2011.07.09(土)へっぽこ遠征in対馬列島(2日目) 長崎県・対馬 11:00AM
晴れ 29℃ 同行者:kapiさん
対馬遠征、2日目の朝。
目覚めと共に窓の外を見ると、天候は晴れであった。対馬では過去何度も天候に泣かされた思い出ばかりなので、どうしても気になってしまう。この対馬はまだ梅雨明けしてなかったと思うのだが、昨日からの天候を見た限りでは既に梅雨明けした感もある。
梅雨明け?な青空
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kapiさんと共に宿の朝食を取る。以前は自分以外は“全て韓国人”という感じだったが、今年はやけに韓国人が少なく感じる。・・・もしかすると、3月11日の「東日本大震災」の影響で日本への旅行客が減っているのだろうか?
・・・身支度を整え宿を出発する。遠征2日目は時間的に余裕があるので距離を少し走ることにした。対馬は離島の中でも大きな島になるので、北部の上県から南部の下県までかなりの時間を要する。今回はまだ見ぬチョウセンヒラタ探索や夜間の灯火採集の設置場所探しも含め、北部へ移動してみる。
途中、漁港にイカ釣り漁船が停泊していた。この対馬では多くのイカ釣り漁船を目にする。以前アオリイカの刺身を食べたことがあるが、非常に美味だったことを思い出す。考えてみればこの数回の対馬遠征では、なかなかアオリイカを食べるチャンスに恵まれてない。その理由は以前営業していた飲食店が遠征で来る度に無くなっているのである。こういう点でも対馬の厳しさを窺える気がした。
イカ釣り漁船
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アオリイカは食べられなかったが、過去に何度も食べている地タコを使用している「たこ焼き屋」があった事を思い出し、車で向かってみると、この店は何とか健在であった。店のオバチャンに話を聞いてみると、道路の拡張工事で店が裏通りになってしまい経営が厳しいとの事であった。次回遠征することがあればまた立ち寄ってみたいが、なんとか頑張って欲しい。
“地ダコ使用”たこ焼き
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・・・宿からかなりの距離を走り目的地に到着した。この場所は、過去の遠征で大型ツシマヒラタ♂が集まるクヌギの樹液場が存在するので、今回も楽しみである。
北部のご神木
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さっそく樹液場を確認してみると、思ったより樹液の出は良くなかったが、中型のツシマヒラタ♂が来ていた。
樹液にツシマヒラタ♂
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他にも洞の中に中型のツシマヒラタ♂が潜んでいたので、掻き出し棒にて個体を確認してみた。やっとツシマヒラタらしい大顎を確認することが出来た。しかし以前ほど、このクヌギの状態は良くなく、どうやら樹の寿命が近付いている様で、あと何年持つか微妙な感じであった...。
ツシマヒラタらしい大顎
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新規の探索地を試みて場所を移動する。しばらくするとクヌギにカブトムシ♂が張り付いているのが車内から確認できた。樹液場がありそうなので調べてみる事にした。・・・それにしてもこのカブトムシ♂、昼間から随分と判りやすい場所に佇んでいるものである。
張り付くカブトムシ♂
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周辺を探してみると、やはり樹液が出ていた。多くのタテハチョウが集まっている。先ほどのカブトムシもこの樹液場から移動したのだろう。・・・しかし、クワガタの姿は全く確認できない。
樹液風景
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そこでkapiさんがクヌギの根元を調べてみると、大きなツシマヒラタ♂が潜んでいた。おそらく夜間、樹液場に集まっていた個体が、そのまま樹の根元で休んでいたのだろう。
根元に大きなツシマヒラタ♂
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車を走らせ探索を続ける。島の至る場所で「ツシマヤマネコ飛び出し注意!!」の看板を見かける。しかしこの広い対馬全体でも100頭も満たない生息数との事で、過去の探索でも見掛けた事がない。日本の山猫としてイリオモテヤマネコの方が有名であるが、この対馬の方がずっと個体数は少ない。
上県の方が多く生息
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知らない内にツシマヤマネコ看板のパターンが増えていた。シルエット的にはこちらの看板の方がリアルに感じる。
新種の看板
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時期的に少し早いのだが、キンオニ生息の地へ足を運んでみた。あと1ヶ月ほどすれば成虫が野外活動をするらしいので、外灯などにも集まる様であるが、いつか機会があればチャレンジしてみたい。
キンオニ生息地
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足元を何かが飛び回っているので目をやると、ナミハンミョウであった。確か以前にもこの対馬でナミハンミョウを確認した覚えがある。
ナミハンミョウ
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・・・昼間の探索にある程度の限界を感じたので、気分転換に以前一度訪れたことのあるツシマヤマネコの施設に立ち寄ってみる事にした。記憶が正しければ6年ほど前にもこの施設を訪れたと思うのだが、その時のツシマヤマネコは既に亡くなっており、今回は別個体を拝見すること出来た。
睡眠中ツシマヤマネコ
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施設内には対馬の生き物の標本なども展示されており、キンオニの標本も確認できた。思っていたより大きく感じる。
いつか確認してみたい...
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最後にツシマヤマネコの剥製を拝見する。この標本も6年前の訪れた際、拝見しているが、改めてイエネコとは全く異なる風貌に存在感を覚える。
ツシマヤマネコ(剥製)
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施設を後にし「異国の見える丘展望台」に向かう。ここからは50kmも離れてない距離に位置する韓国が見えるというのだが、6年前にはイマイチ確認できなかったが、今回どうにか雲と海の間に陸地が見える程度の確認は出来た。韓国と言えば今年2月に羽田の新国際ターミナルより1泊2日で友人に誘われ「サムギョプサル」という豚焼肉を食べに行ったのだが、途中の山などを気にしてみてみたが伐採が多く、どうもクワガタが生息している様な雰囲気には感じられなかった。クワガタ探索であれば、韓国より台湾に行ってみたい。・・・正直、この数年、韓国に対して魅力を感じてない。
微かに朝鮮半島
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夕刻を向かえ、今晩の灯火採集ポイントに場所を移動する。予め昼間のうちにkapiさんと場所を選定していたのだが、時期が良ければキンオニも狙えそうな場所であり、昨晩と違ってほぼ無風に近いので、かなりの期待感を持ってしまう。
本日の照射ポイント
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夜の帳が下りると共に灯火採集を開始する。ほぼ360度山に囲まれた場所なので、HIDライトを2方向に向けて行ってみる。昨晩が強風にて非常に厳しい内容だっただけに、私もkapiさんも今晩の無風状態に興奮を抑えきれない。
コロニーレーザー点灯
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・・・しかし、待てど暮らせど数頭の小さな蛾しか飛来しない...。昨晩より数段に条件が良いはずなのに、何かがおかしい。・・・ある瞬間kapiさんが気付いた。“月が出始めていた”。
・・・結局、前半戦の1時間30分が経過した時点で、全く飛来しない状況にHIDライトを撤収する事にした。
ライト撤収後、樹液場を回ってみるとツシマヒラタ♂が確認できた。昨日から見た感じではツシマヒラタの時期として、今年は少し早い様に感じる。例年であれば同所でもう少し大型のツシマヒラタが確認できても良い気がしているのだが、自分の“へっぽこ”具合を差し引いてもそんな気がする。
樹液にツシマヒラタ♂
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宿に戻る前にフルーツトラップを確認してみると、ツシマヒラタ♀が来ていた。改めて感じるのは個体の大きさを問わなければ、島内のどこでもツシマヒラタの姿を確認できるので楽しい。そう考えるとその先のチョウセンヒラタが確認できてない理由として、設置ポイントや時期の問題もあるのかも知れない。
フルーツトラップにツシマヒラタ♀
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宿に戻る途中、夜空が朝焼けの様に明るい場所があるので、確認してみるとイカ釣り漁船の灯火であった。100近くの漁船が漁に出ている様に窺える。因みにイカ釣りに月齢は関係ないのだろうか?それにしても対馬らしい光景であり、改めてアオリイカを食べたくなってしまった。
イカ釣り漁船の灯火
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・・・明日は対馬遠征の最終日。最後の奇跡を期待したい。
成績:ツシマヒラタ♂×6 ♀×1 カブトムシ♂×1 (魔琴:持ち帰りなし)
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