2009.12.03(木)へっぽこ遠征inタイ王国(1日目) 海外・タイ王国 8:00AM 晴れ 30℃ (暑い) 同行者:うしやんさん(タイ王国在住) ・・・11月の石垣島遠征を終え、2009年「へっぽこ採集記」も終わるはずだった。 そんなある日、以前から興味深く気になっていた海外サイトを閲覧している内に、様々なハードルを感じながらも思い切ってその方へメッセージを送ってみた所、なんと私のサイトをご存知の様で、そこから話は一気にタイ王国遠征に進展してしまった。 実にメッセージのやり取りから1ヵ月後にはタイ王国の大地に降り立つという“へっぽこ”らしい海外遠征となった。正直な所、タイ王国のクワガタといっても全く名前すら判らず、ある意味真っ白な状態での海外遠征に大きな希望を持つことにした。
まずは国際線の就航している成田空港に向う。いつも利用している羽田空港以上に検問などのセキュリティが厳しく、空港内に外国人が多い事もあって全く異なる空間に感じる。
そして羽田空港との大きな違いとして、パスポートが必要な事である。国内離島はいくら遠くても日本国内なので航空券1枚あれば何とかなるが、流石に海外渡航になると、身分が明確でないと出国すら出来ない。事前に確認したところ、以前使用していたパスポートが期限切れになっていたので、ICチップ入りの新たなパスポートを用意した。 因みに日常使用している携帯電話を持ち込むのだが、当然海外では通信料が大幅に増す事を成田空港内に常駐している携帯会社から説明があった。特に携帯メールなど1通50円の通信料が掛かると言われたので、日本国内と同じ使用方法だと請求書が大変な事になりかねない。
ふと壁に貼ってあるポスターを見ると「外来生物の輸入に注意!」と書かれている。今回の海外探索も“1頭も持ち帰らない”と決めているので特に関係ないのだが、個人的にタイ王国というまだ見ぬ国での探索でもあり、だからこそ“持ち帰らない”という自分なりの拘りを通してみたい。
搭乗手続きは順調に進み、タイ王国のバンコク国際空港行きの搭乗口まで来た所で、まだ時間に余裕があり小休止する。目の前のボードにはバンコク行きが表示されている。今回は初めてのタイ王国という事もあり、何かと日本語での対応が助かると思い、航空会社はJALを選択した。
成田は朝から冷たい雨が降り続いている。12月なので寒いのは当然であるが、これから向うタイ王国は天気予報を見たところ30℃となっている。先月の石垣島も暑かったが、熱帯に位置するタイ王国はもっと暑いのだろう。今回、機内持ち込みの荷物としてHIDハンディライトの入ったリュックを持参したが、何の問題なく検査をパスする事ができた。まさか異国の地で、HIDライトトラップが行えるチャンスに恵まれるとは嬉しい限りである。
バンコク行きのJAL機は成田空港を離陸する。暫くすると、国内線では通常出てこない機内食が運ばれてきた。今回のメニューは「たいめいけんカレー」との事。考えてみれば日本橋の店舗には行った事が無い。「たいめいけん」と言えばオムライスが有名だが、カレーライスもあるので、帰国後に食べに行ってみたい。
飛行機に乗ってしまえばいつもの離島遠征と同じものであるが、窓の外を見るといつしか日本の雨雲は消えており、青空が広がっている。・・・この場所は既に日本ではないので不思議な感覚である。
機内のモニターを確認すると香港上空を飛んでいるらしい。ここにきてようやく“いつもと違う遠征”の意識が出てきた。
・・・タイ王国入国の為、書類等の記載を行ったあと、少し睡眠を取る事にした。
・・・暫くすると、バンコク空港着陸態勢に入ったとのアナウンスが流れた。 何気なく窓の外に目をやると、そこにはタイ王国の大地がしっかりと見えていた。見た感じ何かの畑の様にも伺えるが、正確な所は判らない。ただ、日本の風景とは全く異なる事だけは感じ取る事ができる。目下に迫る異国の地を見て、これから始まる大冒険の様な興奮を覚える。
無事にバンコク国際空港に降り立つ。JALなのでここでも機内アナウンスは日本語であるが、周辺の気温は30℃だと言う。窓の外の飛行機は見知らぬ機体ばかりで、やはりここが異国の地である事を実感する。
正直タイ王国といっても寺院などのイメージしかなかったが、空港だけ見ると非常に近代的なものを感じる。 因みに「バンコク」と一言でいっているのだが、儀式的正式名称としては、「クルンテープ・マハーナコーン・ボーウォーン・ラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロッカポップ・ノッパラッタナ・ラーチャターニー・ブリーロム・ウドムラーチャニウェット・マハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤ・ウィッサヌカムプラシット」という、非常に長い名称らしい。・・・もはや呪文にしか聞こえない。
飛行機を降り、空港内の荷物受け取り場所を探す。屋内に居ても外気温の高さが伝わってくる。少し歩くだけで汗が出てくる。
なにやら巨大なオブジェがあるので、映画「ウルトラ6兄弟vs怪獣軍団」思い出のハヌマーンかと思ったが、確認してみると「ヤック(鬼)」と呼ばれる魔除け的存在だった。どうやら日本の「夜叉」と「ヤック」の語源は同じものらしい。
歩を進めていくと機内に預けた荷物を受け取るより先に、入国チェックを受けることになった。見た感じ、中国人や韓国人などアジア人もそれなりに居るが、オーストラリアやヨーロッパの西洋人の姿も多く、多国籍な印象を受ける。
それにしてもこの入国チェックがやたらと時間の掛かる作業で、かなり待たされている。預けた荷物の状態が気になるのだが、この審査をパスしなければ荷物を受け取れないとの事であった。・・・焦っても仕方ないので順番を持っているのだが、暇なので日本より持ち込んだDSのドラゴンクエスト\の“すれちがい通信”を行ってみたが、さすがに他にDQをやっている人は居なかった...。(2010年7月1日現在、すれちがい人数 9999人)
・・・かなり時間が掛かったが何とか入国審査を終え、預けていた荷物を受け取ることが出来た。 この後は空港内にてタイ王国在住の日本人、うしやんさんと合流する事になっている。予想外に入国審査で時間が掛かりすぎてしまったので、一度携帯から連絡を入れてみる。すると携帯電話からうしやんさんの声(関西弁)が聞こえてくる。初めてメール交換してから約1ヶ月。そしてこの電話で初めてお互いの声を聞いた訳であるが、なんというか今までメールのやり取りもそうであったが、とても“初めてお会いする人とは思えない古くからの友人”の様な印象を抱いており、この数分後に待ち合わせ場所にて合流したうしやんさんと挨拶を交わした瞬間、やはり同じ様な印象を抱いた。 これは、うしやんさんのお人柄がそう思わせてくれるのであって、この時点でタイ王国遠征が大成功であろうことを確信した。
普段であれば“外国で初対面の方”というシチュエーションは手探り感があるのだが、うしやんさんとは最初からお互いの情報交換だったり、互いに話したいことを話せる雰囲気で、すぐに打ち解けてしまった。タイ王国も素晴らしいが、うしやんさんはもっと素晴らしい。
うしやんさんの車にて宿泊地を目指す。空港から数時間掛けて移動する。タイ王国に到着したのが16時過ぎだったので、時間の経過と共に辺りは暗くなり始めている。ここまで道路の印象は、殆ど日本と変わらないくらい舗装され、また信号が少ないので長時間の運転でも日本の様なストレスは感じ難い。
更に車を走らせると地平線に近い位置に、まん丸の赤い満月が現われた。日本でも同じ様な現象を見ることはあるが、タイ王国で最初に見た月がこれだったのでインパクトがあった。
途中、給油と休憩の為ガススタンドに立ち寄る。雰囲気的には通り沿いにあるガススタンドであり、万国共通な印象である。
タイ王国はガススタンドとコンビニが併設されているのが普通で、飲み物購入と異国のコンビニに興味があったので入店してみる。
ドリンクコーナーを見ると日本で販売しているものは、タイ王国でも購入できる様である。当然日本語表記ではなく、タイ語で表記されているファンタやスプライトなど新鮮なものを感じる。
FISHOを発見して興奮する。・・・個人的な趣味(昭和ウルトラマン)の話になってしまうが、このFISHOは過去に日本では未発売の“タイ版ハイパーウルトラマン”のオマケが付くというキャンペーンがあり、この時点で日本では未発売だったゾフィーの造形も含まれていた。当時4つほどそっち系の知り合いから入手したのだが、本場タイ王国の地でこのFISHOを目の当たりにすることが出来て感動を覚えた。・・・記念に数袋購入した。
更に意外にも日本ブランドの商品が多い事に気付く。話によるとタイ王国にもグリコがあるので、多くの商品が出ており人気があるらしい。うしやんさん曰く「ラーブ味が美味しい!」と言うのでプリッツを購入してみたが、あとで宿に戻ってから食べてみると、ピリ辛風味の絶品であった。
宿に到着しチェックインを済ませると、うしやんさんが「トッケイが居ますよ!」と言うので確認してみると、とんでもない大きさのヤモリが佇んでいた。目視では25センチくらいあると思われる。ちょっと常識ハズレな大きさで、見た目も毒々しかったので、とても触ってみたいという気になれないが、とにかくデカイその姿に「さすが東南アジア!」というインパクト絶大な存在感であった。
その後、近くの外灯を探索してみると、うしやんさんが何かを拾い上げた。大型甲虫の翅である。どうやらヒメカブトの翅の様である。・・・と、いう事は、もう少しこの周辺を探索していけば、元気な個体に出会える可能性も高いという事だろう。とにかく見るもの全てが新鮮である。
・・・しかし腹が減ってしまった。考えてみればタイ王国に到着してからまだ何も食べてなかったので、まずは夕食を取る事にした。
食堂にて、とりあえずタイ王国らしいものという事で「トム・ヤム・クン」や蟹の野菜炒め「プー・パッ・ポン・カリー」をオーダーしてみる。タイ料理というと“とにかく辛い”というイメージがあったのだが、食べてみるとここのはそれほど辛いものは無かった。そして想像以上に美味しいのである。どれを食べても日本人の口に合うものばかりで、最初の食事でタイ料理が気に入ってしまった。
夕食後は外灯回りの前に、今一度コンビニへ向かう。タイ王国で感じた事はセブンイレブンが多い事である。ファミリーマートも見掛けたが、このセブンイレブンはガススタンドと併設しているパターンが多く、地元の方にも馴染みが深い様である。初めて来たタイ王国であるが、違和感無く入店できるのが嬉しい。
しかし、日本との大きな違いは何故かタイ王国は野良犬がやたら多く、このコンビニにも入口付近に数頭の野良犬が陣取っていて、出入りする人からおこぼれに預かろうとしている。とりあえずどの犬も攻撃的なことは無く、むしろ弱気な感じで常に怯えながら佇んでいる様子であった。様々な文化の違いなどもあると思うが、衛生上日本では見られない光景であろう。
再び外灯回りを再開すると、ある外灯に幾つかの影が見えるので確認してみるとヒメカブトの亡骸であった。状況としてこの外灯目指して飛来したヒメカブトがそのまま絶命した様である。確認できる個体は全て♀なので、感覚的には日本のカブトムシと同じ様に♀の方が飛来率は高いのであろう。
転がっている個体を確認してみると、日本のカブトムシより小さく、より丸みを帯びた印象を受ける。これが元気な個体であればもっと感動するのかも知れないが、海外の“へっぽこ探索”初日としては、ある意味順調な滑り出しなのかも知れない。
・・・とりあえずタイ王国初日としては、充分に雰囲気を感じることが出来た。時間帯として夜も更けており、日本から長旅の疲れを取る為にも初日の探索を終了し、宿に戻る事にした。
明日は本格的にタイ王国のジャングル探索や夜も日本から持ち込んだHIDライトトラップの試みもあるので、非常に楽しみである。宿にてタイ王国のクワガタが掲載されている図鑑を見ながら、いつしか夢の中へと落ちていった...zzz 成績:ヒメカブト(亡骸) |
|