2020.07.08(水) 奈良県・某所 10:00AM 曇り 28℃ (蒸し暑い) 唐突ではあるが、思い立って奈良県にやって来た。特に大きな理由はないのだが、奈良県自体、採集として訪れた事のない場所だったので候補に挙げてみた。
・・・いつも通りと言うか、過去の離島遠征などもそうであった様に“事前にポイント等、一切調べずに訪れている”ので、完全に出たとこ勝負である。
全く土地勘が無いなかで“車窓から見える雰囲気”だけで目的地を決めていく。・・・正直、無謀なのも充分理解しているが、それが探検(探索)としての醍醐味だと思っている。“楽しさ>結果重視”の中に結果が伴えば嬉しいのである。
「針葉樹ではなく、広葉樹なら何とかなる!」と思いながら、もう名前すら覚えてない駅を降りて山に向かってみる。
・・・すると“あの鳴き声”が耳に入って来た。「シャーシャー、シャーシャー」...クマゼミであった。正直、今朝方の東京では、まだニイニイゼミも鳴いておらず、さすが関西と言った感じである。因みにこの後、ニイニイゼミとアブラゼミの鳴き声も確認できた。
周辺の樹木をチェックしながら、樹液の出ている場所を探す。名古屋辺りから西に行くとクヌギ・コナラの他にアベマキも有望になってくる。・・・しばらくすると大量に樹液の出ている樹を発見した。「とりあえず奈良県でクワガタの姿を確認してみたい!」との想いで樹皮めくれなどもチェックしていくが、この雰囲気のある樹液場ではクワガタは確認できなかった。
・・・その後も時間を掛けて探索を続けていくが、樹液の出ている樹はいくつか確認できるものの肝心のクワガタの姿が一向に見つからない。そうこうしている内に梅雨空から雨粒が落ち始めてしまった。すでに山道を歩き回って汗だくなのだが、さらに雨でずぶ濡れになっていく。「そろそろ限界かなぁ...。」そう感じていると、少し先の樹皮に“小さなクワガタ”の姿が確認できた。
と、その小さなクワガタを見て、齢まもなく50を迎える老眼の目には「おぉ!とりあえずスジが居た!」と思ったのだが、念のためリュックから老眼鏡を取り出し、ついでに白紙のメモ帳に乗せて撮影してみる。・・・「ん?ネブト?」雰囲気だけでスジだと思い込んでいたが、その個体はネブト♀であった。奈良県最初の個体がネブトで、とても嬉しい。個体を撮影した後は、感謝と共にリリースした。
・・・その後も場所を変えて、ヤナギなどチェックしながらヒラタの姿も探してみたが、思う様な結果は得られなかった。
・・・随分と時間を掛けて探索を行ったが、結局ネブト♀×1頭のみに終わった。ポイントを下調べせずに“行き当たりばったり”の自分のスタイルなのだから、ネブトが確認できただけでも充分満足している。
東京へ戻る前に少し観光も行おうと、奈良公園に向かってみる。そしてあまりにも大量に存在するシカに驚愕する...。皆エサを強請って近付いてくる。昨年の広島県・厳島神社でも感じたのだが、野生のシカとは全く異なり人を恐れない。そう言えば“あのキャラ”は最近見掛けない気がする。
最後に一度自分の目で拝観してみたかった、奈良の大仏(東大寺盧舎那仏像)。子供の頃は歴史など全く興味が無かったのだが、この歳になって「全国の名所を巡ってみたい。」と言う気持ちが芽生えてきた気がする。
・・・来週から大きく生活環境が変わるので、今回の旅は個人的にとても有意義な旅となった。 成績:ネブト♀×1 (確認後、リリース) |