2010.04.16(金)へっぽこ遠征inタイ王国(2日目)
海外・タイ王国 8:30AM 曇り時々雨 35℃ (暑い) 同行者:うしやんさん、軍曹さん(皆さんタイ王国在住)

タイ王国遠征、2日目。

・・・目覚ましの音で何とか起きる。タイ王国と日本の時差は2時間であるが、昨晩就寝したのが日本時間の午前4時30分(現地時間:午前2時30分)だった為、これが時差ボケなのか分からないが、疲れが取れず体が重く感じる。いつもの遠征の様に窓の外を見てみると、雲は広がっているが雨は降ってない様である。前回のタイ王国遠征は12月だった為、その時タイ王国は乾季という事で全く雨が降らなかったが、今回は暑季の入りという時期なので、それほど天候に左右されないと思われる。

タイ王国の朝
タイ王国の朝



とりあえず朝食をとる為に食堂に向う。うしやんさんはご自宅に戻られているので、1人での朝食になる。この瞬間まであまり深く考えてなかったが、日本国内の離島遠征と違い、ここは“タイ王国という外国”なので、「タイ語の話せない自分は果たして朝食を食べる事が出来るのか?」と急に心細くなったが、食堂にて朝食のチケットを渡した所、完全なる日本の朝食が出てきた。お味の方も何の問題も無く、不思議な感覚であった。

完全なる日本食
完全なる日本食



・・・朝食後、身支度を整え宿を出発する。




うしやんさんと合流し、探索を開始すべく市街地を抜けていく。実はこの数日、日本の報道でも良く流れていたが、バンコク都中心部で「反独裁民主戦線」(UDD)と呼ばれるデモ隊が繁華街の一部を占拠して、軍と激しい衝突を起しているのだが、昨晩の内にバンコク都を離れており、現在自分の滞在している地域では、全くその影響は見受けられない。

タイ王国の市街地
タイ王国の市街地



山に入る前、飲み物を購入しようとセブンイレブンに立ち寄る。本当に良く見掛ける。タイ王国内での店舗数は5000店も存在する。因みに日本は12000店。少々田舎よりの場所でも日本と同じ様に存在するので非常に重宝する。

どこにでもあり重宝
どこにでもあり重宝


山に入り林道を歩く。・・・すると何やらオブジェの様な物がある。どうやら蜘蛛の巣をモチーフとした“ゴミ捨て禁止”を謳っている様である。確かにインパクトはあった。

ゴミ捨て禁止オブジェ
ゴミ捨て禁止オブジェ



うしやんさんと共に森の中を進む。ふと沼を覗けば観た事のないトンボが飛んでいたり、初めて聞く鳥のさえずりも耳に入ってくる。樹の上の方でガサゴゾ音がするので目をやるとリスが樹の実をかじっている。その1つひとつの風景を見ても、やはり日本とは異なる印象を受ける。

探索開始!
探索開始!



暫くすると、樹液の出ている非常に雰囲気のある洞を確認できた。早速中を覗いてみると大きなクワガタが潜んでいる。幸いにして洞は深くないので、掻き出し棒を用意し格闘を開始する。

洞に大型のクワガタ
洞に大型のクワガタ



それ程時間は掛からず、個体を洞から引っ張り出す事に成功した。確認してみると大きなチェリフェルネブト♂であった。日本のネブトではありえないほどの大きさであり、見た目だけならオオクワ並みの印象を受ける。今回の遠征も良い個体の確認から始まり、テンションが上る。

タイ王国・チェリフェルネブト♂
タイ王国・チェリフェルネブト♂



その後も探索を続けていると、朝から重々しかった空から大粒の雨が降り始めてしまった。近くで雷も鳴り出したので、無理は禁物と車に戻ることにした。場所を移動しながら雨が弱まるのを待つ。場所によって激しく降ってる所もあれば、全く降ってない所もあったりして、山や風向きによって雲の流れが出来ている様である。感覚的には南西諸島の天気に似ている気がする。

タイ王国のスコール
タイ王国のスコール


昼時なので、雨が止んだタイミングで昼食をとる事にした。タイ王国といえばやはり屋台。それはB級グルメの宝庫で、安価で美味しく食べることが出来る、非常に楽しみな一時である。

昼食は屋台にて
昼食は屋台にて



絶品の「パッタイ」を食べる事にした。日本の焼きそばに近い食べ物で、麺はクァイティアオと呼ばれるビーフン風の細麺で、ふりかけられた砕いたピーナッツの食感が最高に美味しい料理である。前回遠征時に食べて以来、クワガタ探索と共に非常に楽しみの1つであった。

絶品のパッタイ
絶品のパッタイ



昼食を堪能したあとセブンイレブンにてお茶を購入する。・・・しかしタイ王国の緑茶のほとんどは、砂糖が入っていて甘いのである。サッパリとした喉越しを期待して飲んでしまうと、日本の常識“緑茶=甘くない”とのギャップで、非常に残念な思いをする事になる。因みにウーロン茶は無糖が存在する。

タイ王国の緑茶は甘い...
タイ王国の緑茶は甘い...



・・・遅めの昼食を取ったところで、夜まで時間があるので一度宿に戻り休憩する事にした。




・・・宿にて仮眠を取ったあと、今晩予定しているHIDライトトラップのポイントへ向う。この夜の探索から前回遠征時にもお会いした軍曹さんと2人の息子さんも合流する。やはり海外で夜間行う探索は、人数的にも多い方が心強い。天候は目的地に向うにつれ、回復してきたので予定通りに進みそうである。

天候は回復
天候は回復



目的地に到着すると軍曹さんは先に到着されていた。4ヶ月振りの再会であるが海外にて日本人と再会するというのは、やはり特別なものを感じる。前回のタイ王国遠征の模様が掲載されたクワガタマガジンをお土産としてお渡しすると、喜んで頂き私も嬉しかった。早速HIDハンディライトの準備を行う。前回遠征時にタイ王国に置いていったHIDライトは、まさに日本とタイ王国の架け橋になってくれていた。あっという間に準備万端整った。

うしやんさんの愛車
うしやんさんの愛車


夜の帳を待ってライトオン。するとすぐに羽虫が集まりだした。雨上がりで外気も30℃ほどあると思われるので、今晩は前回以上に期待が持てそうである。日本と違い“何が飛んでくるのか分からない”楽しみがなんとも言えない。

HIDライト点灯!
HIDライト点灯!



暫くすると羽音と共に大型甲虫が着地したので、確認してみるとヒメカブト♂であった。頭では理解しているものの、突然目の前に見慣れない甲虫が現れるというのは、やはり衝撃的である。本当に贅沢な瞬間である。軍曹さんの息子さんも大喜びである。

タイ王国・ヒメカブト♂
タイ王国・ヒメカブト♂



ヒメカブトの飛来があったので他の種も飛び始めそうだと話をしていると、軍曹さんが「来た!」と叫ぶ。その方向を見ると明らかに日本では拝む事の出来ない様な“大型甲虫”がHIDライト目指して飛翔している。目が離せないとはこの事だと実感しながら、個体の飛来を見守っていると一気にHIDライトまで到達した。意外と飛翔スピードは速いことに驚いた。目の前の個体が現実のものなのか一瞬混乱してしまったが、紛れも無くオオカブトが飛来したのである。感覚的にコーカサスオオカブト♂かと思ったのだが、角の特徴からアトラスオオカブト♂であった。ヒメカブトはようやく見慣れた感もあったのだが、このアトラスオオカブトは桁違いのインパクトであり、この瞬間は一生忘れられないモノとなった。

タイ王国・アトラスオオカブト♂
タイ王国・アトラスオオカブト♂



更に飛来は続き、次に飛んできたのはヒメカブト♀であった。割りと日本のカブトムシ♀に似ているので、変な例えかも知れないが落ち着いて対応する事ができる。それでも良く見れば、寸詰まりなヒメカブトの特徴もあるので違いを感じ楽しい。

タイ王国・ヒメカブト♀
タイ王国・ヒメカブト♀



ヒメカブト♀に続き飛来したのは、アトラスオオカブト♀であった。先程のヒメカブトと全く異なり、翅にメタリック感を漂わせ圧倒的な存在感を出している。そして大型にも拘らず、着地して早足で歩き回ったかと思えば、いきなり飛び立ったりと非常にアクティブである。

タイ王国・アトラスオオカブト♀
タイ王国・アトラスオオカブト♀



この頃になると他の虫も確認できる様になる。画像は得られなかったが、大きなクロツヤムシや大型のセミもHIDライトに集まっている。前回遠征した12月とは、4ヶ月変わると飛来する虫にも随分と変化が見られる。

ミンミンゼミに似てる
ミンミンゼミに似てる



ライトから少し離れた場所にも飛来している個体は居ないものかとチェックしていると、大型甲虫の羽音が聞こえた。着地点にて確認すると小型のアトラスオオカブト♂であった。小さな個体は同所に生息するコーカサスと混同しやすいが、時期的にアトラスであろう。

タイ王国・アトラスオオカブト♂
タイ王国・アトラスオオカブト♂



・・・軍曹さんはお子さんがまだ小さいので、ここでご帰宅となった。またの再会を楽しみにしたい。


・・・時間の経過と共に虫の飛来は落ち着いてきた。時間帯としては20時前後の飛来が多かった様に窺える。

特徴的な脚を持つ甲虫
特徴的な脚を持つ甲虫



その後もバッテリーの続く限りHIDライトトラップを行ったが、それ以上の飛来は無くなった。

虫を狙うトッケイ
虫を狙うトッケイ



・・・片付けを行い、宿に戻ることにした。




遠征2日目の探索はライトトラップにて、タイ王国に生息するアトラスオオカブトの大迫力な飛来を確認する事ができて、本当に良かった。全てが未知なる世界というのは本当に贅沢な事である。改めてタイ王国で夢の様な探索が出来る事に感謝しなければならない。

泰国鍬形倶楽部
泰国鍬形倶楽部



・・・明日も未知なる探索が楽しみである。 zzz



成績チェリフェルネブト♂×1 アトラスオオカブト♂×2 ♀×1 ヒメカブト♂×2 ♀×1
(確認後、全てリリース)

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