2011.12.02(金)へっぽこ遠征inタイ王国(2日目) 海外・タイ王国 9:00AM 晴れ 34℃ 同行者:うしやんさん(タイ王国在住) タイ王国遠征、2日目の朝。 いつもの様に窓の外を確認すると、雨季を過ぎたタイ王国は快晴であった。
朝食は過去にも数回訪れている「日本亭」と名が付くタイ王国の食堂にて食べる。和食と洋食を選べるのだが最近は洋食をオーダーしている。以前から気になっていたのだが、タイ王国の食パンは日本の食パンに比べ少々小さい様に感じる。
うしやんさんと合流し宿をチェックアウトする。目指すはカンボジア国境近くのタイ王国・東部になる。まずは数時間の車の旅を堪能する。車は日本と同じ左側通行なので、感覚的にリラックスできる。タイ王国でも乗用車は日本車が多い。
今回の秘密兵器はボイスレコーダー。うしやんさんより「日本で購入してきて欲しい。」と頼まれるままに購入してみたが、思っていた以上に楽しいかも知れない。“その空間”を収録できるので、あとで採集記を書く時にも役に立つし、ちょっとした雑談会にも使える。
ボイスレコーダーに音声を収録しながら車を走らせる。いつしか採集とは別の話にばかりになってしまうのだが、このうしやんさんとの会話の時間は、自分自身を客観的に見ることの出来る非常に有意義な時間なのである。・・・逆を言えば、私の日本で溜め込んだ悩みなどを一気に話すので、うしやんさんにとっては試練の時間かも知れない。
目的地へと向かう途中、昼食の時間帯になったので「パッタイ」を食べる事にした。実はこの場所、今年の3月にタイ王国遠征した際に宿泊した食堂である。うしやんさんがこの宿を何度か利用している内に、ここのパッタイの美味しさに気付いたと言うので、今回の宿泊地ではないのだが立ち寄ってみる事にした。・・・オーダーから出てくるまでの少々時間が掛かったが、一瞬にして平らげてしまった。やはりパッタイは店によって随分と出来が異なる。美味いパッタイを食べると最高に気分が良い!
・・・午後に入り、タイ王国・東部にやって来た。過去にも何度も訪れている道なので、海外ながら馴染みが出てきた。この先がメインとなる探索ポイントである。遠くに見える山の向こうはカンボジアになる。改めて大冒険の出来る環境に感謝の気持ちになる。
そしてこのポイントも忘れられない看板がある。ドクロマークは“地雷注意!”をイメージするものであるが、ここでの表記は何度も述べているが“地雷除去済みポイント”を表すものであり、安全を示す内容が表記されている。この地雷除去作業は日本が携わっている。
舗装されていない林道を進んでいく。少し前まで日本でもタイ王国の洪水被害の模様が連日報道されていたが、雨季が過ぎた事もあってフィールドは乾燥している。日本とは気候が違うのだが感覚的には、やはり石垣島の乾燥した山に近いものを感じる。
林道の奥地へ車を進ませるとタイ王国の「ご神木」に到着した。今からちょうど2年前の初遠征時、初めてタイ王国のクワガタを確認することの出来た“思い出”のポイントなのである。早速、車を降りて樹をチェックしていく。このワクワク感が堪らない。
2年前モウホツヤを確認した時に比べると樹液の出る場所が変わっているので、意外と難儀したのだが、うしやんさんが樹の高所に居る“モウホらしき”の影を確認した。2年前の“あの時”以来である。うしやんさんの長網のロッドで個体を落としてみる。
ロッドで突かれた個体は翅を広げながら地面に着地した。短歯型であるが、やはりモウホツヤ♂であった。個体の大きさ云々ではなく、再び自分の目でモウホツヤを確認できた感動は大きい。それほど初遠征時のインパクトは絶大であった。
モウホツヤ♂の落下した近くに何やらクワガタらしき亡骸が落ちている。・・・オニツヤと思われるパーツであった。今回モウホツヤが確認できた樹は、もう少し早い時期だとオニツヤも樹液に集まってくる。7月であればギラファノコも確認できる素晴らしき「ご神木」なのである。
・・・この後も樹液探索を続けたが、クワガタの姿は確認できなかった。昼間の樹液探索を終了し、ライトトラップポイントへ移動する事にした。
うしやんさんが、新たに目星をつけてくれた場所に到着する。以前から気になっていたポイントであったが、うしやんさんが事前に地主の方と話をつけて下さりライトトラップが可能となった。うしやんさんの敏腕ぶりに頭が下がる。まだ未知数のポイントだが、タイ王国という“何が飛んでくるか分からない”楽しみが非常に興味深い。
ライトトラップ用のHIDハンディライトを設置する。以前タイ王国に持ち込んだ1セットとは別に、今回日本から“もう1台”持ち込んだので、計2台にて照射を試みることが出来る。1台でも楽しいが、2台になれば楽しみも2倍に増える。早く夜の帳が下りないか待ちきれない...。
うしやんさんとノンビリ話をしながら頃合いを見てHIDライトの照射を開始する。タイ王国の漆黒の闇に照射される“コロニーレーザー”も2台になると、その明るさも期待度も大きなものとなる。
しばらく虫の飛びの様子を見るが、羽虫と蛾が少々集まる程度で、飛来数はかなり悪い...。その大きな理由は月齢の悪さもある。遠征前から月齢の悪さは分かっていたが、日程的に仕方が無かった...。それにしても雲の切れ間から月の明るさが覗き始めると、虫の飛来はより一層悪くなる。
それでも近場の虫たちは飛来しているので、悪いなりに可能性を信じてみる。タイ王国でライトトラップを行うと必ず飛来するミツバチが今回も多数飛来している。まさか夜行性だと思えないので、巣に帰れなかった個体が光に反応して飛来しているのだろうか?これ以外にもアシナガバチの様な現地では「ヤミスズメ」と呼ばれている蜂も結構飛来する。当然、素手で触ろうものなら刺されてしまうので気をつけなくてはならない。
うしやんさんが飛来した虫を不思議そうに見ている。気になり私も確認してみると、ゴミムシらしき甲虫の様に窺えるのだが、琥珀色した半透明のカバーを纏った様な個体であり、見るからに不思議な虫だと感じる。
条件の悪さもあり蛾の飛来数も少ない。そんな中、セミは数頭飛来して喧しく暴れている。どうやら今晩はセミが一番大きな昆虫の様である。
・・・体力の続く限り飛来を待ってみたが、時間の経過と共に気温も低くなり、少なかった虫の飛来も更に減ってしまった。状況から見て、やはり月齢の悪さには勝てない様子であった。明日の探索を考え体力温存を選択し、今晩は撤収する事にした。 ・・・しかし、私たちが撤収した30分後に、この場所で“驚くべき出来事”が起こっていた様なのである。 (...翌日再びこの場所に訪れて知る事になる。)
・・・宿周辺まで戻り、夕食を取りに屋台へ向かう。 今回も「カーオ・マン・ガイ」をオーダーする。大盛りを食べても60バーツ。日本円にして180円くらいである。美味しいものをたくさん食べても安価で済むのもタイ王国の大きな魅力である。考えてみれば日本に居るとニュースなどで“円高が進んでいる”と報じられるが、実際に海外にやってきてタイ王国のバーツに両替してみると実感できる事も多い。
・・・宿に戻りすぐに睡魔が襲ってきた。それだけ子供の様に遊び倒したタイ王国2日目であった。 ・・・最高に気分が良い。明日もタイ王国を満喫したい。 成績:モウホツヤ♂×1 (確認後、リリース) |
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