2007年年4月1日より、神津島動植物の保護に関する条例第4条第1項、第5条第2項及び同条例施行規則第4条第2項に基づき、ミクラミヤマクワガタは採集禁止となりました。下記、採集記は規制以前のものです。 |
2005.05.13(金)へっぽこ遠征in伊豆諸島(1日目) 東京都・神津島 2:00PM 曇り時々晴れ 11℃(風が強く寒い) いよいよ待ちに待ったシーズンが来た。そして2005年の遠征第1弾は伊豆諸島・神津島である。何といっても「ミクラミヤマ」の生息する地であり、以前からずっと気になっている場所である。ミクラミヤマは伊豆諸島の神津島と御蔵島のみに生息しており、近縁種が中国南部の雲南省に居るらしいが、これは大昔に日本と中国が陸続きになっていた事を物語っているらしい。今回は歴史の証人、ミクラミヤマに出会えるのであろうか...?
まずはどの様にして神津島へ渡るかを考えていたのだが、今回は竹芝桟橋から船で行く事にした。一時は調布空港から飛行機での選択肢も考えたが、自宅からの荷物や安定性を考えの竹芝発ジェットフォイルにした。
出航時刻になりジェットフォイルに搭乗である。実は船旅は初めてなので船酔いが心配であったが、このジェットフォイルは移動時は水中翼で浮き上がって航行するらしく、波の影響を受けないとの事である。しかも超高速(時速80キロメートル弱、要シートベルト)での移動なので、数島寄っても4時間ほどで神津島に到着する。因みに通常の旅船の場合10時間ほど掛かるとの事。
・・・途中、式根島での着岸時もの凄い横波の影響を受けて、思わず酔いそうになってしまったが何とか持ちこたえた。後ろの席の人はリバースしていた...。
いよいよ神津島到着。GW後という事で予想通り観光客も少ない。天気予報である程度覚悟していたが、風が強く寒い。先週までは20℃を超えていた様で、ミクラミヤマも発生していたとの事らしいが、この寒さではどうなのであろうか?宿へのチェックインと昼食を取る事にし、少しでも早くフィールドに出る手順をとる事にした。
宿泊宿は「ホテル神津館」。すぐ隣には、島唯一のスーパー「神津ストア」がある。朝は8時頃から開店して、夕方になるとかなり混雑する。気軽に何でも買える、非常に重宝する場所だと思う。某誌によると、夏場はこの周辺も“良い場所”らしい。
神津島の海は、南国の海の様に蒼く美しい。そして「トビウオ」を多く確認できる。トビウオは名前の通り、本当にヒレを羽ばたかせながら海面を飛び回る。その距離10メートル以上の時もある。想像以上に大きかった。
とりあえず腹ごしらえからである。まずは有名な「島ずし」を食べる事にした。本当は「美家古寿し」で食べる予定であったが、午後の5時以降でないと開店しない様なので、前浜港にある食堂で食べる事にした。神津島ではあまり外で食事のできる店が多くはないので、昼食をどの様に食べるかも重要である。とりあえず注文し、暫くすると島ずしが運ばれてきた。簡単に説明するとネタが“漬け”状態で、ワサビではなく“からし”が塗ってある寿司という感じである。・・・「美家古寿し」で食べてみたかった。
神津島での移動手段は原付バイクになる。レンタサイクルでの移動は、島全体が山の様な場所なので急勾配の坂道も多く、30過ぎのオジサンには厳しいと予想されたので原チャリにした。因みにレンタカーはお勧めできないらしい。山道や村の道は狭く、一方通行も多く、値段設定も高いので天候さえ問題なければ原付が小回りも利き便利である。ただ値は少々張り、1日レンタル(夕方まで)で安くても4800円以上となる。
日本列島北部から寒気が流れ込んでいるらしく、結構寒い。と言うか、原付で走るとかなり寒い。先週までは暖かかったはずであったが、ここ数日かなり冷え込んでいる。虫にも影響はあるであろう...。暫く山道を流したが、薄手のシャツ一枚では凍えるほど寒く感じる。それでも限られた日照時間の中で、出来る限りの事をしたい。
寒いながらも多少の虫は確認できる。ミクラミヤマはそれほど大きくないはずなので、甲虫らしき姿が窺えるとドキっとする。お約束ながらハズレばかりである。それでも原付で地面を見ながら確認していく。
暫くすると同じ様に原付で山道を走る人とすれ違った。状況的にみてミクラミヤマの採集者だろうと感じた。限られた範囲での採集となるので何度もすれ違った。すると私の探し方が気になった様で、先方が話しかけて来た。予想通り彼もミクラミヤマ狙いの採集者であった。M氏と言う。話によると昨年10月に石垣島にヤエヤママルバネ採集に行かれたとの事で、更に話を窺っていくと各ホームページを立ち上げている採集者の方々と、様々な場所に採集に行かれている学生さんであった。そして驚いたのは私のサイトを知っているとの事で、改めてネットの影響力を感じた瞬間でもあった。 M氏が数日間で採集したミクラミヤマがあるとの事なので見せて頂いた。流石に格が違う。中には黄紋の出ている個体もあり、初めてミクラミヤマを目の当たりにした。
ふと思った。いつも自分が見つけられない理由を“へっぽこ”で片付けているが、自分に足りないものがあるのではないかと...。自分は学生時代、野球に没頭していた。高校入学時に2校から声を掛けてもらったが、練習で遊べなくなるのが嫌で断ってしまった。逆に当時の仲間は「野球しか考えられない!」と野球に没頭出来る高校へ進み、甲子園まで上り詰めた。月日が経ち自分はその後、格闘技にのめり込む時期もあったが、先を考え安定性を求め「普通」の就職に着いた。その時も共に汗を流した仲間は、大晦日に出場するK−1ファイターにまで上り詰めた。諦めず追い求めていけば結果はついてくる。「夢は叶わないから夢なのではなく、叶えるものだ」と今思えば、その時の仲間から学んだ気がする。話が大分逸れてしまったが、結局は“想いの強さ”の差が、結果として現れているのだろう。 「・・・何とか自分自身で、自然のミクラミヤマを確認したい!」と改めて感じた。 ・・・しかし現実は厳しく、結局ミクラミヤマを確認できないまま17時をまわり、日も傾き始めた。山頂から海を見下ろすと、雲の隙間から日の光が海に漏れている。ここ神津島は遥か昔、伊豆諸島を創造する為に7人の神々が集まったと言う伝説の島らしい。ポジティブに今日は、明日への良い下見が出来たと思い終了する事にした。
ホテル神津館に戻り、風呂を浴びた後に夕食となった。出てきたのは昼間に海で多く見かけたトビウオの刺身であった。改めて近くで見ると“羽”となるヒレの部分が大きいことが窺える。脂が乗っていて美味だった。
食事も済み部屋に戻り、後はテレビでプロ野球の西武-巨人交流戦を観ながら、明日に向けて寝ようかと思ったのだが、キャプラー出場の影で我慢し続けてきた清水が、西口のノーヒットノーランの夢を消し去ったその瞬間、ミラクルを信じ、時期的に無意味と分かりながらも、夜回りに出かけてしまった。 ・・・もちろん結果は“ノーゲーム”だった。 成績:ボ〜ズ |
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