2015年5月1日、石垣市条例で、チャイロマルバネクワガタとヤエヤママルバネクワガタとヤエヤマノコギリクワガタは採集禁止となりました。 下記、採集記は規制以前のものです。 |
2006.11.01(水)へっぽこ遠征in八重山列島(1日目) 沖縄県・石垣島 5:30PM 曇り 25℃ (涼しい) 今年で3度目となる石垣島遠征。それは同時に2006年のラスト遠征という事になる。考えてみれば11月に“旬を迎える”クワガタ採集というのは、東京の人間からみれば、少々特異に映るかも知れない。それだけに南西諸島の「マルバネクワガタ」という虫に不思議な魔力を感じる。・・・しかし、10月に与那国島遠征より石垣島に立ち寄った際の“塩害”の状況が気になる。ヤエヤママルバネ&チャイロマルバネは発生しているのだろうか?また、10月に結果の出せなかった与那国島へ“最後の挑戦”として、1日だけ渡る事にした。10月の無念を晴らす為にも、悔いのない活動を行ないたいと思う。
本当であれば、明日の11月2日から石垣島入りするつもりであったが、どうしても与那国島を挟みたかった事と、2日からだと“連休価格”になり、遠征費が高額になってしまう事が分かっていたので、無理やり1日の仕事終了後に羽田空港に向かう事にした。これだけでも11月2日〜4日までの遠征費より、1日〜4日までの方が安く上がるのである。そして安く上がった分、与那国島に渡る費用に廻す事が出来た。こう見ると“飛行機の本当の価格”という物に?が付いてしまう。
・・・正直、かなり慌しく、疲れも取れないままの遠征になるので、遠征中に“体調だけは崩したくない”と感じていた。
那覇空港経由で石垣島に到着する。やはり強行スケジュールの為、少しでも体力回復に努めたいと思い、飛行機での移動中ほとんど寝ていた。・・・石垣空港で荷物を受け取る。疲れが残っているせいか、テンションがいまいち上がらないが、予約しておいたレンタカー屋へ向かい手続きを済ませる。
時間帯としては既に夜なので少しでも早く山に向かいたい所であるが、夕食を済ませたいと思い、スーパーに立ち寄る。本土と違い、売っている食材を見て沖縄を意識する。
眠気覚ましにコーヒーでも買おうかと思うと、ここでも“南国仕様”を目にする。お茶も圧倒的に「さんぴん茶&うこん茶」が多い。自分が南国に居る事をより意識する。この後、懐中電灯用の電池や明日の与那国島用の身支度品を購入する。石垣島は24時間営業のコンビニ&大型スーパーがあるので本当に便利である。
何か石垣島らしい料理を食べようかと思ったが、時間が無い事と「やはり“あれ”が食べたい!」と感じ、いつもの定番定食になってしまった。「ポーク玉子むすび」は南西らしく味も美味い。「金ちゃんヌードル」などは東海地方より南の地方では普通に販売しているらしいが、関東ではまず売っていないので、つい購入してしまう。
随分と時間は遅くなってしまったが、山に入る事にした。・・・と、言っても今日は下見する時間が無いので、過去の遠征で何度か通っている山に入り「運良く観れれば...。」程度に考えていた。元々、石垣島入りした時間帯が遅かったので、仕事終わりの疲労もあるので無理せず探索しようと思っていた。昨年同様に蛙が元気に鳴いている。鳴き声のする方をそっと見てみると、小さな蛙が佇んでいた。鳴き声と画像の蛙は違うかも知れないが、本土では見掛けない“真っ白で目の大きな蛙”だった。
とりあえず大きなシイの樹の場所は大体頭に入っているので、要所要所で懐中電灯にて確認していく。・・・どうやら他にも数名の採集者も入っている様で、随分と遅れをとっている様である。こればかりは事情があるので仕方が無い事だと思い、山に入り可能性を感じられるだけでも良いと思っている。・・・勿論、そんな簡単にヤエヤママルバネの姿が確認出来るほど甘くはない事は判っている。
!!! しかし、どう言う訳か、数本のシイを確認していくと頭上3メートル位の場所に、想像していなかった“黒い塊”が付いているではないか!状況的に今日の確認は難しいと思っていただけので、勝手に「いないだろう...。」と思っていたシルエットがそこにあるので一瞬目を疑った。改めて確認するが、独特の“ドキッっ”とするこの瞬間は堪らない。
やはりヤエヤママルバネ♂であった。まさかこのタイミングで確認できるとは思ってもいなかったので驚いた。今回はすでに数名の採集者が入っていた事で、「今日は雰囲気だけでも味わえれば...。」と思っていたので嬉しかった。更に運が良かったのは、自分がこの個体を確認していると、すぐ後ろに別の採集者が来ていたので、あと1分遅かったらこの個体を確認する事は出来なかったと思う。・・・結果として最後はリリースしてしまうのだが、クワガタ採集は人それぞれの楽しみ方(スタイル)があって良いのだろうと思っている。
“まさか”の初日からのヤエヤママルバネ確認によって、テンションが一気に上がってきた。やはり先行者が居ても“100%観ている訳ではない”ので、採りこぼし等もあるのだろう。また自分は初心者な“へっぽこ”だからこそ、人が見ない様なありきたりな場所やショボイ場所でも面倒くさがらずに確認する様にしている。
漆黒の闇の中に“ほのかな光”が飛んでいる。その光が停まった場所に懐中電灯をあてると「オオシママドボタル」が確認できた。本土のゲンジボタルよりも1回りは大きいと感じる。いつもながら11月だと言うのにホタルが観られるとは、幸せな事なのかも知れない。
いきなりヤエヤママルバネを確認できた事で、その後も期待しながら探索を続けたが、結局その後ヤエヤママルバネを確認することは出来なかった。考えてみれば最初の1頭は非常に運が良かっただけで、やはり早々簡単には見付ける事は出来ない。それにしても今年は採集者が多いのだろうか?一昨年、昨年に比べ数多くの採集者と遭遇した。
今日は短い探索ながらもヤエヤママルバネ♂を確認できた良かった。山を下りる前に、採集した個体をリリースする事にする。マルバネクワガタの中では、ヤエヤママルバネは比較的確認しやすい種かも知れないが、“へっぽこ”にとっては1頭でも確認できれば“大成功”である。その唯一の個体も決して大きな個体ではないが、石垣島の大自然に再び触れる事が出来て感謝している。その思いも込めて個体をリリースする。
“持ち帰らない”採集スタイル。 “へっぽこ採集者”の独り善がりな考え方かも知れない。場合によっては絶対ではないし、1人の行動というのは決して大きくないかも知れない。それでも可能な限り自分自身と向き合いながら、基本は“肩に力が入り過ぎない採集”を楽しんで行きたいと感じつつ、石垣島の初日を終える事にした。 成績:ヤエヤママルバネ♂×1 (確認後、リリース) |
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