2009.08.08(土) 山口県・某所 3:00PM 晴れ 34℃ (暑い) 広島県、2日目の朝。 本日はクワガタ探索ももちろん行うのだが、昨晩確認した“夢の昆虫”を改めて確認してみたいと思い、レンタカーを走らせる事にした。・・・目的地に向う途中、個人的な“超ダークゾーン”を経験してしまったが、何とか探索は続行できそうである。
目的地に到着した頃には、日が傾く様な時間帯になってしまったが、意識を探索モードに切り替えていく。
田園風景は見慣れているが、改めてこの田園風景の中で探索を行うのは本当に久々である。果たして“夢の昆虫”タガメは確認できるのであろうか?早速たも網を持って探索を開始する。
田んぼ周辺を確認していると用水路があったので、網を入れてみる...。
するとヤゴが確認できた。こうやって水生昆虫の為に探索を行うのは何年振りであろう。何だかクワガタ探索とまた違ったワクワク感があり、とっても楽しくなってきた。
雰囲気のありそうな場所を探しながら網を入れていく。数種類のヤゴやカワニナらしき貝やシジミなど確認できる。網を入れれば入れるほど楽しさが増してくる。用水路の水草の中に網を入れ、ガサゴソやって上げてみる。「次は何が確認できるのだろう?」そう思うと病み付きになりそうである。
暫く探索を続けているとある事に気が付いた。用水路の所々で死んだ魚や弱った魚が確認できるのである。・・・昔、子供の頃に見た図鑑を思い出した。タガメは生息地の蛙や魚の体液を吸っているので、蛙や魚の死骸がある場所にはタガメが居る可能性が高い...と。なので、この状況はタガメ生息のキーワードの様に感じた。
少し探索場所を移動しようとある外灯を訪れると、車に轢かれたタガメの姿があった。昨晩同様に亡骸であってもタガメには変わらないので、やはり興奮を覚える。もちろん元気な個体の方が嬉しいが、こうやって亡骸を確認できるだけでも“周辺に生息している”という情報になるので、亡骸であっても重要な事だと感じる。
とりあえず周辺にタガメが生息している事が確認できたので、改めて雰囲気のありそうな用水路を探索してみる。次の用水路は、先程より幅も小さく緩やかな流れのある用水路であった。感覚的に流れが緩やかな方が活動しやすい気もしているので、この周辺を重点的に確認してみる事にした。とりあえず網を入れガソゴソやってみる。
2〜3回ガソゴソやってる内に、見慣れない大型の物体が網に入った。その物体は網に入った途端、激しく暴れ始めた。すぐにタガメだと判った。
これは嬉しい!生まれて初めて元気なタガメを生息地にて確認する事が出来た。見た所、タガメは成虫ではなく、まだ翅の生えてない幼虫であった。それでもそれなりの大きさはあり、水中から取り出された事で激しく動き回っている。改めて見ると、小判型の横幅のある非常に存在感のある虫だと感じる。
初のタガメ確認にてテンションが上がり、次々と網を入れていく。するとタイコウチの姿も確認できる。どうやらこれも幼虫の様である。個人的には数年前に千葉県にて、たまたま確認できたタイコウチ以来であり、これも嬉しい。
更にコオイムシまで確認できた。これはタガメ同様今まで一度も確認した事が無かった虫なので、非常に興味深かった。出来れば♂の背中に卵を乗せている個体を観てみたかったが、そこまで贅沢は言えない。
その後もガソゴソやってみると、やはり流れの緩やかな場所ほど水草などにしがみ付いている水生昆虫は多く、先程より小さなタガメの幼虫もその様な場所で確認できた。
幼少時代に戻ったかの様に夢中になって網を入れる。ただ忘れていけないのは、この田んぼの用水路も地元の所有者が居るので、持ち主が周辺に居るのであれば、作業を行う前に声を掛けて了承を得ればより安心して楽しむ事が出来る。今回の探索も持ち主が近くに居た為、了承を得てから行った。因みにその方はタガメの存在を全く知らない様であった。
夕暮れまで残り僅かになってきたが、時間の許す限り網を入れる。場所によってはタイコウチが数頭入る事もあった。東京に住む物にとっては、このタイコウチ数頭であっても非常に珍しく興奮を覚える昆虫なのである。
・・・気が付くと夜の帳が下り始めている。先程まで確認したタガメやタイコウチは全てリリースした。クワガタ同様、どの様な場所に生息しているか自分の目で確かめ、画像を得る事が出来れば、私はそれで充分である。・・・あぜ道を通り車に戻ろうとすると、用水路の中にタガメの幼虫を確認する事が出来た。最後に良い画像が得られたと満足して車に戻る。
レンタカーに戻り、少し休憩した頃には完全に外灯回りの時間になっていたので、夜の探索を開始する。
いくつか外灯を確認していくとヒラタ♂を確認する事が出来た。昨年も広島県の外灯下にてヒラタを確認した事があったが、関東など東日本に比べこの西日本の方がヒラタが外灯に集まりやすいと聞いた事があるが、実際の所はどうなのだろうか?
更に外灯をチェクしていくと、飛来したばかりのミヤマ♀の姿も確認できた。どこで観てもミヤマというのは嬉しい。このミヤマ♀の画像を撮っていると、近くの外灯周辺にて存在感のある羽音と共に、大型昆虫が飛翔している。着地を待ち確認を試みる。
・・・感覚的に「カブトムシが飛んできたなぁ。」と思っていた。着地した物体を確認してみると、何とそれはカブトムシではなくタガメであった!昼間に確認した幼虫と違い、成虫のその大きさに度肝を抜かれた。本当に大きい。そしてもの凄く感動した...。自分にとってオオクワと並ぶ“夢の昆虫”だったので、今まさにその夢にまで見たタガメが目の前に飛来したのだ。まるで水中生活を感じさせない王者の如く飛来し、外灯下に佇む風格に圧倒されてしまった。
タガメが飛来した外灯近くには猫が待っている。おそらく外灯下に飛来した昆虫を待っているのだろう。その昆虫を遊ぶ為のものか、食べる為のものかは分からないが、気が付かない所でヒラタやタガメが猫の軍門に下っているのだろう。今回は良いタイミングにこのライバルより先に個体を確認する事が出来て良かった。
今回の探索は、クワガタよりタガメがメインになってしまったが、自然の豊かな場所ではまだこの様な探索が可能である事が嬉しかった。今まで離島にばかり目が行っていた感があるが、本土も充分に楽しい! 成績:ミヤマ♀×3 ヒラタ♂×1 ノコ♀×1 (タガメ×3) (確認後、全てリリース) |