2005.08.08(月)
神奈川県・東部 2:00PM 晴れ 31℃ 曇り (蒸し暑い)

最近気になる事がある。東京都市部でクマゼミの鳴き声を耳にする事がある。自宅は東京都葛飾区なのだが、朝早くからミンミンゼミと共に1頭のクマゼミが鳴いている。間違いなくクマゼミが鳴いている。また、仕事で品川周辺へ行く事があるのだが、ここでもクマゼミの鳴き声が聞こえてくる。この周辺は数年前から鳴き声を確認している。クマゼミといえば西日本というイメージだが、関東でも神奈川県の西部などで確認はした事あるが、東京の都市部には居ないはずと思っていた。“クマゼミ北上”には温暖化や他の理由などあるのだろうか?




神奈川県の樹液ポイントに足を運んでみた。市街地という雰囲気の中、ほんの限られた場所ながらクヌギ林があり、樹液には甲虫が集まっている。樹液を確認すると、シロテンハナムグリやヨツボシケシキスイが集まっている。

シロテンハナムグリ
シロテンハナムグリ



元々この周辺ではコクワを確認した事があったので、注意深く探してみるとクヌギの根の辺りにコクワ♀確認できた。コクワ♀はこちらに気付いた様子で慌てて隠れ様としていた。この樹ではもう1頭のコクワ♀が確認できた。

逃げるコクワ♀
逃げるコクワ♀



・・・???

デジカメで画像を得ていると、何だか人の気配がした。振り返ってみると小学生低学年くらいの子供が立っていた。

雰囲気から見てクワガタを採りに来てると感じたので、「クワガタ採りに来たの?」と声を掛けてみた。その子供は「うん」を肯いたので、「ここにコクワ♀が2匹居るけど欲しい?」と聞いてみると「うん」と肯いた。

2頭のコクワ♀を手渡すと「オジサン有難う。」と言う。「・・・32歳、独身のお兄さんだ!」と言おうと思ったが、そう思う事自体オジサンだと感じ、現実をかみ締めた...。コクワを眺めながら満足そうな子供は「お礼にオジサンに僕の秘密の場所教えてあげる!」と言う。よくよく話を聞いてみると、近くに別の採集地があると言う。市街地という場所柄「本当にクワガタが採集できる様な場所があるのだろうか?」と感じながらも案内してくれると言うので、ついて行く事にした。逆の立場だとヤバイかもしれないが...。


その子供の後を付いていくと、今まで全く気がつかなかった雑木林が現れた。クヌギやコナラが立ち並ぶ雰囲気の良い林だった。子供は「夕方になるとノコギリもいるよ!」と言いながら樹液ポイントを教えてくれた。カナブンなども集まっており、充分クワガタも期待できそうな場所だった。ヒラタが生息している可能性もあるだろう。

カナブンとシロテンハナムグリ
カナブンとシロテンハナムグリ



その後、子供は「それでは僕はこれで帰ります。」と言って帰って行った。私も「有難う。気をつけてね。」と見送った。結局この場所でクワガタは確認できなかったが、純粋なクワガタ少年との採集は楽しかった。市街地の限られた樹液ポイントにも、クワガタを採集する子供が居るという事が何だか嬉しかった。

まだまだ知らない場所は多い
まだまだ知らない場所は多い




市街地であってもクワガタの採れる場所は少ないながらも存在している。この貴重な場所はいつまでも残り続けて欲しい。


成績:コクワ♀×2
(確認後、その場に居た子供にあげた)

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