2016年3月15日、環境省より、オキナワマルバネクワガタは、採集禁止となりました。詳細は、環境省サイトにてご確認下さい。下記、採集記は規制以前のものです。 |
2008.10.03(金)へっぽこ遠征in沖縄諸島(1日目) 沖縄県県・本島 4:30AM 晴れ 31℃ 昨年10月に行った沖縄本島遠征。その時は全く雰囲気を感じることが出来なく、この時点で「もう沖縄本島遠征は無いだろう...。」と思っていた。 しかし今回、幸運にも別件で沖縄に行くチャンスが出てきたので、過去のマルバネ探索の中で唯一“元気な個体”を確認してなかったのがオキナワマルバネであり、是非ともリベンジとしてオキナワマルバネ探索に挑んでみたかった。オキナワマルバネ探索と言えば、他のマルバネと違い、樹に付く個体確認よりも歩行している個体を路上で確認するスタイルがポピュラーであり、薮漕ぎの無い路上採集の方が安全で楽と思われるかも知れないが、実は深夜までやんばるの林道にて車を低速で走らせ路上のみを凝視する行為は、睡魔や疲労との勝負であり、思わぬ事故を招く恐れもあるので決して楽な採集とは言えない。また時期的に同様の採集者が多く林道に集まってくるので、個体確認は容易ではないので根気と運が必要な探索となる。
少しでも早く沖縄本島に着きたかったので、可能な限り早い便で羽田空港を発とうと予定を組んだら、早朝4時過ぎには自宅を出発する事になった。眠い中、外に出ると完全に夜中だった...。近所のコンビニにて朝食を購入し、車内で食べながら羽田空港に向かう。
午前5時過ぎには羽田空港に着いてしまった。当然、羽田空港はまだ開店前である。・・・いつもそうなのだが飛行機に乗る場合、どうしても“乗り遅れ=致命傷”のイメージが強いので、出発時刻の1時間半前には羽田空港に着くつもりでいる。離島から帰京する場合も最低1時間前には現地空港にて搭乗手続きを行う様にしている。座席など予め窓側を取れている場合は良いのだが、そうでない場合は当日の座席に空きがある時は“窓側に変更してもらえる”ので、私はその様な事も行いながら空の旅でのリラックスも心掛けている。
搭乗手続きを済ませ、登場口付近で出発時刻を待つ。・・・羽田空港に到着時はまだ暗かったのだが、気が付くと辺りは明るく夜が明けていた。
その後順調にテイクオフ。雲を抜けた頃には完全に夜は明けており、窓の外から眩しい太陽光が射し込んで来た。
・・・朝が早かった事もあり少し休む事にした。
羽田を発って2時間ほどで着陸態勢に入った。窓の外を見てみると南国仕様の蒼い海が広がっていた。この色を見るとテンションが上ってきた。1年ぶりの沖縄本島上陸になる。
那覇空港到着後、予約してあるレンタカーを借りに行く前に、ここ最近仕事の疲れが溜まっていた事もあり、空港内のクイックマッサージ店に入ってしまった。実は月に数回、体の凝りを解す為にマッサージ(ピンク系ではない)店に通っているほど最近肩凝りが酷い...。
少々道草をしてしまったが、その後はレンタカーを借りハンドルを握る。そのまま北部のやんばるを目指しても良かったが、せっかく沖縄本島に来たので別の遊びをこなしてから北部に向かう事にした。それにしても目の前の海の色が本当に“青の部隊”の様に蒼い。(別の趣味=分かる方いないでしょう^^)
実はこの場所、那覇空港の滑走路すぐそばで、数多くの飛行機が低空で飛んでくる。暫く着陸してくる飛行機を眺めてしまった。普段は乗っている飛行機も近距離で飛行する姿を見て、改めて「よくこんな質量が飛ぶものだ。」と感心してしまった。
とりあえず先に済ませる用事は終了したので、ここから長距離になるが島の北部やんばるに向かう事にした。那覇市内を抜けて高速道路に向かうのだが那覇市内を走っている限りでは、東京都内を走っているのとあまり変わらないほど都市化が進んでいる。何でも揃い過ぎていて便利だと思うが、個人的には与那国島や南大東島など“何も無い不便な島”の方が、より離島的な雰囲気を感じられる気もしている。
それでも標識の地名を見れば、やはり沖縄を感じられる訳であり、交通量の多い那覇市内を抜けるべくレンタカーを走らせる。
市内を通り高速道路を使用し、一気に北上する。天候も良く非常に快適なドライブとなる。窓を開けて走行しているとオオシマゼミの鳴き声も聞こえてくる。気分的にも那覇市内の都会モードから徐々に探索モードに切り替わっていく。
高速を走り終えた頃には腹も減り始めたので、せっかくなので美味しいモノを食べたいと思い、地元の定食屋に入る事にした。事前に聞いた話だと周辺では有名な店との事なので楽しみに入店する。昼時のピーク時を過ぎているにも拘らず店内は混雑している。良い傾向だとメニューを見ると“オススメ”となっている「牛肉そば」なるものがあるので早速オーダーしてみた。・・・運ばれてきた器には、普通盛ながらも大盛り以上にボリュームのある具材が乗っていた。麺は沖縄そばで、具材の牛肉やもやしはかなり味の濃さを感じるものの、それがまた沖縄らしい美味しさと感じ食が進んだ。
食事をしながらふと壁に貼ってあるポスターを見ると“ヤンバルテナガコガネ密猟防止”を示すものであった。沖縄本島に来る採集者で知らない方はいないと思うが、このヤンバルテナガコガネの“捕獲・売買・譲渡・譲受”は当然犯罪になる。
昼食を終えた後は宿のチェックインを行う為、更に北上する。後は天候の崩れさえなければ、夜を待つのみである。
・・・暫く宿にて休息を取った後、夜食をコンビニにて購入し山に入る。それにしてもこの北部まで24時間営業のコンビニが出来たので、本当に便利になったと感じる。因みに全国展開するコンビニでもご当地弁当の様なものがあり、ここでは沖縄仕様のポークおにぎりを購入した。
暫く車を走らせ、いよいよオキナワマルバネ探索ポイントまでやってきた。昨年は2泊3日の探索で、終始寒さを感じるほど気温も低く、全く個体を確認する事が出来なかったのだが、今回は10月の沖縄らしい例年の様な心地良さを感じるので、少しでもチャンスが広がればと思う。
オキナワマルバネ採集の殆どは、路上に出てきた歩行個体を拾う方法になるので、車を低速で走らせながら路上を凝視していく。当然、運転をしながらの作業になるので安全第一に、一般車に迷惑を掛けない心掛けが必要になる。・・・暫く流していると巨大なアカマタが道路を横切った。考えてみれば奄美大島ではホンハブを同様に目撃する事はあるものの、この沖縄本島北部ではハブを見かけないのだが、島ごとによって生態にも変化があるのだろうか?。
一応、外灯のある場所も確認してみる。オキナワマルバネ以外にもリュウキュウコクワやオキナワヒラタなどの個体もチェックしてみたいが、時期的に少々遅い感もあり簡単には確認できない。それでも外灯に蛾が多く集まっているので期待を持って探索を続けていく。
・・・暫く林道を流して行くが、目に付くほとんどはコオロギや松ぼっくりばかりである。しかし、ある林道に差し掛かった時、明らかに“異彩を放つ”大型の甲虫が歩行している姿が目に入った。「もしやっ!」と思い、レンタカーを停めてすぐに駆け寄ってみると...。
それは路上を歩行するオキナワマルバネ♀だった。4年前に車に轢かれて瀕死になった個体を見て以来、やっと出会えた元気なオキナワマルバネだった。真っ黒な個体を目の前にして感動を覚える。せっかくなので暫くそのまま観察してみると、オキナワマルバネは見た目の重量感によらず意外に歩行スピードは早い。一直線に進んだ場合、反対側の道端へ到達するまでそれほど時間は要さないと感じられる。やはりオキナワマルバネ採集は運の要素が大きいのかも知れない。
・・・その後も暫く探索を続ける。途中、林道で大きなリュウキュウイノシシと遭遇しかなり焦った(写真が撮れないほど...)。そのリュウキュウイノシシはこちらの車が近付いてもあまり動じないので、クラクションを軽く鳴らすと、やんばるの森へと消えていった。・・・考えてみれば“ヤンバルクイナとび出し注意”の標識を良く見掛けるが、これも沖縄本島らしいものだと感じる。
時間が経つにつれ徐々に林道は採集車の往来が多くなってきた。中にはバイクで採集を試みている方も居られる。沖縄北部は雲の通り道の様な場所で、晴れの予報であっても1日の内どこかでスコールが来るので、雨さえ降らなければバイクという選択も神津島のミクラミヤマ探索の様で楽しそうである。
沖縄本島遠征の初日としては、念願の“元気な個体”を確認する事が出来たので探索を終了する事にした。自分の場合、離島探索を行う際も本土同様、ギネスやタコ採れを求める訳ではないので、あえてピーク時を避けて遠征する事が多いのだが、気が付けば今回は完全にピーク時であり、採集者の多さをより感じるものとなった。それでも個体を確認できたのは、やはり運が良かったのだと感じる。出会えた個体に感謝したい。
・・・明日以降も沖縄本島の探索を楽しんで行きたいと思う。 成績:オキナワマルバネ♀×1 (最終日にリリース) |
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