2011.06.25(土)
広島県・東部 11:00AM 晴れのち雨 33℃ (暑い) 同行者:身内

昨日は山口県にて、今年初となるミヤマやタガメを確認することが出来た。中国地方2日目となる本日は、広島県にて探索を行う。目覚めと共に窓の外を確認すると、美しい瀬戸内海が広がっている。どうやら梅雨の中休みの様なので、思い切り探索を楽しみたい。

離島遠征の様な目覚め
離島遠征の様な目覚め



広島市内を車で走っていると、路面電車の多さに改めて広島を感じる。車両もレトロ調から近代的なタイプまで様々で楽しい。

広島の路面電車
広島の路面電車




本日は丸1日時間があるので、高速にて車を走らせてみる。カーラジオでは「午後から雷雲が発生する。」と言っているのが、少々気になる。

目的地へ移動
目的地へ移動



最初の目的地、尾道市十四日元町の老舗ラーメン店「朱華園」に到着。この店は2度目となる。今回もそれなりに店は混雑していたが、それほど並ばず入店することが出来た。相席した他の客の口調から、関西からもこの中国地方に足を運んでいる人は多い様であった。お味の方は“見た目は豚の背脂で脂っぽいが、食べると意外とアッサリ味”でとても美味しい。

尾道ラーメン「朱華園」
尾道ラーメン「朱華園」




・・・昼食後、本格的に探索を開始する。今回も身内の山を探索させて頂くことになった。

身内はすでに畑で一仕事終えられていた。いつ見ても年齢を感じさせない若さに感服する。やはり年輪を重ねても体を動かすことが若さの秘訣にも窺える。実際に探索を試みようと山の斜面を登り始めてみると、私よりも30歳ほど年上の身内は軽快に山を登っていく。様々なことが勉強になる。

身内の山へお邪魔する
身内の山へお邪魔する



暫くすると“ご神木”といえるクヌギに辿り着けた。遠目に見ても根元付近の樹皮めくれの凄まじさが窺える。今回はどんなクワガタが潜んでいるのであろうか?

広島のご神木
広島のご神木



クヌギに近付くにつれ何やら「ガチガチガチッ」と音がするので、気になって確認してみると、大きなヒラタ♂×2頭が激しいバトルを繰り広げていた。思わず写真を撮るのも忘れて魅入ってしまった。バトルはすぐに大きなヒラタ♂が圧勝し、一回り小さいヒラタ♂は逃げ出してしまった...。そこで我に返り個体を確認してみる。今年最初のヒラタ確認という事も嬉しいのだが、大きなヒラタ♂が樹液場でバトルしている光景を目の当たりに出来た事はもっと嬉しかった。

広島県・ヒラタ♂
広島県・ヒラタ♂



2頭のヒラタ♂の近くにはヒラタ♀2頭確認できた。どうやら洞、樹液、♀などの抗争があった様である。・・・という事は、樹皮めくれはまだあるので更に念入りに確認してみると、樹皮の隙間にはスジ♂や別のヒラタ♂♀のペアも潜んでいた。

いつ見ても凄い樹皮めくれ
いつ見ても凄い樹皮めくれ



樹皮めくれのヒラタ♂♀を掻き出し棒にて確保してみる。とりあえずタッパーにヒラタ♂を入れて画像を得る。久しぶりに本土ヒラタを良い形で確認できて本当に嬉しい。この場所は一般の人が入れる様な林道もなく、山の所有者である身内が藪漕ぎしてやっと辿り着ける場所なので、他の採集者に干渉されることが無いのも有難い。数年前からお伺いしているご神木であるが、また次回どの様な個体が待っていてくれるのか、楽しみである。

3頭のヒラタ♂を確認
3頭のヒラタ♂を確認



身内より育てている木の実や椎茸を山ほど戴いてしまった。ここは近所の山の方々とも非常に仲が良く、近隣の方々も「あそこに大きなヒラタがおった!」という話など、気さくな方が多く、東京ではなくなってしまった“ご近所付き合い”が、この広島ではまだまだ健在であり、人付き合いの温かみを感じてしまった。

山の幸を戴く
山の幸を戴く




身内と共に今晩のライトトラップのポイントへ移動する。この場所も私有地であり、基本的に一般の人が通り抜ける様なこともまず無いので、ゆったりと時間を過ごす事が出来る。

本日のライトポイント
本日のライトポイント



昨年同様に身内が下草の手入れをして下さる。下草がなければ、それだけ飛来した個体を確認しやすいので非常にありがたい。

恐縮です!
恐縮です!



夜の帳が下り、点灯を開始する。昨年は9月の点灯であったが、今回は時期的にもかなり期待できそうなのでテンションも上がる。

点灯開始!
点灯開始!



少しするとヘイケボタルが乱舞していることに気付く。周辺は低農薬のためイモリやホタルの姿も多く確認できる、素晴らしい場所である。さらに驚いたことに結構近い場所で花火大会が行われている様で、誰も入ってこない場所で身内と共に花火まで楽しむことが出来た。

近くで花火大会
近くで花火大会



無風状態で月齢も悪くはないので、あとはクワガタの飛来を待つばかりであるが、現状としては大量の蛾が飛来するのみで、しばらく時の経過を待つ。

蛾は非常に多い...
蛾は非常に多い...



ノンビリ身内と話をしながら待っていると、上空から甲虫らしき羽音が聞こえてきた。確実に甲虫だと思い、落下地点を見失わない様に待ち構えていると、目の前に小さなノコ♂が落下してきた。昨年9月はカブトムシ♀のみだったので、個人的に“HID初飛来となる広島クワガタ”になる。

広島県・ノコ♂
広島県・ノコ♂



先程のノコ♂が飛来した直後にもっと大きな羽音が聞こえたので、トキメキながら落下を待っているとノコ♂であった。先程よりは大きな個体であるが、可能であればミヤマの飛来を期待したい。

広島県・ノコ♂
広島県・ノコ♂



さらにノコ♀も飛来した。3頭連続でノコが飛来するという状況からライトの設置場所としては少々標高が低い気もしてきた。因みにプロトレックで標高を確認してみると、標高400メートルを表示しているので、それほど条件としては悪くないと思うのだが、山の向きなど設置状況に問題があるのかも知れない。

広島県・ノコ♀
広島県・ノコ♀



ノコ以外のクワガタの飛来を期待して待っていると、唐突に黒く大きな個体が飛来した。一瞬かなり驚いたが、確認してみるとガムシであった。・・・確か昨年もこの場所で、かなりのガムシが飛来したことを思い出す。

一瞬驚いたガムシ
一瞬驚いたガムシ



それなりに甲虫の飛来も始まり、これからが本番という流れの中で、急に大粒の雨が降り始めてしまった。天気予報では午後から雷雨の可能性があるといっていたのだが、あと1時間ほどバッテリーが残っているだけに非常に悔やまれるのだが、雨具を用意し雨雲の様子を見ていく。

突然の豪雨...
突然の豪雨...




しかし雨足は強まる一方で、ついに雷を伴う激しい雷雨になってしまった。慌てて撤収を行う。こういう時にも時間が掛からず撤収できるHIDライトの利点を感じる。バッテリーの残り時間が楽しめなかったのは残念であるが、広島県にて身内と共にチャレンジ出来た事は非常に有意義であった。

激しい雷雨により終了...
激しい雷雨により終了...



・・・今回も非常に堪能できた中国地方遠征となった。また来年も新たなアプローチを考えながら再チャレンジしてみたい。身内に感謝!!


成績ヒラタ♂×3 ♀×3 スジ♂×1 ノコ♂×2 ♀×1 コクワ♂×2
(魔琴:持ち帰りなし)

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