2013年10月1日、希少野生動植物の指定により、アマミマルバネクワガタとアマミシカクワガタとアマミミヤマクワガタは採集禁止となりました。詳細は、奄美市サイトにてご確認下さい。下記、採集記は規制以前のものです。 |
2005.09.18(日)へっぽこ遠征in奄美群島(3日目) 鹿児島県・奄美大島 11:00AM 晴れ 32℃ (暑い) 奄美大島遠征、最終日。 昨日の様に隣の部屋はうるさくなかったので、それなりに寝る事はできた。しかし疲れのせいか、今日も朝食を食べる事ができなかった。
何かしら食ようと思い宿を出る...。 名瀬市内には非常に重宝する24時間のコンビニがある。特にこの「every one」は、各店内で弁当やパンを作っていて、都会で見かけない「スパムのおにぎり」など“南国仕様”のメニューが美味しい。採集で明け方近くになっても気軽に入ることが出来る。離島遠征の場合、地元・東京と違い、食事処や商店は早い時間帯に閉まってしまうので不便さを感じるが、奄美大島は24時間のコンビニやファミレスも揃っていいるので、食に困る事は無いと思う。逆をいえば東京は便利過ぎるのかも知れない...。
奄美大島には驚いた事に「牛角」まである。近くには「ダイエー」もあり、レンタルビデオ屋の「TSUTAYA」もある。発売されたばかりの「ゲームボーイミクロ」のコントローラーverも発売していた。奄美大島は離島といっても、名瀬市内に来れば何でも揃う気がする。
名瀬市から少し走れば、美しい海辺も広がる。9月中旬といっても奄美大島はまだ真夏なので、ビーチは海の店と海水浴客で賑わっている。今日は天気が良いので海の蒼さもより際立っている。
海の店では昨年同様に「さとうきびジュース」を販売していた。1年振りに飲んでみる。オーダーすると、店員は4〜5本の砂糖キビをローラー(サンシャインの呪いのローラーの様な機械)に入れ、バキバキッ言いながら潰し、搾り出た汁を飲む。渋みの中にある“ほのかな甘さ”が天然さをかもし出している。
奄美大島を車で走り気になっていた事があった。小学校などの施設には必ず「土俵」が設置されているのである。何が行われるのかと思ったら、小さな子供が相撲を取っている。近くにあるのぼりを見ると「十五夜奉納祭」と書かれている。どうやら「五穀豊穣を願う祭り」の様で各集落単位で行われているらしく、奄美大島全体ではかなりの箇所で行われていた。
全くクワガタの雰囲気の無いまま時間だけが過ぎていく。そろそろ山に向かおうと思い、山を見上げると先程の海の碧さに負けない、吸い込まれそうなくらい澄んだ“青い空”が広がっている。
山に入ると急に辺りはうるさくなってくる...。オオシマゼミもうるさいが、「リュウキュウアブラゼミ」の鳴き声も非常に喧しい。本土のアブラゼミより大型で泣き声も少々異なる。“音量”が本土のものよりかなり大きく、近くで鳴かれると堪らない...。
そうこうしながら最終日という事で、仕掛けたフルーツトラップを回収しながら最後の採集を行う。 ・・・しかし、虫の姿は全く見掛けない。 情けないながら全く雰囲気すら感じないまま、トラップ回収は終了した。
実は今回の奄美大島遠征で試してみたかった事があった。アマミミヤマ♂は電柱を上る行為を行う事に対して「もしかして...?」と、思う所があったので実験してみたい事があった。それは...。 @アマミミヤマ♂は先月・今月と同じ電柱を上る傾向があったので、昼間にその電柱の根元を掘れば個体が確認できるのではないか? A先月採集したアマミミヤマ♂はゼリーを食べるので、電柱にフルーツトラップを仕掛けた場合、アマミミヤマは寄って来るのではないか? B上記2点の流れでアマミミヤマの♀も確認できるの可能性もあるのではないか?
奄美大島に入り2泊3日間で自分なりに試してみた結果は・・・
@目をつけていた電柱の根元を3日間、昼間訪れる度に下草をチェックしてみたり、電柱の根元を掘ってみるなどして調べてみたがアマミミヤマの個体は確認できなかった。先月・今月と数ある電柱の中でアマミミヤマ♂は、同じ電柱に上っている事が興味深い点であったが、結果として昼間にその電柱の根元から個体は確認できなかった。 A8月に採集した個体を自宅で飼育してみると、餌のゼリーをしっかりと食べている。そこで一般的に「フルーツトラップに集まらない・樹液にも集まりにくい」と言われているアマミミヤマであったが、アマミミヤマが上る電柱であれば何か可能性があるのではないかと思い試してみた。しかし結果としては全く成果が出なかった。特に夜間、フルーツトラップを仕掛けた電柱にアマミミヤマ♂が確認できたのだが、電柱を上る時点で必ずフルーツトラップに接触しているはずだが、見向きもせずに(泣)電柱を上って行った様である...。 B上記@Aの通りなのでアマミミヤマ♀の個体も確認できず。フェロモンに関係するとも思われるが、現時点では調べようが無かった。 結局、@電柱でかなりの時間を要し確認の行ってみたが結果は出なかった。Aに関しては結局、天然のアマミミヤマはどの様にして後食しているかますます疑問に残ってしまう...。特にBの様にアマミミヤマ♀は今回も確認できなかったが、本土ミヤマ♀を観ていて外灯に良く集まる傾向があるので、アマミミヤマ♀も外灯に集まる可能性もあるかも知れない。現時点で試すだけの手段は無いのだが、機会があれば調べてみたい点であった。
時計を見ると、飛行機の時間まで残された時間は少ない。情けないながら最終日は何一つ成果の出ないまま採集を終了する事になった...。何だか急に腹が減ってきたので、最後くらいは美味いものをと思い空港近くの鶏飯屋に立ち寄った。「・・・本当に美味すぎる!」特に期間限定の「煮玉子」が美味い!!4つ食べてしまった(危険)。
いよいよ奄美大島ともお別れに時間がやって来た。飛行機の乗り込もうと通路を歩いていると、窓の外には大きな月が出ていた。確かこの時期の月は「仲秋の名月」と呼ばれたはずである。他の観光客もしきりにシャッターを押していた。
羽田空港に着くと、既に羽田発の便が終了していたので、ロビーには誰も人がいない状態で少々寂しさを感じる...。私の遠征内容も寂しい限りであるが、今回は先月より多くのアマミミヤマを確認できたり、思い掛けないアマミノコも確認できた。また、結果は出ないながら気になっていたアマミミヤマの上る電柱の調査も行えたので、それなりに気が済んだ気持ちもある。また来年、奄美大島に来る機会があれば是非とも進展させたい“アマミミヤマの謎”である。
・・・今回、何故かダークゾーンはありませんでした。 成績:ボ〜ズ |