2010.09.01(水) 東北地方 6:45PM 晴れ 33℃ 同行者:kapiさん 9月に入ったものの残暑は厳しく、まだまだオオクワは活動中と見込み、kapiさんと今年最後の東北HIDに出掛ける事になった。
長距離を移動し目的地に到着する。早速HIDハンディライトのセッティングを行う。辺りが随分と暗くなっても気温は下がらず蒸し暑い。更に月齢も悪くないとなれば、オオクワ飛来の可能性はあると期待したい。
頃合いを見てHIDライトを点灯させる。私が1台。kapiさんが新型含め2台のHIDライトがコロニーレーザーを放つ。
ものの数分でとんでもない数の羽虫が集まってきた。もはやシャワー状態で、ライトに近付くと大量の羽虫がアタックしてくる。当たりが強く、素肌が痛いくらいである。
少しするとカチっと落下音と共にノコ♂が飛来した。このノコ♂にLEDライトを当てていると、先程の大量の羽虫が自分のLEDライトに飛行進路を変えて飛んでくる。すぐにLEDライトの電源を切り、身の安全を確保する。
次にノコ♀が飛来した。しかし、あまりにも羽虫の数が多く、落下した個体に近付く事すらままならない。
アカアシ♀も飛来する。考えてみればHIDライトトラップでアカアシが飛来したのは、個人的に初めてかも知れない。
前回はエンマコオロギの飛来が多かったのだが、今回はケラが多く集まってくる。飛来してくる個体もいるのでHIDに反応しているのだろう。
大きな♀が飛来したので驚いて確認してみると、大きなノコ♀であった。全体的に今回はノコが多い様に感じる。
更に大きなシルエットが確認できたので、慌てて確認してみると“大きなコクワ♂”であった。そう簡単に大物が飛来してくれるとは思わないが、常に可能性はあるだけに心の準備はしておきたい。
コロニーレーザーの照射は続く。相変わらず羽虫の数は多いが、条件として良い方向であると信じたい。
・・・暫くkapiさんと色々な話をする。 HIDライトはほとんど無音に近いので、周辺の川のせせらぎが聞こえるほど、ノンビリと会話しながらリラックスして行うことが出来る。このHIDライトトラップという時間はクワガタの飛来する結果とは別に、同行者と互いの夢や今後を語り合える時間にもなるので、自分にとってもの凄く有意義な時間となっている。それが「ミヤマ☆仮面の森」の夜空であったり、東北の夜空であったり、タイ王国の夜空であったり、その時にご一緒する方々との会話から、次なる夢へと数多く発展しているので、人と人、夢と夢を結ぶ役目も果たしていると思っている。
kapiさんと話し込んでいるとアカアシ♂が飛来した。個体を確認しに行ったkapiさんが“至近距離にて大きな羽音”が聞こえた様で、「カブトが飛んできたみたいだけど、どこかに着地したみたい...。」と言う。とりあえず、私もそれ以上気にしなかった。
・・・しかし、 折りたたみイスに腰掛けたkapiさんを見て、一瞬何の事か理解できず「ふざけてんの?」とkapiさんに尋ねてしまった。そこには“誰もが目を疑う光景”があったのである!
なんと、kapiさんの左肩にオオクワ♀が付いているのである。kapiさん曰く「何のこと?」という感じだったので、個体を手に取り見せてみると、やっと状況が理解できた様であった。私もこの時、先程kapiさんが“大きい羽音=カブトがどこかに着地した”という言葉を思い出した。実は大きな羽音の主はオオクワ♀の飛来であって、どこかに着地した訳ではなく、kapiさんの左肩に着地したのであった。もはやkapiさんは“歩くトラップ”の様な存在になってしまった。白いTシャツを着ている事もその理由になると思うが、今回に限らず今でも鮮明に覚えている事として、以前にもカブトムシがkapiさんのTシャツに飛来した事があり、更には奄美大島でもアマミミヤマ♀が同じ様にkapiさんの体に飛来した事もあったりする。
・・・kapiさんのTシャツには、何か特殊な仕掛けがあるとしか思えない。
その後、バッテリー終了まで照射を続けたが、先程のkapiさんの“ゴッドショルダー”に勝る出来事など起こるはずもなかった。今回もやはり月齢の有無も大きかったと共に、想像もしてなかった事が起こったりと非常に楽しい東北となった。 考えてみるとkapiさんとはもう10年ほど探索をご一緒している。年齢も同じでサイト開設もほぼ同時期であり、初めて掲示板(当時設置)に書き込んで頂いたり、そこからお互い連絡を取り合う様になり、気が付けば10年という月日が経過していた。10年前の自分とkapiさんが、今の私たちを見たらどう思うのであろうか?
・・・改めてkapiさんに感謝申し上げたい。 成績:オオクワ♀×1 ノコ♂×12 ♀×5 アカアシ♂×2 ♀×1 コクワ♂×3 ♀×1 (魔琴:持ち帰りなし) |