2007.07.15(日) 兵庫県・東部 11:00AM 晴れ 23℃ (蒸し暑い) ・・・目覚ましが鳴り、目が覚める。とりあえずテレビを点けると、やはり台風情報が流れている。一応、期待はしないながらも窓の外を見ると、雨は止み何と薄日が射している。どうやら台風4号は通過した様である。これは嬉しい。てっきり昨晩の状況や天気予報を見た限りでは“望みは薄い”と思っていたので、本当に嬉しい。
・・・と、なれば早速身支度を行い、昨晩に探索できなかった場所へ向かう事にした。
とりあえずコンビニで朝食を買い、食べながら目的地へ向かう。台風4号の状況から、今日の探索は無理だと思っていた事が“行ける事になった”事と、普段簡単に行けない場所での探索ができる喜びでテンションが上がる。大阪市内を走り、目的地を目指す。
・・・ここである事に気付いた。他の走っている“車のナンバー”が、「堺」と表記されている。確か年に数回大阪に足を運ぶのだが、今まで見た記憶が無い。知っている限りでは「大阪」・「和泉」・「なにわ」の3つであったはずだが、“ご当地ナンバー”だろうか?・・・そう考えると東海地区を走っていた際も「豊田」・「一宮」など今まで見た記憶が無いナンバーを見掛けた...。
数年前から何度か足を運んでいる場所であるが、昨年は念願の“関西ミヤマ”が確認できたので、今回もミヤマが観れればと思う。考えてみれば2007年の樹液シーズンに入って、まだミヤマを観てないのである。「ミヤマの呪縛」とサイト名を謳いながら、7月の中盤に入って未確認とは情けない。
とりあえず、昨晩に唯一のスジ♂を確認した洞を確認してみる。すると多くのカナブンが集まっている。この光景を観ると“夏本番”と行った印象が強い。洞の中も覗いてみたが、残念ながらクワガタの姿は無かった。
昨晩、台風の中でもスズメバチが樹液に集まっていた箇所を観ると、やはりスズメバチが樹液にいた。この個体が昨晩のものと同一か判らないが、他にも樹液箇所があるにも拘らずこの場所ばかりに集まっているのは、スズメバチが好む“発酵度合い”があるのだろうか?
いくつかクヌギの樹液を確認していくと、小さな洞から樹液が出ていて、そこにヨツボシケシキスイと共に“樹液に濡れた”小さなクワガタの姿が確認できた。関西という場所柄や先日の対馬でも観た状況から、ネブトではないかと感じた。すぐに掻き出し棒を使用し格闘戦に入る。・・・しかし洞自体は浅い洞だったので、難儀する事無くすぐに個体は採り出す事が出来た。
やはり想像通りネブト♂であった。関西地区では普通種であろうネブトであるが、東京の東部に住む自分にとっては、ネブトというクワガタに“レア”な印象を受けてしまう。元々“へっぽこ”としては、ネブトの採集数自体も少ないので、この自己確認は非常に嬉しい。
ネブト確認でテンションが上がってきた。気分良くその近くの探索を続ける。・・・すると“大きな甲虫“の気配を感じた。当然そのシルエットを忘れるはずはない。ミヤマ♂であった。昨年同様に殆ど勝手の分からない関西で“大好きな”ミヤマを観る事が出来て、もの凄く嬉しい!さらに2007年の樹液シーズンに入って、まだ“初ミヤマ”を観ていなかったので、ホッとする思いであった。・・・少し冷静になって考えてみる。・・・昨晩は台風が接近していたのであまり詳しく探索できなかったが、この佇まい(雫が多く付いている)から観ると、昨晩もこの場所に居たのかも知れない。
樹液にはカブトムシ♂も来ている。子供の頃はカブトムシが樹液に付いていると嬉しかったが、今はクワガタが中心になっているせいか殆ど気に留めなくなってしまった。かと言って、クワガタが全く確認できない時の“唯一の存在”であった時は、それなりの存在感でもある。
・・・まだ時間もあるので、地図を見ながら場所を移動する事にした。
基本的に情報がない中で行動していくので、行き当たりばったりな感じになるが、運良く「台場クヌギ」を見付ける事が出来た。ただ自分にとって、この台場クヌギではあまりクワガタに縁が無いので「もしかしたら...。」に期待してみたいと近付く。・・・すると、なにやら大きなクワガタの存在が目に入った。
近付いてみるとミヤマ♂が台場クヌギの樹液を吸っていた。遠目で観た感じでは、一瞬「まさか大型ドルクスか?」とドキッとしたが、やはり“それ”は無かった。・・・それでもこうやってミヤマが樹液を吸っているシーンを観る事が出来たので、非常に満足している。
この樹には洞がいくつかあるのでチェックしていくとスジ♂が確認できた。他のスジに比べて随分と赤い印象だったが、大歯型のスジ♂という事もあってインパクトを感じる。
多少の薮漕ぎは必要であったが、この周辺には台場クヌギが点在している様で、非常に雰囲気のあるクヌギも多く確認できる。・・・後は、そこに”何が居るか?”が問題になってくるが、今までの経験上、過度の期待はしない様に懐中電灯を片手に洞の中を照らしていく。
洞の中には、なかなか期待するクワガタの姿は確認できない中、樹液箇所には別のミヤマ♂が樹液を吸っていた。個体としては小さいが、個人的にミヤマ探索は、外灯採集や“細めの樹を蹴る”蹴り採集の割合いが多いので、太い台場クヌギの樹液に付くその姿は新鮮に感じる。
その他の台場クヌギも確認していくが、樹液の出ている箇所には大量のカナブンが集まっている。時折その中にスジ♀なども確認できるが、昼間という事もあって、それ以上の確認は出来なかった。機会があれば今度は夜間にこの場所を探索してみたい。状況が整っているだけに“もしかしたら...。”が期待できるかも知れない。
・・・暫く探索を続けたが、車で東京まで帰らないといけないので、採集を切り上げる。交通情報を確認すると、台風の影響で静岡の一部で“通行止め”が表示されている。東名高速で帰れないのであれば、中央道経由で帰るしかない。通常でも8時間ほど(休息含め)掛かっている所を、更に時間を掛けて帰らないとならない。・・・それでも今回の採集は、関西という場所で夢のオオクワ確認までは至らなかったが、同所でのミヤマやネブトの確認という“関東とも離島とも違う”非常に楽しめる採集となったので、有意義な探索となった。
・・・次回は来年になってしまうかも知れないが、また機会を見て足を運んでみたい。 成績:ミヤマ♂×3 ネブト♂×1 スジ♂×3 ♀×2 コクワ♀×1 カブトムシ♂×1 (確認後、全てリリース) |