ご注意!

2015年5月1日、石垣市条例で、チャイロマルバネクワガタヤエヤママルバネクワガタヤエヤマノコギリクワガタ採集禁止となりました。   下記、採集記は規制以前のものです。


2008.11.09(日)へっぽこ遠征in八重山列島(3日目)
沖縄県・与那国島→石垣島 9:00AM 大雨 23℃ (暴風雨) 同行者:TEN・O

与那国島遠征、最終日。

目覚めと共に大きな不安が脳裏を過ぎる。窓の外を見てみると、凄まじいほどの風と大きな雨粒が落ちている。やはり予報通り大荒れの天候になっている。・・・ある意味“へっぽこ遠征”らしい天候である。

与那国最後の朝
与那国最後の朝




朝食を済ませ素晴らしかった宿をチェックアウトし、空港に向かう。今までの経験上、この強風だと飛行機が飛ばない可能性が大なのである。雨はいくら降っていてもそれほど影響ないのだが、風はそうも行かない...。それ程の強風でなくても風向き次第で、飛行機は欠航してしまうのである。

次の撮影はいつだろう...
次の撮影はいつだろう...



とにかく与那国空港に行ってみる。・・・正直、この時点で“ダークゾーン”扱いでも良いのだが、今回の遠征では初日に“それ以上”の悪夢を経験しているので、ちょっと感覚が麻痺してるのかも知れない。空港内では、やはり天候を気にした他の客が前倒しで空港入りしている。しかも船便が既に欠航を決めているので、その船客も飛行機のキャンセル待ちにまわっているらしい。・・・今年の八丈島遠征を思い出す。

飛行機は到着しているが・・・
飛行機は到着しているが...



ふと見慣れた人影を感じたと思ったら、テイルさんだった。お話を伺ってみると、テイルさんは帰りの便をまだ予約してなかったらしく、これからキャンセル待ちをすると言う。・・・この状況から見ると本日の与那国島脱出は難しいかも知れない。テイルさんは、今回の採集でヨナグニネブト♂を採集されたとの事だったので画像を拝見させて頂く。しかし、天候に恵まれなかった事もあってヨナグニマルバネは確認出来なかったとの事だった。やはりヨナグニマルバネは簡単ではない事が窺える。

与那国島・ヨナグニネブト♂(テイルさん撮影)(写真ご提供、有難うございます)
与那国島・ヨナグニネブト♂
(テイルさん撮影)




・・・ここで私達が搭乗する飛行機の時間となったのでテイルさんとお別れとなった。何とかキャンセル待ちを確保して島を脱出して欲しい。凄く感じの良い方だったので是非ともまたの再会を望みたい。

何とか搭乗
何とか搭乗



アナウンスがあり暴風雨の中、飛行機に搭乗する。窓の外を見ると“もしも”に備えて自衛隊機も待機している。これでどれだけ危険な状況であるかが理解できる...。

自衛隊が待機
自衛隊が待機


・・・しかし、定刻時刻になっても飛行機は動かない。すると機長からアナウンスが入る。どうやら“国の定めた風力の危険数値”を超えているらしく、離陸する事が出来ないとの事だった。但し、風力は一定ではないので“弱まった一瞬”を待ち、離陸のチャンスを窺うとの事であった。・・・想像以上に危険な状況らしい。正直、“ダークゾーン”に限りなく近い。


機内にて待つ事、10数分。再び機長のアナウンスが入る。「只今、風力計の数値が危険数値を下回ったので、離陸いたします。」飛行機は滑走路に入り、すぐにスピードを上げる。通常であれば滑走路に入った瞬間、多少の溜めの様な時間があるのだが、今回は動き出したと思ったら、すぐに離陸態勢に入った。・・・それほど余裕のないタイミングなのだろう。


一気に加速しすぐにでも離陸できる状態になった瞬間、真正面に向かって走る飛行機が...“真横にスライド”した。あまりの強風に飛行機の機体が、横風に押され真横に流されたのであった。こんな経験、何度も飛行機に乗っていながら初めての体験だった。正直「ヤバイっ!!」と肝を冷やした。・・・飛行機が嫌いになりそうになった。・・・それでも何とか飛行機は離陸する事が出来た。

横にスライドするほど超強風!
横にスライドするほど超強風!




与那国島を発って数分で着陸態勢に入る。高度が下がり石垣島の町並みが見えてくる。

まもなく石垣島
まもなく石垣島



石垣島は、与那国島と100q程度しか離れてないので天候も大して変わらない。・・・当然、石垣島も大荒れであった。

悪天候は変わらず
悪天候は変わらず



それでも荷物を受け取り、レンタカーを借り、夕方の那覇行きの飛行機の時間まで石垣島を少し探索する事にした。

おーりとーり
おーりとーり



山に向かう前にとりあえず昼食を取る事にした。せっかくなので以前から気になっていた、石垣牛の食べられる老舗店に行ってみる事にした。

老舗店にて昼食をとる
老舗店にて昼食をとる



まずは南西らしい食べ物「海ぶどう」を食べる。ぶどうと言っても果物の葡萄ではなく、海の海草なのである。食感は口の中でプチプチ粒が弾ける感じで、サッパリしていて悪くない。

海ぶどう
海ぶどう



お目当ての石垣牛のサーロインステーキを食べてみる。最近はレア焼きでソースは付けず、塩だけで食べるのが気に入っている。お味の方は、当然美味い!

石垣牛ステーキ
石垣牛ステーキ




昼食にてスタミナを付けた所で、山に向かう。石垣島は市街地ではかなりの交通量があるが、山に向かうにつれ交通量も殆どなくなってくる。

山を目指す
山を目指す



それにしても天候はかなり悪い。雲は低く、風は強く、雨も強い。この状況下でクワガタ探索など難しい事は容易に理解できるが、せっかくのチャンスなので、行動を起さないで後悔するよりは、例え内容が伴わなくてもやって納得したいと思っている。

天候の回復は見込めない
天候の回復は見込めない



とりあえず林道に到着した。しかし雨足は強く、生き物の雰囲気は全く感じられない...。

静かな林道
静かな林道



それでも可能性があるのであればと思い、チャイロマルバネを探してみる。ススキの穂をチェックしていくが、やはりその姿は確認できない。一般的に今年(2008年)のチャイロマルバネは裏年として、発生が少ないと言われている。だからこその“へっぽこ探索”であり、人がやらない事の方が興味が湧いてしまう。

チャマルはついてない
チャマルはついてない



ススキに何も付いてないので、側溝拾いに可能性を求めてみたが、雨で水没していた...。これでは虫は居ない。

側溝もダメ・・・
側溝もダメ...



林道脇もチェックしてみるが、虫の雰囲気は感じられない...。天候は悪いものの、気温はそれ程低くないのが唯一の可能性かも知れない。

林道脇も見ていく
林道脇も見ていく



ただ、チャイロマルバネ探索としては厳しすぎると言うのが本音でもある...。いつも観掛ける蝶の姿も全く確認できない...。

何も居ない
何も居ない


意地でも何かしらの痕跡を探してみようと、探索を続けていると1頭のカキミリが確認できた。この姿は見覚えがある!昨年、るどるふさんに教えて頂いた「イシガキヨナグニゴマフカミキリ」であろう。何だか長い名前だが、単語で覚えておけば意外と覚えやすい気がする。・・・それにしても何も見つけられないよりは良かったが、これだけとは情けない限りである。

イシガキヨナグニゴマフカミキリ
イシガキヨナグニゴマフカミキリ



その他、土砂降りの中、時間を掛けて探索を続けると、見知らぬ昆虫の姿を確認した。・・・しかし名前は全く判らない。今回は“鉄アレイ”の姿やキノボリトカゲの姿は、全く確認する事が出来なかった。

チミは誰だ?
カメムシか?



・・・結局、蝶すら確認できないまま、この林道を諦める事にした。このままでは全く埒が明かないので、他の有力ポイントに向かう事にした。何とかサキシマヒラタでも良いので、クワガタの姿を確認したい所である。


暫く移動すると目的地周辺までやってくる事ができた。・・・しかし、ある理由により探索を断念せざるを得ない事態になってしまった。・・・そうなると、この石垣島に何をしにやって来たのか理解に苦しむのだが、予定通りに行かないのも自然を相手にする探索なので、石垣島での探索は無念にもここで終了する事になった。

自分なりの有力ポイントも・・・
自分なりの有力ポイントも...



空港に向かう途中、いつも立ち寄る便利なコンビニに行って驚いたのだが、コンビニの屋号が変わっているのであった。確か昨年までは「HOT SPAR」だったのだが、いつのまにか「Coco!」になっている。気が付くと島内全てが変更になっていた...。

「HOT SPAR」から「Coco!」へ
「HOT SPAR」から「Coco!」へ


結局、この石垣島でも消化不良感はあるのだが、石垣空港に到着する。とりあえず、経由する那覇空港までのチケットを確認し、そのまま羽田空港まで荷物を預ける手順を取る。・・・すると空港エントランス付近辺りが急に賑やかになった!三線の軽快なリズムに乗って女子学生が一斉に踊りだした。一瞬何が起こったのか分からなかったが、どうやら学生の誰かが石垣島を離れる為、送り出す為の舞を踊っている様であった。羽田空港であったら確実に警備員や警察にチェックされる所だが、やはりお国柄なのか警備員や他の客も楽しそうに見守っている。・・・南西らしい和む一時であった。

空港にて踊りだす学生さん
空港にて踊りだす学生さん




とうとう飛行機の乗り込む時間になってしまった。相変わらず天候は悪いが、石垣島を発つ飛行機に影響は無い様である。もし、ここで飛行機が悪天候の為、欠航にでもなればもう一晩、石垣島探索が出来る気もしたが結局天候が回復しない限り、大した活動は出来ないであろう。そう思いながら待合ロビーから飛行機まで歩いていく。

東京という現実へ
東京という現実へ



暗くなり始めた石垣島の景色を見ながら「何となく最後の遠征がこれで良いのかな?」と感じた。来年は確実に生活スタイルが変わるので、次に石垣島や与那国島に来れるのはいつか分からない。もしかすると今回の遠征が本当に最後の遠征になってしまう可能性もある。そう思うと来月は12月という暦の上では完全なる“冬”になるが、「天候さえ良ければ、12月でもヤエマルが確認できるのでは...。」という興味も抱く様になり、今一度“へっぽこ”なりの探索を考えてみたくなってきた。

2008年は終わらない...?
2008年は終わらない...?



・・・“真冬の野外活動”いつしか羽田空港に向かう中で、12月の遠征で頭がいっぱいになってしまった。



成績:ボ〜ズ

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