2013年10月1日、希少野生動植物の指定により、アマミマルバネクワガタとアマミシカクワガタとアマミミヤマクワガタは採集禁止となりました。詳細は、奄美市サイトにてご確認下さい。下記、採集記は規制以前のものです。 |
2008.9.6(土)へっぽこ遠征in奄美群島(2日目) 鹿児島県・奄美大島 12:00PM 晴れ 30℃ 同行者:kapiさん 奄美大島遠征、2日目の朝。 いつもの様に目覚めと共に窓の外を見ると、南西諸島らしい快晴であった。昨晩が非常に充実した探索になったので、思わず昼近くまで寝てしまった。kapiさんも同様に体力回復に努められていたので、昼からの探索開始となった。
外に出ると非常に暑い!既に30℃近くはあろう気温に滅入る。当然レンタカーの中はサウナ状態なので、暫く冷房を掛けたまま車内を冷やす。
時間帯は昼なのでコンビニにてブランチを取る事にした。奄美大島はコンビニがあるので本当に便利である。自分はいつもの様にスパムのおにぎりを購入。やはり南西諸島に来た時は、これを食べないと雰囲気が出ない。
・・・車内で食事を取りながら山に向かう。
とりあえず、昨日仕掛けたフルーツトラップの確認から行う。今までの“へっぽこ”経験上、奄美大島はフルーツトラップにクワガタが来る確率がかなり高いので、定期的に見回る事でそれなりに個体数も確認できると感じている。
最初のトラップを確認してみる。しかし、気持ち悪いナメクジは居るもののクワガタの姿は無かった。・・・どういう訳か?フルーツトラップの場所が、昨日仕掛けた場所と少しずれているのが気になる。もしかすると、他の採集者にチェックされているのかも知れない。判りやすい場所に設置しているので、仕方ないかも知れない...。
いくつかトラップを見回りしていると、いきなり土砂降りになってしまった。天気予報では雨の確率は低かったが、離島の場合この様なスコールは多々あることなので、少し場所を移動してみる事にした。
・・・するとやはりスコールだった様で、先ほどの場所から1kmも離れると太陽が顔を覗かせていた。さすがに何度か離島に足を運ぶ事によって、その島の雨の降りやすい場所などが見えてきたので、それなりの経験が活きてきたのかも知れない。
暫く探索を続けていると前方からレンタカーがやって来た。乗っていたのはあかつきさんだった。昨日も採集されたアマミマルバネを拝見させて頂いたが、昨晩から今日に掛けてアマミシカ♂などを採集されていた。さすがあかつきさんであった。
更に昨晩の探索でルイスツノヒョウタンまでルッキングで採集されたとの事であった。ルイスといえばもっと小さなイメージがあったが、拝見した個体は随分と大きな印象を受けた。自分はまだ確認したことない種なので、このアマミシカとルイスツノヒョウタンを拝見させて頂いた事で、更なるテンションが生まれてきた。
またあかつきさんは興味のある虫として「コブナナフシ」なる虫を採集されていた。自分が奄美大島で見掛けるナナフシといえば、葉っぱの上に鎮座する巨大なアマミナナフシのイメージだったので、見る角度を変えると様々な虫がこの奄美大島に居る事が伺える。自分の様な“へっぽこ”探索者からみると、また新たな知識を得る事ができた。あかつきさんに大感謝である。
・・・またの再会を期待して、あかつきさんとお別れする。
その後、アマミマルバネの新たな下見を兼ねてジャングルを探索してみる事にしたが、昨晩アマミマルバネを確認している事もあって、それほど念入りには行わなかった。
フルーツトラップの確認を行っていく。・・・すると私たちが仕掛けたフルーツトラップの前に車が停まっており、堂々と確認している人がいる。解せない状況に理由を聞いてみようと話しかけてみる。・・・詳細は書かないが、気分的に良いものではなかった。
他のトラップも確認していくが、何も付いてない。やっとの事で甲虫の姿が確認できたと思ったらアマミコカブトであった。正直な所、今回の奄美大島遠征のフルーツトラップ確認は先程の件もあり、残念な思いが大きくなってしまっている。
・・・何となく流れが良くないので、早めの夕食を取る事にした。
食堂のポスターを見ると皆既日食の告知であった。確かニュースで既に2009年7月22日の宿泊状況として、屋久島やトカラ列島なども予約でいっぱいだと聞いた覚えがある。kapiさんの話によると海外から外国人も多数来日するらしく、トカラ列島など外国人の受け入れ困難な事情などもあるらしい。
メニューを見るが作れるメニューが限られているとの事で私とkapiさんは、ソーキそばならぬ、ソーキ“ラーメン”なるものをオーダーした。運ばれてきたものを食べると、麺が文字通りラーメンであった。
・・・暫く休憩すると、時間帯としては良い時間帯になってきたので、再び山に向かうことにした。昨日の状況から見て、今晩の方が採集者は多いと思われるが、とりあえず探索を行おうと標高を上げていく。
・・・するとやはり他の採集者も同様に山に入っていく。基本的に自分達は焦っても仕方がないので、急いでいる様な車があれば、煽られるのも落ち着かないので先に道を譲るようにしている。
何となく嫌な予感はしていたが、自分達の仕掛けたフルーツトラップを確認しようと立ち寄ると、またしても他の採集者が先に確認していた。もちろん仕掛ける場所にも問題があるのは理解するが、正直残念な気がしてならない。一応声を掛けると「見てません。」と言うのだが、どうみても“それ以外なにをしてるのか?”という疑問しか残らない。昨年の沖縄本島遠征時にも同様の事があったのだが、今回の遠征では完全にトラップ確認のモチベーションがなくなってしまった。
・・・何と言うか、この様な状況を目の当たりにする奄美大島初遠征のkapiさんに対して、なんだか申し訳ない気持ちになる。車内でkapiさんと疑問点などを述べながら車を進めるが、とりあえず気持ちを切り替えて探索を続けることにした。
・・・暫くすると道に何やら“ヘビらしき物体”が蠢いている。どう見てもアカマタではないのでkapiさんと共に、慎重を重ねた上で確認してみる。
確認してみると“猛毒蛇”ホンハブだった。一瞬にして殺気に満ちた緊張感が走る。kapiさんは“無類のヘビ好き”であるが、流石に自重気味であった。それにしても本日の流れの悪い中でハブを確認してしまうと、終了モードに近いものを感じてしまう。
・・・その後、ハブは草むらへと消えていった。
何となくテンションが上らないまま、探索を終了しようという雰囲気であったが、最後にアマミミヤマ探索を少しだけ行う事にした。アマミミヤマが付いている可能性のある電柱をチェックすべく、細い林道を進んでいく。・・・するとある電柱に赤く光る物体が確認できた。瞬間的に「アマミミヤマだ!」と感じ、捕獲態勢に入ろうとする。
・・・しかし、前方から一台のレンタカーがやって来た。 何と言うか、ガツガツした感じの方だと余裕を持って個体の確認が出来ない場合があるので、今日1日の流れから見て“難しさ”の様な感覚を覚えてしまったが、先方は車から降りてきて挨拶と同時に採集状況を見守りたいと申し出てくれた。その対応が非常に丁寧な方だったので、先入観だけで物事を捉えようとしていた自分に反省しなければいけないと思った。それほど、この採集者の対応は非常に清々しい思いであった。 どうやら先方はお二方居る様であったが、話を伺っていると先方もガッツリ採集される感じではなく、自分達と近い感覚で採集を楽しまれている方々であった。なんだがその存在がもの凄く嬉しかった。 私が5mの長網を持ち、kapiさんが懐中電灯で個体を照らし、お二方が見守る中、今日最初で最後の個体となるアマミミヤマ♂を捕獲していく。・・・実はこの個体はネットインできず、下草の中に落ちてしまうかと思われたが落下中、運良く私の肩口付近に落ちてきたので直接キャッチする事ができた。
このアマミミヤマ♂1頭を採集するまでの10分少々の時間は、本当に楽しい一時になった。例えこの個体が下草の中へ落ちてしまったとしても、気持ち的には満足な探索であった。最後まで丁重な二方にお礼を言って、その場を後にした。 (後に東京帰宅後、上記の採集者の方からサイト宛てにメールを頂き、大巨神さん、マサやんさんである事が判明。)
kapiさんも満足な様子だったので、これで宿に戻る事にした。途中、林道でアマミノクロウサギと遭遇する。慌ててデジカメを用意するがあっという間に草むらに隠れてしまったので、ピンボケな画像しか得られなかった。改めて奄美大島は、離島の中でも群を抜いて生き物の豊富な魅力ある島である事を実感する。今年の夜間探索は終了になるが、時間が許せば長期滞在したい夢もある。
・・・探索内容だけ見れば、流石に昨日が良過ぎたと思うが、遠征2日目は“気持ち良い採集者”と出会うことができ楽しかった。 成績:アマミミヤマ♂×1 アマミコカブト×1 (魔琴:持ち帰りなし) |
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