ご注意!

2007年年4月1日より、神津島動植物の保護に関する条例第4条第1項、第5条第2項及び同条例施行規則第4条第2項に基づき、ミクラミヤマクワガタ採集禁止となりました。下記、採集記は規制以前のものです。


2005.05.14(金)へっぽこ遠征in伊豆諸島(2日目)
東京都・神津島 7:00AM 晴れ 12℃ (風が強く寒い)

昨日は結果が出なかった。今日は丸1日、ミクラミヤマ探索に集中できる。何とかミクラミヤマに会いたい。昨晩の夜回り時もかなりの突風が吹いていたが、やはり今日も風が強く寒い。・・・食事を済ませた後、原付で山を目指す。神津島自体それほど大きな島ではないので、原付があれば島全体を短時間で移動できる。神津島は限られた場所での採集となるので、採集者が多い場合は必然と競合する事になる。自分の場合、多少時期をずらして“発生ピーク”でなくても、人が少ない方がゆっくり活動(確認)できる。

二日目の朝
2日目の朝




それにしても、太陽は出ているがなかなか気温が上がらない。先週までの状況に比べ、今週は大分条件が悪い様である。同じ道を何度も往復する。とにかくひたすら原付を低速で走らせ、地面を確認していく。早い内に1頭確認できれば楽になると思うのだが、現実は甘くない。

気温が上がらない・・・
気温が上がらない...



昨日氏から聞いた話だと、ある場所では農薬を撒いたらしく、ミクラミヤマの姿がぱったりと消えてしまったらしい。「寒さと農薬」のWパンチで最悪の状態なのかもしれない。ただ、そうは言っても諦める訳には行かないので、地道に探していく。ミクラミヤマ採集の場合、林床を歩き回っている個体が、林道に出てきて道を横断する時に採集するのが一般的という。天候や気温等の条件が良ければ多く確認できるらしいが、現状はどう見ても良くないと思われる。側溝なども可能性を求めて探していく。

・・・暫くすると何やら甲虫の影が見えた。

何か居る!
何か居る!



ミクラミヤマ♂だ!!」・・・しかし、動かない。残念ながら亡骸だった。ポジティブに捉えれば「最低限(発生場所周辺)の確認はできた」という事だろう。昨日はこの場所に居なかったので、気温が低く農薬が撒かれていても、ミクラミヤマは少ないながらも活動している様である。ただ周辺は確かに消毒臭いので、結構強力な農薬が撒かれた様である。せっかく見つけたミクラミヤマであったが、いつもながら元気な時に...。

第一ミクラミヤマ♂発見(亡骸)
第一ミクラミヤマ♂発見(亡骸)



寒さの中、原付を走らせていく。ただ時間だけが過ぎていく...。相変わらず晴れてはいるが、風が強く寒い。それでも朝に比べれば、多少気温も上がってきた感がある。少しずつであるが虫も出始めた様だ。

少しずつ虫が出てきた
少しずつ虫が出てきた



条件が悪い中でも、この神津島では意外と見かける虫がいる。「ツチハンミョウ」である。羽が退化している様で、本土でも良く見かけるハンミョウとは似つかない容姿である。島内の場所によっては集団で居るのを見かける。1頭のメスにオスが集まってきているのだろうか?但しこのツチハンミョウは、かなりの毒を持っている様で、素手で触るのは危険である。

ツチハンミョウ
ツチハンミョウ



強い風も時折、弱まる。風が止めばそれなりに暖かいので、より一層念入りに確認していく。それにしても山道から覗く景色は、日頃のストレスを忘れさせてくれる。

時折、風が止む
時折、風が弱まる



地面をひたすら確認し続け、原付を走らせ続けて数時間。腹も減り、目の疲れからか気分も優れない。大げさかもしれないがオキナワマルバネ状態に近い。段々と覇気が無くなり集中力もなくなってくる...。地面の“黒いもの”が、シミなのか虫なのか分からなくなってくる。・・・また何か“黒いもの”が居た気がした。

!!!!!
!!!!!



ミクラミヤマ♂だった。初めて観る“元気なミクラミヤマ”だ。これは嬉しい!やっと確認できた事で嬉しい以上に、ホッとしたと感がある。状況の悪さからして個体確認は難しいかと思っていたので、一安心できた。元気なミクラミヤマは、お構いなしに歩き回っている。歩くスピードは想像以上に速い。これでは仮に他の個体が林道に出てきても、タイミング良く出くわさないと、すぐに道幅の狭い林道では逆サイドに到達してしまうだろう。

神津島産・ミクラミヤマ♂ 27.5_
神津島・ミクラミヤマ♂



・・・時計を見ると13時を軽く回っている。キリが良いので昼食を取る為、村に戻る事にした。



前浜港の食堂で、今が旬らしい「赤イカ」の掻き揚げと岩海苔の入った「蕎麦」を注文した。岩海苔が美味だった。神津島内ではラーメン屋やそば屋も発見したが、何故か昼時にもかかわらず営業していない。「美家古寿し」もそうだが、GW後なので一段落がつき“開店休業”状態なのだろうか?その他にはパン屋もある事はある。まぁ困った時は「神津ストア」に行けばどうにかなるだろう!?

赤イカ掻き揚げそば
赤イカ掻き揚げそば




午後の部の開始である。何とかもう1頭を確認したは良いが、ミクラミヤマは色彩にもバリエーションがあるので他の個体も確認してみたい。また可能であれば♀も確認してみたい。しかしミクラミヤマの♀は、♂の発生時期より1ヶ月ほど遅れて発生するらしく、この時期はあまり確認できないらしい。アマミミヤマの時も思ったが、まともに♂すら確認できていない状況下では、お話にならない...。「何でも良いから出て来〜い!」と叫びたい。

出て来〜い!
出て来〜い!



朝方ミクラミヤマの亡骸のあった周辺に行ってみると、別のミクラミヤマ♂の亡骸があった。やはり農薬の影響が出ているのだろうか...?しかし興味深い点もあった。この個体が死んでいた周辺は、確かに農薬が撒かれたポイントからそれほど遠い場所ではなかったが、林道というよりあまり樹の生えていない、どちらかと言うと「野原」に近い場所であった。偶々なのかも知れないが、発生場所から大分離れた場所まで歩き回っているのだろうか?

元気な時に・・・
元気な時に...




今日は朝から夕方まで目一杯活動したが“へっぽこ”なりに、最低限の成果は出せた気もする。それでも発生時期という事を考えれば、条件が悪いにしても少な過ぎる確認個体数であろう。夕暮れも近づき、宿に戻る事にした。西日の入り込んだ部屋に戻った瞬間、疲れで倒れ込んだ。長時間に及ぶ原付での確認作業は、目も疲れるが気を張って下を向いているせいで、首や肩にもかなりの疲れが生じている。

何となくテレビをつけると明日の天気予報をやっていた。明日こそは、暖かくなってくれと願いながら観る。

「明日も肌寒い、気温の低い1日になるでしょう」   ・・・目まいがした。

神津島の夕焼け
神津島の夕焼け



神津島の夕日に向かって「バカヤロウ〜!!」って、叫ぶのも面倒臭かった...。



成績ミクラミヤマ♂×1
(確認後、翌日にリリース)

3日日へ

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