2019.07.31(水)へっぽこ遠征in八重山列島(1日目)
沖縄県・西表島 8:00AM 晴れ時々雨 31℃(蒸し暑い) 同行者:kapiさん

数年振りの南西諸島遠征。以前に比べると、かなり採集規制(禁止)になってしまった離島も多いのだが、今回は“西表島”を選択する事にした。とは言え、南西諸島の多くが世界自然遺産登録を見据えた動きを見せている背景もあり、この西表島も現時点で、かなり敏感になっている島である。事前に採集禁止情報や県や島の条例などを調べてみたが、国有林への立ち入りが規制されている以外は辛うじて問題ない様であるが、標高のある場所への立ち入りや現状の体力の問題もあり、活動範囲は限られてしまうかも知れない。また自身のスタイルとして後々問題にならない様に“写真撮影のみ。個体は持ち帰らない”という流れで探索に望みたい。

沖縄県・西表島
沖縄県・西表島



まずは空港へ...。と、通常の国内離島遠征であれば羽田空港が前提であったが、今回は遅めの航空機チケット手配の関係で成田空港発となってしまった。国内遠征で成田空港というのは、初めてかも知れない。

国内遠征なのに成田空港
国内遠征なのに成田空港



成田空港発になってしまった背景には航空会社の選択によるものである...。個人的に苦手なLCC(ローコストキャリア)になってしまった。「格安航空会社」とは言うものの、値段が安い代わりに不便も多い。因みに成田空港では、駅からターミナルまで徒歩25分と表記されており、さらに苦手意識を持ってしまった...。

LCCは、やっぱり不便...
LCCは、やっぱり不便...



チェックインも諸々別料金が発生してしまい、思う様に事が進まない...。しかも航空会社的にも、あの時の悪夢を思い出してしまう。全て自身が選択しているので、了承済みでありLCCを否定している訳ではないが、個人的には不向きだと感じている。

相性の悪いLCC
相性の悪いLCC



何とか搭乗したのだが、動き出してからの足が鈍い。もしやと思い曲がり角に差し掛かった時、窓から後ろを覗いてみると、久々の“朝の渋滞”であった。なんだか久しぶりの光景であり、少し気持ちが和んだ。

久々の朝の渋滞
久々の朝の渋滞



・・・その後なんとか離陸。・・・朝早かった事もあって、すぐに眠りについてしまった。




3時間ほど仮眠を取り、気が付くと窓の外は蒼い海が広がっていた。これも数年振りの光景であり懐かしさすら覚える。いよいよ南西諸島である。

蒼い海が見えてきた!
蒼い海が見えてきた!



西表島には飛行場が無いので、石垣島を経由する事になる。もはや来る事のない石垣島だと思っていたが、この様な形で訪れるとは思ってもいなかった。・・・しかし、前回も感じたが“新・石垣空港”には未だに違和感を覚える。

新・石垣空港
新・石垣空港



新・石垣空港からタクシーで石垣港へ向う。以前の石垣空港なら10分足らずの距離だと感じていたが、新空港から20分ほど掛かったと思う。以前の空港の方が市街地にも近く便利であったが、これも時代の流れなのだろう。

“カンムリワシ”具志堅用高
“カンムリワシ”具志堅用高



石垣港から西表島まで高速船で渡る事となる。以前にも一度、観光目的で西表島入りした際に利用した事があるのだが、今回は本格的な探索目的なので気持ち的に違うモノを感じる。

石垣港
石垣港




石垣港を出て45分ほどで西表島の大原港に到着する。宿自体は、ここからかなり離れた場所に位置するのだが、レンタカー屋の関係で大原港となった。

西表島、到着!
西表島、到着!



レンタカーを借りた後は、まずは宿のチェックインの為、車を走らせる。お隣の石垣島と違って24時間のスーパーやコンビニも無い長閑な島だと感じる。逆にその多少なりとも感じる不便さが離島の良さだと思っている。

天候は良い
天候は良い



少し走ると、すぐに大きな看板が目に入った。イリオモテヤマネコの注意看板である。確か2008年に訪れた際も確認している看板で、目立つ場所に設置されており、ドライバーとしてはスピードを出し過ぎない様にと、下手な標識よりも効果はあると思う。

イリオモテヤマネコ注意看板
イリオモテヤマネコ注意看板



そのすぐ後に別のイリオモテヤマネコ“とびだし注意”の看板(標識?)が確認できた。その後も車を走らせたが、この看板は島の中では、かなり多く目にする事になる。

イリオモテヤマネコとびだし注意
イリオモテヤマネコとびだし注意



宿にはチェックインしたのだが、夕食や飲み物を買える場所は無いだろうか?と周辺を探してみると、スーパーと呼べるか微妙な個人商店を見つけたので、迷わず入店。都心のスーパーやコンビニと違って、夕暮れ近くなると閉店準備に入り、弁当やおにぎりなどは殆ど存在しない。今回は運良く残っていたサンドウィッチと2リットルの水を購入できたので、これを夕食とする。

地元の商店で夕食を買い込む
地元の商店で夕食を買い込む



・・・探索としては初めての島なので、とにかくポイントを選定しなければならない。国有林に入らない場所探しは容易ではないのだが、なんとか本日の目星を付ける事が出来た。

西表島の夕暮れ
西表島の夕暮れ




夜の帳が下りるのが19時を過ぎるほど明るいのだが、何とか照射を開始する。するとすぐに小さな甲虫らしき虫が多数飛来する。今回も当然、月齢を意識しての遠征であるが、点灯後すぐに飛来する小さな羽虫の数が極端に少ないのが気になる。

小さな甲虫が多数飛来する
小さな甲虫が多数飛来する



少しすると中型のコメツキが飛来する。タイ王国で確認できる様な巨大コメツキとは違うが、オオフタモンウバタマコメツキだろうか?それなりに個体数は飛来する。

中型のコメツキが飛来
中型のコメツキが飛来



それにしても飛来数で圧倒的に多いのはドウガネである。本土との違いは興味がないので判らないが、場所柄、南西亜種なのだろうか?それなりの物量なので羽音や落下音に特徴があるのだが“クワガタでは無い”という事はすぐに理解できる。

ドウガネが多過ぎる...
ドウガネが多過ぎる...



・・・ライト点灯開始して1時間半くらいで、南西諸島特有のスコールに見舞われてしまった。すぐ止むかと思ったのだが、意外と雨足も強く降り続き、虫の飛来数もかなり減ってしまった。


これでは厳しいと暫らく車の中で待機していると、雨足が弱まったので、車から出て周辺をチェックしてみると、雨粒の付いたサキシマヒラタ♀の姿が確認できた。目標としているクワガタは別にあるのだが、とりあえず西表島最初の1頭なので嬉しい。写真を数枚撮り続ける。

西表島・サキシマヒラタ♀
西表島・サキシマヒラタ♀



・・・しかし、雨は完全には降り止まず、虫の飛来は極端に減ってしまった。そんな中、唐突に大型の蛾が飛来した。シンジュサンであった。シンジュサンが飛来するのであれば他の甲虫の飛来も、と期待したのだが、ライトを照射している斜面に霧が発生してしまい、条件的にも厳しくなってしまった...。

西表島・シンジュサン
西表島・シンジュサン



・・・3時間ほどライトトラップを行ったが、結局サキシマヒラタ♀×1頭のみの飛来に終わった。トラップを撤収する。




ライトトラップを終了し、宿に戻ろうと車を走らせると、道路に大きなカメが佇んでいる。見た感じセマルハコガメではない事はすぐに理解できる。本土にも生息しているイシガメの様に窺えるが、場所柄「ヤエヤマイシガメ 」だろうか?

大きなカメが佇んでいる
大きなカメが佇んでいる



その後LED電球ではない外灯も確認していくと、ひっくり返ってもがいているサキシマヒラタ♀の姿が確認できた。因みに先程ライトトラップを行った場所から、この場所までの距離は500メートル程度だが、この周辺は全く路面が濡れてない。やはり南西諸島特有のスコールは、雲の流れ次第の少しの差で状況は大きく異なるのだろう。

外灯下にサキシマヒラタ♀
外灯下にサキシマヒラタ♀



さらに別の外灯でもサキシマヒラタ♀の姿が確認できた。本音を言うとこれがヤエヤマノコギリだったら数段嬉しいのだが、こればかりは自然相手の事なので仕方がない。

さらに別の外灯下にサキシマヒラタ♀
さらに別の外灯下にサキシマヒラタ♀



・・・その後、それ以上のクワガタの姿は確認できず、宿に戻る事になった。




・・・宿の部屋に戻り、寝床に横になる。今回の遠征目的は恥ずかしながらも“幻”と言われてきたヤエヤマコクワの姿を拝みたいと思っているのだが、諸々の事情で現状簡単ではない事は充分理解している。ただ、可能性があるのならチャレンジしてみたい気持ちは失ってないので、明日以降その可能性を信じていきたいと思う。



成績サキシマヒラタ♀×3
(魔琴:撮影のみ。持ち帰りなし)

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