ご注意!

2015年5月1日、石垣市条例で、チャイロマルバネクワガタヤエヤママルバネクワガタヤエヤマノコギリクワガタ採集禁止となりました。   下記、採集記は規制以前のものです。


2007.11.03(土)へっぽこ遠征in八重山列島(2日目)
沖縄県・石垣島 11:30AM 曇り 27℃ 涼しい 同行者:るどるふさん、r.matsudaさん

石垣島遠征、2日目の朝。

・・・実は、メチャメチャ寝不足である。昨晩の寝静まった頃、いきなり宿の放送でサイレンが流れた後「火事です!現在、原因を調査中です!」とのアナウンスが流れ、少しした後に「3階で火事が発生しました!指示に従って非難してください!」と、ただならぬ緊張感に襲われてしまった。・・・とりあえず煙は回ってない様なので、ドアを開けて「他の部屋の方がどの様な状況なのか?」確認してみると、他の部屋の方々も同じ様にドアから顔を出して状況を伺っている。「一体どうなってるんだ?」と感じたが、他の部屋の1人が「大丈夫ですよね???」と聞いてきたので、私は「火は出てませんよね...?」と答えると、雰囲気的に“誤報”のニュアンスが漂ってきた。

・・・そのままの状態で暫く様子を見ていると、宿の係員が「現状を確認中です!」と叫びながら、廊下を走り回っているのが分かった。・・・結局、他の部屋の客が“風呂のドアを開けたままシャワーを浴び続けていた”ので、火災探知機が湯気に反応してしまったとの事であった。本当の火事でなかった事は良かったが、夜中に宿中の客が起される事は、正直喜ばれる事ではないと思った...。




気を取り直して、朝食を取った後は散歩がてら気分転換にと思い浜辺に出てみる事にした。南国の太陽は出てないので、暑くなく風が心地よい。・・・時間を気にせず蒼い海を観る事が出来るのは、自分なりに“最高の癒し”だと感じる。石垣島遠征2日目の今日は、いよいよ「るどるふさん&r.matsudaさん」と初対面となる日である。・・・そう思うと緊張感が増してきた。自分の様な“へっぽこ”から見ればお二方は“雲の上の様な”存在でる。唯一“へっぽこ”なりに石垣島は過去の数回来ている分、お二方のお役に立てればと感じている。とにかく失礼の無い様にしていきたい。・・・そういう意味でも蒼い海を見て、気持ちを落ち着かせられたのは良かったかも知れない。

南国の朝
南国の朝



一息つけたので、車に乗る前に自販機にて飲み物を購入しようと思ったら、なにやら自販機前でうごめく物体を発見した。

?何か居る?
?何か居る?



良く観るとタイワンカブトだった。まさかこんな時間にウロウロしているとは思わなかったので少々驚いたが、まずは本日の“第一甲虫”として悪い気はしなかった。当然別種なので、本土のカブトとは全く異なる訳で、雰囲気としては“コカブトを巨大化”したような、特徴ある姿だと感じる。・・・個人的には、6月に南大東島に行っているせいか、ヒサマツサイカブトを意識してしまうが、当然その特徴は無かった。すぐにリリースする。

石垣島・タイワンカブト
石垣島・タイワンカブト



そろそろ山に向かおうとすると、今まで気が付かなかった「マングローブの森」を発見した。南西特有の汽水(海水)地に生える樹の密生地で、これを見ると“いかにも南西諸島”という気持ちになれる。

マングローブの森
マングローブの森




山に向かって車を走らせると所々で牧場を見掛ける。その殆どは石垣牛を飼育している。この石垣牛は、かなりの高級牛で以前、沖縄本島の国際通りで“石垣牛のにぎり”の価格を見た時、“簡単に食べられる牛ではない”と感じた事を思い出した。この石垣島内でも多くの場所で食べる事は出来るが、それなりの覚悟は必要だと感じる。

石垣牛
石垣牛



林道に入っていくと、昨年まで見られなかった新たな看板を目にする。「カンムリワシ」や「セマルハコガメ」の注意を促す看板であり、今年は例年以上に新しい看板を多く見かけた。・・・個人的にカンムリワシと聞くと、プロボクサーであった「具志堅用高」を思い出す...。

カンムリワシ注意
カンムリワシ注意



標高も上がってきたので、早速チャイロマルバネの探索を開始する。どうやら天候は雲は厚いが、とりあえず雨は降っていないので何とかなりそうである。自分なりに過去の探索で濃い場所と言うものを体感していたので、今回も集中的に確認して行く。

チャマル、、、
チャマル、、、



暫く探索を続けたが、結局チャイロマルバネを発見できなかった。・・・やはり昨日(昨年)同様に、以前の様な“活気ある”虫の気配が感じられない。蝶の数も圧倒的に少ないと感じるし、以前はシオカラトンボを3cmほど小さくした様なトンボも多く見掛けたが、最近は殆ど見掛けなくなってしまった。

時計を見ると「るどるふさん&r.matsudaさん」と石垣市内で待ち合わせをしている時間が迫っていた。とりあえず一旦ここで探索を中断して市内に向かう事にした。




レンタカーを走らせ石垣市内に向かい、待ち合わせ場所に到着した。両氏共に初めてお会いするので面識も全く無いが、雰囲気で探してみた。・・・すると、スカウターを持ってこなかったので戦闘力は計測できないが、2名の“とてつもないオーラ”を放つ戦士が佇んでいた。すぐに直感し近付くと、先方もそれを感じ取った様でご挨拶させて頂く。お二方とも非常に丁寧な方で一安心した。正直、るどるふさん&r.matsudaさんとお会いするまでは、あまりにも有名な方なので“戦闘民族サイヤ人”の様なコンビだったらどうしようかと少々ビビッていた...。とりあえず近くのコンビニに向かい、必要なものを購入する事にした。

レンタカー屋で待ち合わせ
レンタカー屋で待ち合わせ



その後コンビニで買い物を済ませ、有り難い事にr.matsudaさんの運転するレンタカー1台にまとめて頂き発進する。車内では山に向かう途中もお二方と様々なお話をさせて頂き、個人的にはこれだけで充分、石垣島に遠征した甲斐があったと感じる。


・・・お話が楽しかったので夢中になっていたが、気が付くと目的の山に到着していた。時間帯もまだ早かったので、余裕を持って探索に挑む。r.matsudaさんとはチャイロマルバネ採集、るどるふさんはカミキリ採集という感じで“夢のコラボ採集”を開始する。離島探索でいつもは“自分以外の他の採集者”という感じだが、今回は“自分と共に”という表現になる。しかもそれが「るどるふさん&r.matsudaさん」という、あ〜さんの言葉をお借りするなら「るど松コンビ(さん)」になるのだから、まさに夢の離島探索になる。

r.matsudaさん&るどるふさん
r.matsudaさん&るどるふさん



以前からこの石垣島で数多く観掛けてきたカミキリが居たので、良い機会だと思いるどるふさんに伺ってみた。すると、そのカミキリの名は「イシガキヨナグニゴマフカミキリ」と言う。・・・随分と長い名前だが、その名からして与那国島にも居るのだろうか?普段あまり意識しない虫でも“判る・判らない”とでは、大違いである。こういう事は凄く楽しい!

イシガキヨナグニゴマフカミキリ
イシガキヨナグニゴマフカミキリ



r.matsudaさんと共にチャイロマルバネ探索を続ける。・・・しかし一向に気配を感じられない。生息地なので確実に居るのだろうが、簡単に見付ける事が出来ない。今年辺りは発生としては“良さそうな年”だと感じていたので、もう少し雰囲気を感じられるかと思っていたが、現実はそれほど甘くないのかも知れない。・・・ただ、すれ違う他の採集者の方は数頭、リュウキュウマツに付いている個体を採集されているので、それなりに発生個体は居るのだろう。

ススキをチェック
ススキをチェック



チャイロマルバネ探索を続ける私たちと平行する、カミキリ採集のるどるふさんの採集法に“独特のもの”を感じたので、採集の合間に伺ってみた。ビーディングネットと叩き棒を巧みに使いこなし採集を行っていく。・・・流石るどるふさん。もの凄く玄人な印象を受ける。を事前に拝見していたが“カミキリ採集”という、クワガタとはまた趣の違った採集方法に関心を抱いた。カミキリはクワガタと比べ物にならないほど種類(亜種)は豊富の様である。

ビーティングネットと叩き棒
ビーティングネットと叩き棒



・・・気が付くと、曇っていた空の合間から“南国の太陽”が顔を覗かせていた。r.matsudaさんとチャイロマルバネを探しながら、他のクワガタ採集の話や海外に行かれた時の貴重なお話を伺う事が出来た。r.matsudaさんの非常に豊富な経験からのアドバイスなど、クワガタ採集の奥の深さを学ぶと共に、また来年以降“へっぽこ”にとってレベルアップする為の目標も出来た。・・・チャイロマルバネは見つけられないもの“へっぽこ”にとって、かけがえの無い時間が過ぎていく。

南国の太陽が顔を覗かせる
南国の太陽が顔を覗かせる


・・・その後も時間を掛けてチャイロマルバネ探索を続けたが、残念ながら見つける事は出来なかった。自分なりに一番可能性の高いポイントだっただけに、r.matsudaさんに申し訳ない気持ちもあった...。一方、るどるふさんは見た事の無いカミキリを採集されていた。クワガタ探しに没頭する私であるが、カミキリ採集という視点からみてもこの石垣島という島は魅力のある場所なのだろうと、別の角度から石垣島を見る事が出来た気がした。

雰囲気ナシ!
雰囲気ナシ!



・・・とりあえず、時間帯も夕刻を刻んでいたので一度市内に戻り、作戦会議をする事にした。




コンビニにて夕食をとりながら作戦を立てる。この後の夜間探索は、るどるふさんもカミキリ採集を行わないので、3名でヤエヤママルバネ探索に入る事になる。昨日からの状況を見ると、現在この石垣島には強豪が揃っている状態であり、それ以外の採集者も多く居ると思われる。その状況下で私が知っているポイントは限られているので、早めに下見を兼ねて山に入ることにした。

下見も兼ねて早めの入山
下見も兼ねて早めの入山



今回のメインを飾るハイテク機器は、るどるふさんが持参された「ハンディGPS」。私は今までの経験上、夜の山は“かなりの確立で迷っている”ので、今後の対策用として“どの程度の力を発揮するのか?”非常に興味があった。元々近い内に購入を考えていたので、今回はもの凄く有り難い経験が出来ると思った。早速るどるふさんはハンディGPSをセットし、r.matsudaさんと共に3名でのヤエヤママルバネ探索を開始となった。懐中電灯片手に一様にシイの樹を見て回る。・・・果たして本日もヤエヤママルバネに出会えるのだろうか?

シイの樹を見て回る
シイの樹を見て回る


辺りは完全に夜の帳が下りた。入山してから3名共に迷わない様、お互いの位置が把握できる範囲で探索を続ける。るどるふさんのハンディGPSがある事も大きいが、何と言っても3名で探索が出来れば、漆黒闇の包まれた夜山であっても気持ちに余裕が出来る。・・・思えば昨晩は、“1人ぼっち”での探索だったので、本当に心細かった。今までも1人での探索が多かったが、やはり人数は多い方が心強い!

漆黒の闇に包まれる
漆黒の闇に包まれる



るどるふさんのハンディGPSを頼りに、今まで入った事の無い山の奥地へと歩を進めていく。こうやって未知の山奥に入ってみると、見た事の無いシイの樹が確認できる。・・・それでも、3名での探索であっても簡単にはヤエヤママルバネに出会えない。これが現状である。


・・・入山してからどの位の時間が経ったのだろうか?そしてどの位のシイの樹を見てきたのだろうか?良い感じのシイの樹はあるものの、個体がなかなか確認できない。「やっぱり簡単には行かないなぁ...。」と思っていると...。


r.matsudaさんが「居たっ!!」と叫ぶ! 慌ててr.matsudaさんの元に寄ってみる。


近寄ってみると、今さっき自分が見て「居ない...。」と思ったシイの樹であった...。実は樹の根元の洞からヤエヤママルバネ♂が顔を出していたのであった。・・・さすがr.matsudaさんだと感じた。“へっぽこ”的には「居ない」と思い見過ごした場所であっても、それは自分の集中力の無さであって、実際はこうやってヤエヤママルバネを確認する事が出来た。これも勉強になった瞬間であった。r.matsudaさんはヤエヤママルバネの大顎に挟まれながらも、個体を引っ張り出すことに成功した。

居たっ!!(どこ?)
居たっ!!(どこ?)



r.matsudaさんの腿の上に乗ったヤエヤママルバネ♂。個体のサイズはそれほど大きくないものの、個人的にホッとする瞬間でもあった。「これだけの長丁場で全くのボ〜ズだったら...。」と少々心配していたのだが、ヤエヤママルバネを確認できて多少なりともお役に立てた気がした事と、3人共にテンションが上がる場を共有できた事が本当に嬉しかった。

石垣島・ヤエヤママルバネ♂(r.matsudaさん採集)
石垣島・ヤエヤママルバネ♂
r.matsudaさん採集)




その後、るどるふさんも大きなサキシマヒラタ♂を発見した。個人的に夜間はいつもヤエヤママルバネばかり意識していたが、シイ以外の樹にもこの様に活動しているクワガタは居るのである。るどるふさんはヤエヤママルバネでは無かったので残念がっておられたが、私は久々に観た“大きなサキシマヒラタ♂”だったので興味深かった。

石垣島・サキシマヒラタ♂(るどるふさん採集)
石垣島・サキシマヒラタ♂
るどるふさん採集)




その後、更にr.matsudaさんが数頭のサキシマヒラタを確認する。何気なく樹の高所を見ながら「あそこにヒラタが居る。」と言いながら、数頭のサキシマヒラタを採集されて行く。・・・私など「居ると言われても、どこに付いているのか?」と言ったありさまで“へっぽこ”パワーを全快してしまった。

石垣島・サキシマヒラタ♂(r.matsudaさん採集)
石垣島・サキシマヒラタ♂
r.matsudaさん採集)




・・・ふと「自分達は、どこを歩いているのか?」と少々不安になり、るどるふさんに尋ねると「もう少しで先ほどの入口です!」と仰る。・・・自分の感覚では、かなり山の奥まで入り込んでしまったと思っていたが、るどるふさんはハンディGPSを見ながら“山の外周を1周し元の場所に戻る”と言う離れ業を行っておられた。・・・正直言って驚いた。るどるふさんの判断力も素晴らしいし、ハンディGPSの威力もまざまざと見せ付けられた気がした。タイミング良く探索開始場所に戻ってこられたので、入山してから時間が経っていた事と疲労感も増していたので、本日の採集はここまでとした。


・・・レンタカーに戻り、帰りの支度を行う。


この場所までは、途中から私のレンタカーとるどるふさん&r.matsudaさんのレンタカーの2台で入山していたので、お互い車に乗る準備が出来た時点で、ここで解散となる。今日1日、この“へっぽこ”と南西諸島の石垣島で、“レジェンド”に相応しいお二方と探索できたことに、改めて感謝を申し上げてお別れする事にした。




・・・宿に戻り、一段楽した後にホームページ用の“へっぽこノート”をまとめ、ベッドに横になる。るどるふさん&r.matsudaさんから学ぶべき事は大いにあったと感じる。そして本当に楽しい探索だった。もし“またの奇跡”があるのであれば、是非お誘い頂ければと感じる。おそらく今日の採集は“へっぽこ”にとって、一生忘れられないであろう探索になったと思う。ホントそれは大袈裟な表現ではなく、るどるふさん&r.matsudaさんお二方の“長年に亘っての経験から語られるお話や行動”からインパクトを受けまくりの1日であった。


・・・こういう離島遠征も最高だと思う。“へっぽこ”なりにクワガタ探索を続けてきて良かった。


・・・今日は気分良く、ぐっすりと寝れそうだ!


・・・火災報知機が“鳴らなければ”であるが...
(笑)



成績ヤエヤママルバネ♂×1 サキシマヒラタ♂×2 ♀×1 タイワンカブト×1
魔琴はタイワンカブトのみ。即リリース。 クワガタ採集成績は、るどるふさん&r.matsudaさんの成果)

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