2012.06.03(日) 千葉県・S市&K市 9:00PM 晴れ 17℃ 2012年も6月に入り、夏らしくなってきた。この時期になると、最初に確認しに行くポイントがある。そこは今から20年以上前、自分が高校生の頃から訪れている樹液場であるが、この数年、林は切り開かれ、畑は更地になり、20年前に存在していた豊かな樹液場は見る影もなくなってしまった。もしかすると今年は開発によって残り少ないクヌギも消滅している可能性もあるのだが、とりあえず確認の意味も含め足を運んでみる。
S市に到着する。とにかく“あのクヌギ”が残っているか確認してみると、辛うじて数本のクヌギは存在していた。しかし、昨年まで僅かに残っていた林は更に伐採されてしまい、不自然な形でこのクヌギが残されている状況から、いつまで存在できるのか心配である。
周辺の変化に戸惑いを感じながらも毎年チェックしている洞を確認してみる。すでに樹液が出ておりヨツボシケシキスイが確認できる。更に洞の奥にコクワが数頭佇んでいるのが確認できた。状況から考えると、もはや“林ではなく住宅街の一角になってしまった”このクヌギの存在と洞の中の状況は“最後のオアシス”であり、ある意味では離島遠征で観るクワガタ以上に嬉しかったりする。
他にクワガタの姿が確認できないかチェックするとコクワ♂が徘徊していた。この場所で確認できるだけでも感謝の気持ちになる。
頭上2メートル辺りにコクワ♀の姿も確認できる。LEDライトで照らすと個体は落下してきたが、すぐに洞に戻っていった。どうやら周辺のクヌギが減ったことでコクワ達は、このクヌギに集中している感もあり、一時的にクワガタ密度は上がっているのかも知れない...。
・・・これで探索終了にしても良かったのだが、この数年確認してなかったK市のポイントにも久しぶりに足を運んでみる事にした。
数年振りなので道を忘れかけていたが、次の目的地に到着する。「もしかしたら...。」と頭の隅では感じていたが、数本並んでたクヌギは全て根元で切られていた。おそらくここにも家が建つのだろう。林は切り開かれ、今まで無かった新築の家が数件出現している。上記のポイントと共に、20年以上前の学生時代から楽しんでいた場所だけに残念でならない...。
周辺を見た感じ、割りと最近になってクヌギを伐採した様である...。この場所に足を運ぶのは今回が最後になるだろう...。
現実というのは自分の都合だけでは進まない。充分理解していることなのだが、昔話は美化されるものであって大げさな表現かも知れないが、それが目の前で崩れ去った時、大きな喪失感を覚える。自分にとって、離島遠征や海外遠征以前の20年以上前から行っている地元探索には深い思い入れがあった...。今回の確認でK市のポイントは消滅してしまったが、残るS市は何とか存在し続けて欲しい。 成績:コクワ♂×1 ♀×1 (確認後、全てリリース) |