2007年年4月1日より、神津島動植物の保護に関する条例第4条第1項、第5条第2項及び同条例施行規則第4条第2項に基づき、ミクラミヤマクワガタは採集禁止となりました。下記、採集記は規制以前のものです。 |
2006.04.24(月)へっぽこ遠征in伊豆諸島(3日目) 東京都・神津島 6:00AM 曇りのち晴れ 20℃ (暖かい) 同行者:ミヤマ☆仮面さん 朝5時にセットした目覚ましが鳴る。眠気を我慢しながら採集の身支度を進める。5時30分に部屋を出ると、ミヤマ☆仮面さんはすでに準備万端整っていた。流石に昨日が消化不良気味の採集だったので、神津島遠征最終日となる今日は一番気合が入っている様であった。当然自分もその気である。・・・しかし眠い。 外は明るくなっているが、天気予報どおりと言う訳には行かず、雨は降っていないものの雲は残っていて不安になる。それでも林道へ向かう。
林道到着後、早速探索を開始する。今日は最終日ということもあって午前中しか時間が無い。少しの時間も無駄にしたくないので、今日の為に温存していた力を全て解放していく。ミヤマ☆仮面さんもいつに無く早足になっている。
2時間ほど探索したが、成果は出なかった。「ホテル神津館」での朝食の時間が迫ってきたので、一度宿に戻り“仕切り直し”をする事にした。
朝食を平らげた後、再び山に入る。そしてルッキングを続けていく。・・・林道でふと近くの樹を見上げると「オオバヤシャブシ」だった。神津島では村の中も含めて多く見掛ける樹である。夏場はこれにイズミヤマも集まる様である。この時期は何も居るはず無いが、何となくルッキングしてしまった...。
林道を歩いていると、ミヤマ☆仮面さんは「山は気持ち良いですね!」と言う。空気も澄んでいて気温もほど良い所なので、深呼吸すると本当に清々しい。空を見上げると曇りだった空に太陽が覗きはじめた。
そして今まで灰色だった海の色も蒼色に変わってきた。・・・状況としてはどんどん良くなっている!
太陽が出てきた事で路面も乾いてきた。条件としてはかなり良いはずなので、あとはミクラミヤマが発生するかどうかになる。更に気温は上がり、気が付くと路上には多くの羽虫が出始めた。普段大量の羽虫を見ても良い気分はしないが、状況から見ると“虫にとっては好条件!”と言えるので、ポジティブに探索を続けていく。
すると今までずっと石の陰に隠れていた、カナヘビやオカダトカゲも路面に姿を現し始めた。今回の神津島遠征で“一番”の状況と言えるだろう。・・・あとはミクラミヤマさえ出てくれば文句なしである!
どんどん気温も上がり、少し動いただけでも汗ばむほどになってきた。風は強いものの“今出て来なければいつ出てくるんだ?”という状況である。・・・残り時間の関係で時計を気にし始める。
飛行場集合は12時となっている。その為には山を11時30分には下りないと、諸々の手続きが間に合わない。焦ると共に諦めムードも出始めた。 採集条件から見ても、これ以上の好条件は無い。・・・しかし、時計を見ると11時20分。残り時間も10分と無い。 何故かこのタイミングで、話題は“プロレスの神様”と呼ばれる、カールゴッチ氏の話になった。私は何故その話題をミヤマ☆仮面さんに振ったか分からないが、“神津島は神々の住む島”という所から、何か神に頼りたいという気持ちがあったのかも知れない。
“全ての神津島日程”終了まであと僅か。リングアナの「残り時間、5分!」という言葉がリアルに聞こえてきそうな状況下、雰囲気としてはプロレスファンからみれば、どうみてみても“時間切れ”という空気が流れた。 ・・・と、思ったその瞬間、道端に黒い物体がうごめいている! そこにひっくり返ったミクラミヤマ♂の姿があった!! 私は思わず「やった〜!」とガッツポーズ!ミヤマ☆仮面さんも慌ててその状況を確認する。この瞬間“ベルト奪取 ”したかの様な大騒ぎとなった!!ミヤマ☆仮面さんと歓喜の中、握手をする。時刻は11時27分。まさに奇跡的な確認となった。
ミヤマ☆仮面さんと共に興奮しながら撮影する。見つけたままの“ひっくり返った状態”を撮影後に、起き上がらせて上から撮影する。・・・それにしても、自分は今までこんな劇的なラストを迎えた事が無い!神津島は本当に神の住む島だと信じたくなった。
ミクラミヤマ♂を拾い上げ、記念撮影を行う。気が付くとミヤマ☆仮面さんは、“戦闘モード”に変身していた。
ミクラミヤマ確認で大喜びの中、飛行機の時間は刻々と迫っていた。我に返り時計を見ると11時40分。・・・すぐにレンタバイク屋に戻り返却後、神津ストアで昼食用の弁当を買い込み神津島空港に向かう。それでも神津島自体はそれほど大きくない島なので、12時前には充分間に合った。
調布空港行きの飛行機「ドルニエ機」も問題なく離陸。ふと窓の外に見える神津島を眺める。海も碧く本当に美しい島だと感じる。この美しい島がいつまでも美しいままでいて欲しいと強く感じた。今回は4月の後半に差し掛かった時期だったので、ミクラミヤマが発生しているか微妙ではあったがラスト残り数分で、何とかミクラミヤマ♂×1頭を確認できた事が本当に嬉しかった。
成績:ミクラミヤマ♂×1 (ミヤマ☆仮面さんが研究用として持ち帰り。)
そして、今年の初めからミヤマ☆仮面さんより“ミヤマの封印”として開封を禁じられていた封筒があったのだが、今回の神津島遠征の劇的なラストを認められ、封筒の解禁宣言を頂く事が出来た。 ・・・自宅に戻り、恐るおそる“封印”を解く。 何と“ミヤマ☆仮面マスク”であった。しかも額には「へ」の文字が入っている!これは“へっぽこ”を意味するものであろう!
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