2011.04.24(日)
神奈川県・某所 1:00PM 晴れ 20℃ 同行者:ミヤマ☆仮面さん

3月11日の「東日本大震災」以来、東京都内であっても仕事をするのに営業車のガソリンを給油するだけでも、どのガススタンドも長蛇の車の列が出来るほど難儀した。スーパーやコンビニでも水や乾電池の品薄状態が続き大変であった。更に宮城県仙台市に会社の営業所があり、そこの社員から携帯電話が掛かってきた。「大津波が家の1km先まで来ている。軽油も水も電気も何も無い状態なので助けて欲しい。」との内容であった。東北道路が地震の影響で暫く通行不可であったが、震災が起こってから3週間ほどで通行可能状態になったので、近くのスーパーで買えるだけの水や食料を買い込み、まだ道路の至る所で歪みや陥没している東北道路を仙台に向けて走った。

・・・そんな1ヶ月であった。

正直、喪失感が多く、探索に出掛ける気力がなかなか湧いて来なかった...。3月11日の前の週に5度目となったタイ王国遠征を行っており、その採集記はなんとか書き上げたのだが、気が付けば4月も下旬であり、フィールドは春の訪れを告げている。そんな中、ミヤマ☆仮面さんとお会いする事になった。フィールドに足が向かない自分にとっては、本当に有難いお誘いになった。

友情の証
友情の証




ミヤマ☆仮面さんと話の流れで河原へ向かう。この時期は「マグソクワガタ」なるクワガタが河原で確認できるので、立ち寄ってみることになった。・・・すると、河原には既に数名居る様で、こちらを見てにこやかな笑顔の方が居た。あいあんさんだった。さらに大巨神さんや初めてお会いするジョニーおじさんも網を片手に採集されていた。それを見守るきら→さん、tosさん。大巨神さんは奄美大島遠征でお会いして以来であり、皆さんとのお話はすぐに盛り上がる。

河原へ
河原へ



皆さんすでにマグソを採集されている様で、ケースは拝見させて頂くと、非常に小さなコガネムシの様な個体が佇んでいる。噂には聞いていたが、全くクワガタらしくない。・・・そこが虫の奥深さなのだろう。

マグソクワガタ♂(左)・♀(右)
マグソクワガタ♂(左)・♀(右)



河原の砂地を見ていると、小さな甲虫が飛翔している。ミヤマ☆仮面さんが掌底一番、個体を確認してみるとマグソ♀であった。“クワガタ採集をしている気になれない”不思議なクワガタ探索である。

掌底採集
掌底採集



条件が良いのか、マグソの飛翔は多い様である。マグソの他にもコガネや糞虫の活動も確認できた。もしかすると“最初で最後のマグソ探索”かも知れないが、これも日本に生息するクワガタの1つなので、良い経験が出来たと思う。ここで合流できた皆さんに感謝を述べる。

他の甲虫も活動中
他の甲虫も活動中




暫くすると、あいあんさん達はお帰りになった。本日は元々ガッツリとした探索を予定してなかったので私たちも探索を終了とし、ミヤマ☆仮面さんと河原に腰掛けてお互いの近況報告などを行う。私は震災後、物資を運ぶために宮城県入りしたのだが、ミヤマ☆仮面さんも岩手県の被災地にてボランティア活動されていた。現地の光景は報道されている映像そのままであり、改めて大自然の驚異に恐怖するものであった。会話の中でミヤマ☆仮面さんの「被災地の方々より逆に元気を戴いた。」という言葉は本当に勇気の出るものであり、いまだに自分自身、葛藤の続く毎日であったが、ミヤマ☆仮面さんとの会話は、自身の心の整理にも繋げる事ができた。良いお話が出来、ミヤマ☆仮面さんに感謝したい。

久しぶりに語り合う
久しぶりに語り合う



今年最初の本土探索となったが、久しぶりにフィールドの風を感じることが出来た。


「楽しめる時は楽しもう!」と非常に有意義な時間を過ごせた、良い1日であった。


成績:マグソクワガタ♂×3 ♀×2
(魔琴:持ち帰りなし)

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