2008.06.06(金)へっぽこ遠征in対馬列島(1日目) 長崎県・対馬 11:30AM 晴れ 17℃ (涼しい) 今年の6月は長崎県の対馬に遠征する事にした。 昨年7月に行った対馬遠征では“へっぽこ”なりに多くの個体に出会えたと思えたので、今回は思い切って梅雨入り前の6月に遠征する事にした。もちろん時期的に早過ぎる事は承知しているが、そこは“へっぽこ”ならではと言う事で楽しんでみたいと思う。・・・時期的なものもあるので厳しいかも知れないが、個人的にはまだ見ぬ「チョウセンヒラタ」も確認できればと思う。
当日、羽田空港発の福岡空港行きに搭乗する為、自宅を5時台に出発する。・・・あまり思い出したくないが、昨年の対馬遠征時はこの羽田に向かう高速にて“追突事故”をもらった嫌な流れがあったので、自分の責任ではないにしても慎重には慎重を重ねてハンドルを握った。
・・・今回は追突される事なく、無事に羽田空港に到着した。 今回も先月の八丈島遠征同様ANAを使用する。福岡空港から対馬空港まではANAしか飛んでないので、空港を経由する場合は同系列の航空会社にて統一する。ANAは最近サービスの一環として、チケットレスを進めているので今回はそれに習って、予約ナンバーを受付にて入力せず、旅行会社にてもらった“QRコード”のみを持って搭乗手続きに望んでみたが、チケットが無くても問題なく搭乗ゲートに進む事ができた。
早朝なので眠いものの腹は減ったので、朝食をとる事にした。時間帯からして早朝から営業している店が少なかったが、先月あ〜さん達と八丈島の反省会を行ったカレーショップに入る事にした。前回は美味しく感じたが、今回は“冷めた状態”で出てきたカレーに残念な思いであった。
福岡行きの飛行機はすでにスタンバイしている。いつもは離島行きの小さな飛行機であるが、東京→福岡という大都市間を飛ぶ飛行機なので、ジャンボクラスに乗る事になる。
朝一番の搭乗という事で“恒例の渋滞”に巻き込まれるかと思ったが、順調に滑走路に出る事ができた。いよいよテイクオフとなる。
関東地方は数日前に梅雨入りしたが、その厚い雲の壁を一気に抜けると青い空が広がった。例年であれば、対馬のある九州北部の方が関東地方より先に梅雨入りするのであるが、今年は九州北部の梅雨入りが遅れており、関東地方の方が先に梅雨入りする逆転現象が起こっている。
羽田を発って2時間弱で福岡空港に到着した。ジャンボなので飛行機を降りる際も、何かと時間が掛かる。
福岡空港は対馬行きの場合、ターミナルが異なる関係で一度空港外に出なくてならない。同じ空港内にてセキュリティを受け直すのは非常に面倒であるが、決まりであれば仕方が無い。
広く大きな空港なので空港内を移動するだけでも時間が掛かる。一応、過去に何度か通っている場所なので迷う事はないが、途中の案内板を見ると“福江行き”も表示されている。個人的に五島列島も行った事が無い離島なので、機会があれば行ってみたい島である。
そのまま歩を進め、対馬行きの搭乗口を目指す。・・・そして、いつもながらホークスの展示場を眺める。この場所では毎回“対馬に行けるのか?行けないのか?”という境になる場所なので、印象深い場所である。・・・因みに今回は“天候も晴天”の為、問題なく対馬に飛ぶ事ができる。
搭乗案内が出たので飛行機に向かう。窓の外を見ると、今までの対馬行きとは“全く異なる”明るい太陽の光が降り注いでいる。なんと言うか、晴れているというのは精神的にも良いもので、非常に高いテンションを維持する事ができる。
・・・“不思議なほど順調”に福岡空港を飛び立つ事ができた。
・・・福岡空港を発って40分程度で対馬が見えてきた。天候は晴れとは言えないものの今まで来た中で、ここまで“島がはっきり見える”事はなかった。
・・・ここまで順調すぎると、逆にこの後“何か”が起こりそうな気もするが、とにかく無事に対馬空港に着陸する事ができた。
預けた荷物待ちをしている間、ふと壁に貼ってあるポスターを見ると“国境”を意識させられる。対馬の位置は地図を見て頂ければ分かる通り、九州と朝鮮半島の間に位置する島である。対馬の北部では天候次第で、韓国の夜景が見えるほどである。
早速、手配しておいたレンタカーの手続きを済ませ乗車する。今回もお約束のヴィッツである。色んな意味で一長一短であるが、2泊3日レベルの“へっぽこ採集者”にはちょうど良いレンタカーである。
因みに先月の八丈島でも感じたが、レンタカーを借りる直前に必ず行う“傷チェック”であるが、いつもながらノーチェックに近い。今回も係員と車の外周を一周し、係員が「傷はありませんね〜♪」と言うので、後部バンパーに“思い切り大きな傷”を見つけ指摘すると、「あっ!ありましたね^^」とチェックしていたが、もし指摘しないまま返却した場合、私の責任になりかねない恐れがあった...。
一通り手続きを済ませ、レンタカー屋を後にする。時間帯としては昼食でも良かったが、何となく「まず1頭!」を観たくなり、山に向かう事にした。
個人的には“長崎が梅雨入りしていない”という事は、例年泣かされている“雨の心配をしなくても良い”という事であって、非常に心強い。ポイントに向かう途中も青空が広がっているというのは、本当に有り難いし、嬉しい限りである!
途中、腹が減ったので“たこ焼き”を購入する。何故か対馬は島のあちこちで、たこ焼屋を目にする。イカが有名な事は知っているが、タコもそうなのであろうか?どちらにしても手頃に食べられるので、美味しく腹に中に消えていった。
暫く走ると見慣れたクヌギ林が現われた。昨年も来た場所である。南西諸島の場合は例外を除いて、まずクヌギは生えてないが、この対馬は南西諸島ではなく“九州の北部”なので気温もそれほど上がらず、島のあちこちでクヌギを見掛ける。とりあえず植生にて迷う心配が少ないので、あとはいかに“雰囲気の良い場所”を見付かられるかが重要になってくる。
とりあえず離島初日は“フルーツトラップ仕掛け”の作業からになる。今回もババナとパインを少しだけ用意した。毎度ながら“へっぽこ採集者”として離島採集には少な過ぎる10個に満たないフルーツトラップ数であるが、個人的にはいつもの様に“ギネス・タコ採れ・珍品”には無縁なので、少しでも対馬のクワガタが確認できれば、それで良いと思っている。
車を走らせていると“対馬ではお馴染み”の標識が目に入った。対馬の道路を走っていて気になるのは“猫の多さ”かも知れない。・・・しかし、その殆どは飼い猫or野良猫であって、目的とする「ツシマヤマネコ」の姿を天然下にて確認する事は、ほぼ不可能に近いほど生息数は少なく容易ではない。
暫くポイントの確認やフルーツトラップの設置を行ったが、流石に腹が減ってきたので遅めの昼食をとる事にした。前回の遠征時に気になっていた「対州そば」の店に入ってみる事にした。「対州そば」とは対馬にて栽培された蕎麦の事であって、「対州そば」の名は島の中ではよく目にする。食べてみると、平麺の様な蕎麦に“全くコシが無い”のが特徴というか、サクサク切れてしまう食感が珍しかった。
時間帯は間もなく夕刻になるが、樹液場所の下見とトラップ設置に時間を掛ける。とにかくサラリーマンである私は2泊3日の遠征が限界なので、いかに初日の早い段階でトラップを仕掛けるかが重要になってくる。
とりあえず、個人的に未確認のチョウセンヒラタを確認してみたいので、パイントラップの場所は“へっぽこ”なりに雰囲気を感じながら設置してみた。果たしてチョウセンヒラタは来てくれるのであろうか?
トラップ設置と共に“樹液場の確認”にも力を入れていく。しかし、ここで今までの対馬とかなりの違いを感じる事になってしまった。・・・以前確認してきた樹液場の樹は、殆ど樹液を出してないのである。おそらく梅雨入り前は、樹液の出もまだ悪く、梅雨の大量の降雨によって樹液の出も良くなるのかも知れない。過去2回の対馬遠征は7月という梅雨の真っ只中だったので、どの樹も大量に樹液を出していた。・・・前向きに自分にとっては良い勉強になった気がした。
今回は昨年の様なトラブルは無く順調に作業は進んだので、それなりに早くトラップの設置を終える事が出来た。樹液の出が悪い今の時期は、逆にフルーツトラップに集まりやすくなって欲しいと感じる。
その後も時間のある限り樹液場を探していこうと、昼間であっても薄暗い林道を進んでいく。
対馬といえばネブトも多く生息する島なので今年も確認できればと思い、昨年多くの個体を確認した樹液場にやって来た。・・・しかし運良く樹液は出ているものの、クワガタはおろか全く虫は集まっていなかった。
しかし、その近くには昨年のものなのかも知れないが“クワガタパーツ”が落ちていたので、少しだけテンションがあがった。これが元気な個体であれば尚嬉しかったが、それだけ6月という時期が早い事を示してるのかも知れない。
数箇所、昨年のポイントを確認してみたが、クワガタの姿は確認できなかった。・・・何となく気分転換をしようと市街地に戻る事にした。レンタカーを走らせると“ある事”に気付く。対馬は東京に比べると、日が暮れるのが遅い。やはりそれだけ“西”である事を実感させられる。
市街地にて夕食を購入しようとコンビニに立ち寄る。するとここでもハングル文字が躍っていた。・・・ホント、街中で見掛ける“旅行客らしき人”は、韓国人観光客の方が多いのではないかと思うほど、この対馬では韓国人が多いと思われる。台湾はクワガタブームがある事を知ってるが、韓国ではクワガタに興味のある人はどのくらい居るのであろうか?
夕食のおにぎりと飲み物を購入しそれを食べながら、やっと暗くなり始めた対馬のポイントへ車を走らせる。
昼間に仕掛けたフルーツトラップまで辿り着いた。早速、バナナトラップに懐中電灯を当ててみる。・・・何もいない。
ならばと、パイントラップに懐中電灯を当ててみる。・・・こちらも、何もいない。
・・・初日という事もあるし、トラップを仕掛けて時間も経ってないので仕方ない。しかし正直な所、今までの対馬と違って気温も低く、樹液も殆ど出ていない。前回の7月と1ヶ月違うだけで、こうもフィールドの状況に違いがあるのかと思うほど状況は厳しく感じる。
暫く過去のポイント含めて探索を続けたが、肌寒さすら感じる6月の対馬では、全くと言っても良いほど雰囲気を感じる事が出来ない。それどころか、狭い林道をレンタカーにて走っている最中、樹を見ながら走っていた事もあって、何と“道から脱輪しそうになり”危うく崖下まで落ちそうになってしまった。運良くすぐに回避したので“デンジャラス☆ダークゾーン”にはならなかったが、対馬の誰も居ない暗闇の山奥ではシャレにならない状況であった。 ・・・ちなみに脱輪しそうになったタイヤはパンクしてなかった。
脱輪しそうになった事で心細くなり宿に戻りたくなったが、この対馬で1頭もクワガタの姿を観てなかったので、最後に樹液の出ていたポイントに行く事にした。もしこれで何も居なかったら諦めようと思っていた。・・・車を降りて懐中電灯を照らしてみると、頭上2メートルの場所になんと!“ドルクス系のシルエット”が暗闇に浮かび上がった。瞬間的な感覚として「大きなコクワ♂だな。」と感じたので、別の種類を確認したいと思い、樹液の方を先に見たがそこには何も付いてなかった。 と、なれば「さっきの個体だけでも確認しておこう。」と思い、再び頭上2メートルの場所を照らしてみる。・・・しかし、もう何も居なかった。
・・・残念ながら、初日はこれで宿に戻る事にした。
宿に戻り一息つく。・・・明日の為にも今夜は早めに休もうと、いつも遠征の夜に記入している“へっぽこノード”に本日の探索日記をまとめる。ふと思う。「結局ボ〜ズなら、あのコクワ♂だけでも手にとって確認してみたかったなぁ。」そう思い撮影したデジカメの画像を拡大して名残を惜しむ...。??? 「コクワ♂にしては大顎の形が違わないか...?」何度見ても“自分の知ってるコクワ♂”の大顎には見えない。・・・ある意味“ダークゾーンクラス”の衝撃を受けた。
・・・妙な胸騒ぎを覚えたが、「たまたま撮影した条件のイタズラだろう...。」と思う事にした。 ・・・とりあえず明日は“大顎の主”を確認しに行ってみよう。 zzz 成績:ボ〜ズ |
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