2013年10月1日、希少野生動植物の指定により、アマミマルバネクワガタとアマミシカクワガタとアマミミヤマクワガタは採集禁止となりました。詳細は、奄美市サイトにてご確認下さい。下記、採集記は規制以前のものです。 |
2005.09.17(土)へっぽこ遠征in奄美群島(2日目) 鹿児島県・奄美大島 11:00AM 晴れ時々雨 32℃ (蒸し暑い) 2日目の早朝6時。宿の隣の部屋に若者が宿泊しているようで、夜通し騒いでいた...。疲れていたので寝ようとしても壁をドンドンと叩かれ、とても寝れる状態ではない...。彼らは廊下に出てまで騒いでいた。流石に他の部屋の宿泊者も迷惑している様であった。 限界を超えたので、部屋を出て隣の部屋へ行き“一喝”した。 ・・・静かになった。 人に迷惑をかける様なマネはしてはいけない。
それから暫く寝る事ができた。・・・目が覚めたので時計を見ると11時を指している。カーテンを開けると南国の空が広がっていた。東京で見る空とは全く違う。何と表現すれば良いか難しいが“空が低い”という感じだろうか?
・・・既に時間帯は昼なのでコンビニで軽くブランチを取り、レンタカーを走らせ山に入る。 車を走らせていて先月から感じていた事なのだが、昨年無かったトンネルが出来ており、かなり走り易くなっている気がする。元々は山の中を縫う様に走っていた国道や県道もトンネルが出来た事で、スムーズに山を通過出来るようになっている。他の箇所を見ても徹夜でトンネルを造っている場所もあるので、今後ますます便利になっていくのだろう。 今日は先月、昨日とまだ行った事の無い場所を探索する事にした。林道に入り、樹に何やら動く物体がいたので近づいて確認してみる。・・・小さな「キノボリトカゲ」だった。昨年も確認したが、この種はカメレオンの様に今いる場所と同じ色に擬態する能力がある。画像を見て頂ければお判りの様に、なかなかの“忍者ぶり”である。
探索を続けていくと、今まで通った事の無い林道が意外にあることに気付く。地図にも載っていない林道であるが、よく観ていくと回収していないトラップも確認できる。いつもながら自分のトラップは回収して頂きたい所である。林道自体は非常に雰囲気も良く初夏であれば、より可能性も高いかもしれない。本来であれば真っ先にこの様な確認作業を行い、少しでも可能性を上げないといけないのだろうが、もし来年また来る機会があれば“トラップ候補地”として覚えておきたい。
どうしても海岸線を走っていると“蒼い海”に眼が行ってしまう。奄美の海は本当に美しい。今日は船も多く出ている様だ。奥には加計呂麻島も見える。加計呂麻島といえばアマミノコやスジブトヒラタなども採集できる島と聞く。しかし、葛飾区に住む自分にとっては『男はつらいよ』シリーズで馴染みが深い島である。機会があれば行ってみたい気がする。
どの様な形で加計呂麻島へ行けるのか少々興味があがったので、古仁屋港に行ってみる事にした。するとたった今、加計呂麻島行きの「フェリーかけろま」出航したばかりであった。乗る訳ではなかったので問題は無かったが、いくら位で行けるものかと調べてみると...、体一つで乗り込むだけなら片道300円・30分で行けるらしい。ちなみにレンタカーを乗車させた場合は片道で3000円ほどらしい。思ったよりも行き易い場所なのかもしれない。・・・リリーに遇えるのだろうか?
無駄に時間を潰していた訳ではないが、夜の帳が下りたので暫く距離を走り、アマミミヤマのルッキングを開始する。すると電柱に、いきなりアマミミヤマの姿が確認できた。・・・まさか2日連続でアマミミヤマが確認できると思っていなかったので驚いた。直ぐに長網をセットし、アマミミヤマの元へネットを伸ばしていく。 今回は杭の根元に張り付いているので、少々面倒な展開になった...。 それでも昨日3頭ネットインしているせいか、それほど緊張せず思ったより大胆にネットの先で突いて、落下間際にネットインさせる事ができた。
網をたぐり寄せるとアマミミヤマ♂の姿があった。アマミミヤマといえば奄美大島では、時期さえ合えば採集は容易と見られている様だが、自分の様な“へっぽこ”にとっては出来すぎである。昨日の確認もそうであったが9月中旬に、こうも簡単に確認できるものなのだろうか?それとも採集者自体が減っている時期だからこその“ビギナーズラック”なのであろうか?この調子で♀も確認してみたいと思い、かなり念入りに探してみたが♀の姿は無かった...。
昨日、スジブトヒラタ♀が歩いていた場所の辺りに着たので「もしかすると今日も?」と思い、車から降りて確認してみる。すると上翅にスジの入ったクワガタ♀の姿があったので、昨晩同様にスジブト♀かと思った。・・・が、なにやら体型が違う。懐中電灯を当て、よく観てみる...。何とアマミノコ♀であった。本土で観るノコと体型は同じでも、上翅にスジが入っており“奄美大島の神秘”さを感じる。アマミノコは初採集なので嬉しい。時期的に難しいと思っていただけに、この喜びは大きい。しかし発生後期という事もあり、この個体はかなり弱っている様であった。産卵は終わった後なのだろうか?出て来てくれただけでも感謝したい。
なかなかの出だしに気を良くしながら、昨日から設置したフルーツトラップも見て回る。今日もキイロスジボタルの光が見える。 ・・・しかし、数箇所回って確認しても小型の個体すら付いていない。昨晩、スジブトヒラタ♂が付いていた“有望トラップ”も「巨大ゲジ&超獣ムカデ」に占領されている。トラップにはクワガタの姿が全く確認できない。確かに先月よりも気温は下がっているので時期的なものもあるだろうが、トラップそのものが発展途上なので、今後もレシピ改善を進めていきたいと思う。
昨日もそうであったが、今晩も月明かりが異様に明るい。車のヘッドライトを消してみるとかなり明るく感じる。ふと空を見上げてみると満月であった。「月見バーガー」が食べたくなった...。
そのせいか(月見バーガーではない)、山道には「カニ」が大量に発生している。これはテレビなどで偶に見掛ける、満月の夜に山を降り、産卵しに海にやってくる行為なのだろうか?とにかく数が多い。道路には横断中に車に轢かれたカニが多く見受けられる。・・・一体どれだけのカニが海に向かっているのだろう?
・・・夜も大分深まってきた。昨晩の流れから見ると、そろそろアマミコカブトが路面に出てきても良い頃合だろう。レンタカーを走らせ、昨晩のポイントに行ってみる。すると予想通り、路面には“黒い物体”があちらこちらで見え始めた。これがアマミマルバネであったら言う事無いのだが...。昨日もそうであったが、その殆どはサソリモドキやサツマゴキブリである。2日目の夜ともなれば大体は察しが付く様になる...。それでも「もしかして?」と思う度に車を降りて確認しに行き、そしてガッカリする繰り返しを行う...。特にサツマゴキブリは本当に紛らわしい。
そんな中「当たり」ではないが明らかに“黒い甲虫”が目に入ると、多少テンションも上がる。しかし、その甲虫の全てといって良い個体は「アマミコカブト」である...。もう少し大きな甲虫であればリアクションも変わって来ると思うが、大きくないアマミコカブトの場合、車を降りるまでも無く「それ」と判る。
時計を見ると昨日と同じ、午前2時を刻んでいる。路面には昨晩以上のアマミコカブトが歩いている。状況から見てもう少し粘ればと、時間を掛けて路面を確認していく。今日こそは“最凶”と言われているアマミマルバネを観てみたい....。
・・・しかし、・・・・・眠い。 「体力の限界っ!!」という千代の富士の言葉の意味が、今やっと分かった...。
・・・結局、成果の出ないまま宿に戻る事にした。 宿に戻りふと考え込んでしまった...。 トラップでは成果が出なかったが、昨日から2日連続でアマミミヤマを確認する事が出来、運良くアマミノコも確認する事が出来た。欲を言えば、アマミミヤマ♀やアマミマルバネも確認したかったが、それは贅沢すぎるのだろうか?。アマミミヤマ♀を確認したいのであれば、もっと採集ポイントを広げなくては確率も上がらないだろう。しかし事前に情報収集をせずに、偶々アマミミヤマのポイントを発見した身にとっては、どうしてもその実績に頼って同じ箇所ばかり見に行ってしまう...。もう少し滞在期間があれば思い切って他の山なども調査できるだろうが、限られた時間の中で安全パイばかり引いている“へっぽこ”である以上、進展は無いのかも知れない。アマミマルバネにしてもハブや眠気を理由に森の中へ入らない以上、確認は出来ないのかも知れない...。毎度毎度“へっぽこ”という言葉で誤魔化しているだけで、せっかく時間とお金の都合を付け遠征しても“内容の伴わない遠征”が続いている。 ・・・最終日の明日は、先月から気になっていた調査を行ってみたい。 成績:アマミミヤマ♂×1 アマミノコ♀×1 アマミコカブト×8 (アマミミヤマ♂以外、最終日にリリース) |
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