2016年3月15日、環境省より、オキナワマルバネクワガタは、採集禁止となりました。詳細は、環境省サイトにてご確認下さい。下記、採集記は規制以前のものです。 |
2004.10.09(土)へっぽこ遠征in沖縄諸島(2日目) 沖縄県・南部〜北部 2:00PM 曇り 26℃ 昨日は猛烈な睡魔に襲われたので、昼まで睡眠を取り体力回復に努めた。すぐに“やんばる”に向かっても良かったのだが、折角なので那覇市内の「旧海軍司令部壕」を訪れてみた。元々沖縄というと本土決戦のイメージがあったので、興味深いモノがあった。しかし当時の写真などを観ると、とても言葉では言い表す事の出来ない、凄まじい事実がそこにあった。この悲劇を繰り返してはならない。
沖縄の都市部でもそれなりに生物が確認出来る。ハナムグリ系の甲虫も良く見掛ける。他にもリュウキュウアサギマダラも普通に確認出来た。
大きめな広葉樹があり洞が多くあったので覗いてみると、ヤモリとサツマゴキブリが確認出来た。他の洞も確認してみるとヤモリが数多く確認出来る。周辺での個体数はかなり多い様である。
“やんばる”に向かう前に腹ごしらえという事で「ソーキそば」食べる事にした。前日の「沖縄そば」と何が違うかと思えば、骨付き豚肉が「ソーキそば」との事らしい。ここのはイマイチだった。
外は明るい時間帯だったせいか、沖縄をイメージするものも多く確認出来た。デイゴの樹やハイビスカスなどは、まさに「それ」にあたるだろう。また沖縄は赤土が多いと聞いていたが本当に赤土が多く、夕暮れになると土が露出している場所はオレンジ色に見える。
沖縄の蒼い海。8月の奄美大島に比べると蒼さ加減は劣るが、驚いたのは砂浜で砂を見てみると何と「星の砂」ではないか!関東でも偶にお土産などで見掛けるが、沖縄のビーチでは普通に星の砂状態であった。しかし甲子園の砂の様に持ち帰る気にはならなかった。
今日こそは何とかオキナワマルバネに会ってみたい...。とにかく夜に備えての下見も含め“やんばる”に向かう事にした。
車を走らせていると、また不明セミの鳴き声が聞こえてきた。前日から気になっていたセミの鳴き声であったが今回は、やっと確認出来た。オオシマゼミの様であった。見た目はミンミンゼミでもヒグラシでもない、ツクツクを大きくした雰囲気のセミであった。鳴き声が今まで全く聞いた事のない「ミャン・ミャン・ミャン」という感じの不思議な鳴き声の持ち主であった。沖縄北部ではどこにでもいる様である。
途中、地面に黒い甲虫が居たので一瞬ドキッとしながら確認すると下記画像の様な甲虫が居た。
・・・夕暮れが近づいてきた。そろそろ林道探索を本格的に開始しよう。 暫く走り回るが、相変わらずヤンバルマイマイやコオロギなどが多く歩き回っていて非常に迷惑(?)する。黒っぽい物体があると、違うだろうと思っていても「もしかすると...。」と思うと後悔しそうなので、結局全て確認しに行ってしまう。暗くなると落ち葉ですら「それ」に見える。・・・もちろん結果は伴わない。自分の行っている行動にすら「この方法で良いのだろうか?」と不安を感じたり、成果の出ない状態に焦りを感じる。良くも悪くも、他の低速のレンタカーとすれ違うと「確率の勝負だ!」と思い込み林道を進む。 ・・・と、ここまで何のサイトか判らないほどクワガタへの道が遠く感じる。正直な所、奄美大島の時より絶望感は強い。時間だけが過ぎていく。 1時間が過ぎる...。 2時間が過ぎる...。 3時間が過ぎる...。 眠くなってきた...。 ・・・zzz 「ダメだー!ここで寝たら死ぬぞー!耐えろ!耐えるんだ!!」 !! シリケンイモリだった...。
「ダメだ。今回はマジでヤバイ!」“沖縄ボ〜ズ”を本気で受け止め様と思い始めた。 「あぁっ!!」 !!!! 急いで車を降りて確認しに行く。黒光りした個体の様だ!・・・動かない。手にとってみる。
オキナワマルバネ♂であった。生まれて初めて見るクワガタである。黒くツヤのある大きなクワガタで貫禄を感じる。やっと沖縄のやんばるに住むオキナワマルバネに会えた。踏まれて致命傷を受けている様だが、まだ微かに息がある様だ。直前まで生きて歩いていた所を車に踏まれた様である。あともう少し早ければ...。嫌なお約束になりつつあるが、・・・元気な時に会いたかった。
一気にテンションも上がり探索を続けた。諦めなければ何が起こるか分からない! 暫くすると、これまた車に轢かれたクワガタが確認出来た。どうやらオキナワヒラタ♀の様であった。・・・元気な時に会いたかった。
その後も、もう1頭オキナワヒラタ♀の轢死した個体を確認するに止まった。・・・元気な時に会いたかった。
初めての沖縄遠征はまともな個体を確認出来ないまま終了となった。観光もロクにぜず“やんばる”を駆け回ったが、結果は瀕死のオキナワマルバネに会うのが精一杯だった。状態の良い個体を確認する事は出来なかったが、悔しさと言うよりある程度の満足感の方が強かった。決して強がりという訳ではなく、初めての場所でほとんど情報の無い中で最低限の確認が出来ただけでも「ド素人」としては格好付いたと思っている。 今年を振り返って思う事は、経験も情報も無い中で「僅かな可能性や奇跡」を信じ無謀にも各地への遠征も行ってきたが、一度や二度結果が伴わなくとも、まずはフィールドに足を運ぶ事が第一だと感じた。そこで学べる事は非常に大きい。モチベーションとしては「結果は出なくて当然!」という気楽さと「諦めなければ何とかなる!」という信じ込みを自分なりに調合しながら活動を行なえたと思うし、全くの「ド素人」なりにも自分の足で経験した事は微々たる結果かもしれないが、思い切って行動できた事に関しては充実感を感じている。来シーズンもショッパイ採集記になると思うが、結果に焦っても仕方が無いので、自分なりにマイペースな探索が出来ればと思う。
成績:オキナワマルバネ♂×1(瀕死) (確認後、リリース) |