2005.06.12(日)へっぽこ遠征in奄美群島(3日目)
14時に空港に居れば良いので、数時間は山に入れる。ただ、ドシャ振りの雨が正直辛い。遠征最終日という事で、持ち合わせの服がない。流石に、ずぶ濡れ状態で飛行機に乗る訳には行かないが、まだ確認していない種の為ならお構いなしの心構えだ。まずは、この2日間入った事のない林道を回ってみる。広葉樹の名前は分からないながらも、可能性を信じて確認していく。それにしても沖永良部島では、樹液の出ている樹が全く確認できない...。また、今日は雨が強いせいか、あれだけ多く舞っていた蝶の姿も無い。やはり雨の影響は大きい。
・・・暫く探索したが、結果は出ない。ある程度時間が限られてきたので、トラップの回収を始める。勿論、回収しながら最後の望みに願いを込める。ネブトも観てみたい。この遠征で“へっぽこバトル”を繰り広げた不明樹ともお別れだ。念の為、下から洞を見てみたが何も気配が感じられない。洞の奥には別の個体が入っているのだろうか?気になる所だが、それ以上の行為は行わなかった。トラップを回収していく...。
トラップを回収しながら、初日・2日目と採集したオキノエラブヒラタ♂×2頭とタイワンカブト×1頭に別れを告げる。今回も採集記(ホームページ用)として、デジカメで遠征等ロケーションが撮れたので、それで満足である。家に帰ってデジカメを整理し、ホームページとして公開する事で「自分だけの採集旅行をいつでも振り返れる。」と思っている。
・・・今回設置したフルーツトラップは全て回収した。あまり言いたくないが、森には他の採集者が設置した“数多くの未回収トラップ”の残骸を目にする。設置する時は、様々な思いを馳せながら楽しく設置するのだろうが、いざ採集が終わる頃には「回収が面倒くさいし、回収しなくてもバレやしない!」という意識から、放置したままのトラップが本当に多く見受けられる。結局は本人のモラルの問題だと思うが、この様に回収しない残骸が続けば、地元の方々からクレームも出るだろうし、結果として採集しにくい状況に、採集者自らが首を絞める行為にはして欲しくない。今回、自分のトラップを回収しながら、目に余る他の採集者の残骸も可能な限り回収した。
トラップ回収を終える頃には、雨足も更に強まってきた。南西諸島の梅雨を侮ってはいけない。関東の梅雨と言えば「しとしと」という静かな長雨のイメージがあるが、南西諸島では激しい雷雨も良くある様で、とてもではないが関東の様な、静かな梅雨のイメージとはかけ離れている。
沖永良部遠征の結果としては、オキノエラブヒラタ♂×2頭とタイワンカブト×1頭、クロマルコガネ×1頭という成果に終わった。「“褐色”のオキノエラブノコ」や「オキノエラブネブト」は確認する事が出来なかった。当然、採集者として腕が“へっぽこ”という部分が殆どなのだが全体的にみて蝶以外、虫の発生が随分と少ない事から、時期が早過ぎたのかも知れない。南西諸島といっても梅雨の時期、夜は寒さを感じるほど気温が下がったり、本格的な夏はもう少し先の様に窺える。
採集としては、ある程度目処が付いてしまったので、空港に行く時間まで沖永良部島の名所を回る事にした。沖永良部島は鍾乳洞が、かなりあるらしい。今回は鍾乳洞の中で、一番の観光名所となっている「昇竜洞」へ行ってみた。外は蒸し暑いが、中は意外なほど涼しい。つらら状になっている鍾乳洞は、1_の長さを作るのに3年掛かるという。数メートルに及ぶつらら状の鍾乳洞は一体どの位の年月が掛かっているか想像もつかない。地球の歴史を感じる一瞬であった。
空港に向かう途中、スーパーに飲み物を買いに寄った。島内には「A・COOP」が2箇所あるので、買い物には困らないと思う。但し、夕方18時頃になると“タイムセール”や夕食の買出しで、地元の方が一気に集まり店内は、かなり混み合う。
そろそろ空港に行かなければならない時間であったが、最後に空港から近い「日本一のガジュマル」を一目見ておく事にした。少し離れた位置から見たが、かなりの大きさであった。
・・・それにしても雨足は、ますます強くなる一方で、傘を差して歩けないほど激しい。 ふと先日の、2度目の「神津島遠征」中止を思い出した。あの時は飛行機自体、小型機の“有視界飛行”という事で「曇っているだけでも、視界不良になりうる状態」であったが、今回はレーダーで飛んでいるので台風が来ない限り、問題は無いだろう。 ・・・と、思っていた。
・・・とは言ったものの、まぁ考えても仕方が無いので?夜回りをする事にした。(もう、ヤケクソ状態!!) しかし気が弱いせいか、すぐに明日の仕事の事で、頭がいっぱいになる...。とりあえず探索をどう回ろうか考える。・・・フルーツトラップは回収してしまったので、外灯周りに専念する。初日にタイワンカブトが飛来した場所に行ってみると、生体は確認できなかったが、地面を見るとタイワンカブトの亡骸が2頭確認できた。どうやら外灯にやってきた個体は、鳥にやられた様である。
一通り外灯回りを行った後、“問題樹”に行ってみる事にした。昼間にリリースした、元々この場所にいたオキノエラブヒラタは、この場所から少々離れた場所に放したので、戻ってはいないだろう。別の個体が居ればと思い、まずは下から洞を照らしてみる。・・・何も居ない。
・・・雨足は相変わらず強い。結果が出ないというよりは、これ以上モチベーションが保てなかったのでホテルに戻る事にした。
「・・・明日の仕事どうしよう。」 とんでもない遠征になってしまった...。 成績:ボ〜ズ |
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