2011.09.10(土) 山梨県・某所 5:00AM 晴れ 34℃ (暑い) 同行者:Kazuさん、kapiさん 山梨県のKazuさんと探索のお約束が整った。Kazuさんはサイト設立初期から丁寧なメールを送ってくださり、自分が10年間サイトを運営し続ける励みになった方である。kapiさんとの会話の中で「山梨のかつ丼食べたい!」という流れからKazuさんに連絡してみたところ、快いお返事を頂くことができた。kapiさんと共に、渋滞が発生する前のまだ夜が明けきってない4時台に出発する。
Kazuさんは午後からの合流予定なので、午前中はkapiさんと共に林道にてヒメオオ&アカアシ探索を行う。以前と比べるとかなり個体数が減っている様で、1頭確認するのも至難の業になってきたが、可能性を信じて探索を試みる。
それにしても晴天ということもあって最高に気持ちが良い。なんだか全てのヤナギにクワガタが付いていそうな気分になってきた。
・・・少しするとkapiさんが何かを発見した。遠めに観てもクワガタだと判る。久しぶりに5mの長網の出番がやってきた!
個体を確認してみるとアカアシ♀であった。密かにヒメオオを期待していたのだが、とりあえずは幸先が良いと思いたい。ヤナギに付くアカアシというのは、もの凄く久しぶりな気がする...。
その後も念入りにヤナギを確認していく。自分達以外でクワガタ採集者と思われる人はいない様なので、採集圧が高いという訳でもなさそうなのだが、最初のアカアシ♀以降、全くクワガタの姿が確認できなくなってしまった。クワガタを見る純粋な心を失ってしまったのであろうか...?
・・・やはり先ほどのアカアシが最初で最後の確認になってしまった。
午後に入りKazuさんから連絡が入り合流する。改めて考えてみるとKazuさんとは2年振りの再会であった。それほど時間が経過していたものかと思ったが、お会いすると以前と変わらない本当に丁寧な方で安心する。夕食は名物“かつ丼”が待っているのだが、それまでガッツリと樹液探索を試みる。森に入り大量の蚊と格闘しながら歩を進めていくと、久々の山梨の樹液風景が広がり始めた。あちらこちらにコクワの姿が確認できる。
スジの姿も確認できる。なんだか山梨県でスジを見るのも久々な感がある。個体としては小さいが逆にそれがスジらしい。
ふと樹を見上げるとノコ♂が佇んでいた。・・・思えば今年に入って樹液でノコを観たのは、これが最初になる。今まで9月に入るまで樹液ノコを観てないなんて、そんなことは無かった...。今年は例年に比べると異例続きであるが、2年振りにKazuさんとお会いするのも必然であったのかも知れない。
・・・と、別の樹を見ると大型のノコ♂が確認できた。やはり森(自然)はいつも通りであって、色々と理由をつけているのは人間なのであろう。
樹皮の隙間に大きなコクワ♂が確認できる。この時期であればごく普通の光景であるが、なんだが新鮮に映る。暫く魅入ってしまった。
Kazuさんがノコのペアを確認された。よく観れば数組のノコペアが確認できる。いつもなら普通の光景であるが今日はKazuさん&kapiさんと3人での探索なので特別楽しい。皆、一様にカメラのシャッターを切っていく。
ある樹液に存在感ある蝶に気が付いた。よく観るとオオムラサキ♀であった。その樹液にはノコ♂も来ている。まさに絵に描いたような“山梨の樹液風景”であり、当然3人の撮影会が始まる。オオムラサキが♂個体であればより画像は映えたと思うのだが、♀でも充分に存在感がある。この風景を眺めながら改めて自分は採集者ではない事を実感する。その土地の自然な姿が観られた時が一番感動し癒される。
探索を続けていくとある台場クヌギが現れた。そこには一際存在感のある洞があり、そこを確認してみるとモビルアーマー並みの物体が洞の奥へと逃げ込んでいった。kapiさんと共にその存在に驚く。Kazuさんの脚立で確認を試みようとしたが、その個体はさらに洞の奥へと隠れてしまった。あまりの大物ぶりに私は混乱しその個体を「カエルだっ!」と迷言してしまったが、おそらく山梨らしい大物が佇んでいたのだろう。またの機会があれば挑戦してみたい。
午後もKazuさん&kapiさんと充分に樹液採集を堪能することができたので、探索はとりあえず終了として市街地へ戻ることにした。
移動する車の中でKazuさんとお話をする。実はこの所、私の長年の体の悩みとKazuさんのお仕事がリンクする事があり、その様な点でもお世話になっていた。40年近く生きていると諸々の悩みも抱える訳であり、なかなか簡単に片付く問題ではなかったが、このKazuさんからのアドバイスは本当にありがたく、胸の痞えが晴れる様な想いであった。
個人的な事になるが、自分の採集スタイルの中でサイトを10年続けていて、クワガタ探索以上にそれにまつわる人との出会いというのは、私の大事な財産であって、サイトを続けていて一番良かったことかも知れない。
今回の探索の目的であった夕食の時間がやってきた。当然「かつ丼」を注文する。ここのカツ丼は東京のカツ丼(玉子でとじるタイプ)ではなく、どんぶりにキャベツと共にサクサクの大きなカツがそのまま乗っている“山梨スタイル”なのである。因みにメニューには“かつ丼”が2種類あり、ひとつは前者の山梨スタイルの「かつ丼」であり、もう1つが東京でいう所の玉子でとじた「煮かつ丼」になる。かつ丼を囲い3人での食事は会話も弾み本当に楽しい。この為だけに山梨県へ足を運んでも良いくらいである。
夕食後も樹液場へ向かい探索を楽しんだ。本当に有意義で楽しいひと時であった。 「・・・また明日から頑張ろう!」という気持ちが湧いてきた。改めてKazuさんに感謝申し上げたい。 成績:ノコ♂×9 ♀×2 アカアシ♀×1 スジ♂×4 ♀×1 コクワ♂×18 ♀×2 (魔琴:持ち帰りなし) |