2012.12.07(金)へっぽこ遠征inタイ王国(2日目) 海外・タイ王国 8:30AM
晴れ 30℃ 同行者:うしやんさん(タイ王国在住)
タイ王国遠征、2日目の朝。
時差の関係で少し眠さが残っている。日本とタイ王国では2時間の時差があるのだが、歳のせいなのか?遠征直前の仕事具合で意外と体調面に出たりする...。そんな中、タイ王国の朝食は朝粥が選べるので非常にありがたい。食欲がない場合でも粥はサラサラと胃の中へと入っていく。もはや私のタイ王国での朝食NO,1と言えるほど好んで食べている。
朝粥
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うしやんさんと合流後、ホテルの近くのスーパーに立ち寄り買い物を行う。本日は目的地まで数時間の移動がある為、飲み物などを調達しておく。
スーパーで買い物
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店内に入ってみるとタイ王国のスーパーは、日本のスーパーと大差は無い。雰囲気は殆ど変わらず、必要なものは揃っている。タイ王国ではセーウェン(セブンイレブン)に数多く立ち寄っているが、“スーパーとコンビニ”の印象も日本と全く変わらない。
日本と雰囲気は同じ
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シラチャの街を出発する。道路にはトゥクトゥクも走っておりタイ王国を感じる。それにしても暑い!昨日まで12月の東京に居たのだから、このタイ王国の30℃という気温には、まだ順応できてない自分がいる...。
「トゥクトゥク」も走るシラチャの街
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タイ王国・東部に向かって車は走る。・・・しかし、すぐに渋滞にはまってしまった。タイ王国の郊外を走ると大型トレーラーを非常に多く目にする。景気が良い事が窺える。
大型トレーラーが多い
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移動中、日本企業の工場を多く目にする。昨年、タイ王国は大雨による大洪水が発生し、日本でも大きく報道されるなど記憶に新しい。それだけタイ王国には多くの日本企業が進出しており、現在も建設途中の大きな工場を目にする。日本は最近の中国との関係もあってか、このタイ王国に拠点を移す日本企業も少なくないのだろう。
日本の工場建設ラッシュ
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シラチャの街を出発して数時間。タイ王国・北部ほどではないが、今回の東部遠征も長距離を走る。その長距離を運転して下さるうしやんさんに感謝の限りである。また毎回この移動中はお互いの人生観などを話し合う場にもなっており、日本で生活する自分を客観的に見ることの出来る良い機会になっている。
長距離の移動
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タイ王国の国道は、日本より信号機は少なく走りやすい。それでも少ないながら存在する信号機には、必ずと言って良いほど、花を売りに来る方が存在する。
信号待ち=花売り
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昼時という事もありドライブインに立ち寄る。この場所は初めてなので楽しみである。何が食べられるのだろうか?
昼食タイム
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今回の1品目は「カイパロー」と呼ばれる、タイ米の上に“おでん”を載せた様なご飯ものである。具の方は、味付き玉子、厚揚げ、ブロック肉などが入っており、日本では“タイ風角煮”と呼ばれている。肉以上にゆで玉子が重要の様で、全体的に味はかなり甘めだが食べやすい。
カイパロー(タイ風角煮丼)
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2品目は「タイカレー」で、タイ王国でカレーは「ゲーン」と呼ばれている。日本では大のカレーライス好きの自分であるが、どうもタイ王国のカレーに馴染めず難儀している...。うしやんさんは「辛くない!」と言っているのだが、ひと口食べてみると口から火が出そうなほど辛い...。辛さのイメージはココイチの10辛並みのインパクトであり、香辛料の違いなのか今回もひと口でギブアップしてしまった...。 (・・・帰国後、日本でこの写真を見ながら採集記を書いていると、真冬の東京なのに当時の辛さを思い出してしまい、大汗が噴出してしまった。)
ゲーン(タイカレー)
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タイカレーのインパクトの残る中、ショップに入り飲み物を購入する。見慣れないファンタがあるので確認してみると“ブルーベリー味”であった。気にはなったが、今の自分は、とにかく水が飲みたかった...。
ブルーベリーなファンタ
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昼食後、再びタイ王国・東部へと車は走り続ける。・・・すると見慣れた場所が出てきた。まっすぐに伸びた坂道で、タイ王国に初めて訪れた第1回遠征時から毎回印象度が高い。空は大きく開け、対向車も無い“タイ王国の道”という自分なりのイメージが出来上がっている場所かも知れない。
あのポイントへ...
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しばらく進むとお馴染みの看板が出てきた。毎回定点カメラの様に画像を得ているのだが、これもタイ王国遠征時の名物になりつつある。過去の採集記にも何度も掲載しているのだが、簡単に説明すると“地雷に関して、日本の協力もあって安全”という内容である。
お約束の看板
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林道を進んで行くと、本日一番の目的地に到着した。過去に何度もタイ王国のクワガタを確認している「ご神木」である。訪れる時期によって発生するクワガタが異なるのだが、今回は何が確認できるのだろうか?この瞬間が最高に興奮する!
久々のご神木
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逸る気持ちを抑えながら、まずは長靴に履き替える。過去に数回ダニやヒルに泣かされているので、出来る限りの防御策を整える。ズボンと長靴の口の部分をガムテープで塞いで完了。
ダニ・ヒル対策は必須
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早速、樹をチェックしてみると、いきなり目線の位置にクワガタが張り付いている。その特徴的な色合いにすぐにモウホツヤ♂だと判った。
何か居る!
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どうやら樹液が出ている様で、それを無心に吸っている。日本でも“樹液に付くクワガタ”というシーンは格別なものがあるのだが、このタイ王国でそれが確認できるのだから最高である。興味深いのは僅かにしか出ていない樹液部を広げる為か、大顎で樹皮をかじっている。短歯型ならではの行為なのか?しばらく見入ってしまった。
タイ王国・モウホツヤクワガタ♂
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モウホツヤ♂以外にクワガタの姿は確認できないものかと「ご神木」を見上げてみる。・・・するとひと目で“巨大”と判る甲虫が樹の上部に張り付いている。地上から見ても相当大きな個体である事が窺える。タイ王国・東部の12月といえば、モウホツヤかオニツヤくらいしか確認できないはずであるが、今年はうしやんさんが「今年は11月に入ってもギラファが確認できる!」と言っていたので、その期待が高まる。
頭上数メートルに巨大な影がっ!
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他の個体も居るのでは?と視線を変えてみると、これも頭上数メートルの場所に大きなシルエットが確認できる。大顎が特徴的であり、モウホツヤやオニツヤでないことが窺える...。
巨大なシルエット
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・・・と、先程の大きな影が動き出したので目をやると、ハッキリとその全身が確認できた。・・・やはり2010年以来の“アレ”だろう。
動き出した!
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うしやんさんの長網のロッドを借りて個体を落としてみると、やはり久々のギラファノコ♂であった。2010年に確認した時は7月であり、通常は9月くらいになると個体数が減ると聞いていたが、今年は天候不順の影響なのか12月に入っても大きなギラファノコが確認できる。・・・昨日まで冬の日本に居た訳であるが、今、目の前の大きなギラファノコを確認している自分が居る。・・・改めて世界の広さを実感する。
タイ王国・ギラファノコギリクワガタ♂
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2010年7月の遠征時には100_を超えるギラファ♂が確認できたので、確認の為うしやんさんのメジャーを借りて当ててみる。本来ならノギスの方が正確に測れるのだろうが、“キャッチ&リリース”を信条とする自分にとってノギスはそれほど必要なものではなくなってしまい、最近は持ち歩いてない...。大まかな測定になるが90_は超えている様である。発生後期と思われる個体であるが、このギラファまだまだ力強く元気である。
90_以上の大きさ
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1頭目のギラファを確認した事で、先ほど枝先を歩いていた別のギラファを確認しようと思っていたのだが、1頭目に気を取られている内に大きな羽音と共に飛び去ってしまった...。縁があればまた明日にでも確認できるだろう...。その他の個体が確認できないものかと頭上を見上げていると、黒く大きな物体が数メートル高い場所に確認できるので、長網のロッドで落としてみる。オニツヤ♂であった。とりあえずこの樹で3頭の異なるクワガタが確認できた事になるが、やはり「ご神木」に相応しい存在である。
タイ王国・オニツヤクワガタ♂
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「ご神木」での確認に満足し、他の樹を確認してみようとうしやんさんと藪漕ぎを試みる。夏の太陽を浴び一瞬で汗が噴出してくる。・・・藪漕ぎをした先にはクワガタの姿は確認できなかったが、12月でもこの様な活動が出来ている事に幸せを感じる。
タイ王国での藪漕ぎ
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・・・因みに今回も藪漕ぎ中、ヒルが張り付いていた。やはり猛暑のタイ王国であっても長靴、長袖は必須である。
別の場所へと移動を開始する。タイ王国のジャングルを進んで行く。鬱蒼とした林道を進んでいくのだが、植生など目の前の光景は日本の南西諸島とはまた一味違ったものであり、まさにジャングル探検だと感じる。
ジャングルを進む
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「うしやん号」で川を渡る。・・・すでにカメラを持って先に撮影のスタンバイをしているところが「水曜スペシャル」っぽいかも知れないが、会話が出来ないほどの悪路を進み、川を渡るダイナミックな演出はタイ王国らしい好きなシーンである。
名シーンの川越え
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次のポイントに到着。この時期であればタクヤックゥの樹に多くのヒメカブトやヒラタが期待できる。・・・早速、車を降りて確認していく。
タクヤックゥのポイント
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・・・しかし、どういう訳かあまりハズレの無い場所にも拘らず、個体の姿が全く確認できない。いつもは必ずヒラタが潜んでいる洞や多くのヒメカブトが集まっている樹液部にも甲虫の姿が確認できない...。
なぜか何も居ない...
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・・・時間を掛けてタクヤックゥの樹を見て回る。しかし結局ヒラタ♂の亡骸1頭しか確認できなかった...。やはり今年は何かが違うのだろうか?
ヒラタ♂の亡骸...
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夢中になってタイ王国のジャングル内を探索している内に、いつしか太陽も傾き始めている。今回この場所ではクワガタやカブトムシの姿は確認できなかったが、また次回チャンスがあれば訪れてみたい。
そろそろ夕暮れ...
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・・・昼間の探索は充分堪能できたので、一度宿に戻る事にした。
宿に戻ると夕食が用意されていた。今晩は「トム・カー・ガイ」。トム・ヤムのスープをベースに鶏肉とココナッツミルクで煮込んだスープなのだが、まろやかで美味しい。夕方くらいから少々疲れ気味だったので、スープとご飯を食べて体力回復を図る。
トム・カー・ガイ
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夕食後はHIDハンディライトを使用してのライトトラップ。前回10月のタイ王国・北部遠征時に“本体バッテリー&外付けバッテリーの調子が悪く、長時間の照射が難しい状態”であったHIDハンディライトであるが、今回は「うしやん号」の車のバッテリーよりワニグチにて直接引っ張る事で長時間の照射が可能となった。車が横付けできる場所ならこの方法が一番良いだろう。・・・今晩のポイントは初めて設置する場所になるので、何が飛来するのか興味深い。
車よりバッテリーを取り、ライトトラップ開始!
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最初に飛来したのはお馴染みのセミ。タイ王国全土、時期関係なくどこでも確認できる。まずはいつも通りの出だしといった感じである。
セミの飛来は多い
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しばらく様子を見守るのだが、虫の飛来は少ない。月齢もそれほど悪い訳ではないのだが、蛾の飛来も少ない。そんな中、唐突に黒い物体が落下してきたので驚いて確認してみると、それはクワガタではなくガムシであった...。見た感じ大きさも日本のガムシと同じくらいである。念のためガムシ(牙虫)の内側を確認してみると、しっかり牙は確認できた。・・・目の前をうろうろと歩き回るので、場所を移そうと持ち上げてみると、薄い翅がツルリと滑る。いかにもガムシといった感じであった。
タイ王国のガムシの飛来
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・・・あまりにもタイ王国の“静寂”が気持ちよく、終盤は睡魔との闘いになってしまったが、これ以上の飛来は無かった。時期的に常夏のタイ王国いえども、昆虫の数は少ないと思われるので仕方ない。また明日に期待するとして今晩は撤収する。
宿に戻り、明日に備える。部屋の入り口には25センチ程のトッケイが獲物を待ち構えている。最近は見慣れた感もあるが、それでも日本ではお目に掛かれない巨大なヤモリである。時折、大きな声で「クワックワックワッ、トッケイッ!トッケイッ!」と鳴き始める。
巨大なトッケイ
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・・・ベットに横になる。本日撮影したデジカメの画像を見直してみる。久々に確認できたギラファの存在が大きい。今年は6月と10月に行ったタイ王国・北部遠征では、殆どクワガタの画像を得られなかった事もあり、今回の確認はその分喜びも大きい。また明日も「ご神木」の確認を中心に活動を行う予定なので楽しみである。
成績:ギラファノコ♂×1 モウホツヤ♂×1 オニツヤ♂×1 (確認後、最終日にリリース)
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