2009.12.05(土)へっぽこ遠征inタイ王国(3日目) 海外・タイ王国 10:00AM
晴れ 25℃ 同行者:うしやんさん、軍曹さん、きっちゃんさん(皆さんタイ王国在住)
タイ王国遠征、3日目の朝。
タイ王国は12月に入っても連日30℃前後の気温であるが、乾季に入ってるせいか、蒸し暑さがないので快適である。
涼しいタイ王国の朝
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今日はうしやんさんご友人で、タイ王国在住の日本人の軍曹さんときっちゃんさんとご一緒する事になった。どうやらお二方は、うしやんさんの影響によってクワガタ探索に巻き込まれ、そしてその楽しさを知った方々なのである。朝食からご一緒する事になっており、宿の食堂に向う。すると、すでに軍曹さんときっちゃんさんは到着しており、ご挨拶させて頂く。すぐに会話も弾み、お二方の人柄が伝わってくる。皆さんのお話を伺いながら、朝食を頂く。今朝は挽き肉の入った粥であるが、これまた最高に美味しい。
朝粥を食べる
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朝食を済ませ、身支度を整えて探索に出かけようとすると、軍曹さんが先月採集され、その後飼育していたというクワガタを見せてくれた。既に飼育後に亡骸になってしまった個体であったが、皆さん「シヴァクワ」と呼んでいた。どうやら和名だとオニツヤクワガタらしい。それにしても♂の大きさがハンパなく大きい。先月石垣島で確認した、ヤエヤママルバネの大歯型よりも遥か大きい個体なのであった。・・・こんなクワガタが樹液に居たというのだから、タイ王国恐るべしである。
オニツヤ(亡骸)のペア
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とりあえず周辺の林を探索してみると、川沿いにあるマメ科の樹に樹液が出ていたのだが、虫らしいものは何も集まってなかった。
マメ科の樹液
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とりあえずクワガタの姿が確認できないので、一度コンビニに立ち寄り飲み物などを購入しようとすると、ここで発見!昨日まで気になっていた体重計であったが、タイ王国の方が使用していたのである。どうやらタイ王国では、当たり前の様にコンビニで体重を量る様である。
体重計を使用中!
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本日12月5日は、タイ王国・国王の誕生日として国民の休日になっている。市街地の至る場所で国王の写真や肖像画が掲げられ、いかにタイ王国で大きな存在であるか日本人の私にも理解できた。
12月5日はプーミポン国王の誕生日
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買い物を済ませ再び探索を進める。ある場所にてヤシの実から発芽しているものを見つけた。この様な光景は、日本の離島でもまずお目にかかれない気がする。
ヤシの実から発芽
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暫くすると小熊の入った檻に到着した。うしやんさんの説明によると、この熊は赤ちゃんの頃に山で保護された様で、先ほどのコンビニにて購入したマンゴーの加工品を与えてみると、一瞬にして平らげてしまった。随分と人に慣れ愛嬌のある小熊であった。
山で保護された熊
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・・・因みにこの檻の管理は大丈夫なのであろうか?確かに山の中なので、逃げ出しても自然に帰るだけなのだろうが、かなりフリーな感じがする。
適当な管理...
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その後も山登りを続けていくと、ある滝に到着した。このタイ王国では滝が多いとの事である。水の透明度も高く、魚やトンボなどを探してみたが、ここでは何も確認できなかった。
滝を渡る
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頂上付近まで辿り着き、樹の確認などを行う。樹液の出ている樹はあるのだろうか?また倒木など裏返す際、大きなサソリや毒蛇が生息しているとの事なので、一目確認してみたい気もするがとにかく安全第一で進んで行く。
熱帯のジャングルを探索
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少しすると巨大な蟻塚が現われた。1メートルを越える高さまで塚はそびえ立っており、その存在感に驚く。近付いて確認してみたが表面には全くアリの居る気配が感じられない。塚の内部に生息しているのかも知れないが、とてもではないが崩してまで確認する気になれなかった。
巨大な蟻塚
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何というか今までみた事もない植物も多い。一体なんなのか?と感じる不思議な植物があったり、日本の離島で色々なものを観てきたつもりであったが、やはり世界は広いというか奥の深さを感じる。
不明植物
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山登りを始めて数時間。昼食の時間になったので山を下り市街地を目指す。タイ王国では食事毎に新たな発見があるので、私にとって食事そのものが楽しいイベントになっている。因みに郊外の様な場所であれば、路上駐車をしても特に取り締まられる事はない様である。
昼食の為、市街地へ
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タイ王国に屋台は多く、朝から夜遅くまで営業している店も多い。お世辞にも綺麗とはいい難い気もするが、全体的に値段も安く、日本人の口に合う料理も多い。
趣のある店舗が多い
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まずは「ガイヤーン」という、いわゆる焼き鳥である。見たままであり、味付けも想像通りで美味しい。
ガイ・ヤーン(焼き鳥)
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次にどんぶり的な存在で「カーオ・カー・ムー」。簡単にいえば“豚足めし”であり、言葉の意味は“カーオ(米)・カー(足)・ムー(豚)”という事になる。これも脂っこくは無く、最高に美味しい。タイ米がパサつくので、多少脂分のある具材が乗っている方がより食べやすくなる。
カーオ・カー・ムー(豚足めし)
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最後に「センミー・ナム」というラーメンの1種。タイ王国ではビーフンの様な米の麺“クァイティアオ”と、日本でもお馴染みの黄色い小麦麺“バミー”が存在するが、やはり現地では“クァイティアオ”の方を食べたい所である。これもピリっとパンチの効いたヘルシーラーメンで、なかなかイケる。
センミー・ナム
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美味しい昼食を堪能した後は、午後の探索を開始する。軍曹さんの提案で、昨日とは違う場所を調査してみようという事になり道を進む。天候も乾季という事でよく晴れており、少し動くと汗ばむ陽気であるが、何とうしやんさん、軍曹さん、きっちゃんさん一様に「寒い!」と言うのである。話によると4月の暑さが40℃程になるので、それに慣れてしまうと25℃では寒いらしい。見れば皆さん長袖を着ている。
午後の探索開始!
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暫く探索を続けていると、雨季にかなりの樹液が出ていたと思われる箇所を確認できた。あと1ヶ月早ければ、どんなクワガタが確認できたのであろうか?機会があれば雨季に確認しに来てみたい。
凄まじい樹液痕
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・・・と、皆で探索をしていると地元のタイ人の方々が、「外国人たちが何を一生懸命に探しているのか?」と、興味がある様で集まってきた。
何をしているのか興味深いらしい
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軍曹さん&きっちゃんさん:(タイ語で地元の方に)「クワガタ&カブトムシを探しているのですが、見た事ありますか?」
タイ人:「外灯によく飛んでくるよ!」
軍曹さん:「どんなのですか?」
タイ人:「確か死骸が転がってたから、そこから持ってくるよ...。」
日本人全員:「是非とも宜しくお願い致します!」
そして持って来てくれた個体が、なんと巨大オニツヤ♂であった。こんな巨大個体が樹液に集まり、更に外灯にも飛来するという事が判り、発生ピーク時に探索を行えば、凄いことになる事が容易に想像できる。
近くの外灯に飛来したオニツヤ♂(亡骸)
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更にカブトムシもいるとの事で、軍曹さん曰く「ヒメカブトかも知れない...。」と思っていたら、タイ人が持って来てくれた個体は、なんとコーカサスオオカブト♂であった。これには一同度肝を抜かれた。私も現地でまさかこんな個体がお目に掛れるとは思ってもいなかったので、今夜はこの周辺でHIDライトトラップを試みる事になった。通訳して情報収集して下さった、軍曹さんときっちゃんさんの大ファインプレーであった!
近くの外灯に飛来したコーカサス♂(亡骸)
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夜まで随分と時間があるので、昨日探索したポイントへ向う事にした。タイ王国では車の荷台に人が乗っているのは当然な感じで、天気が良せいか非常に気持ち良さそうである。またバイクも1990年代に行った台湾(某格闘ゲームイベント)を思い出すが、3〜4人乗りは当たり前な感じである。
こういう乗り方が多い
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昨日も訪れた“地雷除去活動完了地帯”を通過する。ドクロマークはいつ見てもインパクトがある。
再び探索
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林道を進み、昨日個体が確認できたポイントまで来る事ができた。
昨日モウホツヤ♂が居た樹
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昨日は2頭のモウホツヤ♂を確認できたのだが、どうやら今回は何も来てない様である。枝先までヒメオオ探しの様な感覚で探してみたが、何も確認する事が出来なかった。タイ王国のジャングルに数名の日本人がクワガタ探索をしている...。これだけで最高の一時なのである!
タイ王国のジャングルに日本人集団
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樹液にモウホツヤは確認できなかったので、昨日ヒメカブトが多く確認できた樹に行ってみる事になった。しかし、その場所へ行く為には“とんでもない悪路”を通過しないと行く事はできない。喋ると舌を噛み切りそうなほど凹凸の凄まじい林道であり、途中には川渡りする場所もある。日本の離島でも味わえない経験であり、それが海外探索の醍醐味だと感じる。
再び悪路を行く
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笑ってしまうほどの悪路を抜けると、樹液の出ている樹が近付いてきた。樹には多くのヒメカブトが集まっている。近くを通り掛った地元の方に聞くと、この樹の名前は「タクヤックゥ」と呼ばれているらしい。見た感じはシラカシの雰囲気にも似ているが、熱帯系の樹だと思われる。
樹液に集まるヒメカブト
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ヒメカブトを観察してみる。数本しかない樹液の出ている樹には、今日も多くのヒメカブトが集まっている。日本と同じく甘酸っぱい匂いの樹液であり、この雰囲気は日本の光景と良く似ている。
タイ王国・ヒメカブト♂♀
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特に小さな♂個体は日本のカブトムシに良く似ている。・・・この樹液の光景を観察していると、時間を忘れ何時間でも見続けてしまいそうになる。本当に自然の姿を観察するのは楽しい。
小さな個体は日本産に似てる
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昨日に引き続き洞の中にヒラタ♂が確認できた。この個体は大顎の先が折れていた。相変わらず乾燥した場所にいるので、いつまで長生きできるか分からないが元気でいて欲しい。因みにタイ語でクワガタとは「メンキーム」と言うらしい。
大顎の折れたヒラタ♂
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昨日試食してみたバナナであるが、今日は先客が居た。見た目で野良犬だと判る。やはりバナナは栄養価が高いせいか、野良犬にも人気があるらしい。1頭がバナナを食べていると、あとから同じ様な野良犬がもう1頭現われた。
バナナを食べる野良犬
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時間はあっという間に過ぎていく。・・・気がつけば日は傾いており、今晩HIDライトトラップを予定している場所へ向かう事にした。
タイ王国のサンセット
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目的地に到着しHIDライトをセッティングする。・・・と、言ってもいつも通り三脚にライトを乗せるだけである。これには皆さん驚いている様子で、もっと大掛かりなセッティングになると思っていたらしい。本当に使い勝手が良いと感じる。
HIDライトトラップの準備
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皆さんと話をしている内に日は暮れ、HIDライトを点灯する。すると周辺のタイ人の方が「どんなイベントなんだ?」的に興味を持って、近寄ってくる。確かに普段は漆黒の闇しかない山に、レーザービームの様なライトが照らせれるのだから興味深いのだろう。ただ、内容が“虫を集めるライト”と言うと、あまり興味が無い様で戻って行ってしまう。・・・当然の事だが、民家がある方向には絶対に向けてはならない。
点灯!
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暫くすると巨大なムカデが現われた。日本の南西諸島でも大きなムカデは見掛けるが、タイ王国のムカデは更に大きい。こんな個体に刺されたら堪らないだろう...。
巨大ムカデがやって来た
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時間の経過と共に様々な虫が飛来し始める。日本では見た事のない怪しい巨大蛾も飛来する。
怪しい蛾
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昨日同様にセミも多く飛来する。昨晩とは場所や標高が違う事もあり、飛来する虫にも変化がある。どちらにしても殆ど見た事のない昆虫ばかりなので、何が飛来しても楽しい。
今日もセミは多い
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・・・虫の飛来に落ち着きが出たので、近場の外灯を見て回る事にした。昼間に現地のタイ人が、コーカサスオオカブトやオニツヤが外灯に集まっていた話しを聞く事ができたので、期待感が膨らむ。
外灯回りを行ってみる
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すると、ある外灯下にコーカサスオオカブト♀と思われるパーツが落ちていた。明らかに日本のカブトと異なる雰囲気に興奮を覚える。普通の外灯でも“落ちているものが異なる”というのは、やはり異国ならではの光景であろう。
コーカサス♀のパーツ
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その他の外灯を見ていくと、やはり様々な虫が集まっている様である。時期的に乾季に入った事もあってか、少々時期遅れの感も否めなかったが、これが雨季だったら、どれ程の虫たちに出会えたのだろうか?こうなると改めて雨季に足を運んでみたくなってくる。
不明カミキリの亡骸
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他の外灯には、これもコーカサスと思われるパーツが落ちていた。状況から見てやはり時期を外している様であるが、現地で自分の目でそれを確認する事が出来ただけでも、もの凄く大きな収穫になった。
コーカサス♀のパーツ
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再びHIDライトに戻ってみると、小さなカミキリが飛来していた。かなり小さな個体であり名前も全く判らないが、今日初めての甲虫なので有り難い事だと感謝する。
HIDライトに飛来した不明カミキリ
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・・・結果として終了間際に大型甲虫が飛来したのだが、草むらに落ちてしまい確認できなかった。最後の最後で大きなチャンスをロスしてしまったが、未知なる場所でのHIDライトトラップなので、最初から成功するほど甘いものではないと思っている。月齢の悪さもあるのかも知れないが、次回という機会があるのなら、是非とも再チャレンジを試みたい。
ライトトラップ終了後、腹が減ったので皆さんと共に夕食を食べに行く。昨晩と同じ様にタイ王国の夜店に出向き、屋台料理を楽しむ。今晩は「イエントーフー」という、発酵させた豆腐にスープを入れて食べるもので、酸味があり少し疲れがあったせいか、すぐに平らげてしまった。本当にタイ料理は何を食べても美味しい。因みに屋台の様な場所でも衛生面はそれなりに確保されていて、タイ王国遠征3日目の現時点で、腹を壊す様な事はない。
イエントーフー
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気がつけば、このタイ王国に来てから日本での諸々の事情を完全リセットして、タイ王国の文化にドップリはまってる自分が居る。本当にここまで、大きな経験を得る事ができ、うしやんさん、軍曹さん、きっちゃんさんに感謝の限りである。今日は異国で頑張る日本人の方々からパワーを感じ、またタイ王国という国の魅力も充分過ぎるほど感じられる、サヌックゥ(楽しい)で最高な1日となった。
成績:ヒラタ♂×2 ヒメカブト♂×8
♀×7 (確認後、全てリリース)
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