2005.07.02(土) 富山県・中部 3:00PM 晴れ 28℃ (蒸し暑い) 昨年の8月も富山県に行ったのだが、暑さと熊で全く内容が伴わなかった。そこで昨年より1ヶ月早く、富山を訪れてみる事にした。 富山県に行く前に長野県で、以前から気になっていた「元祖・納豆カレー」を食べる事にした。自分はカレーが好物であるが、納豆だけはトッピングでも付ける事は無かった。元々、納豆は自分から好んで食べる方ではなかったので、納豆カレーに?が付いていたのだが、長野の知り合いが「絶対に美味い!」というので良い機会だと思い、立ち寄ってみた。注文後、運ばれてきたカレーに“野沢菜の入った納豆”を混ぜて食べてみた。・・・思ったより、違和感は無かった。世の中には、まだまだ知らない食べ方がある事を学んだ。
そして車で走ること数百キロ...、富山県内に入った。前日までの北陸地方の天気は、豪雨だった様だ。河川敷で川を見てみると濁流になっている。かなり危険で近寄る事は出来ないほどだ。一応、安全そうなヤナギを確認してみる。
良さそうな状態の樹木はあるが、クワガタの姿は確認できない。樹液の出ている場所もあるのだが、何故かクワガタは居ない。この様な時は、とりあえずコクワでも居てくれれば一安心できるのだが、カナブンしか付いていない...。他に居るのはゴマダラカミキリぐらいであった
同じ場所に滞在していても時間がもったいないので、それなりに確認してクワガタが居ない場合は、他の場所へ移動しながら可能性を見出して行く。初めての場所ではコクワすら見つからない状態が続くと、この地域にはクワガタは居ないのでは?と思うほど弱気になってくる。しかし、その殆どは「居ないのではなくて、見つけてない!」という事なので、集中して確認していく。・・・すると他の樹木より、カナブンやシロテンハナムグリが多く集まっているヤナギがあったので念入りに見て行くと、ノコのペアが張り付いているのが確認できた。しかし随分と高い場所に居るので採る事は出来ない。そうこうしている内に、ちょっとした振動が樹木に伝わってしまい下の茂みに落ちてしまった。・・・探したが見つからなかった。この周辺でもクワガタは生息している事が分かっただけでも、良しとして他の樹木を確認して行く。
クワガタが生息している事が分かれば、気の入り方も違ってくる。それから暫くすると、樹木の根元に黒い塊が付いていた。すぐにクワガタと分かった。しかも妙にツヤもある!もしやと思い確認してみると、樹液を吸うヒラタ♂であった。これは嬉しい!昨年も北陸のヒラタを確認したく、遠方の富山県まで遠征したのだが、その目標が今年達成できた!それにしても樹液を吸っている“自然の姿”は非常に興味深いものがある。自分にとってある種の“癒し効果”がある。暫く観続けてしまった。
樹液を吸っているヒラタを眺めていると、頭上に何かが飛来した。目をやるとコムラサキであった。普段自分にとって、なかなか観る事の出来ない蝶なので得した気分になった。見る角度によって、紫色の具合が変わる姿は本当に美しい。
樹液の出ている箇所は多いのだが、まだ明るいせいもあってカナブンとシロテンハナムグリばかりである。これだけ樹液が出ているのであれば、他のヒラタも確認してみたいが、洞があっても深いものばかりで、入り口付近にヒラタらしきクワガタが見えてもすぐに洞の奥深くに隠れてしまう...。無理な追求をして個体を傷つけてもいけないので、深追いはしない。
それでも他のヒラタも観てみたいと思い探していくと、タイミング良く根元から這い上がって来たヒラタ♂を確認できた。樹上の樹液に行こうとしている様であった。小さくてもヒラタであれば嬉しい。ヒラタは小さな個体になるほど“ピカピカしたツヤ”が出る様だが、普段コクワばかり観ている自分にとって“上品なツヤ”に見える。
更にその樹木を注意深く見ていくと、今度は大きめなヒラタ♂も確認できた。もう夕暮れは近いので、ヒラタの活動する時間帯に入ったのかも知れない。腹を空かせているのだろう。この個体も樹液に向かって歩いていく。先日の沖永良部島遠征でも感じたが、同じ樹木で同じ様に樹液が出ている樹が多くあっても、居るのは限られた樹木の様に感じる。何か樹液の成分や発酵等の差があるのだろうか?
数時間の採集となったが、ヒラタが確認できて非常に満足している。初めての地でクワガタを確認できた時の感動はたまらない!それが普段、なかなか自分の目にする事が出来ないミヤマやヒラタであれば、なお更である。採集した個体に感謝を込めてリリースした。
採集した個体をリリースし、車に戻ろうとしたのだが先ほどまで何も付いていなかった樹木に、大型のヒラタ♂が付いていた。やはり活動する時間帯に入ったのであろう、樹木の上部へ向かっている所であった。一応ノギスをあてて見ると50_の個体であった。昨年の6月に静岡県で50_の個体を観たが、それ以来の大きさであった。このクラスになると厚みも増し迫力がある。最後に良い個体を確認する事が出来た。感謝と共にすぐにリリースした。
夕暮れが迫ってきた。本当であれば夜も探索したい所であったが、野暮用があるので探索を終了する事にした。今回は東京から少々無理をして車で北陸・富山入りしたが、楽しい内容になり良かった。簡単に来れる場所ではないが、また機会があれば足を運んでみたいと思う。
成績:ヒラタ♂×4 ノコ♂×1 コクワ♂×7 ♀×1 (確認後、全てリリース) |