2008.08.02(土)へっぽこ遠征in奄美群島(3日目) 鹿児島県・沖永良部島 9:30AM 晴れ 32℃ (暑い) 沖永良部島遠征、最終日の朝。 今日も窓の外は快晴であり、非常に清々しい。この遠征の採集内容としては、相変わらずフルーツトラップの出来の悪さや個体数の確認の少なさなど決して良いとは言えないが、少なくても3年前の沖永良部島遠征より島の地理感や林の雰囲気を感じる事は出来る気がしているので、最終日の可能性を求めて楽しんで行きたい。まずは宿の朝食を取り身支度を始める。
宿をチェックアウト後、レンタカーを走らせ最後の探索に向かう。飛行機の時間までそれほど余裕はないが、仕掛けてあるフルーツトラップの確認と回収を行う。今年は例年以上に離島遠征でのフルーツトラップ成績は芳しくないが、まだ探索が終了した訳ではないので可能性を求めて行く。
トラップに向かう途中、昨晩タイワンカブトを確認した外灯に差し掛かったので、改めて確認してみる事にした。
流石に何も居ないかと思われたが、何と外灯の根元にタイワンカブトが潜んでいた。おそらく昨晩の内に飛来した個体が朝を迎えて、土中に隠れていたのだろう。引っ張り出してみたが、明るさを嫌ってすぐに隠れようとしている。
改めて確認してみる。本土のカブトムシと全く形が異なるので、一般的にあまり人気の無いタイワンカブトであっても天然下で確認できる個体は新鮮味がある。遠征最終日は自分の場合、殆どが“トラップ回収=ボ〜ズ”で終わる事が多いので、タイワンカブトが確認できただけでも充分楽しい。
他の外灯も回ってみたが、結局クワガタは確認出来ず、居たのは昨晩大量に確認できたカメムシばかりであった。
所々カラスが集まっているので確認してみると、どうやら夜に集まった昆虫をカラスが食べている様であった。もしかするとクワガタも餌食になっているのかも知れない。
フルーツトラップを回収しながらオキノエラブノコ探索を行う。近くではクマゼミが鳴いており、いかにも夏を感じさせてくれる。最終日にしてより雰囲気のありそうな樹を見つけたが、ルッキングではクワガタの姿を確認する事が出来なかった。
その後も可能性のありそうな場所を探索していくが、なかなかクワガタを確認するに至らない。相変わらずの“へっぽこ”ぶりであるが、これが等身大の自分なので、今までも、そしてこれからも自分の出来る範囲でマイペースな活動を続けていくしかないと思っている。
・・・残された時間も限られてきたので、トラップ回収を行う事にした。
再びフルーツトラップ設置場所まで戻ってきた。仕掛けたトラップの最後の確認と回収作業に移る。トラップを仕掛けておいて「ダメだろう...。」と思うのは情けない限りであるが、可能性はゼロではないと思うからこそ仕掛けるのであって、変な言い方になるが“最終日は効き始める頃”なので一番可能性があったりする。
一応、クワガタマガジンの動画用に「採れませんでした...。」的な動画を撮るのを兼ねながらトラップを回収しようと思ったら、トラップの下に何やらゴソゴソと動く物体が居るので慌ててしまった。・・・この時、右手にハンディカメラ、左手に回収したトラップ状態で、その上でホームページ用の画像も得たいと思いデジカメも取り出したい。・・・しかし、個体は待ってくれずに逃げ出そうとしている。(慌てぶりはクワマガ動画を見て下さい)
何とかそれなりに、ハンディカメラでの動画&採集記用デジカメ画像&トラップ回収&個体確認を行う事ができた。かなりハードな立ち回りになったが、厳しかったフルーツトラップに来てくれたのはオキノエラブヒラタ♀だった。正直な所、今回のフルーツトラップでは厳しいと感じていただけに最終日のトラップ回収時に確認できた事は本当に嬉しい。
当然すぐにリリースするのだが、その前に何となく気になっていた♀の大顎の裏側を見てみた。オキノエラブヒラタ♂には沖永良部の亜種らしい微毛があるので、♀にもあるのか?と思ったが、良く判らなかった...。
その後もトラップ回収を続ける。まさかという言い方もおかしいかも知れないが、1頭のオキノエラブヒラタ♀がフルーツトラップに来てくれたので、テンションも上がる。自分にとってフルーツトラップ回収は単なる回収作業ではなく、大事な最後のクワガタ確認なので非常に大きな意味合いを持っている。
ラストのトラップを回収する。このトラップには何も来てなかった。冷静に考えればバナナやパインのフルーツトラップの個人的な出来の悪さと基本的に2泊3日という滞在期間の短さなどもあって、集まり難い事も充分に理解している。・・・それでも出来る事を出来る範囲でやるしかないと思っているし、この状況下でも活動が行える喜びは感じていたい。
今回も自分の仕掛けたトラップと、他の採集者が仕掛け未回収となった目に余るトラップ残骸を回収した。毎度の事ながら仕掛けたトラップは必ず回収するのが、仕掛けた人の責任だと思っている。
・・・ここでタイムアップとなり、帰京する為に山を降りることになった。
沖永良部空港にて帰りの飛行機を待ちながら、今回の遠征を振り返る。 正直な所、簡単ではなかった沖永良部島遠征だったと感じる。特に今年は今回の遠征に限らず、その探索内容は他の採集者の方々から見ると情けないと思われてしまうだろう...。しかしこれが“へっぽこ”として事前に必要以上の情報収集を行わず、“自分の力でどこまで出来るのか?”と数年前に近所でコクワ探索を行っていた頃からの現在なので、どの様な探索内容であっても「これが現実」として常に受け止めている。次回の沖永良部島遠征はあるか未定であるが、縁があればまた足を運ぶ事だろう。
いつもながら“ギネス・珍品・タコ採れ”には縁の無い“へっぽこ採集者”であると自覚している。 だからこそ1頭の喜びを忘れずに今後も楽しんで行きたいと思う。 成績:オキノエラブヒラタ♀×1 タイワンカブト×1 (3日間の採集個体は、全て最終日にリリース) |