2016年3月15日、環境省より、オキナワマルバネクワガタは、採集禁止となりました。詳細は、環境省サイトにてご確認下さい。下記、採集記は規制以前のものです。 |
2007.10.20(土)へっぽこ遠征in沖縄諸島(2日目) 沖縄本島遠征、2日目の朝。 ・・・体が重い。どうやら昨日の疲れが抜けきってないらしい。時計を見るとkapiさんと約束した時間までほとんど無い事に気付く。・・・慌てて身支度を行い部屋のドアを開ける。10月下旬に差し掛かるというのに、ギラつく太陽が眩しすぎるほど天気が良い。kapiさんと合流後、朝食の買出しに向かう。
元々、朝食は宿のセレブリティなものをチョイスしても良かったのだが、時間が掛かりそうだったのでコンビニに向かい、手っ取り早く済ませるものにした。朝は炭水化物を取ろうと、おにぎりコーナーを覗いてみると“沖縄仕様”のおにぎりが目に入ったので迷わず購入する。
朝食とりながらレンタカーを進める。途中、海が見えたので少しだけ立ち寄ってみる。kapiさんが「スカシカシパン」の事を言っている。最初は何のことだか全く分からなかったが、ウニの仲間の事で、辺りのサンゴ同様に死骸が打ち上げられているか確認していた。「スカシカシパン」このネーミングが素晴らしい。考えてみれば“しょこたんブログ”でも取り上げられるほど有名なウニなのである。
暫く車を走らせると、昨晩も探索したオキナワマルバネのポイントに到着した。時期的に徘徊している個体もいると思われるので、昼間であっても道路は一応確認していく。・・・それにしても窓を開けると北風が入ってくるので、南国沖縄言えどもギザ寒い...。
・・・実は昨日、私もkapiさんもオキナワマルバネ探索に集中しすぎて、フルーツトラップを仕掛ける事が出来なかった。頭の隅では「トラップ仕掛けないとなぁ」と思いつつも、深夜に及ぶオキマル探索で後回しにしてしまった...。なので、急いで2日目の朝一番でkapiさんと共にトラップを仕掛ける。とりあえず今回はパインのみ持参した。先週末は奄美大島でスジブトヒラタが何とか1頭来てくれていたが、今回の沖縄本島遠征では「オキナワヒラタ」か「リュウキュウコクワ」が来てくれれば、共に初見になるので明日が最終日と言う“時間の無さ”を理解しつつ、とりあえずは期待してみたい。
パイントラップを仕掛けていくと、昨日は暗くてよく見えなかった樹々が確認できる。改めて見ると、シダ系なのか詳しく分からないが、いかにも南西系の植物が目に留まる。・・・とは言うものの、何か虫が付いている訳ではない...。
車を走らせている内にシークヮーサー畑も確認できた。放置されている畑なら少し覗いてみようとも思ったが、整備されている様にも伺えたので、地主の方が居れば許可を得ようとも思ったが、あいにく居ない様なので無許可は良くないと思い、そのまま立ち去る事にした。もしかしたらオキナワヒラタが居る可能性もあるのかも知れないが、やはりモラル(道徳)は守らなくてはならない。
周辺に目を向けると「クロイワツクツク」の個体が数多く確認できる。鳴き声から聞くと他にも「オオシマゼミ」も居ると思われるが、樹の高い場所に居るせいか、全く姿を確認する事が出来ない。・・・改めて考えてみると、先週末の奄美大島遠征〜今週の沖縄本島遠征を行ってみて、ツクツク系のセミの多さを実感する。見た目は関東地方でも良く観掛ける「ツクツクホウシ」と姿かたちも、そっくりに感じるが鳴き方が全く異なる。
車を流しながら雰囲気のありそうな場所を探していく。・・・しかし、その様な“お気軽コース”的な探索では、なかなか進展も見込めそうに無かったので、kapiさんと共に車を降り森に入ってみる事にした。昼間なのでハブの活動は鈍るものの、日陰などで休んでる個体が居る可能性もあるので、無理の無い程度に探索を試みる。
場所によってはシイの大木も見受けられるが、それが即オキナワマルバネ確認には繋がらない...。むしろ現実問題として、大木の根元は見事に掘られてしまっている箇所も確認できるなど、“マルバネクワガタを採る為の手段”を目の当たりにしてしまった。・・・離島採集など現地に足を運んでみて、自分の目でその現状を確かめる事も“へっぽこ”なりに大事な事だと思っている。
・・・とりあえずレンタカーに戻り、場所を変え探索を続けていく。
しかし・・・
”魔道“を抜けた途端、安堵感からか?一気に腹が減ってきた...。時計を見ると、とっくに昼を回っているので昼食を取る事にした。・・・とは言うものの、やんばるの森に入ってしまえば簡単に食事の出来る場所などなく、それから食事にありつけるまで大分時間を要してしまった。途中、窓を開けてみると、やはり風は北風でギザ冷たい...。
やっとの事で“まとも”に食事の出来る場所を探し当てる事ができた。・・・何か“温かい沖縄的な定食”をオーダーしようとメニューを見た途端、年配の店員に「沖縄そばしかできませんよ!」と言われてしまった。・・・何かご飯物を食べたい所であったが、仕方なく沖縄そばをオーダーする。・・・運ばれてきた沖縄そばを2人とも無言で食べた。
・・・なんだか疲れを感じたので、一度宿に戻り休憩した後に再出発する事にした。
宿にて仮眠を取り日没後、再出発する。kapiさんと共にコンビニに立ち寄り、夕食を購入する。・・・このコンビニも3年前には無かったはずである。こう考えてみると、数年前に比べ北部にもコンビニが多く出来たことが窺える。24時間、気軽に欲しいものが買えるコンビニは、非常に便利であるし、結局は私もコンビニを多用するので偉そうな事は言えないが、普段見慣れた光景(知っているコンビニ)を見ると、離島という異空間に来た感覚がどこか薄れてしまう。・・・沖縄本島という場所が、改めて“観光地”である事を今更ながら実感する。
・・・用を済ませコンビニを後にし、やんばるに向かう事にした。
いよいよ2日目の“やんばるの探索”を開始する。気温は相変わらず低いものの、夕方に少し降った雨も上がり路面も乾いている。最高の条件とは言えないだろうが、オキナワマルバネが活動してもおかしくない状況と思える。元々簡単な探索でない事は“百も承知”なので、気合を入れて探索に望む。・・・後は、とにかく路面を見て回る。
林道の路面を確認しながら途中、仕掛けたパイントラップを確認していく。いくつか確認してみたが、やはり何も居ない。・・・しかし残念だったのは「ある程度、居ないだろう...。」と思っていたものの私たちが仕掛けたパイントラップを“他の採集者の方が普通にチェックしている”光景に愕然とした。・・・確かに設置した場所は、探せば見つかる様な場所かも知れないが、マジマジとみているその姿にkapiさん共々、非常にテンションが下がった。・・・是非ともフルーツトラップ採集を試みたい方は、人が設置したものを見て回るのでは無く“ご自身でフルーツを持参して頂きたい”。
“他の採集者”という点では、昨日は全く見掛けなかった採集者であったが、今夜は非常に多くのレンタカーを確認する。週末の土曜日という事もあって、多くの遠征者がこの沖縄やんばるに入っている事が窺える。中には地元のプロ仕様の光度の高いライトを付けた四駆も走っており、まだまだオキナワマルバネシーズン真っ只中である事を実感する。果たして他の採集者の方々は、成果が出ているのであろうか?
他の採集者の中には、歩いて林道の側溝を確認している方も居る。kapiさんと話しながら「人がやっているのを見ると居そうな気がする...。」と、“隣の芝が青く見える”状態になってくる。途中、雰囲気のありそうな場所は車を降りて側溝も確認していく。
・・・しかしながら、なかなかオキナワマルバネに出会うチャンスは訪れない。
・・・ならば「外灯にオキナワヒラタくらい居ないものか?」と確認してみる。・・・甲虫の姿すらまともに確認できない。正直な所、何も居ない気がしてきてしまった...。それほど雰囲気を感じられず、厳しさだけを実感する。
・・・しかしそんな中、kapiさんが“何か”を発見した! kapiさんが「クワパーツ見つけました!」と言う。・・・その指示する方向を確認すると「リュウキュウコクワ♂」のAパーツ部を観る事が出来た。リュウキュウコクワ♂の大顎は、本土のコクワ♂とはかなり異なる特徴(内歯)があるので、一瞬なんのクワガタだか少々時間を要してしまった。・・・それにしてもこの雰囲気が全く感じられない状況下で、kapiさんはよくぞ“完全体”ではないもののクワガタを発見してくれたものである。例えオキナワマルバネでなくても、この確認は、北風の吹く沖縄やんばるで非常に勇気を与えてくれた。
リュウキュウコクワパーツ確認で2人共にテンションが上がり、再びオキナワマルバネ探索にも力が入る。
・・・しかし、その後はまた厳しい状況に戻るだけであり、路面にはアカマタが出てくるだけで、オキナワマルバネの姿は確認できなかった。更にまたしても私の方が先に“バッテリー切れ”の様に睡魔が襲って来てしまい、いつしか助手席で舟を漕ぎ始めてしまった(へっぽこの極み)。 それでもkapiさんは諦めず途中、休憩がてらに他の採集者と情報交換をされており、その採集者の話によると「今年はオキマルはハズレ年で、この2週間で生体×1頭、死骸×1頭しか成果が出ていません...。」との事であった。・・・本当に厳しい(泣)
結局、沖縄本島2日目も全く成果が出なかった。“へっぽこ”としてはいつも通りであるが、初めての南西諸島遠征のkapiさんには気の毒で申し訳ない限りである。明日は夕方に本土に戻るので夜間探索は出来ないものの、最後の望みにかけて頑張ってみたい。 成績:ボ〜ズ |
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