

牛の列がやって来た
牛の列がやって来た



牛は随分と人に慣れている様子で、うしやんさんが手を差し出すと、愛嬌よく近付いてきた。“牛とうしやん”相性は良いらしい...。

牛と うしやん
牛とうしやん



牛の列の最後に地元の方が歩いてきた。どうやら牛たちの主の様であるが、格好が“いかにも”という感じで凄く雰囲気がある。この周辺のタイ人は皆、人が良い。こちらから話しかけても丁寧に返事をしてくれるし、温厚な人柄だというのがすぐに判る。

牛飼いのオジサン
牛飼いのオジサン



牛飼いのオジサンが何かをくれた。見た感じ果物の様な気もするのだが、名前を伺ってみると「マカンポン」というらしい。全く想像もつかないのだが、とりあえす口に入れてみる。・・・非常に酸っぱい。・・・だけ。・・・正直美味しいとは思えなかったが、オジサンの気持ちは嬉しかった。

マカンポン
マカンポン


6月から気になっていた倒木の調査も終わり、車のある広場に戻る。周辺で探索できそうな事は一通り終了してしまったので、ライトトラップまでの数時間は各々自由に過ごす。私はとりあえずブレビスマルバネの追加個体が確認できないか、今一度周辺の林道やマツの樹などをチェックしていく。

しばらく探索を行っていると雲行きが怪しくなり、遠くの山間で雷の音が聞こえ出した...。こちらに向かってこなければ良いのだが...。

ノンビリとした時間を過ごす
ノンビリとした時間を過ごす



探索を続けていると非常に雰囲気を感じる溜池を発見。先週は広島県にてナミゲンゴロウを確認しているだけに、その感覚でいうと期待出来そうに窺える。水面には多くのミズスマシが泳いでいるので、他に水生昆虫が居ないか目を凝らしてみるが、イマイチ分からない。・・・残念だったのは、今日が遠征2日目であればペットボトルでトラップを作って試してみたかったが、今から山を下りて餌を用意する時間は無いのである。今回は縁が無かったという事だろう...。

良い池があったが...
良い池があったが...


時間帯としてそろそろライトトラップの準備を行おうかと思っていたのだが、そのタイミングで先ほどまで遠くで聞こえていた雷が近付いてきて、周辺は一気に土砂降りになってしまった...。正直、最悪である...。北部遠征は夜間のライトトラップがメインとなるので、2日しか行えないライトトラップの2日目が中止になるのは本当に痛い...。それでもいつも自分自身を納得させる様に「自然相手の事だから仕方が無い...。」と言い聞かせる。

・・・自然相手、それは日本でもタイ王国でも同じなのである。

最悪の土砂降り...
最悪の土砂降り...



うしやんさんと協議した結果、残念ながら本日のライトトラップは中止として、夕食を取りに山を下りることにした...。




気分を切り替え夕食を楽しむ。今晩は「センミー・ナーム」を食べる。センミーと呼ばれるビーフンの様な細麺と、ナームといえば“汁あり”という意味になるので、直訳すれば“汁入り細麺”という事になる。元々それほど高くは無いのだが、牛の肉団子をトッピングしたので40バーツ。それでも日本円にして120円程度なので、やはりタイ王国の屋台料理は“安い・早い・美味い”の三拍子が揃っている。これも凄く美味しかった!

センミー・ナーム(汁入り細麺)
センミー・ナーム(汁入り細麺)



・・・宿に戻り早めの就寝とする。明日は最終日、時間の許す限りタイ王国を満喫したい zzz



成績不明チビ×1 ヒメカブト♀×1 ゴホンヅノカブト(亡骸)
(魔琴:持ち帰りなし)

4日日へ

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