ご注意!

2013年10月1日、希少野生動植物の指定により、アマミマルバネクワガタアマミシカクワガタアマミミヤマクワガタ採集禁止となりました。詳細は、奄美市サイトにてご確認下さい。下記、採集記は規制以前のものです。


2005.08.20(土)へっぽこ遠征in奄美群島(2日目)
鹿児島県・奄美大島 2:00PM 晴れのち雨 31℃ (蒸し暑い)

昨日の疲れのせいか、朝の寝起きはあまり良くなかった。宿で朝食を頼んでいたのだが、食べる気になれなかった。それでも昨日のアマミミヤマ初確認という余韻が、疲れを忘れさせてくれる。窓のカーテンを開けると南国らしい晴天が広がっていた。

天候は良い様だ!
天候は良い様だ!




直ぐに昨日残していたフルーツトラップを設置しに行っても良かったが、せっかく天候も良いので「マングローブの森」へ行き、カヌーを楽しむ事にした。1年ぶりのマングローブの森だが昨年同様に素晴らしい大自然が広がっている。

マングローブの森
マングローブの森



カヌーに乗る為の手続きを行い、時間が来るまで施設内の展示物を観ていく。すると「リュウキュウアカショウビン」の剥製が展示されていた。カワセミの1種だが、本土で見掛けるカワセミよりかなり大きい。鳴き声も特徴的で実際、山の中でもよく“鳴き声だけ”は耳にした。

リュウキュウアカショウビン
リュウキュウアカショウビン



時間が来たのでカヌーに乗り込む。約1時間ほどの水上散歩となるが、今回は他の観光客が多かったので混雑していた事と干潮時だったので、マングローブの森の中へ入れなかった事が残念であった。それでも水面で漂う気持ちの良さは「癒し効果」抜群である!

カヌーを楽しむ
カヌーを楽しむ



カヌーを楽しんだ後、ブランチを済ませトラップ設置に行こうと思った途端、・・・土砂降りになってしまった。つい先程まで晴天であったが、急に天候が変わってしまった。昨年も感じたが、これは南国特有のスコールなのだろうか...?どちらにしても困る事には変わりない。

・・・土砂降りになった
・・・土砂降りになった



なかなか雨が降り止まない...。寝不足気味という感もあったので某山の駐車場で仮眠をとる事にした。


・・・暫くすると強い日差しが照り付けてきたので、その暑さで目が覚めた。辺りを見回すと、すっかり雨は上がり太陽も出ている。この奄美大島も空気が澄んでいるせいか、遠くの景色が良く見える。そして改めて奄美の山の深さを実感する。

奄美の山も深い
奄美の山も深い




その後、数箇所にフルーツトラップを設置していく作業を終える頃には日も暮れ始めた。そこで昨晩にアマミミヤマを確認した場所に行ってみた。まだ日が暮れきっていないので少々早い気もしていたが、観てみなければ分からない事もあると勝手に判断し、群青色の空を背景に電柱を確認していく。しかし時間が早いせいもあってか、アマミミヤマの姿は確認できなかった。

アマミミヤマは居るのか?
アマミミヤマは居るのか?



結局アマミミヤマのポイントは時間を置いて改めて行く事にして、仕掛けたトラップ確認にまわる事にした。まず1箇所目を確認すると、アマミコカブトがトラップ周辺を徘徊していた。トラップに来ていたのかは不明だが、画像を得ようとフラッシュを焚くと地面に落下してしまった。意外に光に敏感の様である。

アマミコカブト
アマミコカブト



次に仕掛けたトラップを確認してみる。懐中電灯を当てると、光を嫌いトラップの隙間に隠れ様としている個体が居たので確認してみる。するとその個体は小さなスジブトヒラタ♂だった。とりあえずは小さいスジブトヒラタであっても、自前トラップに来てくれた事が嬉しい。

トラップの影に隠れるスジブトヒラタ♂
トラップの影に隠れるスジブトヒラタ♂



更に次にトラップを確認していくと、トラップから落下した影が見えたので下草を掻き分け確認していくと、またもや小さなスジブトヒラタ♂が確認できた。この様に“へっぽこトラップ”でも簡単に集まる小さなスジブトヒラタというのは相当な個体数が居るのだろう。それでも昨年は3泊4日で1頭しか確認できなかった...。

奄美大島・スジブトヒラタ♂
奄美大島・スジブトヒラタ♂


まだ見ぬ採集ポイントは山の様にあるのだろうが、設置したトラップを出来る限り引っ張りたかった(時間稼ぎをしたかった)事と、腹が減ってきたので一度、山を降りて食事をとる事にした。夜になって、一度山に入った者が食事の為に山を降りるとは「中途半端にもほどがある!」と思われるかもしれないが、自分が行く様な採集場所は多くの採集者も入っており、狭い範囲での採集地ではどうしてもバッティングしてしまい、他の採集者に「敵が来た!」と思われる様なギスギスした眼で見られるのに正直抵抗感がある。そこで自分は採集ピークと言われる時期を外して遠征したり、本土でもそうなのだが他の採集者がいる場合は一度その場所を離脱して、暫く時間を置いてから改めて来る様にしている。


採集個体を持ち帰る事に重点を置いていないので、時期をずらしたり時間帯を変える事でクワガタの個体数は少なかったり居ない事もあるが、その方が落ち着いて確認できるので、自分の場合はその様な形で活動している。




今回の奄美遠征では食事はコンビニばかりで、地元の料理を食べていなかった。そこで奄美名物の「鶏飯」食べる事にした。昨年もこの鶏飯(店は別)を食べたのだが、地鶏のささみと椎茸などの薬味をご飯の上に乗せ、その上から特性の地鶏スープをかけて食べる“奄美のお茶漬け”をいう感じである。店によって地鶏スープの味付けも違い、各店の鶏飯を食べ比べしてみるのも面白いかもしれない。基本的にハズレはないと思う。

奄美名物・鶏飯
奄美名物・鶏飯


久々に鶏飯を堪能し、インターバルをおいたのでフルーツトラップを確認しに行く。途中、道路に大きな蛇が現れた。1.5メートルはあるアカマタだった。一応、アカマタは無毒の蛇なのでハブの様な毒の心配は無い。本土ではよくアオダイショウやシマヘビを見掛けるが、奄美大島の蛇はレベルが違い過ぎるほど迫力がある。ちなみにこの後、同様に道路に現れた1メートル程のハブも確認した。恐ろしいので近づく事も画像を得る事もできなかった...。

1.5メートルのアカマタ
1.5メートルのアカマタ



フルーツトラップ設置場所に到着した。期待しながら確認してみる...。するとスジブトヒラタ♀が来ていた。しかも“良いアングル”で付いているので得たい画像が撮れた。大きさとしてはかなり小さな個体であったが、それでも“へっぽこトラップ”に来てくれるだけ有り難い。実はこの場所は先程1頭目のスジブト♂が付いていたトラップである。すぐ近くにも数箇所、同様にトラップを設置してあるのだが、そこには全くクワガタの姿は無かった。対馬の時も感じたが、トラップの状態は同じでも数メートル違うだけで“濃い場所”とそうでない場所の差がかなり出る様に窺える。見た目には変わりが無い様に見える場所でもクワガタにとっては大分差がある様である。奥が深い...。

トラップに来たスジブトヒラタ♀
トラップに来たスジブトヒラタ♀



それ以降も設置したトラップを確認していくが、クワガタの姿は無い...。その様な中で、設置してから余り時間が経っていないトラップも確認してみると、小さなスジブトヒラタ♂が来ていた。先程の話に戻るが、同じ様な場所でも“来るトラップ・来ないトラップ”という部分で、このトラップは“来るトラップ”なのかも知れない。正直な所、設置場所としても余り期待できないと感じていたのだが、食事をして戻ってくるまでの数時間の間に来ていた。おそらく生活している洞が近かった等の理由もあると思うが、今後も自分なりにデータをとりながら前進して行きたいと思う。人に聞くのは簡単だが、ダメなりに成果が出ていく方が楽しいので、今後もそうしていきたいと思っている。

小さなスジブトヒラタ♂
小さなスジブトヒラタ♂



その後の探索を続けていると、・・・暗闇に何か光るものがあった。ホタルレベルの大きさではない。明らかに獣の眼光である。正直こんな所で襲われたらひとたまりも無い!すると先方もこちらに気が付き動き出した。非常に焦ったが、懐中電灯を当て良く観るとヤギの親子であった。野生のものか家畜なのか分からないが、非常に紛らわしいので勘弁して欲しい...。

闇に光る“眼”
闇に光る“眼”




奄美大島遠征2日目となったが、“恐怖のダークゾーン”も特に無く過ごす事が出来た。しかし、確認内容としてはスジブトヒラタのみという結果になってしまった。アマミミヤマの追加確認も出来ればと思っていたので、何度か昨晩のポイントに足を運んだが全く確認できなかった。専門的な事は分からないが、昨晩は晴れていたという部分で、落として不明になった個体や採集できた個体などアマミミヤマが確認できたが、今晩は昼から夜にかけて雨が降ったり止んだりの繰り返しの天候だったせいか、電柱も濡れていた事からフェロモンを流してしまう雨は、アマミミヤマの活動の妨げになった様な気がする。


理由がどうであれ、アマミミヤマが確認できなかった事は残念であった...。



成績スジブトヒラタ♂×3 ♀×1 アマミコカブト×1
(確認後、最終日に全てリリース)

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