2012.06.16(土)へっぽこ遠征inタイ王国(3日目) 海外・タイ王国 8:00AM 晴れ 29℃ 同行者:うしやんさん(タイ王国在住) タイ王国遠征、3日目の朝。 ・・・窓の外が明るくなり、自然と目が覚める。昨晩はシャワーに入ってないのだが、不思議と体がベトつかない。標高900メートルほどの宿なので、タイ王国であっても朝夕は涼しく、部屋にエアコンが無くても快適なのである。むしろ普段エアコンに慣れた生活をしているせいか、この自然な涼しさの中での目覚めは非常に清清しく気持ちが良い。 隣の部屋のうしやんさんは既に起きている様子である。昨日、宿にお願いしておいた朝食を食べに行く。見た目は「豚肉入り焼き飯」である。因みにタイ語で“カーオ(米)・パッ(炒める)・ムー(豚)”と呼ばれている。見たまま日本でお馴染みチャーハンそのもので美味しかった。
うしやんさんが車のバッテリーの調子が悪いと言う...。このままでは山奥でエンジンが掛からなくなる恐れがあるので、とりあえず市街地に戻ってバッテリー交換を行う事にした。身支度を整え出発する。色々と探索に必要なものを持って行くのだが、ここはタイ王国という外国なので、パスポートも確実に携帯しなければならない。
車に向かうとうしやんさんが少々変わったカマキリを見ていた。葉の裏に隠れるような平べったいカマキリで、眼が黄色く翅もカゲロウの様に柔らかい。タイ王国には様々なカマキリが生息している事を改めて感じる。
市街地に戻り修理屋に「うしやん号」を預ける。どうやら交換に暫く時間を要する様なので、うしやんさんと共に街の中を歩いてみる事にした。
タイ王国の郊外の軒先では、よく鶏の親子を見掛ける。ピヨピヨ鳴きながら親鳥のあとを付いて行くヒヨコが可愛い。
こうやって昼間のタイ王国の田舎町をじっくりと練り歩くのは意外と少なかったので、東南アジアの街並みが新鮮に映る。
町のあらゆる場所に祭りの告知が出ている。どうやら来週には「ピーターコーン祭り」なる催し物が行われるらしい。
「ピーターコーン祭り」とは雨乞いなど意味する祭りの様で、現地の方が霊の仮面をつけて町を行進する模様で、タイ王国でも有名な祭りとの事である。気が付くとうしやんさんがピー(オバケ)になっていた。ピーターコーン祭りの開催は1週間先であるが、機会があれば祭りを観てみたい気もする。
そろそろバッテリー交換が終わる頃なので修理屋に戻る。この「ダンサーイ」という街では、バンコク都名物の「トゥクトゥク」ではなく、「サムロー」という三輪バイクがタクシー代わりの様である。
・・・昼食時なので、今回はラオス国境付近に足を運んでみる。 目の前には濁った底の浅い川が流れており、それが“国境ライン”だという。よく見ればタイ王国の子供が川を渡りラオスに入っている。厳密に言えばよろしくはないのだろうが、国境らしくない光景にほのぼのとしたものを感じる。因みに私が「わ〜い!」と川を渡って向こう側に行ってしまったら、どうなるのだろう...!?
国境の川の見える食堂で昼食を取る。今回は「センレック」と呼ばれる米の麺をオーダーする。一杯25バーツ(約75円)という激安価格なのだが、これが最高に美味しい。調理するオバチャンの腕の良さを感じる。
今回はもう一品。「ママ」という、タイ王国版の焼きそばである。一皿30バーツ(約90円)これも日本の焼きそばと同じく美味しいのだが、唐辛子が結構入っているので、気付くと汗だくになっている...。暑いタイ王国ではパンチの効いた一品である。
昼食後、一度宿に戻るとブルーメタリックなハンミョウが飛んでいるのに気付く。ハンミョウなので近付くとすぐに飛び立ってしまうので、なかなか捕獲する事が出来ないのだが、とりあえず画像を得てみる。
再び探索を開始する。とりあえず雰囲気の良さそうな場所をさがしてみる...。
林道沿いに洞のある樹を確認したのでチェックしてみる。どうやら樹の上部が折れており、半分倒木状態になっている。倒木になっている部分は、いくつも大きな脱出口があるので、大型甲虫が居ないか倒木を起こしてみる。・・・すると朽ちた部分に黒く大きな甲虫が居るので、驚いて確認してみるとクロツヤムシであった。クロツヤムシは画像を得る前に姿を消してしまった...。倒木の状態はまだ生木の場所も多く、次回の探索があれば改めてチェックしてみたい。
その後も倒木をチェックしてみると、一瞬ネブトの様に透明感のある幼虫に見えたのだが、コガネ系と思われる幼虫が倒木下に佇んでいた。
しばらく探索を続けるが、なかなか甲虫の姿が確認できない。途中、泥で茶色の沼を発見。水生昆虫が居ないかチェックしてみる。網をガソゴソしてみると、大量のヤゴとオタマジャクシが現れた。
その後、地元のレンジャーなどが活動している施設を訪れてみた。人工池には保護されている亀の姿も確認できる。
施設では探索のヒントになる様な情報も無かったので、再び探索に戻る。周辺は山に囲まれた田んぼも多い事もあって水牛の姿も確認できる。体には大量の泥が付いている様子から、どこかで泥浴びをしたのだろう。
途中、雰囲気の良い湿地を見つけたので、水生昆虫が居ないか探してみる。澄んだ水の中には大量のメダカやサワガニの姿が確認できる。・・・しばらくガサゴソやってみたが、結局それ以上の確認には至らなかった。時期的にまだ早い印象を受ける。
・・・結果は伴わなかったが、昼間の探索を終了として、夜のライトトラップに備え宿に戻る事にした。
宿に戻ると夕食が用意してあった。野菜炒めや玉子焼きを食べる。朝食の焼き飯もそうであるが、割りと中華っぽい料理が多いのだが、タイ王国・北部という場所柄、中国の文化も影響しているのかも知れない。
食後にうしやんさんがコーヒーを入れてくれた。・・・人生について語り合う。それなりに年輪を重ねてくると、なかなか人には言えない悩みもあったりするのだが、うしやんさんとはそんな事も腹割って話す事のできる有難い“兄貴”だと思う。・・・コーヒーが最高に美味かった!
そろそろ日が沈む頃なので、今晩のHIDライトをセットする。今回は宿から歩いてすぐの場所に設置できるので、時間的にも余裕がある。
部屋からHIDハンディライトを持ってきて準備完了。気温は標高もあるせいか25℃ほどであり、私にとっては快適なのだが、タイ王国生活の長いうしやんさんにとっては寒いらしく、ジャンパーを着込んでいる。
夜の帳も下りたので、コロニーレーザーを照射する。因みにHIDライトトラップを行う度に「コロニーレーザー」やら「ドル・ゲルバ照準」と表記している元ネタは「機動戦士ガンダム」である。
少しすると大型甲虫が飛来したので慌てて確認してみると、昨晩も飛来したコフキ系と思われる大型コガネであった。なにしろ日本のカブトムシ♀と同じくらいの大きさなので非常に紛らわしい。別の見方をすれば甲虫好きの方には喜ばれる個体かも知れないのだが、私“へっぽこ”は、やはりクワガタかカブトムシの姿を拝みたい。
流れのままに飛来を待っていると、今度は翅に泥の付いた大型コガネが飛来した。大きさも先程のコガネ同様に日本のカブトムシ♀サイズである。素人目に見た感じ、先程のコフキコガネらしき個体と“粉加減”は異なるものの酷似している様に窺える。♂♀の違いなのだろうか?
しばらくするとライトの前に大きな影が見えたと思ったら、そのまま後方に飛び去り壁に激突し落下した“超巨大昆虫”がいる。あまりの大きな激突音にコウモリか鳥類かと感じたのだが、落下した物体を確認してみると、なんと“世界一大きなセミ”で知られるテイオウゼミであった!
手に取ってみると、とにかくデカイの一言に尽きる。個体はテイオウゼミ♂で、低音で「ボボボボッ」と渋く鳴いている。今回の遠征ではまだクワガタの姿を確認してないが、このテイオウゼミを生息地で見る事ができたのは、タイ王国でクワガタ&カブトムシを確認するのと同じくらいインパクトがあり嬉しい。
テイオウゼミを確認できた事で、非常に良いテンションを維持していると、ヒメカブト♂が飛来した。過去のタイ王国遠征の状況から見て、このヒメカブトはタイ王国全土で年間を通して確認しやすいと思われる。初めての場所でも、しっかりと飛来してくれる定番のクワカブが居るというのは“へっぽこ”にとって有難い存在である。
その後も高いテンションをキープしたまま飛来を待ってみたが、残念ながら今晩もクワガタの飛来は無かった...。やはり雰囲気として“シーズン前”という印象を受ける...。今回のライトトラップ設置場所は文句なしの場所だけに、雨季入りした6月ではなく、雨季の終盤に期待した方が良いのかも知れない。とりあえず昨日からの2晩、良い調査は出来たと思う。・・・可能であれば10月頃に再チャレンジしてみたい。
・・・HIDライトトラップを撤収する。
近場の宿の戻る途中、夜空を見上げると満天の星が広がっていた。こんなに星が見えるなんて日本では信じられない。まさに天然のプラネタリウムであり、せっかくなのでうしやんさんの一眼レフにて撮影していただく。
・・・部屋に戻り2日振りにシャワー(修理済み)を浴びる。タイ王国は全体的に水圧が低いのか、勢いが全くないチョロチョロ状態でお湯が垂れてくる。 ??? 自分の足に違和感を覚え見てみると、なんとヒルに噛まれていた。流れ出した血がなかなか止まらない...。ヒルに噛まれると血が止まりにくいのは知っていたが、シャワーで流してもすぐに一筋の血の線が出来てしまう...。困ったものだと思ったが、これもタイ王国の大自然のなせる業であれば仕方ないと変に納得してしまった...。 ・・・明日は最終日であるが、可能な限り探索を試みたい。 成績:ヒメカブト♂×1 (テイオウゼミ×1) (確認後、全てリリース) |
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