2009.05.16(土)へっぽこ遠征in伊豆諸島(2日目)
東京都・八丈島 10:30AM 曇り 20℃

八丈島遠征、2日目の朝。

目が覚めると同時に窓の外を見る。曇は広がっているが、どうにか雨は降ってない様である。予報では雨は降らない方向になっているので、あとは突風の様な強風だけが心配である。飛行機が飛ぶか否かは“雨の量よりも風の状態”の方が重要なので、荒れない事を願いながら出発する。

とりあえず八丈富士は見える
とりあえず八丈富士は見える



・・・朝はギリギリまで寝ていたので、宿の朝食を食べる事が出来なかった。とりあえず市街地にてパンを購入し、車の中で頬張る。同時に地図を見ながら本日の予定を立てていく。

地図を見て検討
地図を見て検討




まずは昨日ハチジョウノコを4頭確認した倒木から確認してみる。今回もクワガタマガジン用の撮影機材を持ち込んでいるので、八丈島での探索風景として動画を撮りながら倒木を裏返してみる。

まずは昨日の倒木を起す
まずは昨日の倒木を起す



正直な所、昨日確認済みであった倒木なので雰囲気のみの撮影にしようと思ったら、上手い具合に1頭だけハチジョウノコ♂を確認する事が出来た。

材の下に潜むハチジョウノコ♂(中央)
材の下に潜むハチジョウノコ♂(中央)



この個体は昨晩の内に歩行してきた個体なのだろうか?それとも倒木したの土中から羽化してきた個体なのだろうか?それなりに個体が収まるスペースを確保しているので、潜った後に空間をキープするのであろうか?この様な状況から観ても改めてハチジョウノコは、本土のノコとは随分と違った印象を受ける。

昨晩歩行してきたのだろうか?
昨晩歩行してきたのだろうか?



とりあえずクワガタの画像を撮る事が出来たので、ハチジョウヒラタ探索など含め場所を移動しながら可能性を求めてみる。

場所を移動する
場所を移動する



移動した場所で材起こしを行っていくと、ハチジョウノコ♀の姿はそれなりに確認できる。・・・しかし、目標とするハチジョウヒラタの姿は確認する事が出来ない。

材の下に隠れるハチジョウノコ♀
材の下に隠れるハチジョウノコ♀


帰りの飛行機の関係で残された時間は少ない。・・・少しでもハチジョウヒラタにアプローチしたい思いから探索を続けていく。

ハチジョウヒラタ探索を行う
ハチジョウヒラタ探索を行う



あまり他の採集者が入ってないと思われる場所を選び、薮を漕いでみる事にした。・・・今回は少しでも草木に触れると、大量のイモムシが体のどこかしらに付いている。正直気持ちの良いものではないが、ハチジョウヒラタの可能性を信じ薮の中を進む。・・・気が付くと今度はイモムシではなく、大量の蚊が纏わりついている。まさにフィールドを実感する。

薮を漕いで山の斜面に...
薮を漕いで山の斜面に...



実は昨日も確認していたのだが、地面に“黒いシミ”らしき物体があり、これを瞬間的にクワパーツだと思い触ってしまった...。よく見れば動物の糞という事は判るのだが、情けない限りである。親指の爪の隙間に入り込んだ異物は強烈な臭いを発し、しばらくの間取れる事は無かった...。

咄嗟に触ってしまった...
咄嗟に触ってしまった...



大量の蚊が体に纏わりついているので集中力が削がれる。また少し歩くとイモムシも当然の様に体に付いている。その度にイモムシを弾いていく。

とにかくイモムシが多い!
とにかくイモムシが多い!



様々な場所を確認していくが、ハチジョウヒラタの全く雰囲気を感じられない...。ある倒木を起せばサツマゴキブリ、別の倒木を起せばサソリモドキという感じで“へっぽこ”にとってハチジョウヒラタ探索は、かなり高いハードルだと感じる...。

サソリモドキも健在
サソリモドキも健在



地図を見ながら林道を移動する。基本的には徒歩移動だが、思い切って場所を移動する時は車を走らせる。この時林道を走ると相当数のイモムシが糸を引いて樹からぶら下がっており、それが車のフロントにくっ付く。気が付くとレンタカーには20匹以上のイモムシが付いていた。

林道を走るとイモムシだらけに...
林道を走るとイモムシだらけに...


・・・いよいよ残された時間は少なくなってきた。今回もそれなりに探索を進めてきたのだが、ハチジョウヒラタの姿は確認できない。感覚的には諦めムードの方が強くなってしまった。

簡単ではない八丈島
簡単ではない八丈島



それでも後で「あの時もう少し頑張っていれば...。」と、よく後悔するので、残された時間がある限りテンションを上げ直し、未知の林道に入ってみる。

新たな場所を求めて
新たな場所を求めて



道端にはあまり良い倒木は確認できなくても、少し薮を漕げば意外と雰囲気の良い場所はあったりする。

雰囲気の良い倒木
雰囲気の良い倒木



目の前の雰囲気の良さそうな倒木を起してみるとハチジョウノコ♀が引っくり返っていた。この個体を確認した林道は今回が初探索だったので、これは嬉しい。

ハチジョウノコ♀
ハチジョウノコ♀



裏返した倒木を更に確認していると、隙間に頭を突っ込んだハチジョウノコ♂の姿も確認できた。昨日から探索してみて、この数日間気候が良かった事もあってか島中のあちらこちらでハチジョウノコが確認できた。昨年も同時期にこの八丈島に足を運んでいるが、ここまで個体数を確認できてなかったので、条件さえ整えば多くの個体を確認できるのかも知れない。

隠れるハチジョウノコ♂
隠れるハチジョウノコ♂




可能性を求めて時間ギリギリまでハチジョウヒラタ探索を行ったが、ここでタイムアップとなってしまった。しかし、自分なりに考え探索した結果なので納得はしている。またの機会があればチャレンジしてみたい。・・・とりあえず汗だくになってしまったので、温泉に浸かり疲れを取る事にした。

温泉にて疲れを癒す
温泉にて疲れを癒す



・・・今回の八丈島探索は終わった。とりあえず市街地へ向う。・・・何となくボンヤリと考える。自分は採集者というカテゴリーの中で貪欲さに欠けているのかも知れない。ここ数年「見つけられないのが当然。もし運良く見つけられればラッキー!」という流れであったが、最近は「採集記的にも個体を確認しなければ...。」という意識があったりして、“へっぽこ”なりにも葛藤があったりする。

市街地へ向う
市街地へ向う



レンタカーを返す前に、昼に何も食べてなかったので、市街地のスーパーで弁当でも購入しようと立ち寄ってみる。因みにこの八丈島には、数多くのスーパーがあるので買い物には困らないと思う。

市街地には多くのスーパーがある
市街地には多くのスーパーがある



いくつか魅力的な弁当があったが、やはり島寿司を見てしまったら買わない訳には行かない。本当であれば、どこか鮨屋にて食べるのが理想かも知れないが、今回は時間帯や予算の関係でスーパーで調達する事になった。食べてみると美味い!この漬けネタが癖になる旨さを感じる。

島寿司(メダイ)
島寿司(メダイ)


遅めの昼食を済ました後、レンタカーを返却し八丈島空港に到着。案内表を見ると八丈島に向っている便が“天候調査中”になっている。何を意味するかというと、万が一飛行機が八丈島に到着できない場合は“私が羽田空港に戻る便が欠航”するという事になる。少し焦って八丈富士を見てみると、山に雲は掛かってないので、おそらく問題ないと思われる...。

まさかの「天候調査中」
まさかの「天候調査中」



・・・少し心配になったが、飛行機は無事に八丈島に到着する事が出来た。いつもながらスムーズに行かない“へっぽこ遠征”である。その後は何の問題も無く、手続きを済ませ羽田空港行きに搭乗する。帰りの飛行機は意外と空席が多く感じる。

八丈島空港を後にする
八丈島空港を後にする




今回も1泊2日の遠征であったが、1人で気軽に行くには良い島だと感じる。離陸後、少し眠さが出てきたと思ったらもう羽田の着陸態勢に入った。・・・またの機会があれば八丈島を訪れてみたいと思う。

楽しかった!
楽しかった!



成績ハチジョウノコ♂×2 ♀×2 チビクワ×1
(確認後、全てリリース)

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