2013年10月1日、希少野生動植物の指定により、アマミマルバネクワガタとアマミシカクワガタとアマミミヤマクワガタは採集禁止となりました。詳細は、奄美市サイトにてご確認下さい。下記、採集記は規制以前のものです。 |
2006.09.10(日)へっぽこ遠征in奄美群島(3日目) 鹿児島県・奄美大島 11:00AM 晴れ 33℃ (暑い) 奄美大島、3日目の朝。 遠征は今日で最終日となる。カーテンを開けてみると気持ち良いくらい、窓の外は晴れている。・・・ただ体の調子はあまり良くない。風邪もあまり良くなっているとは思えない。しかも昨日の“ジャングル藪漕ぎ”の筋肉痛も発生している。それでも昨晩は“へっぽこ”らしくない、それだけ価値のある内容であった。朝食は食欲が無いのでパスし、身支度を済ませ最後の探索に出かける。
その前に、せっかく奄美大島に来たのだからと思い“マングローブの森”に来てみた。昨年、一昨年とカヌーを楽しんだが、やはり体調が思わしくないので今回は見送る事にした。・・・それにしても天気が良い!
宿の朝食を食べられなかったが、風邪薬を飲むためにも何かしら食べようとコンンビニに立ち寄る。奄美大島は「every one」が非常に使い勝手が良いのだが、その他にも「Iショップ」というコンビニも島内の所々に存在する。規模はそれなりだが、必要なものは揃っている。改めて奄美大島は便利な島だと感じる。
車内でおにぎりを食べながらレンタカーを走らせる。山に入り、暫く走り標高を上げて行くと、何やら“黒い物体”が歩いているのが目に入った。車を降りて確認してみると...。
アマミヒラタ♂であった。何故こんな明るい時間帯に活動しているのだろう?しかも直射日光のあたる様な場所で、機敏に動いている。・・・どこか樹液場所があり、そこから移動してねぐらを探しているのであろうか?どちらにしてもせっかくの“ヒント”なので、暫くこの周辺を探索してみる事にした。
すると、地面にアマミミヤマの頭パーツが落ちていた。ある意味これだけでも、この周辺にアマミミヤマは生息しているという“キーワード”になる。・・・結局、アマミヒラタ以外の個体は確認できなかったが、次回があればこの場所も重点的に探索してみたい。
とりあえず自分の仕掛けたフルーツトラップを回収する事にした。・・・するとトラップに何やら“黒い物体”が付いている。これはこれで回収時の楽しみの一つである!早速“黒い物体”の正体を確認してみる。
スジブトヒラタ♀であった。おそらく昨晩からトラップに付いていた個体であろう。遠征最終日は基本的にボ〜ズが多かっただけに、この様な個体が居てくれるだけでも嬉しい。
3日間の遠征で採集した個体をリリースして行く。某氏の研究用としてアマミヒラタのペア以外の「アマミミヤマ・スジブトヒラタ・アマミネブト」は、リリースする。相変わらず個人的には、採集以外の“標本・飼育・売買”に興味が湧かない。採集するまでの過程が最高に楽しいので、採集した時点で気持ちが終了になってしまう。“もったい無い&なんで?”と言われる事もあるが、探索プロセス以外に、興味が湧かないものは仕方が無い。
その後もトラップ回収作業を続けていく。トラップ回収は採集者として“当然の義務”であるが、先程のスジブトヒラタ♀の様に回収したトラップに付いている個体も望めるので、大事な採集作業の一環と言えるだろう。・・・それにしても未回収のトラップが多いので、採集者の方々は絶対に自分の仕掛けたトラップ回収はして頂きたい。後々、地元の方からクレームが出てしまい、何らかの禁止事項が出されてしまったら、それまでなのである。長く採集を楽しむ為にもお願いしたい。
昨日、樹液の出ていた樹にも立ち寄ってみる。しかし今日は何も来ていない様である。来シーズンは奄美大島に来れるか分からないが、次回来るチャンスがあれば、また樹液の出ている樹を探してみたい。やはり“自然の姿でクワガタを観れる”という事は素晴らしい事である。
それなりに時間は経ち、山を下りる事にした。今回はまともに海に近付いていなかったので、少しだけ海に立ち寄ってみた。すると今まで晴れていたはずの空が灰色になり始め、時折ゴロゴロと音が聞こえて来た。音のする方を見てみると、海上から雷雲が出来ている場所があった。普段なかなかこの様な現象を観ることは出来ないので興味深く見入ってしまった。
飛行機の時間までもう少しあるので、奄美大島遠征を締めくくる意味でも「鶏飯」を食べる事にした。いつ食べても美味い!本土ではあまり見かけない料理であるが、本土でも充分に“ウケる”料理である。自分が今まで食べてきた郷土料理の中でも“特にオススメ”である。
予定通りに空港入りする。天候も雷雲はどこかへ行ってしまった様なので、飛行機も問題なく飛ぶ様である。いつもながらこの瞬間は“飛行機が順調に飛ぶ喜び”と“離島を後にする寂しさ”が交錯する。飛行機が飛ばなければ明日以降の仕事があるので困るが、離島を離れ現実に戻る事に対しての憂鬱感もある。・・・日頃のストレス社会があるから離島は夢の島になる訳であるし、離島へまた行く為にも仕事を頑張れる事も事実である。ある意味“独身で自由が利く”という事は、幸せな事なのかも知れない。
奄美空港を発って約2時間。東京の“煌びやかな摩天楼”が見え始めた。 “夢と現実”・・・ありがちな言葉かも知れないが、自分は今その狭間に居る気がする。 空港に着いて携帯電話の電源を入れれば、仕事の留守電も入っているであろう。 車で自宅に帰宅する際も、島時間な車も居ないだろう。 家の前の電柱を見ても、アマミミヤマは付いていないだろう。
・・・また明日から仕事だ。 成績:スジブトヒラタ♀×1 アマミヒラタ♂×1 (アマミヒラタ♂以外、リリース) |