2019.05.31(金)へっぽこ遠征inタイ王国(3日目)
海外・タイ王国 7:00AM 晴れ 35℃(蒸し暑い) 同行者:うしやんさん(タイ王国在住)、kapiさん

タイ王国遠征、3日目の朝。

今朝もセットした目覚ましより早く目が覚めた。窓の外は晴れている。過去のタイ王国遠征でも感じていたのだが、日本に居る時より、このタイ王国に滞在している時の方が、睡眠がより深い気がしている。運動量の違いなのか?食べ物の違いなのか?気候の違いなのか?おそらくその全てがタイ王国の成せる業なのだろう。

3日目は晴れている!
3日目は晴れている!



食堂に向かい朝食をオーダーする。本日も毎度ながらに豚粥「カーオ・トム・ムー」である。何度も登場しているが、私にとってタイ王国“朝の定番”なのである。

豚粥(カーオ・トム・ムー)
豚粥(カーオ・トム・ムー)



朝食後、うしやんさんが何やら撮影しているので確認してみると、指に乗せた大きなカメムシの幼虫であった。名前は判らないが、当然日本では見た事ない大きさである。カメラのテスト兼ねてピントを合わせてみる。

大きなカメムシの幼虫
大きなカメムシの幼虫



昨晩のライトトラップで飛来した“不明ノコギリクワガタ”を一時的にキープしてるのだが、ネットに繋がる環境でうしやんさん、kapiさんと共に検索しても、この時期、この場所で確認できるノコにHITしない...。サイズとしては、ノギスで測ってみると25.1_である。このノコの正体はいったい何者なのだろうか?

結局このノコギリクワガタの正体は・・・
結局このノコギリクワガタの正体は・・・



・・・と、もう一度“不明ノコ”をよく確認しようとケースの蓋を開けた瞬間、“不明ノコ”はこのタイミングを計っていたかの様に飛翔してしまった。この場に居た3名共に「この一瞬で飛ぶの?」と言うくらい絶妙なタイミングであった。知られているクワガタであれば、いつも通りリリースで良いのだが、まだ謎が解明されてなかったので、名前が判るまでもう少し待って欲しかった。・・・幸いにも屋根の比較的低い位置に止まったので、長網で再捕獲する事が出来た。

不明ノコが屋根の上に飛翔...
不明ノコが屋根の上に飛翔...



・・・朝食後、身支度を整えて出発する。




本日は車を使用せず徒歩で周辺を探索する事になった。元々昨晩ライトトラップを行った場所も宿の敷地内であり、“宿がジャングルの中にある”という設定なのである。

ホテルから歩いて探索へ
ホテルから歩いて探索へ



見覚えのあるアリの姿が確認できた。その手の方には有名な「ツムギアリ」である。とにかく凶暴で、この画像を得ようと近付くと、知らない内に足からツムギアリが上ってきて強烈な顎で噛まれる。それを文字で表現するなら「激痛」である。

タイ王国・ツムギアリ
タイ王国・ツムギアリ



探索を続けていくと、今度は見慣れないゾウムシの姿があった。どうやら「ミツギリゾウムシ」というらしい。口吻と呼ばれる部位を見た限り、この個体は♀の様である。

タイ王国・ミツギリゾウムシ♀
タイ王国・ミツギリゾウムシ♀



さらに周辺をチェックしていくと、ここでも「コバルトブルータランチュラ」の巣穴を見つけた。今回で14回目となるタイ王国遠征であるが、今まで意識してなかったのかも知れないが、昨日から本日に掛けていくつかの巣穴を確認している状況から、タイ王国では普通種として存在している様である。因みにこの巣の主は出て来なかった...。

コバルトブルータランチュラの巣穴
コバルトブルータランチュラの巣穴



ふと、近くの葉に目をやると大きな羽アリが佇んでいる。・・・既に片方の翅が落ちている。結婚飛行が終わった後なのだろうか?うしやんさんによると「ツムギアリの女王」と言う。先程も確認しているが過去のタイ王国遠征では、このツムギアリの“働きアリ”に何度も噛まれて、文字通り痛い思いをしてきたが、女王アリを観るのは初めてである。女王らしい神々しいモノを感じた。

タイ王国・ツムギアリの女王
タイ王国・ツムギアリの女王



・・・その他にも多くのタイ王国の昆虫を確認する事が出来たのだが、なかなか良いシャッターチャンスに恵まれなかった。クワガタやカブトムシの姿も確認できないまま時間は過ぎて行き、いつしか昼食タイムとなり宿に戻ることにした。




本日の昼食は「パッ・カパオ・ムサッ」をオーダーする。日本でも有名な“ガパオライス”である。トッピングで目玉焼きを乗せてもらった。お味の方は日本のそれと比べると調味料の違いはあるかも知れないが、概ね変わらないと思う。とても美味しかった。

パッ・カパオ・ムサッ(ガパオライスの豚ひき肉入り)
パッ・カパオ・ムサッ(ガパオライスの豚ひき肉入り)



うしやんさんが追加で「ムー・チャムワン」を頼んでくれた。豚肉とチャムワンという葉を煮込んだものらしい。タイ王国・東部では有名な料理らしく、味としては酸味が印象的であり、辛さは全く感じない。白米とセットだと良いかも知れない。

ムー・チャムワン(豚のチャムワン葉の煮物)
ムー・チャムワン(豚のチャムワン葉の煮物)



食後、網戸にチョウが止まっている。「チビフタオチョウ」らしい。フタオチョウと言えば日本では、沖縄県の天然記念物に指定されており、採集は禁じられている。

タイ王国・チビフタオチョウ
タイ王国・チビフタオチョウ



・・・午前中、歩き回ったせいか、私もkapiさんもバテた感があったので、午後は自由行動という設定になった。


部屋に戻り、まずは昨日同様に下着から上着、ズボンまで汗びっしょりになった状況が気持ち悪いので、シャワーを浴びて汗を流す。更に昨日と本日の汗びっしょりの下着や上着を風呂場で洗濯する事にした。多めに着替えを持ってきたのだが、それ以上に汗を掻いてしまうので着替え分が間に合わないのである。

午後は自由行動
午後は自由行動



採集記用の画像チェックや文章の下書きを行っている内に、それなりに時間が過ぎてしまった。時計代わりに携帯電話を見ると16時30分を回った所であった。因みに日本との時差は2時間であり、日本に居るなら18時30分を回った所になる。たった2時間の時差かも知れないが、アラフィフのオジサンには微妙に時差ボケを感じる。

・・・それにしても私は「docomo」を使用しているのだが、タイ王国では「TRUE-H」というタイの通信事業者に変更されている。この状況下で日本に電話を掛けると1分175円も掛かるのである。なので初日に説明した様な“日本の海外用ポケットWi-Fiレンタル”を利用した方が、日本で支払ったレンタル金額で海外では自由にWi-Fiが使用出来、ネットも繋がり、LINEで無料電話も可能となる。

日本とタイ王国の時差は2時間
日本とタイ王国の時差は2時間




少し仮眠を取ると、辺りは夕暮れを時になっていた。時計を確認すると夕食を約束していた時間だったので、食堂に向かう。

すっかり夕暮れ
すっかり夕暮れ



するとうしやんさんの網の中に小さなタマムシが入っている。もはやこれがタマムシで合ってるのかも判らないが、とりあえず画像を残す事にした。帰国後どなたかに教えて頂ければと思う。

タイ王国・不明タマムシ
タイ王国・不明タマムシ



今晩の夕食は「カーオ・パッ・プー」。意味としては“カーオ(米)・パッ(炒める)・プー(カニ)”となり、所謂“カニ入りチャーハン”である。見た目も味も日本と全く同じで、「アロイ(美味しい)・マーク(とても)」。

カーオ・パッ・プー(カニ入りチャーハン)
カーオ・パッ・プー(カニ入りチャーハン)



更に日本でも有名な「トム・ヤム・クン」もオーダーする。これも意味は“トム(煮る)・ヤム(混ぜる)・クン(エビ)”になる。基本、酸味と多少の辛味が印象的なスープである。確か“世界三大スープ”と呼ばれる内の1つで、残りは「ふかひれスープ」と「ブイヤベース」だったと思う。

トム・ヤム・クン
トム・ヤム・クン



・・・夕食後は昨晩同様、ライトトラップに向かう事にした。




目的地到着後、HIDハンディライトを設置する。いつもながらに5分程度でセッティングが終了する、非常に重宝する灯火セットである。

HIDハンディライトを設置
HIDハンディライトを設置



夜の帳も下りているのですぐに照射開始!はたして本日は昨晩の様な未知なるクワガタの飛来はあるのだろうか?この様な異国というシチュエーションが堪らなく楽しい!

太陽拳!
太陽拳!



照射直後、昨晩と違って大きな羽アリは飛来しない。変わりに今晩は開始後すぐに大型の蛾が飛来してくる。たった1日の差でこうも違うのだろうか?月齢、天候、湿度など虫にとって24時間違うだけでも状況は異なるのかも知れない。

いきなり大型の蛾が飛来
いきなり大型の蛾が飛来



kapiさんが「魔琴さん、コレ何?」と言うので、確認してみると大きな「クロツヤムシ」であった。見た目はチビクワガタに似ているが、クワガタではない。しかし成虫が幼虫を養うという生態からチビクワガタ属に近いといわれる不思議な虫である。

タイ王国・クロツヤムシ
タイ王国・クロツヤムシ



暫らくすると、大型甲虫の羽音が聞こえたので慌てて確認してみると、アトラスオオカブト♂であった。過去のタイ王国遠征では小型の個体を何度も確認しているが、ここまで大型になるとコーカサスとの角の特徴の差がハッキリと判るので美しい。

タイ王国・アトラスオオカブト♂
タイ王国・アトラスオオカブト♂



更にその後、本日もサイカブト♂が飛来した。タイ王国のサイカブトは市街地でもヒメカブト同様、外灯下でそれなりに確認できる。

タイ王国・サイカブト♂
タイ王国・サイカブト♂


・・・その後、甲虫の飛来はピタリと止まってしまった。白布を敷いてるのだが、それよりも少し離れた場所に個体が着地しているパターンもあるので、LEDライト片手に周辺を見回っていく。するとサソリモドキが確認できた。何度かこのタイ王国でサソリモドキを観て来たが、日本の南西諸島や八丈島に生息している個体よりも半分以下のサイズばかりで、かなり小さい。

タイ王国・サソリモドキ
タイ王国・サソリモドキ



過去のタイ王国遠征ライトトラップ時にも気になっていたのだが、大きな特徴的な蛾が今回も飛来した。正確には判らないのだが、どうやらボクトウガの仲間らしい。

タイ王国・ボクトウガの仲間?
タイ王国・ボクトウガの仲間?



近くに何かが飛来したので期待して確認してみると、セミであった。これが過去何度か飛来している強大な「テイオウゼミ」だとまた違った印象を受けるのだが、今回のライトトラップで飛来したセミはこの1頭だけであった。因みに腹側はエメラルドグリーンでは無かった...。

タイ王国・不明セミ
タイ王国・不明セミ



・・・正直、本日は昨晩と違って全体的に虫の飛びが悪かった。昨晩の“不明ノコギリクワガタ”の追加個体を期待したのだが、今晩はクワガタ自体の飛来が無かった。




ライトトラップの機材をて撤収し、宿に戻る。するとフロントのスタッフが「外灯に飛来した。」と言って、大きなコーカサスオオカブト♂とアトラスオオカブト♀を出してきた。本日ライトトラップを行った場所は宿の敷地内であり、そこから宿まで直線距離で200メートル程だと思われる。結局は同じ山から飛来している訳で、それが宿の明かりか、ライトトラップへの飛来かの違いなのだが、可能であれば、この大型のコーカサスオカブト♂の爆音に近いの羽音を久しぶりに聞いてみたかった。とりあえずコーカサスとアトラスを並べて記念撮影を行った後、個体はリリースした。

左:コーカサスオオカブト♂_右:アトラスオオカブト♂
左:コーカサスオオカブト♂_右:アトラスオオカブト♂



部屋に戻り、まずはまた大汗掻いたのでシャワーで汗を流す。その後、小腹が減ったので毎回遠征する度にセーウェン(セブンイレブン)で購入している、小さなソーセージの入ったパンを夜食代わりに少し食べる。これは美味しく長年定番として残っている。

セーウェンで購入した夜食
セーウェンで購入した夜食




・・・その後、本日の採集記の下書きをまとめ、明日に備え早めの就寝とする。

・・・明日はタイ王国遠征、最終日。時間の関係で探索は難しいかも知れないが、帰りの便までタイ王国を満喫したい ...zzz



成績コーカサスオオカブト♂×1 アトラスオオカブト♂×1 ♀×1 サイカブト♂×1
(確認後、全てリリース)

4日日へ

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