ご注意!

2015年5月1日、石垣市条例で、チャイロマルバネクワガタヤエヤママルバネクワガタヤエヤマノコギリクワガタ採集禁止となりました。   下記、採集記は規制以前のものです。


2004.11.12(金)へっぽこ遠征in八重山列島(1日目)
沖縄県・石垣島 2:00PM 曇り時々雨 27℃

・・・先月の沖縄本島の遠征で2004年のクワガタ探索は終了したはずであった。自宅で何となくクワガタの本を見ていると、ヤエヤママルバネクワガタは11月下旬まで石垣島で確認出来ると記してある。「この時期にまだ成虫を確認出来る場所があるのか...。」と思った次の瞬間、ネットで石垣島行きのチケットを予約している自分がいた。流石に今年は、長崎市内・奄美大島・沖縄本島と現実的でない長距離遠征を行っている。遠方という事で当然、飛行機での遠征になる。南国のはずなのに懐は寒い。・・・そして今回の石垣島。それでも、12月にはボーナスが出るだろうと勝手に決めつけ、しかも次の言葉で納得している自分も居たりする。「だって、行きたいんだもん!」・・・最近気になる事がある。「自分は病気なのだろうか?」と...。

所で「石垣島ってどこにあるんだ?」と思い、島の場所を確認する。もはや日本ではなかった...。

ニュースでは、国籍不明の潜水艦が石垣島周辺を領海侵犯しているという不穏な空気の中、石垣島へ向かった...。

もはや日本ではない・・・
もはや日本ではない...



羽田空港に着き搭乗案内を待つ。32歳になるまで数えるほどしか飛行機など乗った事の無かったが、今年だけで何度“天空の人”になったのだろう...。「飛行機=怖い」という感覚があったが、漆黒の闇に包まれた、真夜中の林道に比べれば大した事は無い。時間が来たので搭乗ゲートへ向かう。・・・ポケモンJETだった。

ポケモンJETでGETだぜ!
ポケモンJETでGETだぜ!


飛行機に乗り2時間強で、乗り継ぎの那覇空港に到着した。待ち時間に食べた「沖縄そば」は場所のせいか、イマイチだった。ラ王の方が良かったかも知れない。先月国際通りで食べたのは美味しかったが、店により味が左右するのは何にしても同じだろう。所でラ王という事は、「沖縄そば」はラーメン扱いなのだろうか?満足に食べる前に最終の搭乗案内がアナウンスされ、焦って麺をすすり石垣空港行きに乗り込んだ。

昼食・沖縄そば
昼食・沖縄そば

沖縄限定・ラ王
沖縄限定・ラ王




那覇空港から乗り継ぎ、約50分程度で石垣島に着いた。今朝方、東京を出る頃は寒かったが、石垣島の気温は27℃であった。当然暑い!それでも「ヤエマルが俺を呼んでいる!」と思えば快適である!実際、湿度が少ないせいか蒸し暑さは無い。暫くするとレンタカー屋が迎えに来た。

石垣空港
石垣空港



レンタカーを入手した後、とりあえずチェックインする為に宿へ向かった。その途中の風景を見ると、自然が多く残された素晴らしい島だと感じさせられる。沖縄のイメージは、本島よりも石垣島の方がそれに近い。地元の車がエラく遅いのも御愛嬌だ!

500mより高い山は無い
500mより高い山は無い

海は美しい!
海は美しい!



チェックインを済ませた後、とにかく山へ向かう。今回は有り難い事に“離島採集のスペシャリスト”爆走kozouさんと、ホームページのリンクの件でメール交換させて頂く際に、離島採集についてアドバイスを頂戴する事が出来た。こんな“へっぽこ”相手に御丁重な対応をして頂き、本当に恐縮する次第である。

初めての場所は明るい内に下見をする事が重要で、目標にする樹木や危険な場所も明るい内にチェックしておけば、暗くなってもある程度の勝手が利くという事と、やはり「諦めない。」という心構えが大事であるとの事。自分はかなり諦めが早いので今一度、気合を入れ直し探索に入る事にした。因みに爆走kozouさんは、10月に石垣島を訪れており、ヤエヤママルバネ特大個体65_をはじめに50頭も採集されているとの事である。格が違いすぎる...。


林道に入るとすぐにニホントカゲが確認出来た。その他も色々な生物が確認出来るが、今回の目標はあくまでもマルバネ。発生木と言われているスダジイを探す。

ニホントカゲ
ニホントカゲ



林道を進んでいくと、とんでもない状況が目の前に飛び込んできた。林道がメチャメチャになっている。舗装されているはずの道も原形と留めないほど崩れている。ハブに気をつけながら何とか崩れている箇所をクリアしたと思ったら、今度はがけ崩れを起こしている。しかもこんな場所が至る所にある...。実は通行止めになっている場所を無理やり進んでいたのだが、原因は今年の台風直撃の爪あとらしい。沖縄の台風は半端ではないと聞いていたが、それを目の当りにした。無理をするというよりは、時間のロスを考え別の場所に移動する事にした。

どうにもならん!
どうにもならん!

・・・
・・・



別の林道を進んでいると、樹液の出ている樹が確認出来た。ウラジロエノキだろうか?もしそうであればヤエヤマノコギリやサキシマヒラタの可能性もあるかと思い、暫くチェックしたが甲虫は何も確認出来なかった。如何せん時期が遅すぎるのであろう。・・・考えてみれば11月の中旬である。

樹液の出ている木
樹液の出ている樹



更に歩を進めるとスダジイと思われる樹が現れた。雰囲気はある様に思える。テンションが上がって来る。とにかくスダジイらしき樹の根元付近を確認していく。・・・しかし、居ない。まだ明るい時間帯なので当然であろう。

居るのか?
居るのか?



所で「マルバネの幼虫はフレークのなんたらに...。」と、何かの書物で見た覚えがあったので、せっかくだから確認できるものなら観てみたいと思い探してみた。ただ“フレーク”といっても自分は“コーンフレーク”位しか知らないので、どれがその部分なのかイマイチ判らない。とりあえず根元付近を適当に掘り返してみた。すると、あっけなくクワガタの幼虫が出てきた。「これがマルバネの幼虫なのか?」・・・自分は元々クワガタの幼虫を見ても♂♀の区別程度の認識しかなく、コクワ〜オオクワ等の同じ大きさの幼虫を見ても、全て同じに見えてしまうほどの“へっぽこ野郎”なのである。当然、この幼虫が何者なのかは判らない。・・・気の毒なので元に戻す事した。

何の幼虫か?
何の幼虫か?



先程までは快晴であったはずが山の天気は変わりやすいのか、気が付くと雨が降り出していた。しかも雨足は段々と強くなってくる。とりあえず車に戻り雨が上がるまで食事を取る事にした。




食事を取り雨は上がった頃には、辺りはすっかり暗くなった。暗いといって林道はも外灯が全く無いので「漆黒の闇」である。更に南国のジャングルは、得体の知れない“戦慄の鳴き声”が数多く聞こえ、1人では絶対に入山できる状態ではない。そんな中、うごめく物体が居る様なので懐中電灯を照らすと、巨大ヤシガニが現れた。もう大きさが反則である!足の先から先までの幅は50センチは軽く超えているであろう。・・・とても1人では食べきれない???

超獣・ヤシガニ
超獣・ヤシガニ



そしてサソリモドキが石垣島でも確認出来た。場所柄、タイワンサソリモドキという名かも知れないが、相変わらず気持ちの良いものではない。棒で突っつくと足早に逃げ去った...。

超獣・サソリモドキ
超獣・サソリモドキ



その後暫く林道を探索していると遂に現れた「サキシマハブ」。独特の頭を見て直ぐにヤバイと感じた。とりあえず画像だけでもと思い、近づきデジカメで激写するが、なかなかピントが合わず苦労する。気が付くと1メートル以内に近づいていた...。林道付近にはやたらとヒキガエルが居るので、それを狙っているのかも知れない。

サキシマハブだ!!
サキシマハブだ!!



更に歩を進めて行く。夜になって多少気温は下がっているが、既にシャツは汗でビッショリになっている。ある程度この場所は探索したので、そろそろ場所を変えようかと考えていた頃、それは唐突にやって来た。スダジイの樹があったので目をやると、黒い塊が樹の根元から1メートル付近に付いている。すぐにクワガタだと思った。とにかく手に採る前にデジカメで画像を得たい!しかし、こういう時に限ってデジカメが引っかかり取り出せない。・・・焦る!バタバタしているこちらに気付いたのか、樹の裏手へ逃げ出した!!!

ああっ!!
ああっ!!



「待ってくれ〜!」手に採れば済む事であるが、どうしても自然の状態のまま画像に収めたい。逃げ出している個体が、自然の状態かは分からないが...。

写真1枚お願いしま〜す!
写真1枚お願いしま〜す!



慌てながらも数枚の画像を得たはずなので、クワガタを手に採ってみた。ヤエヤママルバネ♀であった。噂通りワインレッドに輝くヤエヤママルバネ個体は、何ともいえない“マルバネクワガタ独特の丸み”として国産のクワガタらしからぬ、ボリューム感のあるシルエットである。近くでサキシマハブが、ガサガサとうごめいているのもお構い無しに、暫く美しいヤエヤママルバネに見入ってしまった。オキナワマルバネで苦労したせいもあってか、この個体の感動はより大きい。

石垣島・ヤエヤママルバネ♀
石垣島・ヤエヤママルバネ♀



せっかく初のヤエマル記念としてノギスをあててみた。45.5_であった。大きいのか小さいのか判らないが、数値以上に自分で確認できたマルバネに重みを感じる。

サイズは、45.5_
サイズは、45.5_




その後も深夜まで探索を続けたが、それ以上の成果は上げられなかった。それにしても初日から結果が出るとは思ってもいなかった。“へっぽこ採集記”らしからぬ内容になった。そうは言っても、今まで離島で初日から内容のある結果などなかったので、素直に嬉しい。明日はチャイロマルバネにもチャレンジしてみたい。



成績ヤエヤママルバネ♀×1

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