2014.09.07(日) 広島県・東部 11:00AM 晴れ 30℃ 同行者:身内 広島県遠征、2日目の朝。 長らく続いていた広島の雨であったが、今日の予報は探索日和であり申し分ない。広島市内ではまだ僅かにクマゼミの鳴き声が聞こえる。やはり東京に住む者にとってクマゼミの鳴き声は“西”を強くイメージする。
広島市内を抜ける。路面電車の多さに広島を感じる。東京都内でも三ノ輪〜早稲田間を走る路面電車はあるのだが、過去の探索で長崎・富山・函館などでも路面電車を見ているが、やはり地方の方がその土地柄が出ていて風情を感じる。
目的地に向かう途中、自衛隊の車両を多く目にする。広島市内に住む身内に話を聞くと、8月中は殆ど雨だったと言う。
目的地に到着する。先に到着していた身内がゲンゴロウ用のトラップを仕掛けて置いてくれたので、確認しに向かう。
・・・ペットボトルのトラップを確認してみる。 !!! 一瞬にして固まってしまった...。なんとナミゲンゴロウが大量に入っているのである。昨年の7月と10月に調査した時には全く個体が確認できなかっただけに、正直今回もあまり期待して無かったのだが、2箇所のトラップに21頭ものナミゲンゴロウが集まっていたのである。時期的なものなのか?別の条件なのか?ナミゲンゴロウの奥深さを感じてしまった。個体はその場で全てリリースしたのだが、・・・心底驚いてしまったので、写真を撮る意識が飛んでしまった。また来年チャンスがあれば追試を行ってみたいと思う。
まさかのナミゲンゴロウに面喰らってしまったが、気を取り直して“ご神木”へと向かう。身内の山なので気兼ねなく進むことが出来るのが嬉しい。
“ご神木”に到着する。遠目に見てタテハチョウが数頭舞っているので、樹液は出ている様子である。そうなると“あの樹皮めくれ”が気になる!
さっそく樹皮めくれを確認してみると、スジらしき姿が確認できる。とりあえず個体を取り出してみる。
やはりスジ♂であった。樹皮めくれにはまだ数頭のクワガタが潜んでいるので確認してみる。
掻き出した個体は全てスジであった...。数年前からこのご神木をチェックしているのだが、ヒラタとスジ以外、コクワが全く確認できないのである。これだけの条件であればコクワの存在があっても良いと思うのに、小型ドルクスは全てスジという面白い樹なのである。.
時期的にそろそろヒラタは難しいかと感じてたが、ひときわ深い樹皮めくれにスジより大きなドルクスが潜んでいたので掻き出してみると、小型ながらも本日唯一のヒラタ♂が確認できた。今年もご神木でヒラタとスジが確認できた。感謝しつつ全てリリースする。
・・・別の場所に移動する。昨年辺りから気になっている樹があり、洞も大きく期待できそうな場所なのである。目的地に到着すると、足元になにやら黒い物体が歩いているので確認してみると、まさかのミヤマ♀であった。手に乗せてみるとカラカラ感があり、産卵後に徘徊している様な感じであった。体力の消耗もある様で動き方も全体的に鈍い。もうそれほど先は長くないのかも知れないが、9月の広島県でミヤマに出会えた喜びは大きい。感謝しつつ元の場所に放した。
樹液部を確認してみると数頭のスジが確認できる。この周辺は元々スジの多い場所なのであろう。因みにこの場所では1頭だけコクワ♂が確認できた。
車に戻ろうと歩いていると、数歩先に小さな虫が飛翔している。ナミハンミョウであった。これも最近はあまり見掛けないので少し嬉しくなって自分の帽子で捕獲を試みたのだが、相手の方が上手であった。昔は帽子でも捕獲できたのに自身の年齢を感じる...。
クワガタ探索を充分堪能できたので、身内の知り合いが管理する田んぼに向かってみる。予め許可を得ているので心置きなく探索する事が出来る。非常にありがたい。
ひよせを覗き水生昆虫がいないかチェックしてみる。シオカラトンボ♂とオオシオカラトンボ♂が互いの♀の産卵の邪魔をしている。なかなか興味深い光景だと見入ってしまった。
そこにギンヤンマが交尾した状態で飛来した。最近はギンヤンマの機動力に負けている感が否めなかったが、交尾中ならと近寄ってきたところを捕獲してみた。
ギンヤンマ♀を手にとってみる。幼少期の頃に何度かギンヤンマ♀を捕獲した事はあったのだが、もしかすると30年振りに♀個体を捕獲したかも知れない。・・・なんだか30年前くらい(幼少期のギンヤンマ♀捕獲した頃)の事が走馬灯の様に頭の中を駆け巡る。
・・・思い出と共にギンヤンマ♂♀をリリースする。探索する時間はまだあったのだが、個人的に充分広島を堪能することが出来たので、ここで探索を終了する事にした。
広島駅に戻り、駅弁やらお土産を買い込む。カープ仕様のプリッツがあったので買ってみる。私は東京生まれなので気が付けば巨人という環境であったが、この広島を訪れる度にカープが広島市民にいかに愛されているかを実感させられる。昨年もCS出場時は広島駅に大きな応援垂れ幕が掛かり、町を挙げて応援する姿など東京と比べると、地元への浸透率の高さを感じている。なんだか羨ましいものを感じる。
新幹線に乗り「あったりまえけん弁当」を食べる。肉が多くボリュームがある。この広島遠征を象徴する様な、お腹いっぱいの満足いく内容であった。
今回も広島の自然を満喫できる、良い遠征だったと思う。改めて広島に住む身内に感謝申し上げたい。 また来シーズンもチャンスがあるなら、是非とも広島に訪れたいと思う。 成績:ミヤマ♀×1 ヒラタ♂×1 スジ♂×7 ♀×6 コクワ♂×1 (ナミゲンゴロウ×21) (確認後、全てリリース) |