2009.12.06(日)へっぽこ遠征inタイ王国(4日目)
海外・タイ王国 8:00AM 晴れ 28℃ (暑い) 同行者:うしやんさん(タイ王国在住)


タイ王国、最終日の朝。

目が覚めると憂鬱を覚える...。今日は1分1秒過ぎる度にそれがタイ王国遠征の終了を意味し、日本に戻らなければいけないのである。目覚めと共にこう思うのだから、いかにタイ王国という場所とうしやんさん達が素晴らしいという事だろう。

タイ王国、最後の朝食
タイ王国、最後の朝食



朝食を済ませ食堂を出ると、ミズカマキリが佇んでいた。この宿にはプールがあるので、それを池だと思い飛来したのだろう。日本のミズカマキリに比べると、かなり小さい様に感じる。これを見た軍曹さんは、「タガメなら外灯に飛んできて、見つけた人が食べる」と言う。個人的にタガメは気になっている昆虫なので、そのほか詳しく聞いてみると「朝市で佃煮になって売られている。」と伺い、確かに以前テレビでその様な光景を見たことを思い出す。次回以降機会があればタガメの探索も行ってみたい。

タイ王国・ミズカマキリ
タイ王国・ミズカマキリ



何気なく足元に生えている草を触ってみると、葉を閉じてしまった...。もしかして「おじぎ草か?」と思い、他の葉を触ってみると全て葉を閉じてしまった。日本にも自生しているのか分からないが、こういうちょっとした事でも楽しいと感じてしまう。

おじぎ草
おじぎ草




身支度を整え宿をチェックアウトする。昨日から行動を共にした軍曹さん、きっちゃんさんとはここでお別れになる。このタイ王国に来て皆さんから学んだ事は大きい。毎日が真剣勝負の中で、タイ王国にて遣り甲斐と生き甲斐を見つけ、強く根を下ろしている姿に感銘を受けた。感謝申し上げ、またの再会をお約束しお別れとなった。

後ろが開いてるバス
後ろが開いてるバス



信号待ちをしていると、地元の女性が気付いてきて花を売ろうとしている。こんな光景も外国ならではのものであり、なんだか微笑ましい気持ちになった。

信号待ち時に売りに来る
信号待ち時に売りに来る


・・・暫くすると目的地に到着した。この数日探索した場所と異なり、タクヤックゥの様な太い樹も見当たらないが、クワガタは生息しているのだろうか?

探索開始!
探索開始!



探索を行うと、樹液の出ている洞にて“黒い物体”を確認する事が出来た。早速ライトと掻き出し棒にて格闘を始める。

樹液の洞に個体確認
樹液の洞に個体確認



だらだらとした樹液が溜まった様な場所に佇む個体であり、日本であればある程度限られてくるクワガタであるが、このタイ王国でもそれは同様であった。ネブトだと思われる。タイ王国にて洞の個体を採り出す探索ができ、凄く楽しい。

ネブト♂らしき個体
ネブト♂らしき個体



うしやんさんが別の洞にも個体が潜んでいるという。洞の中をライトで照らしてみると、先程と同じ種類の様である。日本よりもかなり大きいせいか、掻き出し棒にて洞から出そうと思っても、踏ん張る力がかなり強い。

別の洞にも確認
別の洞にも確認



時間は掛かったが洞から個体を確認することが出来た。チェリフェルネブト♂×2頭だった。1頭は大顎も片方しかなく激戦ぶりを感じるが、もう1頭はしっかりしており大顎など日本のネブトとはかなり異なる印象を受ける。

タイ王国・チェリフェルネブト♂
タイ王国・チェリフェルネブト♂



その他にも樹液が出ている樹を確認していくと、洞の中にチェリフェルネブト♀と思われる個体が潜んでいた。掻き出し棒にて格闘しても良かったのだが、洞の奥深くにいる為、個体を傷つけてしまう恐れもあったので無理はしたくなかった。先程のチェリフェルネブト♂2頭も元の洞にリリースした。この場所で子孫を増やし、また足を運ぶ機会があったら探索を行なってみたい。

チェリフェルネブト♀が潜んでいる
チェリフェルネブト♀が潜んでいる



チェリフェルネブトをリリースしたそばに、赤く目立つ植物があったので確認してみると、野生の唐辛子であった。これを食べると辛いのか分からないが、ちょっと試食する勇気はなかった。

野生の唐辛子
野生の唐辛子



山の中を探索していると、突然神秘的な場所に辿り着いた。タイ王国は寺院が多いことでも有名で、観光スポットになっている場所から山奥にひっそりと佇んでいる渋めの場所まで、公的なものや個人的なものまでその数は計り知れない。

タイ王国らしい山奥
タイ王国らしい山奥



うしやんさんが“ツノゼミの様な虫”が生息しているという場所に向う。目を凝らして樹を確認していくと、樹皮とは明らかに不釣合いなクリスマスツリーの様な虫を確認することが出来た。どうやらセミの様なのだが、赤い角の様なモノが異様に感じる。うしやんさんが車から5メートルの長網を用意し捕獲を試みる。

怪しい虫を発見!
怪しい虫を発見!



1頭目は網を近づけると、バチッと音を鳴らし飛び去ってしまった。どうやら後脚がバッタの様な仕組みになっている様で、危険が迫ると後脚でキックして羽ばたいていく。2頭目は飛ぶ事なく捕獲できたので、改めて個体を確認してみる。名前はどうやら「テングビワハゴロモ」というらしい。赤い頭部や全体的なカラーバランスが特徴的に感じる。

タイ王国・テングビワハゴロモ
タイ王国・テングビワハゴロモ


時計を見ると昼食の時間なので、タイ王国での探索をここまでとして市街地に戻ることにした。途中、巨大な寝仏を発見。話によると公的なものではなく、個人で製作したらしい。その理由も“良い事が起きたから感謝の気持ちで製作した”との事である。画像の左肩の辺りに電柱があるので、この寝仏がどれだけデカイかお判り頂けると思う。・・・因みにサガットは居なかった。

巨大な昼寝
巨大な昼寝



山を下り、市街地に向って車は走り続ける。窓の外にはサトウキビ畑が広がっている。この広い空と一面のサトウキビ畑だけ見ると、南大東島を思い出す。

サトウキビ畑
サトウキビ畑




暫くすると周辺は人工物の多い景色に変わった。この遠征は山間の活動を行ってきたせいか、市街地には縁がなかったので、ある意味新鮮に感じた。

市街地に向う
市街地に向う



信号待ちをすると、目の前に“ノーヘル3人乗り”的なバイクを多く見掛ける。先日も感じたが、以前行った事のある台湾を思い出す。

何でもありな乗り方
何でもありな乗り方



街中には頻繁に「トゥクトゥク」が走り回っている。これもタイ王国名物で、バイクの動力に客席や屋根を追加した仕様になっており、日本で昔走っていた覚えのあるオート三輪の様な乗り物である。

タイ王国名物「トゥクトゥク」
タイ王国名物「トゥクトゥク」



店を見渡すと意外なほど日本食を扱っている店が多く、まさかの「もんじゃ焼き」まで確認する事が出来た。・・・果たしてお味は如何ほどのものなのだろうか?

日本食も多い
日本食も多い



昼食は、うしやんさんオススメの「カーオ・マン・ガイ」25バーツ(1バーツ=3.5円)を食べる。これまたタイ王国の屋台料理を代表するメニューであり、最高に美味しい。スープで炊いたご飯の上に蒸し鶏が乗っているのだが、非常に食べやすい。これなら何杯でもお代わりが出来てしまうほど美味すぎる!因みにこの遠征では様々なご当地料理を食べてきたが、体重そのものは増えるどころかむしろ減っており、タイ料理のヘルシーさを実感している。

カーオ・マン・ガイ(蒸し鶏のせ飯)
カーオ・マン・ガイ(蒸し鶏のせ飯)



うしやんさんの車で移動はできるのだが、タイ王国へ来た記念にトゥクトゥクに乗る事にした。お世辞にも乗り心地が良いとは言えないが、タイ王国特有を味わうには充分過ぎるほど雰囲気がある。

トゥクトゥクに乗車
トゥクトゥクに乗車



トゥクトゥクを降りると目の前には海が広がっていた。タイ王国に来てから山ばかり行っていたので、新鮮に映る。

タイ王国の海
タイ王国の海



人工的に作られたスペースにウミガメの姿を確認できた。人懐っこく、タイ王国の子供達が露店で買った餌を与えている。錦鯉の様な位置付けだろうか?

ウミガメが泳ぐ
ウミガメが泳ぐ



時間の許す限りタイ王国の文化に触れておきたいと思い、寺院を見学してみる。有名な寺院はどこも観光客で賑わっており、アジアテイストな雰囲気が色濃く出ている。

寺院を見学
寺院を見学



ある場所では説法を説く僧侶の姿も見られる。その姿にもタイ王国の文化を感じる。

タイ王国の僧侶
タイ王国の僧侶



また寺院は観光客だけではなく、地元の方々も多く足を運び祈りをささげている。何というか、タイ王国を象徴する様なワンシーンを見た気がした。

タイ王国の方は信仰心が強い
タイ王国の方は信仰心が強い



タイ王国最終日に寺院を見学する事ができて、本当に良かった。・・・次回があれば他の寺院も見学してみたい。

誰かに似てる?
誰かに似てる?


少し時間に余裕があるので、うしやんさんが「美味しい完熟マンゴーを食べましょう!」と道路沿いの店に案内してくれた。店先には熟した甘そうなマンゴーが所狭しと並べられている。

見るからに美味しそうなマンゴー
見るからに美味しそうなマンゴー



早速オーダーし、完熟マンゴーを戴く。言葉で伝えきれないほど、甘く美味しすぎる!一皿では満足できず、お代わりしてしまったが2皿目も秒殺であった。それを見てうしやんさんと店員の女性は笑っているが、それほど極上な美味しさであった。タイ王国に来たら絶対に食べなくてはならないフルーツであろう。

絶品中の絶品!
絶品中の絶品!



そんな中、うしやんさんに携帯メールが届く。もしかしてタイ語でメールが来てるのかと尋ねてみると、画面を見せてくれた。全くをもって何が書いてあるのか理解できない...。少なくても次回来る時までに、もう少しタイ語が解る様になっていれば広がる何かがあると思う。

サッパリ分からないメール
サッパリ分からないメール


最終日の時間の経過は早い。帰りの便=国際便なので、早めに空港周辺まで行かなくてはならない。・・・正直、この時点で重い気持ちになってしまったが、日本での生活があるからこそ、このタイ王国遠征は夢の一時であって、夢は長く続かない事も分かっている。

空港に向う時間が来た...
空港に向う時間が来た...



高速道路を走り、バンコク都に向う。乾季で全く雨の降らなかったタイ王国を象徴する様な、美しい夕日を眺め黄昏る。

沈む夕日に寂しさを感じる
沈む夕日に寂しさを感じる




最後の夕食は、バンコク国際空港近くの大型ショッピングモールに行く事になった。流石にバンコク都ともなれば近代的な建物が建ち並び、日本と殆ど変わらない雰囲気を感じる。・・・ただ、ドナルドの佇まいには“タイ王国らしさ”を強く感じる。

タイ王国のドナルドは「サワディカップ」
タイ王国のドナルドは「サワディカップ」



タイ王国遠征の打ち上げとして「タイスキ」という鍋を囲む事になった。「MK」というタイ王国でも有名なチェーン店との事で、ここでなんと今朝お別れしたきっちゃんさんが、改めて見送りの為に駆けつけて下さった。運ばれてきた具材や鍋を見て、独特な雰囲気を感じるが、味の方はやや甘口で濃厚なタレが絶品で、肉&シーフードから野菜まで何でも入れて食べてる。日本でも同様だが、気の合った仲間と鍋を囲み酒を交わせば盛り上がらないはずはない。本当に最高の一時であった。

有名なタイスキ
有名なタイスキ


楽しすぎる時間はドンドン過ぎていく。もう空港のチェックインをする時間になってしまった。HIDハンディライトは友情の証としてタイ王国に置いて行くことにしたので、荷物は幾分軽くなったが、その分タイ王国のプリッツやカレー各種を購入したので、結局荷物の量は変わらなくなってしまった。・・・チェックインのカウンターに向う足取りが重い。

バンコク国際空港
バンコク国際空港



バンコク国際空港(スワンナプーム国際空港)を夜の23時に発って、日本には朝6時30分くらいに到着する便に搭乗する。実際はタイ王国と日本では2時間ほどの時差があるので、飛行機に乗っている時間は6時間ほどになる。搭乗する時間帯が夜遅いので、機内では寝る以外ないと思う。

日本に帰る便
日本に帰る便



航空機のチェックインを済ませ、あとは出国手続きをするだけになった。タイ王国在住のうしやんさんは、これ以上空港内に入る事ができない。・・・うしやんさんとはここで最後のお別れとなる。

ここまで色々な話をしていたのに、急に会話がなくなってしまった。結局このタイ王国遠征はうしやんさんが居なければ、何も出来なかっただろう。うしやんさんだって家族や仕事のある中、無理して時間を作ってくれている事も承知している。4日前まで会ったことも、話をしたこともなかった方と、ここまで親しくなれたからこそ、この別れは本当に辛い。


・・・最後にタイ語で「コップンカップ」とお礼を言ってお別れをした。

日本に帰りたくない...
日本に帰りたくない...



うしやんさんが見えなくなってから涙が堪えられなくなってしまい、暫くロビーの座席にて落ち着くよう努めた。

3泊4日のタイ王国遠征、心と心の会話ができるには充分過ぎる時間であった。初日に空港内で待ち合わせを行う以前から、メールのやり取りをさせて頂き、すでに信頼の出来る方だと確信していたが、実際会ってみるとそれ以上に熱い友情を感じる素晴らしき方であった。このタイ王国遠征とうしやんさんとの出会いは、今まで生きてきた中でも指折りの奇跡であり、その全てをうしやんさんに心より感謝申し上げたい。


・・・成田行きの搭乗時間になってしまった。飛行機に搭乗すると共に、日本に帰ってからの事を考えられなかったので、すぐに寝ることにした。

・・・次に目が覚める時は、同時に夢から覚める事を意味するのだろう。 zzz

ありがとう タイ王国



成績チェリフェルネブト♂×2
(確認後、全てリリース)







・・・気がつけば

 ・・・数時間後、キャビンアテンダントに朝食の知らせを受け目覚める。日本時間5時であった。

 全く食欲がなかったが、食べられるだけ口に入れる。

 因みに今朝は月曜日なので、このまま仕事に向わなくてはならないのだが、あまり気持ちの整理が出来てない。

 あまりにもタイ王国の遠征が素晴らしいものだった為、日本での設定が完全にリセットされてしまっている。

 何故か日本に戻ってきた事を実感すると、ダークゾーン的な気持ちになってしまった。

日本の12月
日本の12月



 ・・・自分は本当に帰ってきたのであろうか?

 ・・・ただ間違いないのは、この数時間後いつもと同じ会社での仕事が待っている。

現実の世界へ...
現実の世界へ...




日々の生活あっての息抜きかも知れないが、今回のタイ王国遠征は人生観が変わるほどのインパクトを受ける旅であった。様々な可能性を信じ、改めてタイ王国へ足を運ぶことを実現させたいと思う。


・・・本当にタイ王国遠征を行って良かった。


へっぽこ遠征 in タイ王国PartT ...完

嗚呼、2010年のタイ王国遠征が待ち遠しい・・・。

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