2013年10月1日、希少野生動植物の指定により、アマミマルバネクワガタとアマミシカクワガタとアマミミヤマクワガタは採集禁止となりました。詳細は、奄美市サイトにてご確認下さい。下記、採集記は規制以前のものです。 |
2009.09.12(土)へっぽこ遠征in奄美群島(2日目) 鹿児島県・奄美大島 11:00AM 曇りのち雨 31℃ (蒸し暑い) 同行者:kapiさん 奄美大島遠征、2日目の朝。 宿の朝食を取った後、レンタカーに向う。・・・空を見上げると、あまり雲行きはよろしくない。
山に向かう前に飲み物などを購入するべくコンビニに向う。毎度ながら奄美大島での滞在時、このコンビニには何度もお世話になる。このコンビニは島内に数件存在しており、非常に重宝する。因みにジョイフルというファミレスも2件存在する。
準備が整った所で探索を開始する。昨年はそれなりに結果が出た遠征だったので、今回は新規開拓の様な気持ちで今まで訪れた事のない場所へ向ってみる事にした。
・・・途中、山の標高を上げていく中でヤナギにしか見えない樹を確認した。奄美大島というより、南西諸島でヤナギというのは聞いた事がないが、kapiさんもヤナギにしか見えないと言う。人為的に植えてあるのだろうか?・・・一応確認してみたが、ヒメオオやアカアシは居なかった。
今回も探索を続ける中で目に付くのは、放置されたフルーツトラップの残骸である。最近、地元の新聞などでもこの“フルーツトラップ放置”の記事が取り上げられている様で、その流れで遠征者によるクワガタ採集に対する風当たりが強くなっている様でもある。特に鹿児島県の離島は採集禁止地域が増えているので、末永く奄美大島での採集を楽しみたいと感じているのであれば、仕掛けたトラップは確実に回収して頂きたい。
放置されたトラップを回収し、何となくテンションが下がってしまったが、一息ついてジャングルを見るといかにも南西諸島らしい植物が生えている。何度も見ているので見慣れた感もあるが、本土とは全く異なる植生に再びテンションを上げていく。
車を走らせていると見覚えのある場所に辿り着いた。・・・実は昨年、この川でギンヤンマを見掛けたので捕獲を試みたのだが、素早い動きに年齢を感じさせられてしまった苦い思い出があった。・・・なので、昨年のリベンジとしてもう一度ギンヤンマに挑戦状を叩きつける事にした。
まずはベニトンボを捕獲してみる。捕獲といっても確認後すぐにリリースする訳だが、本土で見掛けるアカトンボとは全く異なる赤紫色が独特な趣を感じさせる。以前、石垣島でも確認した事があったが、この奄美大島でも多くの個体が確認できた。因みに♀はウスバキトンボの様なオレンジ色をしている。
更に待ち続けること数分、こちらを馬鹿にした感じで近寄ってきたギンヤンマを意地で捕獲する事に成功した。網の中で「こんなはずではなかった...。」という羽ばたきが聞こえる中、数年振りのギンヤンマ捕獲となった。
撮影し画像を確認すると、いかにもギンヤンマらしいエメラルドグリーンな顔つきに魅入ってしまう。久しぶりにギンヤンマを間近で確認したが、非常に楽しむ事が出来た。この個体はすぐにリリースし、奄美の大空へ消えていった。
・・・寄り道をした感があるが、探索を続ける。レンタカーを走らせていると奄美大島らしい標識を目にするのだが、気のせいか標識の数が増えた気がする。事故が多いという事なのだろうか?
とりあえず昨日仕掛けたフルーツトラップを確認してみる。昼間なのであまり期待はしてなかったが、・・・やはり何も来てなかった。
樹の洞が近くにある昼間でも薄暗い場所のトラップも確認してみたが、同様に何も来てなかった。この様な場所であれば昼間でも小型のスジブトが来てたりするが、なかなか思う様に個体を確認できない...。
その後も探索を進めていくと、急に雨が降り出した。奄美大島も南西諸島特有の急なスコールはよくある事なので、暫くすれば止むと踏んで山道を進んでいくが、一向に雨は止む気配が無い。それ所か雨足は強まる一方である。・・・仕方ないので一度山を降りて休憩を取ることにした。
車の中で仮眠をとって暫くすると、どうにか雨は上がった様であった。しかし以前雲は低く、夜の探索に不安が残る。
・・・時間帯として中途半端になってしまったので、このまま早めの夕食をとり夜に備える事にした。
・・・kapiさんと夕食をとり、そろそろ夜の探索に向おうかと思っていると、こちらに1人の男性が近寄ってきた。状況的に奄美大島に知り合いが居る訳でもないので特に意識してなかったが、その方は「魔琴さん、kapiさんですよね?」と声を掛けてきた。驚いてその方をよく見ると、何とるどるふさんであった。事前に何の打ち合わせもしておらず、まさかの奄美大島での遭遇だったので本当に驚いた! お話を伺うと、るどるふさんもこれから山に入るとの事でこのまま3名にて行動を共にする事になった。るどるふさんと言えば、今さら説明する必要もないほど、最近ではカミキリ関連で大活躍されている大御所である。個人的には2年前の石垣島遠征にて、るどるふさんとr.matsudaさんとご一緒して以来となる。今回ご一緒できる事を本当に光栄と感じる。
まず最初にアマミミヤマの探索を開始する。・・・しかし、先ほどまで降り続いていた雨が上がった事で、山の中は霧が発生しており、数メートル先も見えないほどになっていた。それはもう6メートルほどの電柱の最上部が霞むほど濃い霧であった。
とりあえず霧が晴れるまでアマミミヤマ探索は出来ないので、第2部で予定していたHIDライトを始める事にした。
しかしHIDライトをセッティングして“ビーム開始”すると、風向きが変わったのか?少し前まで全く見えなかった霧が晴れてきたので、とりあえず周辺の確認できる電柱だけ見回りに行くことにした。
・・・いくつか電柱を確認していくと、電柱のかなり上部に甲虫らしい影を確認する事が出来た。距離的にかなりあるものの、それがクワガタであろう事は確信があったので長網を伸ばし捕獲を試みる。
何とか長網の中に収まったので中を確認してみると、やはりアマミミヤマ♂であった。昨晩も存在そのものは目にしていたが、今晩は長網にて捕獲できたので、間近に見るアマミミヤマに喜びを覚える。
・・・実はこの時、小島啓史さんから受けたミッションも同時に行うことが出来たので、このアマミミヤマ探索は僅かな時間であったが、個人的には成果が大きかったと感じている。小島啓史さんからのミッション内容は、機会があれば日の目を見ることになるかも知れない。
その後、再びHIDライトに戻る。遠目から見ると、るどるふさんも本土から持参した同タイプのHIDライト含め3灯のライトがビームを照射しているので、非常に豪華である。るどるふさんもHIDライトの利便性を感じられている様で、こうやって奄美大島にて3灯のライトが揃うとは思わなかった。
昨晩は蛾しか集まらなかったが、今晩はそれなりに甲虫も飛来し始めた。とりあえず昨日より雰囲気はありそうである。
HIDライトを照射しながら周辺をLEDライトにて確認していると、大きな影が見えたので確認してみると、サソリモドキだった...。
・・・その後も相変わらず蛾の飛来数は多い。
なかなか奄美大島のクワガタが飛来しない所に現実を感じるが、それでも偶に甲虫が飛来する。通常なら「ゾウムシだな...。」で終わる所も、今晩はるどるふさんが居るので、虫の名前なども詳細に知る事ができる。流石るどるふさんであり、自分の勉強不足を感じる...。
ふとソテツを見たるどるふさんが、あるシジミチョウを観て「クロマダラソテツシジミ...」と言う。お話を伺ってみると、どうやらソテツの大害虫の様なのである。個人的に観た感じ“小さなシジミ”としか映らない様な蝶でも、その生態は見た目とは大きく異なる現実を知る事ができ、これも勉強になった。
・・・蛾嫌いのkapiさんが逃げ回っている。大きなシンジュサンが飛び回っていた...。私も蛾が体に纏わり付いたら良い気はしないが、特にこの蛾は巨大なので近付いて画像を得るのも少々勇気が居る。
・・・結局、数時間の渡りHIDライトトラップを試みたがクワガタの飛来は無かった。それでもまさかのるどるふさんとの合同HIDライトトラップが実現でき、また楽しいお話を伺うことが出来たので、非常に有意義な時間を過ごす事ができた。 るどるふさんとは、感謝を述べてここでお別れとなった。
その後はフルーツトラップの確認に回ったが、どういう訳か今晩も全くクワガタの姿が確認できなかった。昨年とはレシピも変えて、今年7月の福江島ではかなり良い結果も出たレシピで望んだが、この9月の奄美大島では全く結果が出ない様である。おそらく時期的に昨年と同じでも、季節感が昨年以上に秋を感じるので、今年は少し遅かった気もする...。 ・・・これも自然相手の事なので仕方ないと、2日目の探索を終え宿に戻る事にした。 成績:アマミミヤマ♂×1 (魔琴:持ち帰りなし) |
|